川越style「うどんとお酒 土麦(つむぎ)」川越昭和の街のうどん居酒屋 | 「小江戸川越STYLE」

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「小江戸川越STYLE」代表:石川真

糸と麺を紡ぐ。

つむぐ。

入口に置かれたお店の象徴である、糸車。

手で車を回転させながら紡がれる糸と、手で作られるうどんの麺が、なんとも絶妙にリンクするのでした。

また大事に、麺が紡がれていく。

 

2018年4月にオープンしたのが、「うどんとお酒 土麦(つむぎ)」さん。

お昼はうどんがメイン、夜は日本酒を売りにした一品料理やうどんを提供する居酒屋というお店。

お店があるのは、川越の連雀町。本川越駅を北へ進み、連雀町交差点を越えて、蓮馨寺山門横にあります。旧「おもちゃのおびつ」さんのところ。

暖簾をくぐって店内に入ると、広々とした涼やかな店内にはテーブル席にカウンター席がゆったりと。

「うどんとお酒 土麦(つむぎ)」

川越市連雀町9-1

営業時間
昼:11:00~15:00 (L.O.14:30)
夜:お休み中(再開情報は、Instagramでお知らせ致します)
※麺切れの場合や混雑状況によっては、ラストオーダー前に受付終了させていただく場合がございます

定休日 月曜日夜・火曜日

049-214-3394
アクセス    

・西武新宿線「本川越」駅より徒歩約7分
・東武東上線「川越市」駅より徒歩10分

HP:

http://udon-tsumugi.com/

Instagram:
https://www.instagram.com/tsumugi241/

 

さらに、秘密の場所・・・というわけではありませんが、階段を上がって二階席もあり、窓際からは目の前の中央通りが一望できる。(川越まつりの時は最高の山車曳行観覧席になりそう)

二階席は特に好評で、人の集まりには最適。ランチ会、女子会、宴会・パーティーをやりたいという声が多いのも頷けるよう。

それにしても・・・「昭和の街」にあるお店の、広々とした二階で、宴会を開ける日が来るなんて、時代は巡り巡ってまた面白くなってきました。

昭和の街にうどん居酒屋。

昭和の街にあるからこそ引き立つものがあり、きっと、駅周辺の立地だと土麦さんの個性は埋もれてしまうかもしれない。少し離れた落ち着き、昭和の街という地域に相まって、しかも蓮馨寺の横という場所が、お店の存在をより映えさせているようでした。これは、土麦の小林さんも意図したところで、個人のお店が個性を発揮できることを意識してこの地に辿り着いたのだった。

土麦さんと言えば、シンプルなかけ・ざるに加え定番の肉汁うどんに、季節により創作のアイディア溢れるうどんメニューが楽しい。

(肉汁うどん)

 

(おろしぶっかけうどん)

 

(牛すじカレーうどん)

川越にはうどん店が数多くあり、讃岐うどんや武蔵野うどんなどそれぞれが個性を発揮していますが、これまでのうどん店という括りに収まり切らないのが土麦さんかもしれない。

川越のうどん店はうどん専門店が多い中で、土麦さんはうどんを中心にして、うどんからの発想の広がりを見せているのが特徴。

川越は武蔵野うどん文化があるため、うどんは昼御飯・軽食というイメージが定着し、うどんを食べる時はうどんだけ・うどん中心という食事が浸透していますが、周りを見渡せば、例えば蕎麦店は、蕎麦を中心にして日本酒や一品料理などが揃っているのが通常で、食の楽しみ広がりがある。

それをうどんでも提案したい、新しいうどん食スタイルを確立したいという発想が、土麦さん。

こういうコンセプトのうどん店が川越的に新しく、うどん新時代の幕開けを感じさせます。

土麦さんがうどん作りで考えているのは、讃岐うどんと武蔵野うどんのいいところを採り入れたハイブリッド型。喉ごしがありながら小麦の香り立つうどんを意識している。

武蔵野うどんと聞くと、ごしごし硬い麺を思い浮かべるかもしれませんが、土麦さんは「麺は喉ごし」という信念のもと、つるりと入っていく麺づくりを心掛けています。

土麦さんの素材へのこだわりの姿勢はもちろんのこと。

出汁には数種類の厳選鰹節、醤油は香川県の生醤油など、それに豚肉は埼玉県深谷市の長島養豚のむさし麦豚を使用、朝どれの鶏肉を使っていることもお店の大きな売り。鶏肉は天ぷらなどが人気です。

季節の香りを意識しているのも大事にし、うどんにふんだんにレモンを使用したり、柚子を使ったり、季節ごとの旬の素材を取り入れて、「季節を感じられるうどん」がこのお店らしい。

(瀬戸内レモンうどん)

 

しっかり食べるなら、ごはんセットもお勧めです。

(本日のごはんセット)

 


土麦の小林さんは川越出身。南古谷地区の米農家の家に生まれ、食の道に足を踏み入れて20年以上。20代の頃は洋食の世界でイタリアン、30代は和食・居酒屋で働き、うどん店も2、3店で修行してきました。

地元川越でお店を開きたいという夢を持ち続け、イメージした店舗像は、今までにないうどん店を、これまでの自身のキャリアをすべて集積させたような新しいうどん店を、開こうと思った。

土麦さんの創作感は、考えみれば自然なこと。なにより新メニューを考案し続ける居酒屋の経験が大きく影響しているのだった。

都内ではうどん居酒屋が人気を博していますが、川越初の形がここに誕生したのは、色んな分野の食に携わってきた経験が生きていました。

実は・・・小林家は結果的にうどん店一家である。

うどん好きが揃った一家という意味ではなく、みながうどん店を経営している意味でうどん店一家なのです。

小林さんのお父さんは南古谷地区でうどん店を営み、弟さんは鶴瀬でうどん店「三日月」を構えている。

そして長男の小林さんが、連雀町で土麦をオープンさせ、家族三人がうどん店を経営している稀有な家族。小林家うどん店巡りも楽しそう。

土麦のこのスタイリッシュな空間が実現した裏側には、単に人の繋がり以上の地縁があった。

生家のすぐ近くに住んでいたのが、川越の建築士・松本康弘建築工房の松本さんで、小林家とは古くからの付き合いである。松本さんが設計した川越の店舗では、一番街の「川越 椿の蔵」があります。

松本さんはNPO法人川越蔵の会会員で、2018年3月に札の辻~市役所の本町通りにある蔵の会事務局で開催された「東秩父SELECTION」に協力していました。

(川越style「東秩父SELECTION」地域おこし協力隊 東秩父の魅力を発信 本町の長屋

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12360405045.html

 

うどん居酒屋という形で、気になるのはやはり、居酒屋。夜は一体どんな姿になるのだろう。

夜の土麦さんと言えば日本酒。

日本酒を呑みながら、料理をつまみ、そして〆にうどんをすするという流れが見られる。カウンター席があるので、一人客が小林さんと会話を楽しんでいるのも土麦の日常風景となっていた。

土麦コースは、前菜3品、お刺身、天ぷら盛り+2時間飲み放題でなんと2800円。他にも各宴会コースを揃えています。

日本酒は、日本酒再興という一時のブームを越えて、新たな日本酒文化が広がって定着しているのが近年。若い杜氏が増えて、今までにない発想の日本酒や呑みやすい日本酒の開発が活発になり、ボトル・ラベルのデザインなどの新たな提案も積極的で盛り上がりを見せている。

日本酒も季節ごとの新酒が出てくるので、それを目当てに楽しみにしている人も多い。

川越は小江戸鏡山酒造がある街で、松本醤油商店で「春のイースト発酵 大感謝 in川越」、小江戸蔵里の「ききざけ処」、ウェスタ川越の「ウェスタ川越春の地酒まつり」など日本酒の発信も多くなっている。

小林さんは居酒屋時代から様々な日本酒を取り扱い、造詣が深い。

土麦で扱っている日本酒は、産地・銘柄を特定せず、全国各地からその時いい日本酒を仕入れている。日本酒好きな人たちの間では既に口コミで、この銘柄がこの価格で!という驚きが広がっている。グランドメニューに載っている日本酒の他に、裏面メニューの日本酒もあるので、直接訊いてみては。このスタイリッシュな空間が、なんとも日本酒に合うのだ。

料理は酒の肴をはじめ、ここにも肉汁うどんに使用しているむさし麦豚が一品料理に仕立てられて登場する。土麦として、むさし麦豚は大きな武器。鶏天もおろしポン酢や山椒葱ソースで登場します。

小林さんは昔から自身で築地市場などへ仕入れに行っていたというだけあって、自分の目で自分の足で食材を集めることを厭わない人。もちろん土麦でもその姿勢は変わらず、今後は川越産の食材を使って日本酒に合う料理も提案していくに違いない。小林家はもともと川越の米農家であり、野菜も作っていることから、野菜の味の違いを知っているのも土麦の大きな強みでしょう。ちなみに土麦のお米は、実家で作っている川越産自家製お米です。

この日は、土麦さんの目の前、同じく昭和の街にお店を構える和菓子店「彩乃菓」の小島さんたちとの会食。土麦さんとも、昭和の街を盛り上げていこう!と意気投合していました。

呑んで、食べて、昭和の街の未来を語り合い、気づけば数時間。

そろそろ〆を・・・と、注文したのがそうです、もちろんのうどんです。

居酒屋で最後にしっかりとしたうどん店のうどんが食べられるというのが、やはり川越的に新鮮。

うどんと居酒屋、川越に、昭和の街に、新しい風を吹き込んでいます。

 

土麦さんがある蓮馨寺山門横というのがなんとも絶妙な場所で、蓮馨寺では今、小江戸川越春まつりフィナーレイベント、kawagoe coffee festival、手づくり食市+めきき市 in 織物市場、かわごえ国際交流フェスタ、川越唐人揃い、川越きものの日など、川越のイベントが数多く開催されており、イベント会場を楽しみながら土麦さんの暖簾をくぐる光景がよく見られる、見られていくはず。

山門横は蓮馨寺との一体感を感じさせ、蓮馨寺とセットで意識される。という意味での絶妙さ。

そして、忘れてはならない、土麦さんがあるのは、「川越昭和の街」であるということ。昭和の街のちょうどど真ん中に位置している。

一帯のまちづくりを行っている『川越中央通り「昭和の街」を楽しく賑やかなまちにする会』が2014年に発足し、地域を盛り上げるべく様々な取り組みを継続して行っていることは川越styleは現場から伝えてきました。
毎月18日の川越きものの日に合わせて昭和の街では「ごえんの日」として、買物や食事をした人に五円玉の福銭を進呈、蓮馨寺境内では手作り市を開催しています。他にも「蓮馨寺落語会」、「昭和の街の感謝祭」など展開は多岐にわたっています。

他のイベントとコラボすることも多く、2017年11月には「食と音と灯りの融合Kawagoe REMIX(カワゴエリミックス)2017」とコラボし、蓮馨寺境内に出店していた昭和の街の店々。

蓮馨寺境内のイベントが行われる際に、昭和の街のお店が境内に出店するという連携が生まれ活発になったのも2017年からでした。

「食と音と灯りの融合Kawagoe REMIX(カワゴエリミックス)2017」2017年11月

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12327141306.html

 

同じく2017年11月には「ビートルズのチカラ!」とタイアップして、一週間にわたるウィークリーイベントを開催。

(川越style『プレイベント「川越昭和の街にビートルズのチカラ!がやって来る!」』
https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12333796499.html
 

2018年5月には、川越初の試み、蓮馨寺を舞台に群馬の名湯四万温泉を運び込んでのイベント

「四万温泉 温泉マルシェin川越昭和の街」が開催。これも事前に一週間にわたるウィークリーイベントを行っていました。ウィークリー仕立ては、ビートルズのチカラ!から始まり、今回で二回目。店々がまとまらないと実現できないものですが、昭和の街では普通にやってのけてしまうところがあり得ない。

(川越style「四万温泉 温泉マルシェin川越昭和の街」蓮馨寺 昭和の街に四万温泉がやって来た

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12379082385.html

ウィークリーイベントというのは、5月26日の本イベント「四万温泉 温泉マルシェin川越昭和の街」の前に、一週間にわたるイベントを開催して街の機運を高めようとしたもの。一週間前の19日から「川越昭和の街・四万ウィーク」として昭和の街の協力店8店舗にて四万温泉周辺の地元食材を使ったスペシャルメニューを提供。これはこの期間だけの限定商品でした。

そしてこれに、土麦さんも早速参加していたのです。
「川越昭和の街・四万ウィーク」2018年5月19日(土)~5月26日


参加店舗
★ワインスタンドPON!
田村ファームのカマンベールチーズ/四万温泉エール各種
★大黒屋食堂
四万温泉 山の幸定食/日本酒「温泉壱号」など
★トシノコーヒー
四万温泉イチゴスムージー
★川越Hotsandラフォア―
上州麦豚使用スペシャルホットサンド
四万のストロベリースカッシュ&ストロベリーミルク
★フクフクスタンド
期間限定米粉ワッフル「花まめ」/なめ味噌おむすび
★和菓子 彩乃菓
特製いちごまるごと氷(よしだ農園いちご+ロカーレジェラート)
★スナックれん
四万の山の幸を使ったお惣菜各種
そして昭和の街のお隣、蔵の街一番街からも参加店が!
★オーストリア料理 Mie Coco(ミー・ココ)
四万温泉エール各種など

(★うどんとお酒 土麦(つむぎ))

お店のオープン直後に昭和の街の会のイベントに参加するという英断。今後も昭和の街で存在感を発揮していくだろうことを予感させるフットワークの良さでした。

また、毎年4月29日は「昭和の日」で、この日に合わせて「コッペパンデー」を仕掛けている昭和の街の会。

コッペパンデーは、昭和の街でコッペパンを配布し、中に入れる具を昭和の街の参加店で買ってもらおうという企画で、毎回好評を博しています。昭和の街のアイコンがコッペパン。

(川越style「コッペパンデー 川越昭和の街」4月29日は昭和の日 昭和スタイルでおもてなし
https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12374633020.html

昭和の街のコッペパン企画は、現在年に数回行われており、4月の次は7月の「川越Farmer's Market」で昭和の街スペシャルコラボとしてコッペパン企画が行われます。

そして・・・2018年7月1日(日)蓮馨寺で開催される川越Farmer's Marketのコッペパン企画に、土麦さんが緊急参戦することが決定しました。

川越ファーマーズでは、境内に出店する川越の人気店「ブーランジェリュネット」さんのコッペパンを買い、具を昭和の街の参加店で買ってもらうものです。土麦さんが一体どんな具を用意するのか、期待したいところ。

(川越style「川越Farmer’s Market」2018年7月1日(日)蓮馨寺など

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12377862357.html

 

これからも、昭和の街の一員として昭和の街を盛り上げていく。

うどんを中心に、食の楽しみがどこまでも広がっていくお店。

 

・・・と、ここまできて、もうお分かりになったでしょう。

土麦さんの入口に、なぜ糸車が置かれているのか、なぜロゴマークが糸車なのか。

うどんが作られる「小麦」を表す、「土麦(つむぎ)」。

糸を紡ぐ糸車、小麦を紡いで作られるうどん、土麦を表現するものとして糸車を大事なアイコンにしているのでした。

昭和の街で、今までにないうどん居酒屋として、新たな歴史を紡いでいくに違いない。

 

「うどんとお酒 土麦(つむぎ)」

川越市連雀町9-1

営業時間
昼:11:00~15:00 (L.O.14:30)
夜:お休み中(再開情報は、Instagramでお知らせ致します)
※麺切れの場合や混雑状況によっては、ラストオーダー前に受付終了させていただく場合がございます

定休日 月曜日夜・火曜日

049-214-3394
アクセス    

・西武新宿線「本川越」駅より徒歩約7分
・東武東上線「川越市」駅より徒歩10分

HP:

http://udon-tsumugi.com/

Instagram:
https://www.instagram.com/tsumugi241/