無輸血手術 | マンボウのブログ

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マインドコントロールから解放されてJW自然消滅。こころの平安を皆様にも。

大鐘稔彦氏の、「無輸血手術ーエホバの証人の生と死」、読んでみました。


無輸血手術―”エホバの証人”の生と死/大鐘 稔彦
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大鐘氏は外科医として、67件の無輸血手術をエホバの証人に対して行いました。

大病院で断られたエホバの証人を受け入れ、大きなプレッシャーと戦いながらプロの仕事に徹する大鐘氏の外科医としての技量の高さと誇りに感銘を受けました。

心ない一人のJWの裏切りにより病院を追われ、エホバの証人に幻滅し、今はエホバの証人に対する手術はしておられません。


この本の中で大鐘氏は、エホバの証人の信条に対して一定の理解を示しておられます。
事実、輸血に頼り過ぎる現代の医療機関に警鐘も鳴らしておられます。


一方でエホバの証人に対する提言もしておられます。

手術中に出る血液を吸い上げてそのまま患者に戻す方法があります。
体腔内にある血液をチューブで吸い上げてクローズドのまま体内に戻す方法なら、エホバの証人も受け入れられます。
しかし、これにはそれなりの設備がいります。大病院にはありますが、大鐘氏の病院にはそのような設備を入れる余裕はなかったようです。

ある胃ガンの婦人を伴ってやってきた医療機関連絡委員のJWは、この方法で手術できないか、と大鐘氏に打診しました。

大鐘氏は、「ウチは貧乏病院ですから一人の証人の患者さんのためにそれだけの設備をあつらえるわけにはいきません。エホバの証人の方でその設備を用意して下さるなら考えますが」と言いました。

医療機関連絡委員は、「いやあ、それはちょっと・・・。」と苦笑したそうです。

大鐘氏はこのJWの対応に疑問を感じておられます。

「日本中どこにいっても断られるであろうこの人の手術を、そういう設備さえあればやってもいいという医者がいたなら、それだけの費用は私どもの方で何とかしますから是非お願いします、というのが筋であるように思える。相手の懐具合も考えず、お膳立てはすべてそちらで整えて、とにかく無輸血でやってください、というのは、いささか傍若無人、虫が良すぎる。」
と書いておられます。

私も全くその通りだと思います。

無輸血手術に協力的な医師がいるならば、協会の負担で優れた設備を導入して、病院にかかる負担を少しでも減らすのが道理だと思います。

エホバの証人ミュージアムを作るような資金があるならば、その費用でエホバの証人を受け入れてくれる病院に無輸血手術関連の医療設備を購入したらどうでしょうか?

本当に統治体が、羊たちの福祉を気に掛けているのなら、こういうところに大切な寄付を使うべきではないですか?

大鐘氏はこう書いています。
「非社会的生活を営む証人たちが、社会的常識と良識の世界に生きている外科医に救いを求めるなら、単に相手の好意や寛容さに期待するのみならず、自らも血を出して、困難な手術と格闘する外科医のプレッシャーを幾らかでも担い分かつべきであろう」