インナーマザー | マンボウのブログ

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マインドコントロールから解放されてJW自然消滅。こころの平安を皆様にも。

以前読んだこんな本をご紹介します。



インナーマザーは支配する―侵入する「お母さん」は危ない/斎藤 学
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この本はまだ現役JWだった頃、アダルトチルドレンについて学んでいるときにブックオフで出会った本です。

精神科医の斎藤学さんは機能不全家族や嗜癖についてたくさんの本を書いておられますが、この本もその中の一つです。

「インナーマザー」ってなんでしょうか?

私たちは自分の心は完全に自由で、何物にもコントロールされていないと思っているかもしれませんが、実際には自分の心の中にある何物かに支配されている事もあります。
でも人生を送っていく中で、周囲からいろんなことを吸収しながら成長していきます。

「ああいう考え方もできる、こういう考え方もある」
「こういう道をとることもできる、こちらのやり方でも良い」

そんな風に、さまざまな選択肢の中から自分が選んだのなら健全だと言えます。
自分の中で信じるドグマがあっても、状況に応じてそれを壊したり、逃れることもできる。
一つのドグマで行き詰ってきたら、別のドグマに組み替える。
そういう自由を持っていたら、「支配されている」とは言いません。

けれども、「これしかない」「こうするしかない」というひとつのドグマにとらわれているなら、「マインドコントロール」されているといえます。
自分にとって都合の悪い状況や、危険なことになっても、まだそれにこだわり、その考えから逃れられません。
そんな状況からは脱してしまったほうがずっと楽なのに、固執し続けることによって息苦しい人生を続けてしまいます。

これが、心の中にいる母親、「インナーマザー」(内なる母)に支配されている状態です。

インナーマザーは実際の母親とは少し違います。
親そのものというより、「世間様」と言い換えてもいい、と斎藤さんは書いています。
「世間様」に後ろ指をさされないように、「世間様」に恥ずかしくないようにとしつけられると、子供は親の恐れや不安を、自分の恐れや不安として取り入れるようになります。

斎藤さんは、「世間様」という教祖に従うよう親が子供を躾という名目で支配することを、「親教」と呼んでいます。

「親教」に強く支配された家族は、「機能不全家族」になります。
そこにはカルトによく似たシステムがあります。
機能不全家族には「強固なルール」があります。
また、家族に他人が入り込むことに抵抗します。家族のそれぞれにプライバシーがありません。
家族成員は、家族から立ち去ることが許されず、家族間でのさまざまな葛藤は、「そんなものはない」かのように無視されています。そのくせ、家族の統一感がなく、「ここが私の居場所だ」という安心感もありません。

こうした機能不全家族で育つと、子供はどんな役割を演じるようになるでしょうか?

1、「ヒーロー」(英雄)
  成績のいい子、スポーツや音楽のできる子、世間に高い評価を得られそうな子がいると両   親の注目はこの子に集まります。期待を背負った子は家族を一つにまとめるためにますま  す頑張り続けます。親の期待で人生を乗っ取られます。

2、「スケープゴート」(犠牲のヤギ)
  病気をしたり、問題を起こして学校に呼び出されたり、近所の人が怒鳴り込んできたりと、何  かと騒ぎを起こします。親は「この子さえいなくなればうちは平和なのに」と思いますが、実   はその逆で、この子が問題を一身に背負ってくれているおかげで、家族はバラバラになら   ずに済んでいます。

3、「ロスト・ワン」(いない子)
  目立たず、静かで、忘れ去られているような子です。いるのかいないのか分からないほど、  存在感の薄い子です。この子は、家族内の人間関係から距離を取って離れることで、心が  傷つくことを防いでいます。

4、「プラケーター」(慰め役の子)
  いつも暗い顔をしてため息をついている母親などの愚痴を聞いては、慰める役の子です。
  小さなカウンセラーとなって家族や母親にやさしく声をかけます。

5、「クラン」(道化役の子)
  両親の間の緊張が高まるとき、突然、とんちんかんな質問をしたり、歌いだしたり踊りだした  りします。おどけたフリで緊張した空気を和らげようとします。家族のペットのような存在で、  本人も楽しんでいるように見えますが、ピエロの仮面の下はとても寂しいのです。

6、「イネイブラー」(支え役の子)
  長男や長女がこの役になることが多く、「偽親」とも呼ばれます。女の子なら頼りない母親に  代わって家事をこなしたり、妹や弟の面倒を見たり、世話を焼きます。男の子なら、だらしな  い父親に代わり、母親を守ろうとがんばります。


こうした役割を演じ続ければ、生き生きした感情を表現することもできず、自分が本当は何をやりたいのかさえ分からなくなってしまいます。

親の欲望を自分の欲望と勘違いしたまま生きていくわけですが、どこかウソ臭く、違和感が拭いきれません。


この本を読んだ時、アルコホリックやワーカホリックのような嗜癖に支配されている機能不全家族と、JWのようにマインドコントロールされている家族は基本的に同じ構造なんだと思いました。

私もヒーロー型の役割を演じてきたように思います。
未信者の父から母が反対されるのを何とか和らげようとして、「いい子」を演じてきました。
インナーマザーに支配されて、自分が何者なのかもよく分からなくなっていました。

この本を読んで自分の思考構造を理解できたように思います。