川越style「喜多町弁天長屋(きたまちべんてんながや)」弁天横丁 NPO法人川越蔵の会 | 「小江戸川越STYLE」

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川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真


弁天横丁。
蔵造りの町並みのすぐ北、元町一丁目の通りの1本北側にある通称弁天横丁は、細い路地を挟んで古い長屋が軒を連ねる川越の中でも独特な雰囲気のある横丁です。

バス通りからの入口部分のゲート状看板は今も当時のまま残っています。

 

蔵造りの建物が軒を連ねる川越の一番街。

一番街を散策し、北端にある札の辻交差点に辿り着きます。

札の辻交差点からさらに真っ直ぐ北へ。

川越の奥川越へ。

ここからは観光客より地元の人が多くなっていきますが、明治の川越大火を免れた江戸時代の貴重な建物がそこかしこに見られる地域でもあります。

少し進むと、右手に目を引かれる横丁の入口が。

入口がアーチになっているのが特徴的。

目にして気にはなっていても、足を踏み入れたことがない人も多いのではないでしょうか。

弁天横丁。

川越最大の観光地である一番街から、ほんの少し歩いたところに、すぐそこに札の辻を行き交う人の波があるにもかかわらず、まるでタイムスリップしたかのような落ち着いた空気が流れている横丁があることを、知っているでしょうか。

細い横丁を進みます。

緩やかなクランクになった道は、車が入りこむのは難しい幅で、通るのは歩行者か自転車がもっぱら。時が止まったかのような静かな時間が流れます。

 

 

そして、弁天横丁にあるのが「喜多町弁天長屋」です。


「喜多町弁天長屋(きたまちべんてんながや)」
住所:〒350-0061埼玉県川越市喜多町2-1
HP:
https://kuranokai.org/wp/
Twitter:
https://twitter.com/BYokocho
Facebook:
https://www.facebook.com/BentenYokocho/
「NPO法人川越蔵の会」
TEL/FAX:049-222-2330
(電話は事務局開設時のみお受けできますので、以下HPの「スケジュール」をご覧ください。)
Email:(以下HPの「お問い合わせ」のフォームからご連絡ください。)
HP:

https://www.kuranokai.org/
facebook:

https://www.facebook.com/kawagoe.kuranokai/
 

喜多町弁天長屋には現在、9つのお店や事務所が入居しています。

一つの施設で色々なお店巡りができ、様々な体験ができます。

■「喜多町弁天長屋」入居者
① 「江戸和竿 小春」
② 「bero弁天長屋」
③ 「Caoli Art Studio」
④ 「ギャラリー なんとうり分室」
⑤ 「THE SUN」
⑥ 「キモノ・キツケ ハナノワ」
⑦ 「川越人力車 いつき屋」
⑧ 「REMODULE PAINTING」
⑨ 「トモリ食堂」
 靴鞄修理 SAKANIWA(坂庭)

(川越style「bero弁天長屋」喜多町弁天長屋 bero iron works
https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12734061273.html
 

弁天横丁・喜多町弁天長屋のこれまでとは。

このあたりは、かつて「芸者横丁」「弁天横丁」などと呼ばれ、通りの名称から「三味線」「芸者」といった言葉が想起されるように、置屋などがあった場所と言われています。

現在では、老朽化した建物が往時の喧騒を伝えるのみですが、、大正期に建てられた長屋が2棟、土蔵をリノベーションした酒場の建物なども残っています。

歩いていると、どこからともなく、下駄の音、風鈴の音、談笑する声が聞こえてくるよう。。。

 

弁天横丁の歴史。
明治26年(1893年)の川越大火以後に形成された路地で、長屋には芸者さんが住み、置屋という芸者さんを料亭などに差し向けるお店がありました。往時は芸者横丁と言われていました。

そのうち芸者さんたちがそれぞれ飲食を始めて、長屋の1階が飲み屋になっているところが何軒もありました。
その後、飲み屋もおかみさんが亡くなり、昔からのお店が全て無くなり、今では空き家が目立つようになりました。
 

 

弁天横丁にある古い長屋、かつて小料理屋だった建物をリノベーションする「喜多町弁天長屋(きたまちべんてんながや)」の保存・再生・活用プロジェクトを推進しているのが、「NPO法人川越蔵の会」。

川越蔵の会は、川越のまちづくりの団体として、地域に根付いた活動をしています。
■会の活動目的
地域に根ざした市民としての自覚を持って、まちづくりをみずから実践するとともに、住民が主体性を持って行うまちづくりの支援を行うことによって、地域社会の発展に寄与すること。
■発足の経緯
川越市は、蔵造りの町並みで知られているが、1960年代からその中心である一番街周辺の旧市街地が衰退化の一途を辿り、蔵造りのファサード改変や取壊しが行われ、歴史的な都市として一時は大きな危機を迎えた。1980年代に、商店街活性化による町並み景観保存を謳いながら、一番街の若手の商店主が、建築やまちづくりの専門家、個人的興味で参加した市役所若手職員とともに勉強会を行ったのが蔵の会の始まりである。このような様々な立場の人が集まり、市民主体で進めるまちづくりのスタイルは現在も受け継がれている。2002年には活動範囲を広げるためNPO法人となった。
■活動の特徴
1 歴史的資産の保存や観光化のみを優先させることなく、商業の活性化や住環境の質的向上といった地元住民の生活に目を向けながらまちづくりを進めている。
2 地元住民、研究者や専門家、個人的興味で参加している市役所職員等、多様な人たちが、対等の立場に立って市民主体のまちづくりを進めている。
3 川越の文化を守り育てることを重視した活動を行っている。

●まちづくりデザイン活動
市民へのアドバイス、商店街へのアドバイス、建築設計コンペの開催・協力、川越市への提言等

●まちづくりのイベント開催
川越の文化を育む活動、アートイベントの開催、ネットワークの形成
●伝統的建造物の保存活動
旧川越織物市場の保存運動・活用検討、鏡山酒造跡地の活用検討、伝統的建造物の保存要請、伝統的建造物の記録保存・実測調査
●広報及び啓蒙活動
景観賞の贈呈、会報発行・メール配信、視察団体への対応、講演会・各地見学会の開催、講師・委員の派遣

ちなみに、蔵の会の事務局では、毎年5月のGWと7月の川越百万灯夏まつりの時の二日間限定で「長屋バー」を開いており、一般的に知られている活動の一つです。

(川越style「長屋BAR(バー)」年に二日間だけオープン 本町の長屋 NPO法人川越蔵の会

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11843207873.html

 

喜多町弁天長屋 復活・再生・活用プロジェクト

事業の意義
『弁天横丁は札の辻から市役所に向かう元町の通りの一本北側にある路地で、築百年前後の古い長屋が軒を連ねています。長屋は往時は主に芸者さんの住まいであったり、その後は飲み屋となったりしましたが近年は空き家になっている区画が多く、建物も老朽化が進み危険な状況にありました。
本事業は元町かいわいに多く残る古い長屋を保存しつつ新たな入居者を呼び込むことで、路地の危険なイメージを取り除き活性化につなげるという意義があります。また、経済性に大きく縛られる民間事業者ではできないまちづくりの視点で、元々の住民の皆さんと新たに入居する方々との健全なコミュニティの形成やものづくりに携わる若い世代の誘致による特徴あるエリアの形成などを目指していくことが蔵の会が事業を行う意義と考えています。』

 

「長屋の佇まいを大切にした下町の古くて新しい文化発信エリア」

◆下町の古い文化って?

同じ屋根の下で生活する人々の繋がりを大切にしたコミュニティから発せられる昔ながらの和気あいあいとした下町生活文化

◆下町の新しい文化って?

一番街とも菓子屋横丁とも違う、アート・ものづくりを志す若者たちを主人公にした新しい文化

◆弁天横丁のめざすところ

・麻利弁天長屋とともに弁天横丁の代表的な顔になる

・喜多町弁天長屋の再生活用が弁天横丁界隈の再生起爆剤になる

・特徴あるエリアのパイロットとしてアート・ものづくりなどのクリエイティブな入居者を誘致

・エリア再生の拠点として地域の住民にも愛され、活用されるコミュニティの場づくり

◆実現のために

・その足掛かりとして、まずは悦部分のブロック塀を撤去再生の意志を見える形で社会にアピールする

・その上で蔵の会が中心になり、喜多町弁天長屋再生のための出資金を募るとともに、新たな入居者を募る

・喜多町弁天長屋の再生を起爆剤にして、周辺の老朽化した建物の再生活用に繋げていく


川越蔵の会は、6年前に麻利弁天長屋という七軒長屋の一角、かつて「若太郎」という小料理屋だったところを借りて、ギャラリーとしてリフォームを行いました。ここを染織の作家さんにサブリースして2014年春に「ギャラリーなんとうり」がオープンしました。

2013年頃 横丁の東端から見た麻利弁天長屋
 

2013年頃 横丁の中ほどから西側を見る 右側が喜多町弁天長屋、左奥が元町弁天長屋
 

それ以降、同じ長屋に設計事務所や「CAFE&ギャラリー二軒堂」が入居し、また喜多町弁天長屋にも「坂庭」という革製品の修理のお店が入居し、路地の様子が少しずつ変わりつつあります。

川越蔵の会が改修事業に取り組んでいる場所は、喜多町弁天長屋の「悦」という小料理屋が入っていた区画です。この建物は四軒長屋ですが、当初は、「埼玉縣重要物産陳列所(明治35年、埼玉縣營業便覧)」として建てられた可能性が高い建築です。

改修工事着手前の喜多町弁天長屋の小料理屋「悦」の外観 白いブロック塀で覆われていました



2020年4月末 倒壊の危険があったブロック塀の解体は会員と二軒堂さんでセルフ工事


2020年5月初め ブロック塀の撤去後の様子 通りから素通しになり清々しくなりました


2020年7月 外壁改修工事 解体で素通しになった部分に新たに建具を入れるために大工工事


2020年7月 新たに柱、鴨居、床のレールを施工、鴨居の上の垂れ壁は左官工事


2020年8月 建具が入って外壁の体裁は整ってきました


2020年9月 下屋の瓦屋根の改修工事 雨漏りで垂木や野地板(下地の板)が痛んでいました


2020年9月 下屋の瓦屋根の改修工事 垂木の入替えは既存の垂木も勾配を合わせるのが大変


2020年9月 屋根工事は防水シートを貼ったところまで進んでいます。今後もともと使われた瓦で再利用可能なものを利用して土葺きという昔ながらの工法で復元していきます
 

工事が終了し、蔵の会による公募による内覧会を経て、喜多町弁天長屋の入居者が決まりました。

 

川越蔵の会では、既に弁天横丁にある七軒長屋で先行してリノベーションを行っています。

今、振り返ると、ここから弁天長屋の新たな流れが生まれたと言っていい。

 

七軒長屋には、古い建物に価値を見出すのが今の時代らしく、この長屋をあえて選んだクリエイターたちが居を構えています。

長屋の一つにはテキスタイル作家・山本さんが工房を構える「GALLERYなんとうり」があり、一つにはデザインオフィス「晴間」があります。

「GALLERYなんとうり」さんは、普段はテキスタイル作家山本さんの工房としてありますが、年に数度企画展が開催されています。

この場所こそ、川越蔵の会がリノベーションしたものです。

同じく長屋に入るのが、デザインオフィス「晴間」さん。

「晴間」
https://www.hare-ma.com/profile
晴間には、木元洋佑建築設計室一級建築士事務所、1taro graphicsが事務所を構えています。

 

さらに一つには、「二軒堂」さん。

「Gallery,Cafe, and Bar 二軒堂(にけんどう)」

川越市元町1-16-6
火曜日~金曜日 12:00-14:00、19:00-22:30
土曜日&日曜日 12:00-22:30
月曜日休

TEL 049-214-6276

Instagram:

https://www.instagram.com/gallery_and_cafe_nikendo/

Facebook:

https://www.facebook.com/%E4%BA%8C%E8%BB%92%E5%A0%82-337364080472184/

 

弁天横丁では、今回の蔵の会のプロジェクト「喜多町弁天長屋」のちょうどはす向かいの建物で、二軒堂さんが中心となっているリノベーションプロジェクト「弁天横丁Boo Hoo Woo Project」が既にスタートしていることは伝えました。

(工藤さんが手掛ける建物、二棟で3つの空間がある。建物には奥から「Boo(ブー)」、「Hoo(フー)」、「Woo(ウー)」と命名)

 

(川越style「Boo Hoo Woo Project(ブーフーウー)(BHWP)」弁天横丁

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12592727308.html

 

さらに、弁天横丁に新たにお店を構えたのが、靴鞄修理の「坂庭」さん。

(川越style「坂庭(さかにわ)」靴・鞄修理専門店 弁天横丁

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12585385329.html

 

こうして、川越の奥へ、奥川越に踏み入って出会えるのがこの場所・お店ならでは。

新しい感性の作家の集まる集積地になっている弁天横丁。

 

今後、横丁の価値をさらに高めようとしています。

弁天横丁がいよいよ本格的に動き出す。

 

川越蔵の会による「喜多町弁天長屋」の動きは、随時アップデートして伝えていきます。

 

「喜多町弁天長屋(きたまちべんてんながや)」
住所:〒350-0061埼玉県川越市喜多町2-1
HP:
https://kuranokai.org/wp/
Twitter:
https://twitter.com/BYokocho
Facebook:
https://www.facebook.com/BentenYokocho/
「NPO法人川越蔵の会」

川越市元町1-12-2
TEL/FAX:049-222-2330
(電話は事務局開設時のみお受けできますので、以下HPの「スケジュール」をご覧ください。)
Email:(以下HPの「お問い合わせ」のフォームからご連絡ください。)
HP:

https://www.kuranokai.org/
facebook:

https://www.facebook.com/kawagoe.kuranokai/