私は、夜間や休日は
カウンセラーをしていますが、
平日の日中は精神科訪問看護師として
働いています。
訪問看護師は
患者さんのご自宅へ伺います。
精神科ですので、
点滴したり採血したり、という
いわゆる看護師っぽい仕事はほぼありません。
お話を聞き、
症状や特性に合わせて
生活を工夫していくお手伝いをするのが
仕事です。
患者さんはもちろん女性だけではありません。
男性の方もたくさんいます。
そして、精神科訪問看護の特徴としては、
２０代～５０代くらいの若い患者さんの
ご利用が多いということです。
患者さんによっては、
人生の早い時期から発症され、
恋愛や結婚などの経験ができずに
過ごしてこられた方もいます。
また、病気になったことによって、
女性関係から遠ざかってしまうことを
余儀なくされている方も多いです。
そういう方が、
自宅で看護師とふたりきりになり、
話を親身に聞いてもらったり、
力になってくれる・・という状況になれば、
特別な関係を望んでしまうことは
避けられないのかもしれません。
もちろんほとんどの方は、
患者と看護師である
という関係性を守ってくれています。
しかし、訪問看護の仕事の特徴として、
同性ケアが推奨されているものの、
どうしても女性の看護師のほうが多い。
→男性患者さんのところに女性の看護師が伺うという状況ができてしまう。
患者さんの自宅にふたりきり、
という勘違いを生みやすい状況である
ということ。
看護師は
「相手は病気だからきつく言えない」と
無意識に感じており、
セクハラを毅然とした態度で断れないこと。
このような状況が重なり、
セクハラが起こりやすくなっています。
調査によっては、
訪問看護師の50％が
セクハラを受けた経験がある
と書いているものもあります。
訪問看護の現場にいる者としては、
決して驚く数字ではありません。
私自身は、長く訪問看護をやっていますし、
男性の患者さんのところにもよく行きますが、
一度もセクハラに遭ったことはありません。
これはなぜだろうか・・と考えてみました。
訪問看護師の５０％が
セクハラを受けているなら、
私も一度くらい経験があってもいいはずです。
すると、何点か思いつくことがありました。
これが功を奏しているのかはわかりませんが、
どなたかの参考になることもあるかと思い、シェアしてみます
男性の患者さんの訪問では、
お話をしている中で、
家族の話を時々入れるようにしています。
なぜかというと、
既婚者で子どももいる。家庭円満。
ということをさりげなくアピールする
ためです。
実際は離婚していてシングルマザーですが、
患者さん（特に男性）の前では、
結婚している設定になっています。
そして、ラブラブな旦那さんが
いることになっています。
ちょっとしたエピソードを
時々小出しにしておくことで、
抑止力になっている気がします。
空想癖があるので、
いつも理想の旦那さんを想像しながら
お話しています・・
外見をほめてきたり、
「野村さんみたいな人と結婚出来たらなぁ」とか言ってきたり、
何かしらこちらを女性として見ていそうな言動は、
すべてスルーしています。
「そうですか～、ところで・・」
という感じで、すぐに話題を変えます。
とにかく反応を最低限にして、
そこにフォーカスしないようにしています。
言葉で言ってくる人もいれば、
手に触れようとしたり、
ダイレクトに「手をつなぎたい」などと
言ってくる人もいます。
触れようとしてくる場合も、
「どなたともしないことにしている。
会社の規定でできません。」
くらいの感じでさらっとお断りします。
その場で少し空気が悪くなることも
あるんですが・・
この最初の１回目のお触りを
きちんと断ることがすごく大事
な気がしています。
手くらいいいや、手だし大丈夫だよね、
という認識で触れさせてしまうと、
必ずエスカレートしてきます。
少々雰囲気が悪くなったり、
「それくらいいいだろ！」的な文句を言われたとしても、
ここでしっかりと断るほうがいいです。
最初は手だけと思ったのにどんどんエスカレートして、
「もう我慢できない」となってから相手に告げるほうが、
大いにこじれます。
だって、
手に触れることができた時点で、
相手は合意を得たように感じている
からです。
誠実な男性からすれば
ありえない話かもしれませんが、
セクハラするような方に関しては
こういう考え方だと思っています。
ハラスメントをする方は、
他者との境界線の認識が甘い
という特徴があると思います。
どこまで踏み込んでいいのか、
どこまでが自分が自由にふるまっていい範囲なのか。
その認識が甘く、
土足で相手の領域に踏み込んでしまいがちな傾向のある方が、
ハラスメント気質だと思っています。
いわゆる男ウケの良い服装や
髪形は避けたほうが無難です。
ポロシャツなどで訪問している場合、
ピンクも微妙です。
（制服で定まっている場合は仕方ないですが）
もちろん、体の線が出るような服や、
胸元の空いているものは論外です。
それと、大雨のときに濡れて透けてしまうとよくないので、
濡れても透けない素材のものがいいですね！
お化粧や髪型もナチュラルかつシンプルに。
ちなみに私は、
ナースリーで購入したスクラブを着ていますよ。
紺、青、ワイン色を持っています。
ほんとうはかわいい色着たいですけど・・！！
自分を守るために
できることはしないといけないな。
と思っています。
セクハラが原因で訪問看護を受けづらくなると、
私たちも嫌な思いをしますが、
患者さん側の不利益にもつながります。
お互いのために、
予防線をはれるところは
しっかりはっていきましょう！
対人援助はセクハラをはじめ
さまざまな悩みを抱えがち。
カウンセリングでは
対人援助職の方のメンタルケアもお受けしています。
私も長く看護師をしてますので、
どんなつらさがあり
どんな悩みを抱えやすいか
身をもって知っています
話すことで楽になれたり
違う視点が見つかったりする方も
たくさんいらっしゃいますよ。
看護師さん、介護士さん、
先生業の方など
お越しいただいてます！
ぜひお越しくださいね
【ご案内】自分のことも家族のことも！お悩み相談＆ココロをまるごと整理するカウンセリング
