自傷行為とは、
自分の体を自分の意思で
傷つける行為です。

 


自傷行為をすることによって、

今感じている苦しさやつらさが

軽くなることを期待して行われます。

 

 


 

自傷はアピール?かまってほしい?

 

自傷行為と言えば、

みんなが見ている前で


「死んでやる!」とばかりに

カッターで手首を切るような

イメージがありますよね。

 


ですが、


ほとんどの自傷行為は

誰もいないときに、

ひっそりと行われます。

 



 



手首を切るという

イメージが強いですが、


実際は、

太ももなどの服で隠れるような

目立たない場所を切ることも多いです。

 

 


つまり、もともとは、

アピールのためなんかに

している方はひとりもいません。

 


 

耐え難い心の痛み。


目に見えず、形もなく、

正体のわからない、


怖くてたまらない心の痛みに

飲み込まれそうなとき、

 

それを体の痛みに変換することで、

自分を守っているのです。

 

 


心の痛みと違い、

体の痛み(特に傷口のはっきり見えるもの)は

目に見えて、どんなものか分かる。


それが、心の痛みよりは

幾分ましに感じられるのです。

 



 



自傷を繰り返す方の場合、

自傷行為の後に

脳内麻薬が分泌されることが知られています。

 



これは、切ることによって、

実際に心が楽になることを示しています。

 

 


自傷行為は、周りから見れば

問題行動だとうつってしまいがちですが、


本人にとっては、

心の痛みに対する対処行動です。

 



「アピールしたい、かまってほしい」どころか、


誰にも頼らず、たったひとりで

心の痛みに対処した結果起こるもの

だと言えます。

 

 

 


冷静に体の傷の手当てを

 

目の前で自傷行為が起きたとき、

ふつうの感覚であれば、

とんでもなく驚いて、悲しくなります。

 



「なんでこんなことを!」と

怒りの気持ちすら出てくることがあります。

 



 



大切な人が

自分で自分を傷つけている姿を見てしまえば、

それは当然のこと。

 



特に、自傷行為をしたのがお子さんであれば、

親であるあなたの悲しみや苦しみは

想像するに余りあります。

 

 


もし、目の前で自傷行為が起きたら。


または、自傷行為をしたことを

見つけてしまったら。

 



まずは、


冷静に体の傷を

手当してください。

 

 


自分でつけた傷だ

ということはいったん脇に置いて、


そのへんで転んだ、

またはうっかり料理の途中で手を切った、

そういう場面と同じ対応をしてください。

 



救急外来のスタッフにでもなりきって、

傷口をきれいにし、

必要ならガーゼなどをあててください。

 

 


出血が多かったり傷が深ければ、

遠慮なく受診をしましょう。


まずは、傷の手当てが大切です。

 



 



まず傷の手当てに集中した方がいい理由は、

もちろん傷が化膿したりすることを

防ぐ目的もありますが、


冷静になるための

クールダウンの時間でもあります。

 

 


自傷行為を見つけ、動揺した状態で

何か声をかけようとしてしまうと、


必ずと言っていいほど感情的になって

自傷を責めるような発言をしてしまいます。

 

 


自傷行為をする人は、

心はもうギリギリの状態です。



心がギリギリの状態を

なんとかしようと対処して自傷に至っている

ので、


感情的に責められるような発言は

追い打ちをかけます。

 

 


まずは手当てをし、

動揺している気持ちをクールダウンしてから、

話をするほうがスムーズです。

 




自傷の奥に潜んでいるもの

 

話をする場合、

「なんでこんなことをしたのか」と

理由を問い詰めるのは得策ではありません。

 



まわりからすれば、

自傷に至った理由を知りたい、と

どうしても思ってしまうのですが、

 

理由を尋ねられると、

多くのケースでは「責められている」ように

感じてしまいます。

 




 


そして、

自分でも正体のわからない

つらさや苦しさから自傷行為に至るので、


人にまとまった説明ができるような

整理された理由はありません。

 



むしろ、この場面でしっかりまとまった説明ができる状態であれば、

自傷行為は起こらないと思います。

 

 


理由を尋ねるより、

「大丈夫?」と自傷行為の向こう側の苦しみに寄り添う姿勢をとるほうが

効果的です。

 



もし、自傷した本人が何か話してくれれば、

それに耳を傾け、

「話してくれてありがとう」と伝えます。

 

 


対応としては、これで十分ですニコニコ

 



 

 



乗り越えるのは、本人の力

 

自傷をなんとかやめさせたい、

もう見たくない。


それは当たり前の気持ちです。

 



しかし、まわりからの説得によって

辞められるものではありません。

 

 


無理に自傷を取り上げてしまうと、

心の苦しみに対処する術がなくなってしまい、

事態はさらに深刻になります。

 

 


自傷は、

自傷の向こう側にあるものと本人が向き合い、


それと長い時間かけて対峙して、

乗り越えていくものです。

 



あくまで、主役は本人です。

 



 


 

まわりができることは、


良くなることを信じること。


自傷行為に注目せず、

その人の良いところ・健康的なところを

見つけて認めること。

 

これが何よりも救いになります。




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