川越style「坂庭(さかにわ)」靴・鞄修理専門店 弁天横丁 | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

 

一つのモノを大切に使い続けること。

一つのモノに職人が携わり続けること。

職人の真剣な眼差し。

職人が一つ一つのモノに、魂をこめる。

 

蔵造りの建物が軒を連ねる川越の一番街。

一番街を散策し、北端にある札の辻交差点に辿り着きます。

札の辻交差点からさらに真っ直ぐ北へ。

川越の奥川越へ。

ここからは観光客より地元の人が多くなっていきますが、明治の川越大火を免れた江戸時代の貴重な建物がそこかしこに見られる地域でもあります。

少し進むと、右手に目を引かれる横丁の入口が。

入口がアーチになっているのが特徴的。

目にして気にはなっていても、足を踏み入れたことがない人も多いのではないでしょうか。

弁天横丁。

川越最大の観光地である一番街から、ほんの少し歩いたところに、すぐそこに札の辻を行き交う人の波があるにもかかわらず、まるでタイムスリップしたかのような落ち着いた空気が流れている横丁があることを、知っているでしょうか。

細い横丁を進みます。

緩やかなクランクになった道は、車が入りこむのは難しい幅で、通るのは歩行者か自転車がもっぱら。時が止まったかのような静かな時間が流れます。

 

このあたりは、かつて「芸者横丁」とか「弁天横丁」などと呼ばれ、通りの名称から「三味線」「芸者」といった言葉が想起されるように、置屋などがあった場所と言われています。

現在では、老朽化した建物が往時の喧騒を伝えるのみですが、、大正期に建てられた長屋が2棟、土蔵をリノベーションした酒場の建物なども残っています。

歩いていると、どこからともなく、下駄の音、風鈴の音、談笑する声が聞こえてくるよう。。。

 

弁天横丁に、2020年3月にオープンした靴・鞄修理のお店が「靴鞄修理 坂庭(さかにわ)」さん。

お店があるのは、弁天横丁にある建物。暖簾が下がっているのが目印です。

扉を開いて中に入ると、靴や鞄を置ける大きなカウンターがある接客する客間があります。

さらに店内は仕事をする工房にもなっており、店舗兼工房。

 

 

「靴鞄修理 坂庭(さかにわ)」
〒350-0061
埼玉県 川越市 喜多町2-1 
​12:00~19:00
毎週 月曜、第1・3火曜日休
​臨時休業あり
049-224-0878
repair.sakaniwa@gmail.com
[アクセス方法]
・「札の辻」交差点近く「弁天横丁」内
・東武東上線 川越駅から バス8分
東武バス 川越01・02
「神明町車庫」「東松山」「八幡団地」行き
「札ノ辻」バス停 下車後、​徒歩2分
・西武新宿線 本川越駅から
「蔵づくりの街」方面へ直進徒歩15分
・「川越市役所」より徒歩3分
HP:
https://www.repair-sakaniwa.com/
Instagram:
https://www.instagram.com/repair_sakaniwa/
Twitter:
https://twitter.com/repair_sakaniwa
Facebook:
https://www.facebook.com/repair.sakaniwa/
 

弁天横丁は、知る人ぞ知る通りと言われることがありますが、実は地域の人にとっての生活道路であり、学校の通学路にもなっていて、生活住民の往来が多い。

坂庭さんは、生活に寄り添い、地域密着を目指し、弁天横丁にお店を構えました。

 

坂庭さんは、靴や鞄の修理専門店、以前は、一番街のFギャラリーで、「Atelier KUBUKA~アトリエ クブカ~」を構えていました。

そして、靴と鞄の修理専門のお店を弁天横丁に移転オープンしました。

KUBUKA時代からのリピーターにとっても、以前のお店からほど近くの場所というのは嬉しく、坂庭の職人、篠田さんを信頼して引き続き弁天横丁に通っている人が多くいるのでした。

 

 

川越に、若い家具職人がいること。

川越は近年になって様々な分野の専業の若い職人が集結しつつあり、工房を構え、新しい感性で発信していることで知られる。服、靴、帽子、バッグ、眼鏡、陶器、時計、アクセサリー類などなど生活に欠かせないモノを手作りにこだわり製作している職人たち。
それらは組織に属せず個人で工房を構え、お客さんと一対一の関係を大事にしてものづくりに携わっているのが特徴。こうした職人たちが、川越の暮らしの成熟をささえていることは言うまでもありません。
身に着けるモノを作る職人が多い中で、見逃せないのが、生活に必要な靴や鞄の存在。
修理という面で暮らしを支えている職人が、坂庭の篠田さん。

古い建物を簡単に取り壊さず、手入れをしながら大事に残し使い続ける文化が根付いている川越で、靴や鞄を簡単に使い捨てにせず、手入れをしながら大事に使い続けてもらおうとする坂庭さんが絶妙にマッチする。

弁天横丁にあって、坂庭の本領発揮と言えました。

建物以外にも、川越には古いモノを慈しむように大事にする人が多く、古道具・古雑貨のお店も人気。

古いモノに価値を見出し、使い続けていく文化が川越全体にあります。

靴や鞄の修理は専門性が必要なため、使い続けていく時に頼りになるパートナーのよう。

 

坂庭では、靴や鞄の修理のことなら、どんな小さな修理にも応じてくれ、愛着あるモノを、大事に使ってきたモノを、これからもさらに使っていくために、定期的に修理・メンテナンスする。愛着を持つモノだからこそ、信頼のおける職人と話し、直に渡して託したいという人は多いでしょう。

 

修理依頼を受けた靴や鞄は、そのまま店内にある工房で、職人坂庭さんの手で修理が施される。

実は、こうしたお店は意外に少ないという事実があります。

チェーン店の修理店では、簡単な修理なら店内が行いますが、店頭では受付のみで多くの修理は工場に送って一括して修理するという分業体制を作っている。

それにより、会社にとっては効率的に修理でき、均一な修理で回転率良く数をこなせるビジネスモデルを作っている。

しかし、一方では、難しい修理や専門的な修理となると受付不可となることもあり、一人一人の細かいオーダーに応えるのも難しい。

最初から提供できるメニューを決め、それ以外の要望は断ってしまうという面もある。

 

そこで存在感を発揮するのが、個人店です。

個人店の良さは、なにより一人一人とのコミュニケーションを大事にし、要望に応えようとする積極的な姿勢を持っていること。

うちでは引き受けられません、とは簡単には言わないこと。

要望されたことに対して、全身で応えようとするのが、個人店であり、職人。

坂庭では基本、どんな依頼も受け、高い技術力で期待に応え続けています。

個人店は、オーナーと現場が一致しているのが特徴で(例えば個人飲食店の場合、お店のオーナーがシェフを務めているような)、坂庭も、お店のオーナーがの坂庭さんが、店頭で接客し修理の職人として仕事をしています。

修理で、職人が自ら接客するというのもチェーン店では見られないことで、個人店ならではです。

職人が接客することで、信頼感が増し、話しがスムーズ。

店内の工房で修理するのが、分業制で運送されることの破損リスクも減ります。

坂庭には、他のチェーン店の修理店で断られたものが坂庭に持ち込まれることがあるというのも、このお店が修理の駆け込み寺のようになっている面もあります。

街のお医者さんのような、街の修理のお医者さん。

 

こうしたお店があることも、川越にはモノを大事にする文化が根付いていることを表しているよう。

坂庭の職人、篠田さんが話します。


「宮大工や絵画修復師のように、歴史を紡ぎ、人の想いを遺す。そのような心持ちで施術させて頂きます」

 


靴の修理としては、靴底のソールを交換に来る人は多いという。

歩けば歩くほどソールはすり減っていくため、定期的に交換する。

車で言うとタイヤ交換のようなこと。
 

また、靴・鞄のみならず、他にも財布やベルト、時計のバンドなど、さらには皮製品のみならず、スニーカーやナイロン製のリュックなど様々な材質のモノを修理しています。

身の回りのモノで、修理に出したいモノ、修理を断られたモノガがあるなら、一度相談してみては。

修理というと大がかりなイメージを持つかもしれませんが、靴底の交換や鞄のファスナー交換など消耗する場所の修理の依頼が多い。

特殊なケースとして、リメイクにも対応し、両親の遺品を別の形に変える、使っていたモノをリメイクして使うなどの要望も寄せられるという。

 

この時も、坂庭には多くのモノが持ち込まれ、修理が施されるのを待っていました。

「坂庭 修理一覧(参考)」​​(左右1足分:税込)

■くつ修理

[婦人靴]
・カカト ゴム交換 ¥1,000~
・くつ底 前半分ゴム補強 ¥2,500~
・中敷き ¥2,000~
・くつ磨き
(パンプス) ¥1,000~
(ショートブーツ) ¥1,500~
(ロングブーツ) 2,000~
(汚れ落とし) +¥1,000~
(鏡面仕上げ) +¥1,500~
・クリーニング
(パンプス) ¥3,000~
(ショートブーツ) ¥4,000~
(ロングブーツ) ¥5,000~
(ムートン etc) ¥4,000~
(カビ除去) +¥1,500~​
・くつ底 全交換 ¥8,000~

[紳士靴]
・カカト ゴム交換
​(vibram) ¥2,500~
(ブロック) ¥3,000~
(革付き) ¥4,000~ (染色 & 飾り釘 込み)
・くつ底 前半分補強
(vibram) ¥2,500~
(レザー) ¥4,000~ (底縫い +¥3,000~)
・中敷き
(半敷き) ¥2,000~
(全敷き) ¥3,000~
・くつ磨き
(短靴) ¥1,000~
(ショートブーツ) ¥1,500~
(ロングブーツ) ¥2,000~
(汚れ落とし) +¥1,000~
(鏡面仕上げ) +¥1,500~
・クリーニング
(短靴) ¥3,000~
(ショートブーツ) ¥4,000~
(ロングブーツ) ¥5,000~
(カビ除去) +¥1,500~
・滑り革 (カカト内側) 補修
(短靴) ¥4,000~
(ブーツ) ¥6,000~
(スニーカー) ¥8,000~
・トゥスティール
(Jelly Fish) ¥2,000~
(LuLu) ¥3,000~
(Triumph) ¥4,000~
・くつ底 全交換
(スポンジ) ¥8,000~
(ラバー) ¥10,000~
(レザー) ¥15,000~
(ミッドソール追加) +¥3,000~
(ヒドゥンチャネル) +¥3,000~
(半カラス仕上げ) +¥2,000~
(リウェルト) +¥10,000~
​And More...
​下駄や草履、スニーカーや医療用装具、レーシングブーツ、乗馬ブーツなど、他店で断られた品もお気軽にお問合せ下さい。

 

■かばん修理(税込)
・ほつれ縫い ¥500~
・金具交換
 (カシメ・ホック etc) ¥300~
(スライサー・Dカン etc) ¥2,000~
(錠前) ¥4,000~
・根革作製 ¥3,000~
・持ち手補強 ¥3,000~
・持ち手交換 ¥4,000~
・ファスナー交換 ¥3,000~
・内装交換 ¥4,000~
​And More...
​リュックやランドセル、ベルトやジャケット等、他店で断られた品もお気軽にお問合せ下さい。​​

 

依頼を受け、一つ、一つ、丁寧な仕事に取り掛かる。

細部にこそ、魂は宿る。

坂庭、篠田さんの丁寧な手仕事がここにあります。

 

また、修理ということでは、こういう例もというのが、一番街周辺の川越観光に欠かせない人力車「川越人力車 いつき屋」さんの人力車の屋根部分の幌の修理をしたといったような、川越観光を支えていたりもする。

依頼があればチャレンジする姿勢を大事にしているだ。

(一番街の「川越人力車 いつき屋」さん)

 

坂庭のオーナーで修理の職人が、篠田俊樹さん。

[PROFILE]
・篠田 俊樹 (しのだ としき)


千葉県 野田市 出身。
服飾関係の専門学校を卒業後、某海外ブランドの鞄修理会社へ就職。
5年勤めた後、靴修理業界へ転職しました。多種多様な靴と触れ合う内に、革靴の奥深さに魅了される。​
更に5年間、横浜や町田などで修行を重ね、川越にて開業。

篠田さんが一番街のF Gallery靴・鞄修理の「AGHARTA(アガルタ)」を開いたのが、2016年のことだった。

川越に縁を持ったのは、このF Gallery内に友人がセレクトショップ「Function」を開いていたのがそもそものきっかけ。Functionの隣が空いているからと紹介されて構えたのが、AGHARTAだった。それ以前に川越に来たことがあり、いい街だなという印象が、川越でお店を開く後押しにもなっていった。

FunctionとAGHARTAは隣同士だけでなく、篠田さんが修理・カスタムした靴を販売していたという連携も見せていました。

AGHARTA時代に既に弁天横丁のことは把握し、気になっていた場所だったという。
その後、同じFギャラリー内で、「Atelier KUBUKA~アトリエ クブカ~」を構えていました。



(一番街Fギャラリー「Atelier KUBUKA」)

 

その後、修理に特化したお店を弁天横丁に移転してオープンさせたのが、坂庭です。

オープンに贈られた、川越在住のアーティスト「YOHAKU」さんの作品。
YOHAKUさんは、国内外から注目されているアーティストで、Instagramで絶大な支持を集めている。

川越では、川越水上公園横の「最明寺」の襖絵に彼の和の妖怪作品を見ることができます。
 

また、店内のショーケースに飾られているものの中に、工藤芳聖「ハルパリ」さんの作品にも気付くでしょう。

作家名「ハルパリ」としても活動する工藤芳聖さんは、坂庭がある弁天横丁で「Gallery,Cafe, and Bar 二軒堂」を運営する工藤さんです。

工藤さんはお店を始める前から今もアーティストとして活動しています。

 

坂庭からさらに弁天横丁を進んで行くと、右手に現れるのが大きな長屋。

通りに面した細長い七軒長屋です。

古い建物に価値を見出すのが今の時代らしく、この長屋をあえて選んだクリエイターたちが居を構えています。長屋に2019年5月にオープンしたギャラリー&カフェ・バー、「Gallery,Cafe, and Bar 二軒堂」さんです。

こうして、川越の奥へ、奥川越に踏み入って出会えるのがこの場所・お店ならでは。

「Gallery,Cafe, and Bar 二軒堂(にけんどう)」

川越市元町1-16-6
火曜日~金曜日 12:00-14:00、19:00-22:30
土曜日&日曜日 12:00-22:30
月曜日休

TEL 049-214-6276

Instagram:

https://www.instagram.com/gallery_and_cafe_nikendo/

Facebook:

https://www.facebook.com/%E4%BA%8C%E8%BB%92%E5%A0%82-337364080472184/

 

七軒長屋には「GALLERYなんとうり」さんが入り、普段はテキスタイル作家山本さんの工房としてありますが、年に数度企画展が開催されています。

同じく長屋に入るのが、デザインオフィス「晴間」さん。

「晴間」
https://www.hare-ma.com/profile
晴間には、木元洋佑建築設計室一級建築士事務所、1taro graphicsが事務所を構えています。、

 

実は、二軒堂の工藤さんの勧めもあって、篠田さんは落ち着いた場所で店舗を構えたいと弁天横丁に移転を決めたという経緯がある。

二軒堂の長男、幾未さんと篠田さんは同じ歳ということで意気投合。

 

変わりゆく弁天横丁。

お店が増え、動きができ、活性化していく予感の横丁。

工藤さん、篠田さんは共に弁天横丁を生まれ変わらせようと連携している。

一番街の街並みには質の高いモノが似合うし、一番街からほど近いこの横丁から色々なことを発信していくことが、川越の価値を高めることにもなる。

そうして川越の文化が豊かになっていけばいいと考えている。

工藤さんは、弁天横丁の空き家をリノベーションし、制作工房や店舗として活用することを構想している。

この作業に、坂庭の篠田さんも手伝っていました。

建物は、現時点の工藤さんの構想では、自身の制作工房や広いカフェ、ギャラリーなどで活用したいと考えています。

川越の生活感ある素の表情を大事にしながら、魅力的な横丁にしようとしています。

 

そして、坂庭としては今後、駅の近くに修理の受付所を作りたいと構想し、また、自身の工房もさらに広げたいという思いも持っている。

これから坂庭の世界は広がっていく。

 

職人としての魂を大事にしながら、弁天横丁の工房では修理の音が鳴り響く。

 

「靴鞄修理 坂庭(さかにわ)」
〒350-0061
埼玉県 川越市 喜多町2-1 
​12:00~19:00
毎週 月曜、第1・3火曜日
​臨時休業あり
049-224-0878
repair.sakaniwa@gmail.com
[アクセス方法]
・「札の辻」交差点近く「弁天横丁」内
・東武東上線 川越駅から バス8分
東武バス 川越01・02
「神明町車庫」「東松山」「八幡団地」行き
「札ノ辻」バス停 下車後、​徒歩2分
・西武新宿線 本川越駅から
「蔵づくりの街」方面へ直進徒歩15分
・「川越市役所」より徒歩3分
HP:
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