竣工・引渡し ・・・ 初めて過ごした実感 ~ 温熱環境など | 伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

一昨年3/10に​日伸建設​の社長さんから石場建ての話しが出て、

この伝統構法によるマイホームのプロジェクトが始動してから2年9か月半。

それから丸1年かけて構想・設計。
 

昨年3/20に伝統構法にするための​適判を申請​してから1年9か月余。

6/25に​壁土の仕込み・熟成​を始めてから1年6か月。

8/22に​建築確認​がおりて、​材木の手刻み​を始めてから1年4か月余。
 

11/7に​着工​(敷地整備)してから1年1か月余、

12/14に​礎石を据付け​てから1年余、

今年2/17~20の​建て方・上棟​から10か月余・・・。

 

12/19(土)には、家本体としては最後の手直しを経て無事竣工。

ついに今日12/26(土)、めでたく引渡しの日を迎えることができました。

(まだウッドデッキが残っていますが・・・。)
 

着工してからでも、近隣をざっと見まわしただけでも、十軒は竣工したかな?

そりゃあ、基礎コンを打ち始めてから4か月ほどで住み始めるのが一般的。

そんなに急いで、コンクリートの強度は大丈夫なの?
 

それぐらい、桁外れな労力と時間がかかっているプロジェクトでしたが、

終わらないんじゃないかと思うぐらいのプロジェクトでしたが、

いや、まだまだ続いてもいいとさえ思っていたプロジェクトでしたが・・・。
 

今日から我が家になりました!

 

思い返せば、​日伸建設​の親方・棟梁をはじめ、大工さん、左官さん・・・

ものすごくたくさんの方々にお世話になり、

こんな素晴らしい我が家が建ちました。
 

妻共々、ただただ感謝と感動で、胸がいっぱいです。

 

竣工~引渡し。どうも普通は私たちの場合とはかなり違うようです。

iemiruコラムvol.251​によると、

細部まで確認必須の「竣工検査(施主検査)」・・・というのが普通だそうです。
 

私たちの場合は、ほとんど毎日施工現場を見て

気付いたことはその都度棟梁と話しをしながら進めてきたため、

引渡しといっても、本鍵をもらうぐらいです。

 

朝イチ、引渡し会の準備に入ります。

いつものことながら、爽やかな木の香りに包まれます。
 

初めてエアコンとシーリングファンのスイッチを入れます。

1階と2階の2台、それぞれ環境省推奨の設定20℃。

午前中は、水道とガスの開栓。

いよいよここでの暮らしが始まるという実感が湧いてきました。
 

そのあと引渡しと言っても棟梁から本鍵を受け取るだけと聞いていたんですが、

これだけお世話になった日伸建設の皆さんです。

親方、棟梁、大工さん、経理の皆さんをお招きして、

お礼と労いとお祝いのささやかな昼食会を催すことにしました。
 

仕出しを頼んで、私が撮影した工事中の動画などを見て振り返りながら歓談。

心ばかりの引出物とご祝儀を皆さんにお渡しして2時間ほどでお開きに。

皆さんはそれからも工房や現場で作業だそうです。
 

あっ! 記念写真を撮るのを忘れたぁ・・・!!

 

午後は、住み心地のチェックを兼ねて、

リビングで妻とボ~っと過ごしてみました。
 

この家は朝エアコンを入れて、16℃ぐらいになってくると、

驚いたことに立って活動している分には寒さを感じません。

18℃になると、けっこう温かく感じます。
 

前述のようにエアコンは、
前掲の写真の1階の床置きエアコン14畳用と、

2階の小屋裏エアコン14畳用の2台だけ。


シーリングファンを回して吹抜けと階段室から暖気を攪拌し、

建坪30坪ほどを全館(約8畳の個室を除く)空調しています。
 

今日は寒さが緩んで3時の外気温は約11℃、湿度43%。

室内はエアコン2台とも20℃設定で、室温約20℃、湿度52%。

玄関土間と個室とトイレと風呂を除き、家中どこでもほぼ同じ体感温度。


部屋を出ると寒いっ!って感じるなんてことはありません。

今住んでいる家が築五十年の当時のペラい家なので、

こういう体感は初めて。その心地よさに驚きです。
 

複層ガラス樹脂アルミ複合サッシと明かり障子による気密・断熱性もあるでしょうけど、

天然乾燥無垢材と土壁のお陰で、

エアコンをかけても湿度が下がらないのが功を奏しているのかもしれません。

 

そして、初めてのトイレ。

トイレは北側に配していますが、窓を付けておいてつくづく良かった!

日中は電気を点ける必要が全くありません。
 

南に面した書斎も、カウンターデスクには陽の光が射し、明るさは十分!

こちらも日中は電気を点ける必要がありません。

眩しければ明かり障子で調節できます。
 

できるだけ電気に頼らないで暮らせる家。

省エネ、​サスティナブル​な(持続可能な)家づくりが、

伝統構法でも可能だということを、今日あらためて実感しました。

というより、伝統構法だからこそ!可能なのかも。

 

今日の最後は、初風呂。​LIXILスパージュ​。

元をただせば、前の家のユニットバスをスパージュに入れ替えようという話しが原点。

思いもよらず、石場建て伝統構法の家にスパージュという組み合わせ!
 

想像以上に肩湯はいい!

石場建てでも床下断熱を施してあるので、床も冷えない。

そして、ユニットバスでも脱衣場は桧風呂の香り。


 

こんな旅館気分の家にご縁をくださった日伸建設に、心から感謝です。

建築に携わってくださった職人のみなさん、ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。
 

生涯、世代を超えて五十年、百年、二百年・・・大事にしていきます。


翌朝追記:
夜10時ごろエアコンを切って約9時間後の翌朝7時頃、入ったら家じゅう寒くない!
室温14.8℃、湿度56%。超高気密高断熱住宅ならともかく、いい線いってるんじゃない?!