NO.2997 最新鋭MT-4000形に初乗車、全線運行再開後の南阿蘇鉄道高森線乗車記録(前編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 画像1にあります熊本県南阿蘇村の立野駅から、高森町の高森駅を結びます南阿蘇鉄道高森線は、全長17.7キロの中に10駅が設けられておりまして、普段は学生さんや通勤される方の姿が、週末や祝日には多くの観光客も見られているなど、様々な姿が見られております。

 

 この区間は、阿蘇山の五岳と外輪山の間を運行する事もありまして、海抜も500メートルを超えた地域を運行されております。この中には、画像2・後述にもあります立野橋梁や、同じく後述の第一白川橋梁と言った所を渡る際には地面よりも非常に高い所を通りますので、それだけ高い地域を運行している印象を感じさせられるのではないかと思います。

 

 そんな高森線は、平成28年に発生しました「熊本地震」におきまして、西側を中心に大きな被害を受けておりましたが、昨年7月に全線で運行を再開しておりまして、それとともに朝2往復におきましてJR豊肥線との直通運転も開始しております。

 

 その再開に伴いまして導入されましたのが、画像2・以下画像にも見られますMT-4000形気動車でありまして、現在2両が稼働しております。今後このほど導入されました2両を加えまして4両でこの高森線・JR豊肥線の肥後大津~立野間を運行する事になりまして、主力車両としての地位を見せるようにもなるようであります。

 

 そのMT-4000形気動車の増備車が導入されるきっかけとなりましたのが、画像のMT-2000形気動車2003A号、MT-3000形気動車3001号の引退であります。このうちMT-2000形気動車2003Aに関しましては昭和61年の南阿蘇鉄道開業当初から在籍している気動車でありまして、平成12年に2軸駆動改造する事で台車・変速機・ブレーキなどを交換しまして新たに車両番号にに「A」を加えております。しかし、そんな2両も置き換えの時期に入った事で、新たな車両が入った事で引退へと至っております。

 

 (MT-2000形気動車2003A号)

 

 (MT-3000形気動車3001号)

 

 

 その2形式気動車の最終運行が、去る2月12日に行われましたが、今回私自身も足を運びました。今回からはその南阿蘇鉄道に関しました話題を数回にわたりましてご紹介してまいりますが、今回と次回では最新型車両のMT-4000形気動車に乗車しまして、立野駅から高森駅までの乗車の模様をご紹介しますが、前編となります今回は熊本駅から立野駅までJR乗車時、そして立野駅から南阿蘇水の生まれる里白水高原駅までの模様を皆様にご紹介してまいります。

 

 

 今回は、行程上の時間帯で肥後大津→立野間で普通列車の運行がありませんでしたので、上の画像・以下画像のキハ185系気動車で運行します特急「あそ1号」に乗車しまして立野駅へと向かいます。

 

 「あそ1号」の車内です。画像は1号車(指定席)でありますが、乗車率も自由席も合わせまして30%程度でありました。ちなみに、同じキハ185系気動車で運行されております特急「ゆふ」ではインバウンド客が多く見られる事から3両以上で運行される機会が多いですが、「あそ」、同じく豊肥線特急の「九州横断特急」では2両で運行される機会が多いようではあります。

 

 

 熊本駅から40分少々、「あそ1号」は立野駅にやってまいります。駅の手前ではスイッチバックの引き上げ線が見えてまいりまして、ここで立野駅にやって来た事がわかります。

 

 そして、南阿蘇鉄道の線路の転轍機の所、そして留置線がある所を経まして、立野駅に入ってまいります。それにしても、現在は後述のようにJRの線路とつながった所もありますので必要がないのでは?とも思う所ではありますが、「マヤ検」時やKT-4000形気動車増備車の甲種時にもその転轍機を使用しまして南阿蘇鉄道の線路に入線しておりまして、細かな所ではまだ必要である事が伺わせております。

 

 (奥3本が南阿蘇鉄道の線路になります)

 

 

 12時34分、「あそ1号」は立野駅2番ホームに到着しまして、これから先述のスイッチバックの引き上げ線へ向けて上って行く事にもなります。その下の画像の時点では、運転士の方が2号車にやってきておりまして、わずかの間2号車が先頭で動く事にもなります。

 

 そして12時37分、「あそ1号」はスイッチバックの引き上げ線へ向けて上って行きました。上って行く際には、先述の立野駅手前に見えておりました線路に移りまして引き上げて行きまして、この後向きを変えまして、さらに赤水駅方面へ向けて上って行く事になります。それにしても、標高差が約190メートルあるとの事で、となりますとスイッチバックの意味もわかるのではないでしょうか。

 

 (引き上げ線へ)

 

 

 さて、この後南阿蘇鉄道の立野駅へと向かいます。この駅の東側には南阿蘇鉄道高森線と線路がつながっておりまして、一日上下各2本その線路を通っております。そんな線路の上り線の所にあります構内踏切をその後に渡りまして、立野駅の南阿蘇鉄道ホームへ向かう事にもなります。

 

 (奥に見える踏切が構内踏切)

 

 (踏切を渡りまして立野駅駅舎へ)

 

 この後、高森行きの列車に乗車します。今回の使用車両はMT-4000形気動車MT-4002号でありましたが、高森駅までは9駅先の行程ともなります。

 

 (MT-4002号)~乗車時は収められませんでしたので、降車時に収めております

 

 

 12時42分、高森行きは立野駅南阿蘇鉄道ホームを発ちました。進行方向右側には、先述のJRとの亘り線が見られますが、その亘り線と信号の先で一緒になりまして、高森駅方面へと向かって行く事にもなります。

 

 所で、進行方向左側には、「熊本地震」によって被害があった所を見る事ができました。ちょうど画像中央の部分では土砂崩れがあった事を伺わせておりますが、ちょうどその下には豊肥線や国道57号線にあたる部分でありますが、実際にその場所などで被害があった事がわかる部分でもあります。

 

 

 立野駅を発ちまして1分少々、上の画像2にもあります「立野橋梁」にやってまいりました。ここで運転士の方が橋梁下の案内を行うために徐行運転を行います。

 

 (橋の中央)

 

 この橋の下には、「立野ダム」の工事が進行しておりました。このダムの姿も、以前から拝見しておりましたが、いつの間にかここまで進行していた事には驚きではなかったでしょうか。

 

 この後、「立野ダム」の横を列車は通過します。この区間に関しましては「熊本地震」前の10数年前に通って以来でしたので、それからしますと大きく様変わりしていた事がわかる姿でもありました。

 

 

 この後、新しくなりました「第一白川橋梁」を渡りますが、ここでも列車は徐行します。この時の運転士の方曰く、高さが64.5メートルあるそうでありまして、下を見ますと白川の流れを目にする事ができておりました。ちなみに、この2月には「立野ダム」の試験湛水も行われておりまして、それによりまして下部が水没するほど水が溜まっていたのが記憶に新しい所ではあります。

 

 (橋梁より白川を望みます)

 

 この橋梁からは2つの橋の姿を望む事ができておりますが、上から阿蘇大橋・阿蘇長陽大橋と橋を見る事ができます。これらも平成28年の「熊本地震」で被害にあった橋でしたが、平成29年に阿蘇長陽大橋が復旧、そして令和3年に新たな阿蘇大橋が開通しまして現在に至っております。

 

 これら姿を見るために、私を含めました乗客の方々も身を乗り出す姿が見られておりました。この後も運転士の方によります案内があるたびにそのような姿が見られておりましたが、それだけ観光にも特化した鉄道に生まれ変わろうとする印象さえも感じさせられる姿でもありましょうか。

 

 この「第一白川橋梁」を渡りますと、約903メートルに及びます戸下トンネルに入ります。尚、このトンネルが高森線では唯一のトンネルとなっておりまして、その案内ももちろん行っておりました。

 

 

 さらに、トンネルを抜けましても白川の姿がありましたが、こちらも運転士の方曰く、先日(訪問時)川にイノシシの姿が日中見られたそうでありまして、まさに自然の中にある鉄道ゆえの所が見られていたようにも思います。

 

 

 それらを過ぎますと、すっきりしたような所を通って行きます。この部分では踏切もありませんし、まっすぐしていますので、より走りやすいと言う印象でもありましょうか・・・。

 

 

 そして、8分かけまして長陽駅にやってまいりました。ここでは画像はありませんが(後日復路時紹介)、駅にあります陽気な喫茶店の方が出迎えてもいまして、観光客に優しい面も見られておりました。尚、この後も各駅におきまして、様々な出迎えの姿を見る事にもなります・・・。

 

 (長陽駅運賃表)

 

 

 長陽駅を出ますと、次は加勢駅へと向かいます。加勢駅までは約1キロしか距離がありませんので、長陽駅から約2分ほどで着く事ができます。

 

 (加勢駅運賃表)

 

 加勢駅にやってまいりました。画像のように1面1線の線路配置となっておりますが、このホームには、漫画「ワンピース」にも登場していた「キャロット」のパネルの姿が見られておりまして、リュックをしょっていますので、どこかに旅に行っていると言う設定でもありましょうか・・・?

 

 (「キャロット」のパネル)

 

 

 次の駅は、阿蘇下田城駅であります。元々は「阿蘇下田」→「阿蘇下田城ふれあい温泉」と言う駅名でありましたが、「熊本地震」で温泉施設に被害が発生した事で温泉施設は閉館しましたが、令和5年7月の復旧で「阿蘇下田城」として駅名を改称しまして営業再開に至っておりました。

 

 (ホーム)

 

 そんなこの駅のホームも、上の画像にもありますように1面1線の片面ホームでありますが、そんなこの駅ではあるものが出迎えてくれておりまして、ユニークな面を見せております。

 

 それが、歓迎ロボットでありまして、地元の方が作ったロボットでもあります。列車が到着しますと、歓迎ロボットが作動しまして、画像のように「歓迎」と書かれたうちわを使って踊る姿が見られておりました。

 

 ちなみに、頭の部分は任天堂の「ファミリーコンピューター(ファミコン)本体でありました。私自身も、ウチにその「ファミコン」を持っておりましたので、小さい頃よく遊んでいたものを頭にするとは、なかなかユニークとしてしか言えようがありませんでしょうか・・・・。

 

 これらを見るために、こちら車内では向きを変えまして見る方がいらっしゃいました。それほど物珍しい所もあるようですが、それだけ乗客に関心を持てればいいのかなとも思う所でしょうか。

 

 

 阿蘇下田城駅を出ますと、この日は天気自体も良かったですから、気持ちがいい姿も拝見する事ができました。特に以下画像のように外輪山の姿がより美しいと思う所ではありますが、それだけ阿蘇地区は山に関わらないといけない事もわかる姿でもありましょうか。

 

 

 そして、阿蘇下田城駅の次の駅であります、「南阿蘇水の生まれる里白水高原」駅にやってまいりました。この駅は、元々は「日本一長い駅名」でもありましたが、他の駅に明け渡したため日本一では無くなりましたが、それでもここ九州では一番長い駅名として現在に至っております。

 

 (駅舎)

 

 

 今回は、以下画像のMT-4000形気動車に乗車しましての南阿蘇鉄道高森線の乗車記録の模様をご紹介しましたが、全線運行再開しまして初めての乗車でもありましたので、新しい車両の姿や復旧した姿も拝見できて良かったとも思っております。それにしても、各駅ユニークな面が見られていた所も、この南阿蘇への観光に特化している部分があるからでもありましょうか。それが今回ありましたように、乗客の方々が窓の所にまでに身を寄せるような姿にまでつながっているようにも思う所でもありましょうか。次回後編では、高森駅までの模様をご紹介する予定でもありますので、次回もご覧になっていただきたいと思っております。