川越style「ブーランジェリュネット」川越の新河岸からパン文化を広める | 「小江戸川越STYLE」

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川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

 

川越はパンの街。

市内各地に個性的な個人パン屋があり、それぞれが地域の生活になくてはならない存在として根付いている。

川越市駅、菓子屋横丁、松江町、霞ヶ関、新宿、新河岸、下老袋と川越中に個人パン屋があることが分かります。

という地域を見ると、意外にも市街地から離れているところに川越の名店がある。

中でも新河岸は、パン好きが通うお店が点在しているエリア。

そのパン屋さんの事を・・・

あるパン屋店主は・・・「あのパンは神」、そう表現するほど。

同業からも一目置かれる存在、「ブーランジェリュネット」さん。

お店があるのは川越の新河岸、川越街道からいなげやがある交差点からいちょう通りへ入って行き、道なりにカーブを曲がって進んで行った先、「ウエマツ薬局」さんを右に入ったところにあります。

 

お店に入ると目の前にパンが並ぶショーケースが。

 

そして・・・横にずらりと並ぶ、ハード系パンの数々。それこそ、リュネットを表すパンたちです。

 

リュネット渾身のパン、「自家製ルヴァン種のカンパーニュ」。

量り売りもしているこのパンは、リュネットといえばやはりハード系パンの代表選手。

焼き目も割れ目もウットリです。

このパンを含め、リュネットのほとんどのパンが、製法からヨーロッパの流れを意識している欧風パンたち。

欧風パンといっても何も特別な敷居の高さがあるわけでない、

「普段食卓で食べられているような日常的なパンを作りたいと思っています。

食事のお供になるような、食事がより豊かになるようなパンを見つけてもらえれば」

と話すリュネットの若松さん。

ヨーロッパでは、例えば農家が自分で作って焼いて切り分けてみんなで食べる、日本のお米のような、カンパーニュはそんな日常的なパン。

食べ飽きない素朴な味で、毎日の食卓を彩ってくれる、なんだか切り分ける音が聞こえてくるよう。

そして「パン ド カンパーニュ」も噛み締めたいパン。

自家製サワー種(ライ麦からおこした酵母)を使用したパン。これも芸術的。

「パン ド カンパーニュは肉料理に合うように作っています。味の濃い料理に合いますよ」。

 

店名と同じ「リュネット」は、サワー種生地にくるみ、アーモンド、カレンツが入ったライ麦パンで、クリームチーズとの相性がいい。

 

「いちじくとナッツのライ麦パン」に、「グリーンレーズンのカンパーニュ」は、爽やかな甘みのグリーンレーズンが入ったライ麦パン。

「十穀うきょう」は、生地の中に黒米、赤米、押麦、もちあわ、丸麦、高きび・アマランス・もちきび・キンワ・うるちひえ・玄米を炊いて加えたもの。


リュネットのパンは、なんでこんなに見た目が美しいんだろう。。。とにかく生地が美しい。

そしてやはり・・・生地に対しては並々ならぬこだわりを抱いているリュネット。

 

「パン作りで大事なのは生地。いかに大切に作るか。生地作りに9割くらいの力注いでます」と話し、続けて、「私の作るパンは、北海道産の小麦を使用し、自家製酵母とイースト、材料、製パン方法まで、そのパンにあったものを使用しています。

ゆっくりじっくり発酵させたパンは、小麦の中の酵素の自然な力で甘く、そして風味豊かになります。

仕上げとも言うべき、パンの焼成に使用するオーブンは、フランスのボンガード社のオーブンを使用していて、石釜による遠赤外線効果によるパンの日どおりの良さと、パンにボリュームが出ています。大量生産の工場には出来ないパンの美味しさを味わっていただければと思います」。

 

「リュスティック」はフランスパンの原型とも言われているシンプルなパン。

 

小麦粉、水、塩、イーストというシンプルな材料から作るパンは、シンプルだからこそ技術が求められるパンでもある。

もちろんリュネットさんはハード系パンだけではなく、菓子パンや惣菜パンなど柔らかいパンも扱っていて、そのレベルもまた高い。

クリームパン、あんこぱん、手作りあんこのしろあんぱん、メロンパン、黒糖ベーグル、よもぎと粒あんのベーグル、発酵バターのクロワッサン、キャラメルフレンチトースト、くるみとゴルゴンゾーラ、クリームチーズとカスタードデニッシュ、埼玉県産小麦のハナマンテンを使ったプチパンやくるみパン、自家製ミートソースとホワイトソースのパンポット、手作りチキンカレーと季節の野菜のパンポット、大粒のレーズンが入った食パンレーズンブレッド。

 

川越の中でもう絶対的な存在になっているブーランジェリュネットさん、

リュネットさんなら間違いなく都内でも人気店になるでしょうし、こういうお店が川越に、新河岸にあるという奇蹟。

リュネットの若松さんは、ホテルで5年ほど修行し独立、以前は東松山にお店を構えていました。

リュネットといえば、川越発のパンの祭典「川越パンマルシェ」にはお馴染みの出店で、というか、川越パンマルシェ立ち上げにも関わっていて、イベントを盛り上げてきました。
川越style

(2012年5月第1回川越パンマルシェ)

 

川越style

(2013年5月第2回川越パンマルシェ)

 

(2014年5月第3回川越パンマルシェ)

 

(2015年第4回川越パンマルシェ

2015年の川越パンマルシェ開催の直前、インタビュー形式で訊いた話しがこちらです。

第一回目の川越パンマルシェから出店しているブーランジェリュネットさん。

川越パンマルシェの立ち上げにも関わり、運営面を支え続けています。
ーいよいよ今年の川越パンマルシェが近付いてきましたね。
「パンマルシェのことは毎回何ヵ月も前から頭にあって、『今年は何のパンを出品しようかな』と考え続ける日々になるんですよ」

 

ー各地のイベントに出店することの多いリュネットさんですが、川越パンマルシェは特別なんですね。
「出店するイベントはパンマルシェが一番大きいですし、パンマルシェがあるから新しいことに挑戦する、というのもあるんです」

 

ーパンマルシェは挑戦する場でもあるんですね。
「そうなんです。普段のお店のパンはそんなに顔触れは変えないのですが、パンマルシェがあるから、そこで新しいことに挑戦して発表する、というのはありますね。
去年は知り合いの飲食店の人に相談したりして、そんな素材の組み合わせがあるんだ、と新しい発見があったりしました。食事に合うシンプルなパンを追求すると、飲食店の方の話しがイメージが湧きやすくて参考になったりするんです」

 

ーお店を始めた時から、食事に合うパン、とハード系パンに力を入れてきたリュネットさん。
「川越の新河岸にお店を構えて8年、東松山にお店があった時から数えると14年になります」

 

ー14年というと、世の中にハード系パンが浸透してきた道のりと同じような時間ではないでしょうか。
「お店を始めた時はハード系パンを提供するお店が周りに少なくて、まだまだ知る人がいないような状況でした。でもお店をやるならハード系パン屋以外は考えていなかったし、このパンを広めたいと思い、作り続けてきました」

 

ー14年経ち、ハード系パンが浸透してきた実感はありますか??
「それはありますね。うちのお客様は『このパンを買う』と決めている方が多くて、パンごとにそういう方がいます。また、柔らかいパンにハード系を一緒に購入するという方がほとんどで、以前と比べるとハード系パンが広がっているのを感じます」

 

ーリュネットさんは地域の食材をパンに取り入れることにも意欲的ですよね。
「小麦粉は埼玉県産を使用したり、カンパーニュに野々山養蜂園さんの蜂蜜、キッシュなどに川越で無農薬米作りされている高梨さんの玄米を使ったこともあります。玄米を使うことでモッチリ感が出て食べやすくなるんです」

 

ー今年もパンマルシェではリュネットさん目当ての方も多くなると思います。
「川越パンマルシェは毎年来場者が増えていて、待っていてくださる方がいるからにはなんとか応えた一心で臨んでいます。パンを購入して頂いた方が、いろいろ工夫して料理に合わせて頂けると嬉 しいです」

 

欧風パンであり、地域の農産物をパンに取り込むことにも積極的なリュネットさんは、河越抹茶を練りこんだ自家製ルヴァン生地の中にミルクチョコ入りのミッシュや、埼玉県産小麦のふすまを加えた酒粕酵母のカンパーニュなども焼いている。



さらに、お店のショーケースの上には、蜂蜜コーナーが。

この蜂蜜が、川越Farmer’s Marketの野々山養蜂園さんで、リュネットさんが応援している川越の養蜂家であり、野々山さんもリュネットさんにならぜひ置いてもらいたいと信頼している。

リュネットで野々山さんの蜂蜜を購入する方は多いそうで、季節ごとの蜂蜜を楽しみにしている人は多い。

生産者とそれを使う職人、この夢のタッグで新たな世界を切り拓いている。

(「野々山養蜂園」川越の絶品蜂蜜の現場へ

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12065261924.html

ちなみに両者は川越Farmer’s Marketに欠かせない出店者でもあります。

リュネットさんの奥にある雑貨コーナーには、パンのある暮らしを豊かにする生活雑貨が並んでいます。

主に取り扱っている食器は、スタジオMさんのもの。スタジオMさんの食器の暖かい雰囲気と、自分たちのパンで食卓が一層賑やかになって欲しい、食と器の提案が込められたコーナーです。



数年前にパンマルシェの取材で来た時も雑貨コーナーはあり、ずっと継続しているコーナーは、

その「パン」が中心的に注目されるリュネットさんにあって、

蜂蜜にしても雑貨にしても、パン以外の提案があることを見過ごすのはもったいない。

可愛らしい子ども用品は、pomier(ポミエール)さん。



マスク、三角巾(お掃除帽)、給食のお箸やテーブルクロスを入れる巾着、
そして、毎回入荷するとすぐに売り切れてしまう移動ポケット。ひとつひとつ柄が違う一点物です。

 

リュネットさんがあるいちょう通りには、道を進んで行くとフランス菓子専門店「パティスリー・サト」さんがあり、川越街道を越えて新河岸駅方面にはパン屋「ベーカリークレープ」があるという、この近距離でレベルの高いお店が点在している。

(「パティスリー・サト」新河岸のフランス菓子専門店

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12082943368.html




リュネットさんといえば、川越というくくりを越え、もう埼玉県各地のイベントに呼ばれる引っ張りだこの存在で、質を追い求めるイベントでは、「パンといえば川越のリュネットさんを呼ぼう」というのが運営側の常識になっているかのよう。
また積極的に応える姿勢のリュネットさんは、川越のパン屋でもっともイベント出店しているお店でしょう。

川越内のイベントでみても、本当に多くのイベントでリュネットさんは見かけ、

川越Farmer’s Marketには定番出店し、2016年1月1万人ほどで賑わった小江戸川越農産物と食のまつりにも出店していました。

(前編「川越Farmer’s Market」12月13日(日)開催 蓮馨寺

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12107286406.html

 

前編 第一回「小江戸川越農産物と食のまつり」2016年1月31日ウェスタ川越

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12124147126.html

 

そして南大塚の栗原造園さんの春と秋のイベント出店も恒例です。

(栗原造園「森のおうちのマーケット あきからふゆのもり2015」

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12099432692.html

栗原造園さんの森は人を惹き付け、人と人を結び、人と人と間の話しを膨らませてくれる力があるようで、今振り返れば、川越Farmer’s Marketはこの森に育まれて大きくなったとも言える。

ここで、あのマーケットに身を置きながら、栗原さんたちと

「川越でFarmer’s Marketをやりたい」という話しをしていた。

そして、まだ夢段階だった話に、飲食出店で始めに即答的に賛同してくれたのがブーランジェリュネットさんで、
それもこのイベントの最中のことだったんです。

川越Farmer’s Marketというまちづくりは、リュネットさんが出店してくれることで世界が広がったことは確実で、今までも、これからも、川越Farmer’s Marketでは大事な存在です。

 

「ブーランジェ リュネット」

2022年から週に一日、日曜日のみ営業

川越市砂新田2-8-11

9:00~18:00*売り切れ次第閉店

049-292-9653

HP:
http://www.boulanger-lunettes.com/index.php

Facebook:

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