脚気(B1不足)の症状
概要
心不全によって足のむくみ、神経障害によって足のしびれが起きることから脚気と呼ばれる。
心臓機能の低下・不全(衝心、しょうしん)を併発したときは、脚気衝心と呼ばれる。最悪の場合には死亡に至る。
リスクファクターには、白米中心の食生活、アルコール依存症、人工透析、慢性的な下痢、利尿剤の多量投与など。
乾性脚気により、ウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群が引き起こされうる。
診断は、症状、尿中チアミンの低下、高血中乳酸、および指導治療による改善に基づく。
日本では、白米が流行した江戸・大坂において疾患が流行したため「江戸患い」「大坂腫れ」と呼ばれた。
大正時代には、結核と並ぶ二大国民亡国病と言われた。
1910年代にビタミンの不足が原因と判明し治療や予防が可能となったが、死者が1,000人を下回ったのは1950年代である。
その後も1970年代にジャンクフードの偏食によるビタミン欠乏、1990年代に点滴輸液中のビタミン欠乏によって脚気患者が発生し、社会問題となった。
症状
本症は多発神経炎、浮腫(むくみ)、心不全(脚気心、脚気衝心)を三徴とする。
乾性脚気;
多発神経炎を主体とし、表在知覚神経障害からしびれ、腱反射低下などを来たす。
またウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群もこれに分類される。
湿性脚気;
末梢動脈は拡張し、血管抵抗の低下から高拍出性心不全を呈して浮腫になる。
ウェルニッケ脳症(最重度B1不足)の症状
運動失調(記憶障害を伴う)コルサコフ症候群を引き起こす。
眼球運動障害をおこすこともあり、外側に目を動かせなくなり寄り目になってしまう(外眼筋麻痺)。
運動失調では、急激に歩行が不安定になりどこかにつかまりながら歩くようになる。
意識障害については、特に特徴的な症状はなく、軽い意識障害からこん睡状態になることもある。
精神的な症状により、無力や無気力になり、うつになってしまうこともある。
即時記憶が重度に障害され、長期記憶の前向性健忘と見当識の障害を伴う逆向性健忘が、同時に起こる。
健忘に対し、作話でつじつまを合わせようとすることも特徴である。
思考や会話能力などの知的能力に、目立った低下は見られない。
コルサコフ症候群では被暗示性が強く、過去の記憶と妄想の区別がつかなくなる。
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・普通の食事をしている人は、本人が自覚していないだけで、何らかの脚気症状が出ている。
・乳酸アシドーシス+ATP不足。
ミスが多くて頭が回らないサラリーマン、
電車でうたた寝する人、
ぶち切れやすい人。
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