【288話】和也への恋心を打ち明けなくてはならない千鶴 | 恋心、お借りします

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【288話】和也への恋心を打ち明けなくてはならない千鶴

 

 

はいどーも。かのかり楽しんでますか。甲楽わんです。

 

 

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◆俺はちづるちゃんが好き 288話

 

288話、唐突な海くんの”告白”。読者の中には、「千鶴ちゃん!海君からの”告白”を断ってくれ!!」「やっぱり海くんは千鶴に近づいてきたか!?この邪魔者め!」なんて、苛立ちを感じた方も多かったのではないでしょうか。来週が非常に気になりますね。

 

とはいえ、今回僕が感じたことは、多くの読者の感覚とはかなり離れています。僕の想像していた通り、海くんは千鶴にアプローチできる状況ではないと自覚しているし、その気もないんだろうなぁ。それが今回の海くんの印象でしたね。

 

海くんの恋物語は、クラファン最終日に千鶴にフラれて以降、彼女を諦めるという流れで描かれてきました(127話)(【287話】中野海から見た「彼女、お借りします」)。あの日、千鶴をデートに誘うも断られてしまった。千鶴にはすでに想い人(和也)がいたわけです。「好きじゃなくもない」、その言葉は、彼のことが好きなんだと確信させるは十分でした。

 

千鶴ちゃんには好きな人がいて、残念ながら脈は薄い。海君がそれを痛感していると前提に今回読み進めても、特に違和感なく読めました。また、とりわけ海くんに関するバックストーリーの追加もありませんでした。なので、海君が今の明らかに不利な状況を無視し、無鉄砲に千鶴に関係を迫ることはないでしょうね。彼にそのつもりはないです。

 

え?でも、海くんは”告白”したじゃん!?そう反論する人が大半でしょう笑。それについてもこの後話しますが。でも、そんなことよりももっと大事なのは、この後千鶴が和也について、何を話すかということです。とびきりのシーンが来るんじゃないかなと期待が膨らんでます。

 

 

 

  ”告白”できない海くんの状況

 

海君は今、とても千鶴に”告白”などできる状況にはありません。

 

え?でも、海くんは”告白”したじゃん!?

 

そう反論する人が大半でしょう笑

 

ですが。ちょっと待ってください。海くんは千鶴に「好きだよ」と話しただけで、「俺と付き合えよ」と恋人関係を迫ったわけではありません。”告白”を「俺と付き合って欲しいと要求すること」と定義するなら、「好きだと伝えること」=「告白」とは限りません。

 

僕らの日常では、異性に「好きだよ」と伝える状況は、ほぼほぼ「好きだから、俺(私)と付き合って欲しい」と伝える(すなわち、ここで定義した”告白”する)ときに限られています。なので、それを知らず知らずに海君のケースに当てはめていないでしょうか。僕らのありふれた、特定の意味合いしかないと思い込んで、「好きだと伝えた」=「告白した(恋人関係を要求した)」と理解していませんか。しかし、本当にそうでしょうか。

 

たとえば、付き合っていた男女が、のっぴきならない理由で別れないといけない状況になり、「好きだよ。ずっと好きだよ」とお互いの気持ちを確認して、苦しみを抱えながら別れるドラマだってあるでしょう。たとえば、好きな人が自信を失ってるときに、その人を励ましたくて「私は好きだよ、○○くんのこと。だから大丈夫」と声をかけてあげるドラマだってあるでしょう。”告白”する(恋人関係を要求する)以外に「好きだ」と伝えるドラマも、”告白”する以外に「好きだ」と伝えたくなる感情もたくさんあるんですよ。

 

海くんの恋物語は、クラファン最終日に千鶴にフラれて以降、彼女を諦めるという流れで描かれてきました。クラファン最終日、千鶴をデートに誘うも海君はあっさり断られてしまったんです。もう一度、海君のドラマを整理します。

 

小百合さんが倒れて以降、千鶴がかなり落ち込んでいることに海くんは気付いていました。しかし、映画製作をきっかけに彼女は元気を取り戻した。そんな千鶴ちゃんの姿を見て、映画を提案してくれた”彼”(和也)に恋心を抱いているのではないかと海くんは不安だった。

 

もし千鶴ちゃんと”彼”が恋人関係にある(もしくは千鶴ちゃんが”彼”のことが好き)なら、脈は薄いし、千鶴ちゃんがデートの誘いを拒むのにも納得がいく。少なくとも、今アプローチしたところで困らせてしまうだけです。

 

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◆好きなの?その”彼”の事? 127話

 

「好きなの?その”彼”の事」。そう千鶴に尋ねた海くん。デートの誘いを断る理由が、”彼”でなれば良いと願ったのですが、

 

 

◆好きじゃない でも 好きじゃなくもない 127話

 

好きじゃない

でも好きじゃなくもない

 

「好きじゃなくもない」、その言葉は、彼のことが好きなんだと確信させるは十分でした。

 

そして、千鶴は好きな人(和也)と共に夢を実現させます。

 

今回海くんは千鶴のおばあさん(小百合さん)のお仏壇に挨拶に出向き、同性の友達(八重森)を交えたルームシェアではあるものの、千鶴ちゃんが今はその”彼”と一緒に生活もしていると知ります。海くんの知らないうちに、千鶴と和也の関係はますます発展していたわけです。

 

 

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◆事務所には話したの? 288話

 

また、海くんが千鶴に忠告する通り、女優である千鶴が彼氏を作ることにはリスクも伴います(千鶴本人は179話でメリットについても語っているため、100%間違いだとは考えてない)。そんなリスクを負ってまで千鶴ちゃんは”彼”(和也)との関係を続けている。それくらい千鶴ちゃんは”彼”に本気なんですよ。

 

海くんからしたら、脈なんて1ミリもないんですよ。とても”告白”(付き合って欲しいと要求)などできる状況にはいません。

 

なので、「恋人関係を要求するために『好きだ』と伝えた」と理解するのはかなり難しく、その可能性はほぼないです。仮に”告白”だったとしたら、どんなきっかけがあって、どんな気持ちが生まれて、この不利な状況や千鶴の気持ちを無視してまで恋人になりたいと願ったのか、それを説明するバックストーリーが必ず追加されるはずですね(それが今のところないので、現状その線はないでしょう)。

 

では、海くんが改めて千鶴に「好きだ」と話した目的について考えてみます。彼の真意はどこにあるんでしょうか。

 

 

 

  「好きだ」と話した海くんの心中

 

海君は「好きだ」と伝えて、何をしたいんでしょうか。

 

いや、これだけフッておいて、僕も分かりませんw。

 

ただし、今回の288話を素直に読めば、海くんは売り出し中の女優である千鶴がパートナーを持つことにリスクを感じていて、それを度外視してでも”彼”との関係を続ける気でいるのか(つまり、どれほど和也との関係が本気なのか)を測りたいのかなと思います。

 

もし千鶴が彼との関係を遊びではなく真剣に考えているなら、応援しなくてはいけないと考えているのかもしれません。また、千鶴の和也への気持ちを確かめ、フるならフるで、はっきりフッて欲しいと願っているのかもしれません。海君は千鶴にいわゆる「キープ」されている状況にいます。千鶴は、海君と付き合う気がない態度で接していますが、同時に和也と付き合っているわけではありません。海君からすれば、わずかなチャンスを捨てきれない状況にあるんです。

 

 

 

  和也への気持ちを打ち明けなくてはいけない千鶴の状況

 

海くんが恋愛の話題を千鶴に振るのなら、和也のことが話題にならないはずがありません。

 

海くんが千鶴に「好きだ」と話したとき、僕が心配し、同時に期待したことは、どこまで千鶴は和也への思いを海君(+盗み聞きしている八重森さんと和也、加えて読者)に打ち明けられるんだろう、でした。

 

海君に「好きだ」と言われて、驚くというより、なにか不穏な顔を千鶴は見せているのですが。千鶴は、海君からの”告白”にどうこたえるべきか迷っているわけではありません。また、海君に強引に関係を迫られて困っているわけでもありません。千鶴から見て役者仲間の海君はちゃんと話し合える人だし、海君と付き合う気はないのだがら、そう伝えればよいだけの話です。

 

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◆海君の「好きだ」という言葉に不穏な顔を見せる千鶴 228話

 

では、この顔をする千鶴は何に困っているのか。確かに、海君くんの気持ちを拒み、彼を傷つけてしまうのも事実で、その申し訳なさから、千鶴はこういう表情になっているのかもしれません。ただし、もっと大きな要因は、きっとこれから和也への思いを話さなくてはいけない状況が来るということです。海くんの「好きだ」という言葉は、それを予感させるに十分だということです。

 

千鶴は、恋愛ごとについては語りたくありません。和也のことを好きだと打ち明けるのが恥ずかしてできないんです。もしそれができていたら、もう二人は付き合っています。そんな、超めんどくさい性格の彼女からしたら、自分の恋心を打ち明けなくてはいけない、もしくは恋心を探られるような今の状況めちゃめちゃ嫌なはずで、ナーバスになるもの当然です。

 

あの人の事 どう話そう

海君は、私があの人のことを好きだと思っているし

女優としてリスクを負っているのも確か

「仕方がなく一緒に住んでる」じゃ 海くんは納得してくれない

あの人への気持ちを どう話せばいいの…?

 

こういう風に悩んでいるんでしょう。

 

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◆パーティで海君と話した後、不穏な(緊張した?)顔を見せる千鶴

 

実はこれは、パーティで海君と話した後、千鶴が見せたリアクションと似ています(179話)。あの日、千鶴は海君にまるで和也を恋人のように扱われ(特別にパーティに来るように呼ばれ)ていたわけです。そこで「彼っていい奴だね」なんて何か言われようなものなら、それは「君の好きな人っていい奴だね」って言っているのに等しいのだから、今回同様、彼女は自分の恋心を探られたように感じてナーバスになっても仕方ありません(もちろん何か特別な会話があり、それが大きな要因になっている可能性もあります)。

 

さて、来週千鶴は海くんに何を語るのか、注目しておきましょう。

 

 

 

という感じで、288話を振り返ってみました。これは僕の願望が入ってしまっていますが、ここで「調査の答え」として千鶴は和也への思いを少しだけ語ってくれるのかもしれませんね。今回はそれを和也も八重森さんも聞いているわけですから、物語が一気に動き出してもおかしくはありません。楽しみにしておきましょう。

 

では、また次の記事で!