寿建設 社長ブログ

寿建設 社長ブログ

福島県福島市にある建設会社です。
会社や現場の取り組み、
日々の仕事や取り組みの中での
エピソードや思うことを綴ります。

スマートフォンで写真を整理していたら、自分でも「ええっ!」と驚くほどの一枚を見つけた。

それが、こちらの写真である。

ここではサイズに限りがあるため伝わりにくいかもしれないが、拡大してみると我ながらなかなか素晴らしい。

 

去年の11月、宮城県の牡鹿半島を訪れた際に撮影した海だ。 

水平線のすべてが真っ白に反射しており、空と海が鮮やかに分かれている。その光景は、世界をスパッと二分したような鋭ささえ感じさせる。

 

最近の世の中は、なんだかファジーで曖昧なことばかりだが、この水平線を見ていると不思議と心が洗われる。ふと「竹を割ったような」という慣用句が頭をよぎった。

 

理屈ではなく、こんなふうに潔く生きていたい。そう思わされた一枚だった。

 

以上!

人は謎を解くのが好きである。

その最たるものが、殺人や盗難などの事件を論理的な推論で解き明かす「推理小説(ミステリー)」だろう。私も中学生の頃から好んで読んでおり、今でも月に数冊は手に取っている。

 

最近は本の中に留まらず、地域に来て歩いてもらったり鉄道を利用してもらうための手段としても「謎解き」が使われている。

事前に仕込まれた「謎」が記載されたパンフレットなどを片手に「謎」の答えを探しながら現地を回ってもらうという仕掛けで、人間の知的好奇心を巧みに利用した手法といえる。

調べてみると、そうした「謎解き」系イベントをまとめたサイトがあって、その数がなかなかすごかった。

(以下参照)

謎解き・脱出ゲーム検索サイト | ナゾヒロバ

 

さらに最近知ったのだが、この手法を「商品の購入」に結びつけているユニークな事例があるという。しかも、それが「服屋」なのだ。

服のデザインそのものが謎解きになっており、その謎を解いた者だけが購入権を得られるのだという。

一見すると奇抜なアイデアだが、購買意欲をくすぐるという意味では非常に理にかなっている。

 

詳しくは以下。

TOKIQIL | トキキル

 

いやー、実に面白い。私は服屋へ行ったり服を選んだりするのが非常に苦手なのだが、そんな仕掛けがあるのなら「行ってみたい」と思ってしまう。まさに、その心理を突いているのだ。

 

他にもないかと調べてみると、「謎解きカフェ」があって、すでに5店舗までに拡大しているではないか。

東京・横浜・大阪の謎解きカフェ はてな珈琲店

 

これは、一つのビジネスモデルである。

以前、人にある行動を起こさせるきっかけを作る「仕掛(しかけ)学」というのを紹介したが(以下参照)、「謎解き」はまさにその典型だ。

つい、試しちゃう | 寿建設 社長ブログ

 

これは何かに応用しない手はない。

こういう発想で、建設業界に興味を持っていただくことは可能ではないだろうか。

妄想していたところちょっと面白いアイデアが湧いたので、検討したいと思う。

何度か書いている通り、最近ラジオの魅力にはまっている。今まで知らなかった世界や、普段は興味を持たない分野に触れられる素晴らしいツールであることを57歳にして初めて知り、今では車中で常に耳を傾けている。
先日、また新たな学びがあった。言語学者の窪園春夫氏が、著書『数字とことばの不思議な話』の中で綴られた以下の言葉である。

 

知識が増えれば増えるほど、疑問も増えていきます。しかし、疑問が増えるということはけっして嫌なことではありません。「わからない」というのは嫌だと思う人も多いかもしれませんが、疑問を持つということは,「わからないことがわかっている」ということです。「無知を知る」ということは実は愉快なことであり、わからないことが増えるということは,本当は楽しいことなのです。
その意味では、ノーベル賞をとるような賢人たちは私たちの何倍も知識が多いだけでなく、私たちの何十倍もわからないことを知っているのだろうと思います。少し逆説的な言い方かもしれませんが,人間の賢さはわからないことの量で決まるのではないでしょうか。

思わず膝を打つほど、納得のいく言葉であった。
確かに何かを学び始めた当初はすぐに「分かった」気になりがちだが、深掘りすればするほど未知の領域もまた広がっていくものだ。

私は建設業界に入って30年以上になり、年月を重ねるごとに知識は蓄積されたが、並行して「分からないこと」が増えている実感もある。
20年ほど前、社内で事故が多発した経験から安全管理については絶えず情報収集を行い、今もときどき専門書も読んで学んでいる自負がある。大まかな傾向は掴めたものの、追求すればするほど、未解明な課題が次々と現れてくるのも事実だ。
もし窪園先生の仰る通りなら、私も少しは賢くなりつつあるのかもしれない。

逆に考えれば、安易に「知ったかぶり」をしたがる人は、まだ学びが入り口に留まっているということなのだろう。

かつて、遺伝子工学の権威である村上和雄先生の本を読んで驚いたことがある。
遺伝子はDNAの一部であり、全体の中のわずか3%に過ぎない。残りの97%がどのような役割を担っているのかは、未だ謎に包まれているのだそうだ。

いわば、私たちは「ほとんどのことが分かっていない」世界に生きている。
そう自覚してこそ、謙虚に学ぶ姿勢を持ち続けながら、豊かな人生を歩んでいけるのではないだろうか。

 

先月17日をもって弊社は会社設立60年 を迎えることができた。人間でいえば還暦にあたるこの節目を記念し、「何かを形にして将来に残そう」と時々考え始めたのはもう5年ほど前である。

 

50周年の際は昨年逝去した先代社長である父の自伝を発行し(以下参照)、実体験者の言葉で会社の歴史を残すことが出来たのはよかったと感じている。

50勝49敗 | 寿建設 社長ブログ

ただ昨今は活字離れが進んでいることもあり、今度は動画で何か残せないかというアイデアが頭にあった。

 

実は3年前、私も発案者の一人として土木史に残る超難工事「黒部川第四発電所」で実際に設計や工事、作業に従事され、まだご存命の5名の方にインタビューをして動画に残すという取り組みに携わった。

【土木学会:黒部川発電プロジェクトアーカイブ】黒四インタビュー(予告編) | 寿建設 社長ブログ

インタビューに応じていただいた2名は当社の関係者だったこと、そして仕上がった動画を見てプロが作った作品のクオリティの高さに感心したことで、その作品を撮影、編集されたスモールフィルム株式会社の工藤晶彦さんにインタービュー動画も織り交ぜた別の動画を作っていただくことを思いついた。

 

1年半ほど前に工藤さんにこの依頼をさせていただき、当社の歴史に関わる情報、資料をすべてお渡しした。

そして、単に会社の歴史を紹介する動画ではなく、当社のルーツであるトンネル屋の一族、「豊後土工(どっこ)」のことをテーマの一つにしていただきたいことをお願いし、あとの構成はすべてお任せした。

アーティストを信頼した以上はこまかい注文をしないのが私の主義である。

 

そして、その気持ちにお応えいただき、土木史ドキュメンタリーと呼んで遜色ない動画が完成したのである。

今月始めの、全社員が集まる場でお披露目し、その直後にYoutubeで公開した。

多くの方にメールでご案内したのだが、公開3週間でその数をはるかに上回る3000回以上の再生がされている。

最近のトンネル工事、そして黒部における「高熱隧道」の施工の貴重な映像も盛り込まれている。(以下参照)

全編36分と長尺だが、プロの技術で美しく編集されており、最後まで飽きることなく堪能いただけるはずである。

ぜひ、できるだけ大きな画面でご覧いただけますと幸いです。

 

【寿建設株式会社・設立60周年記念作品】
日本を支えた出稼ぎトンネル坑夫集団 “豊後土工(ぶんごどっこ)”のDNA

企画

寿建設株式会社

 

映像提供:

大成建設株式会社

公益社団法人土木学会

 

インタビュー協力:

太田資倫(大成建設OB)

後藤一身(寿建設OB)

坪根大吉(上浦・津井浦在住)

谷川竜一(金沢大学准教授)

谷口豪樹(株式会社Smile farm代表)

 

協力

上浦コミュニティセンター

関西電力株式会社

大成建設株式会社

飛島建設株式会社

 

制作

スモールフィルム株式会社

 

昨日、当社の新年度の方針の一つとして「魅せる現場 」という言葉を紹介したが、そのための取り組みのもう一つとして、現場における「ゆびさし」を推進しようと考えている。

 

当社で言う「ゆびさし」とは、作業中のミスを防ぐための「指差し呼称」のことである。 

うっかり忘れると事故に直結する確認事項に対し、対象物をしっかりと目で捉え、腕を伸ばして指で差し、「〇〇、ヨシ!」と声に出す。これが基本動作である。

 単に「見る」だけでなく、動作を組み合わせることで脳が活性化し、不注意によるミス(ヒューマンエラー)を劇的に減らす効果があることが科学的に証明されている。 声を出すのが苦手な場合でも、心の中で唱えながら「ゆびさし」を行うだけで、労働災害防止に大きく貢献するはずだ。

その根拠として、1996年に発表された『「指差呼称」のエラー防止効果の室内実験の検証』という論文がある。 

単調な確認作業におけるエラー発生率を「何もしない」「声出しのみ」「指差しのみ」「ゆびさし呼称」の4パターンで比較したところ、「何もしない」場合に比べ、「ゆびさし呼称」はエラーの発生を実に6分の1にまで低減させたという結果が出ているのだ。

(以下論文参照)

「指差呼称」のエラー防止効果の室内実験による検証

これほどの効果があるので鉄道業界(JRの車掌さんなど)ではエラー防止として積極的に実践されているが、建設業界では「KY(危険予知)活動の締めのコール」としての認識が強く、実作業の中への導入はあまり目にしないのが実態だ。 

コストをかけず、労働災害の主因であるヒューマンエラーを大幅に減らすことができるこの手法を使わない理由はない。また、キビキビと指差し確認を行う姿は周囲に「安全への高い意識」を感じさせ、「魅せる現場」としての効果も発揮するとも思っている。

まずはKY活動で出てくる「危険」に対する「対策」の中で、たとえば「後方を確認する」といった項目があれば、「後方をゆびさしで確認する」と具体的に書き換えると分かりやすいと思う。そのうえで全員が作業中にゆびさしを実践するようになれば、安全性と「魅せる現場」の質は、格段にバージョンアップするはずである。

 

作業の中に確認をする「ゆびさし」事例。

横断歩道のない車道を横断する際、左右の通行車両のないことを確認。

吊り荷が接地して重機が停止したことを確認。

重機の背後に人がいないことを確認。

作業終了後の施錠確認。

作業終了後の規制確認。

 

現場でこうした動画が習慣化されれば、私は間違いなく魅了される。