3月の頭から自宅での緩和ケアに入った父。
私もできるだけ、
実家に通って顔を見せるようにしてきたのですが、
母の用事を済ませるために
平日に、訪問看護の方が来る時に立ち会うことが
何度かありました。
私は、介護や医療のことに全く詳しくないので
「ヘルパーさん」「訪問医療」という言葉は
知っていても、
なんとなくのイメージしか持っていませんでした。
それが、父のおかげで
一言に「訪問介護」「訪問医療」といっても
本当に色々な職業があるんだということを
はじめて知ったのです。
訪問医、訪問看護師、訪問薬剤師、
ケアマネージャー、ヘルパー、作業療法士…。
訪問薬剤師なんて職業もはじめて聞きましたし、
リハビリもヘルパーさんがするのだと
思っていました。
リハビリの方は
リラクゼーションのためのマッサージもされていて、
歩く練習のイメージだったので
これまたはじめて知ることばかり。
介護用品を手配するのも違う会社だし、
レンタルと購入とどちらもあるし、
介護保険でオムツの支給があるのも知らないし、
65歳以上じゃないと受けられないサービスもある。
亡くなった後も、
枕飾りを持ってきてくれる人
送り人的なことをしてくれる人
葬儀社の中でも役割がありました。
湯灌の儀という、最後のお風呂みたいなものもできて、
父は亡くなってから葬儀までの一週間も自宅にいたので
その間、ケアに来てくれる方がいたり。
きっとほとんどは病院で完結することが
自宅だからこそ、知ることができたのだと思います。
介護や医療の現場は、
本当に色んな職業から成り立っているのだと
父を通して、知ることができました。
こんなにたくさんの人が
父の「最期まで自宅にいたい」という気持ちを
尊重して、
それぞれができることをしてくださっている。
在宅での看取りって
大変なことも多いけれど
本当に感謝にあふれた日々だったなと思います。
ただ、母は、
「在宅での看取りって素敵だなと思ったけど
やっぱり、配偶者だからできるよね」
と言っていました。
本人がいくら望んでも、
子供が仕事をしていたりして、
現実として希望通りにならないこともあるんだろうなと
思います。
だからこそ、父は幸せだったんだなと
改めて思うことができました。