番外 現在の「しろめぐりん」の前身、元「熊本城直行シャトルバス」のレトロ調いすゞジャーニーQ2台 | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

  ご覧の皆様もご存知の方はいらっしゃるのではないかと思いますが、熊本のシンボルでもあります「熊本城」といいますと、平成28年4月に発生しました「熊本地震」によりまして大きな被害を受けておりまして、城内にあります天守閣やお濠などが崩れる被害を受けていたことは記憶に新しい事ではないかと思います。

 

 特に、4月16日に発生しました「本震」では、天守閣の上にありますしゃちほこが落下しましたし、瓦もほとんどが落下してしまうなど、それほど「熊本地震」の恐ろしさを痛感させる姿ではなかったかと思います。

 

 私も、地震1か月後の平成28年5月に足を運んでおりましたが、地震で崩れた姿は本当に惨めかつひどい姿であったと言う印象でもあった事を覚えております。現在は、上の画像2のように天守閣に関しましては復旧工事が終わって元の天守閣には戻っておりますが、それ以外の石垣等に関しましては復旧工事自体は進んでいるとは言いましても完全復旧までの道のりは正直まだまだでもあります。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、熊本城内へ運行します、以下画像の周遊バス「しろめぐりん」に関しましてご紹介しますが、かつては専用車に後述の車も存在しておりましたので、それらを中心に皆様にはご紹介してまいります。

 

 現在、熊本市内(熊本駅・桜町バスターミナル方面)から熊本城へ最も運行されております路線バスと言いますと、画像の熊本都市バスが運行します熊本城周遊バス「しろめぐりん」が最も知られておりまして、画像の日野ポンチョで運行の上、大人180円・子供90円で利用する事ができております。

 

 (熊本200か・480、ADG-HX6JLAE)

 

 (熊本200か・558、ADG-HX6JLAE)

 

 (熊本200か・846、BDG-HX6JLAE)

 

 また、「しろめぐりん」には日野ポンチョのEVバス(熊本200あ・504、SKG-HX9JLBE)も令和2年より運行されております。この車は鹿児島県徳之島の事業者(徳之島総合陸運)からの移籍車との事でありますが、既存の「しろめぐりん」とともに運行されてもいまして、従来の車体とは違いまして、黄色い車体がより目立っていいのではないかとも思います。

 
 
 そんなこの熊本城周遊バス「しろめぐりん」は、前身が熊本市交通局(熊本市営バス)で運行されておりました熊本城直行シャトルバスにおきまして、とおりゃんせ」と「むさしの2台の車による周遊バスが平成4年から運行されていたのが始まりとされておりまして、平成18年に民間事業者による委譲を目的に旧熊本市営バスから九州産交バスに移管されまして、その際に「しろめぐりん」と言う名称の車が登場しまして、車両も上の画像の日野ポンチョによる運行となっておりました。
 

 しかし、平成23年10月に九州産交バスから、開業しまして2年を経過しておりました、熊本市交通局から民間の事業者となっておりました熊本都市バスに再び移管される事になりまして、以降現在まで熊本都市バスの路線として「しろめぐりん」は運行されておりまして、現在に至っております。
 
 (平成24年撮影)

イメージ 3

 

 

 さて、この「しろめぐりん」には、日野ポンチョ以外にも車両が存在しておりまして、それが以下画像のいすゞジャーニーQ(熊本22か26-74、U-MR132D改)も存在しておりました。
 
 (平成24年撮影)
イメージ 2
イメージ 3

 

 

 このいすゞジャーニーQこそ、「熊本城直行シャトルバス」として存在していた車でありまして、元々旧熊本市営バスに所有していた車でもありまして、名称も「とおりゃんせ」・「むさし」という名称でもありまして、日本宝くじ協会の助成を受けて導入されておりました(そのため「宝くじ号」とも表示されていました)。しかし、平成18年に運行会社が九州産交バスに変わりまして、名称も「しろめぐりん」となりまして、日野ポンチョが上の画像のデザインであったのに対しまして、元「とおりゃんせ」・「むさし」は後述の緑地の塗装のままで熊本城周辺を運行されておりました。

 その後、元「とおりゃんせ」に関しましては熊本都市バスに移管されましてからは上の画像・以下画像のように緑地の塗装から白地の塗装に変更されておりまして、予備車扱いではありましたが、デザインからも日野ポンチョに一歩近づいた形に変わっておりました。

 

 実際に、この車に関しましては北村製作所で架装されたものでもありましたが、つくりからしてレトロタイプの車であった事が伺わせております。よく見ますと、リア部の姿が昔の路面電車のようなテールランプであった事が印象的ではなかったでしょうか。

イメージ 4

 

 実はこの元「とおりゃんせ」は、旧熊本市営バス時代に新製配置されたのがこの撮影場所の本山営業所でありました。その後上熊本営業所に転属、そして九州産交バスへと進んでおりましたが、平成23年10月に熊本都市バスに移籍しまして19年経過しての「里帰り」となっておりました。しかし、その後新たな「しろめぐりん」専用車であります日野ポンチョが導入されまして、残念ながらこの車は廃車となっております。

 

 
 一方、もう1台の「むさし」に関しましては、九州産交バス移管後も「しろめぐりん」予備車としてしばらく存在しておりましたが、残念ながらその後廃車登録されておりまして、九州産交バス熊本営業所(西部車庫)の横にあります九州産交系の自動車整備工場・中古車センターの片隅にに置かれておりました。
 
 (平成24年撮影)
 
 この塗装こそ、かつての「熊本城直行シャトルバス」時代からの名残を見せていたものでもありまして、先述の「とおりゃんせ」もその塗装でもありましたが、この車に関しましても、最後の画像にありますように後部に「むさし」と言うパネルが取り付けられていた事や、テールランプの姿からも昔の路面電車らしいようなレトロ調な仕様であった事を伺えるような姿ではなかったかと思います。
 
 そんなこの車の廃車時期に関しましては、平成19年頃に廃車となったようでありました。この撮影時には約5年経過していたようではありましたが、車体も色あせては来ているものの状態は若干の錆が見られる程度で、そこまで老朽化は感じられないような姿であったほどでした。
 
 それでも、「産交バス」の下に消えていた熊本市営の文字が浮かんでいた事がわかりますが、これもかつては旧熊本市営バスに所有していた事を表す証しにもなっておりましたので、かつての姿がうっすらではあるもののわかっていいのではないかと思う所です。ちなみに、この車に関しましても日本宝くじ協会の助成を受けて導入されていましたので、下に「日本宝くじ協会」と表示されていた事がわかります。

 

 

 その後、この車はこの地から撤去されておりまして、現在この車の姿は見られなくなりました。実際廃車となりましてからは10年ほどにわたりましてこの地で見られてもいたほどでもありましたが、その名残さえ見られなくなった事もまさに過去の姿となってしまった事を伺わせているようにも思います。
 
 
 今回は、熊本都市バス運行「しろめぐりん」の前身でした「熊本城直行シャトルバス」の元専用車2台をご紹介しましたが、「とおりゃんせ」に関しましては「しろめぐりん」の予備車で全う、「むさし」に関しましては九州産交バス移管後に全うという事で、廃車歴も違う事からまさに明暗が分かれた形でもあった事が残念でしょうか。私自身も、「熊本城直行シャトルバス」時代にこれら2台中1台に乗車歴がありましたが、画像は収めていない分悔やまれる所ではありましたが、ご覧の皆様もこれら車に乗車歴がある方は偲んでいただくとともに、乗車歴がない方もこういった車が存在していた事を存じていただければとも思います。