少し前ですが、中学受験塾への通塾開始年齢が下がっていることが話題になりましたね。
私の教室にも、低学年の方からのお問い合わせが増えています。
大手塾が満席になってしまう、早くスタートさせないと受験に失敗するのではないか……
そんな不安に駆られているお母さま方を思うと胸が痛みます。
みなさんご存じのとおりで、通塾開始時期の早さと入試結果は必ずしも相関しません。
少なくとも私の教室ではそうです。
進学塾に通わず、家庭学習メインで最難関校に合格してしまうお子さんも複数います。
もちろん、低学年から塾に通ってとても楽しかった、勉強が好きになったというお子さんもいます。
お母さまが仕事をされているため、託児所代わりにと早くから塾を利用する方もいらっしゃると思います。
人それぞれですね。
家庭の都合やお子さんの性格などを勘案して、最もストレスのかからない方法を選んでください。
ただひとつ。
低学年からの通塾で、気をつけていただきたいことがあります。
組分けテストで点を取ることを目的化しないということです。
勉強するなということではありません。
組分けテストでどんな成績を取るかは日頃の学習の成果であって、それだけを目的にして、本質とはかけ離れた手段に走らないでいただきたいということです。
漢字や語句を覚えさせるのはよいとして、
危ないのが読解問題対策。
素材文を全部読むと間に合わないからと、先に設問を読み、関係ありそうなところだけ読んで解きなさい、とか
選択肢の答えがわからなかったなら、何でもいいから当てずっぽうで記号を書いてしまいなさい、とか
そんなアドバイスをしていませんか……?
きちんと解くためのスキルがまだ十分に身についていないのに、そんなやり方を仕込んだら、考えないで解く受験生になりかねません。
じっくり考えたために時間がかかり、半分しか解けなかった
でも、やったところはちゃんと正解していた
こんな解き方をする子は、先々伸びるものです。
読む力と考える力さえあれば、いずれスピードもアップします。
4年生をみていると、受験対策の勉強などほとんどしたことがないのに、読解問題をぐんぐん解いてしまう子がいます。
そういう子ども達に共通するのは以下の点です。
・日頃から文章を読み慣れている
・大人とたくさん対話をしていて語彙が豊かである
・どうしてかな? どうなるかな? を考える習慣がある
・字や文を書いたり写したりする経験を積んでいる
どうでしょう?
意外とシンプルではありませんか?
低学年の間に、日々の生活の中で以上のような習慣づけをすると4年生からの学習も楽になります。
朝日新聞EduAで、低学年向けの連載を始めました。
具体的な働きかけの例などもご紹介しています。
ご参考になればうれしいです。