当ブログでは、NO.2976からNO.2981までの4回にわたりまして、長崎線の令和4年の9月改正によりまして非電化区間となりました各駅探訪(肥前浜~諫早間)に関しましてご紹介しておりました。
長崎線は、西九州新幹線開業に伴いまして、江北~諫早間が佐賀県・長崎県が管轄します「上下分離区間」となりましたが、それとともに肥前浜駅以南が非電化されておりまして、非電化から1年以上経過しました今では上の画像のように架線が撤去されました駅(画像1・小長井駅、画像2・長里駅)も見られております。
そう言った事から、江北~肥前浜~諫早~長崎間では、以下画像にあります佐世保車両センター所属のキハ47形気動車が運行される路線に変わっておりまして、それ以外の区間(小長井~諫早~長崎間)でも、YC1系気動車が運行される路線にも変わっておりまして、それによりまして運行形態も大きく変わるに至っております。
特に、キハ47形気動車が主に運行されます肥前浜~諫早間は、使用車両がいずれも昭和50年代に製造されましたいわゆる「40年戦士」となっておりまして、さらに空気ばね台車を使用します3500番台・4500番台計4両がいずれも昭和54年製と言う事で、今年で45年になりますが、それでも引き続き活躍の場が見られております(画像3・4(車内)がキハ47 3509)。
この運行区間も、「有明線」とも称される事からもわかりますように、画像の有明海沿いを運行する事もありまして、画像のような光景も見られております。特に、島原半島の姿も見られておりまして、諫早方面に近くなるごとによりその姿が見られておりますので、天候がいい日にはより眺めもいいのではないかとも思う所ではあります。
(多良~肥前大浦間)
(長里~湯江間)
さて、今回ご紹介しますのは、気動車化にもかかわらず肥前浜~諫早間の普通列車平均所要時間も7分短縮されるに至っております。今回は昨年3月改正と令和4年9月改正前の時刻を参考にしながら皆様にご紹介してまいります。
この所要時間短縮の一番の要因と言いますと、やはり特急列車の廃止が関わっていると言ってもいいかと思います。令和4年9月改正前までは、以下画像の787系電車・885系電車運行の特急「かもめ」が運行されていたこの路線ではありましたが、この特急列車、そして普通列車の行き合いのため、1分以上は停車しないといけなかった所も見られておりましたので、そういった解消が見られている事は非常に大きい事であると言ってもいいのではないでしょうか。
(787系電車「かもめ」)~湯江駅にて
(885系電車「かもめ」)~東諌早駅にて
ここからは、令和4年9月改正前の時刻をご紹介します。改正前の時点では、以下の表からもわかりますように、肥前浜~諫早間では下り6本・上り7本が運行されておりました。
【下り】
2821M 肥前浜5:18→諫早6:15(57)
2823M 肥前浜6:12→諫早7:18(66)
2825M 肥前浜7:49→諫早8:44(55)
2851M 肥前浜13:29→諫早14:45(76)
2861M 肥前浜17:22→諫早18:48(86)
2865M 肥前浜18:24→諫早19:39(75)
【上り】
2836M 諫早6:32→肥前浜7:40(68)
2840M 諫早7:06→肥前浜8:04(58)
2846M 諫早7:54→肥前浜9:03(69)
2860M 諫早13:17→肥前浜14:28(71)
2870M 諫早16:19→肥前浜17:31(72)
2836M 諫早17:22→肥前浜18:34(72)
2888M 諫早22:50→肥前浜23:44(54)
この時刻表からもわかりますように、以下画像の817系・415系各電車での運行でもありましたので、最速では54分(2888M)となっておりますが、それ以外ではほとんどが70分超えが多く見られております。このうち、2861Mに関しましては86分(1時間26分)もかかっておりまして、それだけ各駅で行き合いが行われていた事も伺えるのではないかとも思う所ではあります。尚、当時の平均所要時間は約1時間08分と特急・普通行き合いの影響が見られていた事も伺わせております。
(817系電車、2861M(当時))
(415系電車、2836M(当時))
そして、現在(令和5年3月改正)のこの区間の時刻です。改正に伴いましてこの区間では1往復増発しておりまして、下り7本・上り8本が運行されております。尚、時刻の右側には行き合い駅も記しております。
【下り】
2125D 肥前浜5:32→諫早6:34(62)多良
2129D 肥前浜6:08→諫早7:20(72)多良・湯江・肥前長田
2135D 肥前浜7:48→諫早8:50(62)肥前飯田・小長井
2147D 肥前浜13:58→諫早14:57(59)
2151D 肥前浜16:26→諫早17:25(59)肥前大浦
2153D 肥前浜17:20→諫早18:20(60)長里
2157D 肥前浜18:10→諫早19:10(60)多良・小江
【上り】
2128D 諫早6:35→肥前浜7:36(61)
2132D 諫早7:04→肥前浜8:06(62)肥前飯田
2136D 諫早7:56→肥前浜8:57(61)小長井
2146D 諫早12:52→肥前浜13:52(60)
2148D 諫早16:15→肥前浜17:14(59)肥前大浦
2152D 諫早17:34→肥前浜18:38(64)多良
2164D 諫早19:41→肥前浜20:41(60)
2174D 諫早22:38→肥前浜23:39(61)
この時刻からも、気動車化に伴いまして表定速度は遅くなっておりますが、それでも行き合い駅が列車によりましてはない駅もありましたり、あってもほとんどの駅で1駅もしくは2駅程度である事もわかります(最も遅い列車が2129Dの1時間12分で行き合い駅も3駅です)。そう言った事から平均所要時間も約1時間01分まで短縮されておりまして、特急列車が運行されていた頃としますと所要時間もほとんどが短くなっている事もわかるのではないでしょうか。
実際に、これまで使用されていた駅・信号場にも変化が見られておりまして、以下画像の里信号場・土井崎信号場では現在は普通列車の行き合いが行われておらず、このうち土井崎信号場に関しましては基本的に折り返す事ができない小長井駅の発着列車の折り返しで使用される程度となっておりますし、
(里信号場)
(土井崎信号場)~架線がありません
以下画像の東諌早駅が改正以降2番ホームが使用不可となっております。こういう所こそ特急列車が運行されないしわ寄せが出ている事もわかるのではないかとも思います。
今回は、平均所要時間も7分短縮されました、肥前浜~諫早間の普通列車に関しましてご紹介しましたが、やはり電車から気動車化と言うだけでもランクを落としたような印象は正直否めない所ではないかとは思います。それでも、普段運行されている特急列車が、下りのみ運行します「ふたつ星4047」のみとなりました今となりましてはそれだけ行き合い時間も短くする事もできている訳でもありますので、それだけ平均所要時間も短くなる要因につながっているようです。やはり、行き合いがないと言うのも本数が少ないゆえの所ではありますが、それでも早くは行けていますので、これからも引き続きの利用を望みたい所ではあります。