読み書きが苦手で勉強ができなかった長男さん。
高校進学に不安を覚え、塾に通い始めました。
頑張っても成績は上がらず、
努力は報われませんでした。
トップじゃなくていい、
秀才じゃなくていい、
ふつうでいいのに叶わない・・
そんな現実に直面していました。
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ぼろぼろに傷ついて、居場所をなくした～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかったときの話④～
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激しい夜泣きに悩み、小さな違和感に気づかないふりをし続けた赤ちゃん期
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努力は報われる、とよく聞くけれど
実は報われない努力のほうが
はるかに多いんじゃないでしょうか。
努力が報われなかった人は、
その話を好んで話さないので、
表に出てきていないだけ。
「努力が報われた」「頑張れば叶う」という類の
美しい話の陰に、
どれくらいの無念とか悲しさ・悔しさが
埋まっているんだろう。
中学２年にして、
報われない努力があると突き付けられた長男は、
みるみるうちに荒れていきました。
苦手ながらもなんとか出していた提出物は出さなくなり、
授業中は机に伏せ、注意されれば言い返し、
家では家族にあたり、
一言も話さずゲームに浸り、
大好きだったピアノは乱暴に弾く。
このときのピアノの音は、
私は一生忘れないと思います。
こんな態度で過ごしていれば、
先生から目を付けられるのは当たり前で、
担任の先生からも
「様子がおかしい」と何度も連絡をもらいました。
その都度、長男の中で起こっている葛藤や
自分に対する憤りや
将来に対する不安が強いことなど話しましたが、
あまり伝わった感じはしませんでした。
進路の悩みも口にしてみましたが、
「また情報お渡ししますね」と言ってもらえて
一瞬安心したものの、
待っても待っても情報は来ませんでした。
この先生の態度からして、
学校でどういう扱いを受けていたかは想像がつくし、
無理にでも早めに休ませるべきだったのかなと
今になって思います。
無口になり、いつもイライラした様子の長男。
軽々しい励ましもできず、
コソコソとネットで情報を探しながら
見守るしかできませんでした。
事件が起こったのは、
そんな状態が続いていたある日のことでした。
その日はたまたま三男の体調が悪く
有休をとっていました。
電話が鳴ったのは夕方４時ころ。
長男の通う中学校からだったので、
最近の様子からして、
すぐになにかあったのだと悟りました。
電話にでると、担任の先生が
「長男くんが、
国語のM先生に対して感情を抑えきれなくなり、
授業中に教室で感情を爆発させ、
収まらなくなりました。
隣で授業をしていた男性の先生が来てくれて、
なんとか落ち着きました。
今、面談室で話をしています」
と・・
この国語のM先生ですが、
実はこの先生の授業が始まった４月の頃から、
「なんか俺嫌われてると思う。
すごくきつく言われる。
俺だけって感じがする。
いつも嫌な言い方をしてきてしんどい」
と長男が話していたのです。
読み書きが苦手なために、
もともと国語の先生とは
相性が悪いことが多いです。
（どうしても注意されることが多いため、関係が悪くなる）
でもこのときの長男の発言はすごく気になり、
「学校に相談しようか？」と聞いたのですが、
「もう中学生だし我慢するわ。なんとかなってるし」
と話していました。
やっぱり、このときに一言相談をしておくべきでした。
事実は分からないけれど、
苦痛を感じていたことは事実。
教師と生徒という上下関係があり、
生徒からは訴えにくい状況があるのだから、
その中で苦痛を感じさせるのは
やはりパワハラだと思います。
今回の事件では、
M先生が執拗に長男に注意をしたとのこと。
前日に担任から電話があったときに、
最近の出来事（勉強に自信をなくしている）を伝えておいたのに、
できない部分を何度も強い口調でできるまで注意したそうです。
もちろん感情を爆発させたことは
良くなかったと思いますが、
それが「相手のため」であったとして、
苦痛を負わせることが教育なのでしょうか・・？
この日、M先生本人からは連絡はありませんでした。
いったい、どういう考えで長男に注意していたのか。
「しんどい」というSOSが出ていたと思うし、
伝えてあったのに、
それをなかったことにして関わるというのは
どういう気持ちからなのか。
M先生本人に聞きたいことがたくさんありましたが、
本人は雲隠れしてしまって、
まったく接触できませんでした。
長男は、ひとりぼっちで先生と対峙していたのに、
M先生は学校に守られている。
学校側のコメントとしては、
「教師には教師の思いがあり、
今回の指導は正しい思いに基づいて行われた」
というものでした。
正しい思いって、なんでしょうか。
思いが正しければ、
人を傷つけてもいいんでしょうか・・？
それだと、親が危篤で急いでいれば
交通事故を起こしてもいいし、
子どもの教育のためなら虐待してもいいし、
弱いところを直すためにいじめたっていいし、
治療が苦しそうだからという理由で
安楽死させてあげてもいいんですよね。
そんなおかしい話があるでしょうか。
学校の公式コメントに心底がっかりしました。
先生の思いがどうかは置いておいて、
まずは、
「嫌な思いをさせて申し訳なかった」という
一言がほしかったです。
うちだって、
先生だけが悪いと主張しているわけでは決してなく、
長男の発展途上なところや
これから伸ばしていかなければならないところがあるのは
私が誰よりも知っています。
それを認めたうえで、
私ではなく長男に一言謝ってほしいだけなのに、
何度電話が来ても、話し合いをしても、
「M先生は悪くなかった。
そもそも先生に注意されるようなことをするのが悪い」と
繰り返し言われました。
その間も、当のM先生は一度も出てきません。
こちらは親子で孤立無援なのに、
向こうは当事者を隠し、守り、
全員で「悪くない」と主張してくる。
この構図にも眩暈がしました。
なにが正しく、
なにが真実が分からなくなる中で、
ただひとつだけはっきりしたのは、
こんなところに長男を任せられないということ。
こんな状態で登校すれば、
まわりは敵ばかり、四面楚歌です。
この件が解決するまで、
学校には行かないと決めました。
【続きはこちら 】
一歩もひかず戦う決意をする～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかった時の話⑤～
【長男シリーズ・中学校時代編目次】
コロナ禍に翻弄されこれまでの生活が崩れていく・・長男くんの中学校時代①
「ふつう」を目指す努力～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかった時の話①～
努力は報われない～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかったときの話②～
「ふつう」を夢見ることすら許されない～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかったときの話③～
ぼろぼろに傷ついて、居場所をなくした～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかったときの話④～
一歩もひかず戦う決意をする～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかった時の話⑤～
学校とはどこまでも平行線～親子で「ふつう」になりたくて、すごく苦しかったときの話⑥～
発達障害グレーゾーンを本人に告知したときの話
