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2017-09-21 16:32:47

日本の消費税収は福祉国家デンマークより多い、所得が低いほど収奪する消費税増税は生活を破壊するだけ

テーマ:経済・財政・税制の問題

 財務省が消費税を国際比較するときのグラフが以下です。

 



 上のように、消費税率だけを国際比較すると日本の税率8%より低いOECD加盟国は、アメリカとカナダだけになります。これをもって財務省は消費税率を上げる必要があるといつも言っているわけですが、本当でしょうか?

 OECD.Statのサイトにあるデータベースから、国・地方の総税収に占める消費税収(付加価値税収)の割合がわかります。現時点で各国2015年のデータが最新ですが、日本は数字が入っていません。調べてみると総務省のサイトにある以下の「国税・地方税の税収内訳」(2015年度決算)から消費税収がわかりました。



 以上のデータから主要国の消費税収の割合をグラフにしてみたものが以下です。

 



 上のグラフにあるように、すでに日本の消費税収の割合22.6%は、福祉国家デンマークの20.3%より多いのです。日本の消費税収の割合より低いデンマークが以下の政策を実現しているのです。

▼駐日デンマーク大使館のツイートその1

▼駐日デンマーク大使館のツイートその2

▼駐日デンマーク大使館のツイートその3

▼駐日デンマーク大使館のツイートその4

 日本の消費税率をもし8%から10%に引き上げてしまうと、フランスとイギリスも抜き、福祉国家スウェーデンとほぼ同じレベルの消費税収になってしまいます。北欧の福祉国家と肩を並べる消費税収がすでにあるのにどうして日本においては生活破壊が先行するのかについては、先のエントリー「生活保障で税金を「払えるようにする」福祉国家スウェーデン、消費税増税で生活を破壊する日本」や、「日本の税金は富裕層と大企業ほど低負担の逆進税で富の再分配が極めて弱いことが最大の問題」などで指摘していますので参考ください。

 それから、日本の消費税の逆進性が生活破壊税となって強く現れる直接の理由としては、下記にある他国のように、手厚い教育・社会保障と同時に食料品など生活必需品にはあまり消費税をかけない他国との大きな違いがあると思います。

(※以下、「世界の消費税 インデックス」のサイトより転載)
 

◆ドイツの税率は一律ではなく、食料品などの生活必需品、本、家畜飼料、50キロ以内の旅客近距離輸送などは7%の軽減税率です。1968年10%でスタートし、税率は19%まで引き上げられました。

◆福祉国家スウェーデンの標準消費税は25%、食料品の消費税は12%。重税ですが、福祉や教育への還元が厚いので、国民は概ね納得しているとのことです。18歳まで医療費が無料。小学校から大学院まで教育費は国が負担。大学の奨学金は月約10万円、内3割は返済義務がありません

◆イギリスの消費税の標準税率は17.5%。1973年10%からスタートし、2011年からは20%になります。増税にも大きな反発はないようです。ただし、食料品、居住用建物、家庭用上下水道、交通費、新聞、書籍、新聞などは0%です。医療や社会福祉、教育、郵便、映画演劇などは非課税になっています。低所得者ほど重い負担を課せられるという消費税の特徴(逆進性)を緩和するためのはっきりした措置ですね。

◆フランスの消費税は付加価値税(TVA)といって最高19.6%の税率です。生活必需品や住宅関係、出版、交通、鑑賞などは5.5%に下げられます。新聞雑誌、映画演劇は2.1%。医療、健康保険適用の医薬品も2.1%。フランスの社会保障の良いところは、学費が幼稚園から大学までほぼ無料であること、雇用に対する支援制度が整っていること、休暇・出産・子育てに対する支援制度が整っていることなどが挙げられます。(「世界の消費税 インデックス」より転載)

 

 他国のように生活必需品などを考慮しない日本の消費税は以下(※日本経済新聞のサイトに掲載されているグラフです)にあるように低所得層ほど負担が重いという最悪の逆進税となって直接生活破壊を進行させるのです。


 上の日本経済新聞のグラフにあるように、現状の消費税率8%の負担割合は、年収200万年未満7.2%で年収1,500万円以上は1.6%と4.5倍も低所得層の方が負担が重いのです。この最悪の逆進税の消費税を増税して安倍首相は教育や社会保障を充実するとしていますが、そもそも高所得層より低所得層から4.5倍も収奪する消費税の増税を先行させてしまうと富の再分配が逆方向になり生活破壊が進むだけです。

(井上伸)

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2017-09-20 10:09:19

高校授業料無償化は安倍政権前の軍事費に戻すだけで今すぐ実現できる

テーマ:経済・財政・税制の問題

 福島みずほさんのFacebook投稿です。

 

 公立私立の高校授業料を無償化をするのにいくらかかるか文科省に資料をもらいました。これならできるではないか。(福島みずほさんの9月16日のFacebook投稿より)

 

 上記を見ると、高校授業料無償化に必要な予算は3,297億円であることがわかります。

 そして、下のグラフは、軍事費の推移です。

 



 上のグラフにあるように、第2次安倍政権発足後の2013年度から6年連続で前年度を上回り、2015年度から4年連続で過去最大を更新し続けています。第2次安倍政権が発足する前の2012年度の軍事費に戻すだけで、5,413億円の財源が生まれ、高校授業料無償化は今すぐに実現することができるのです。

 先のエントリー「安倍首相『社会保障は高齢者偏重』のウソ→公的年金の低さが高齢世帯4分の1の貧困、独居女性2人に1人の貧困をもたらしている」の中で紹介した日本経済新聞のインタビューの中で、安倍首相は高齢者偏重の社会保障を削減すれば教育無償化へと予算を回すことが可能になるようなことも言っています。高齢者の社会保障を削減することは更に貧困を拡大する国民生活破壊の政策であることは先のエントリーで指摘しておきました。安倍首相が教育無償化が必要と本当に考えているなら、軍事費を安倍政権前に戻すだけで高校授業無償化ができるのですから、ただちに実現すべきなのです。

 

(井上伸)

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2017-09-19 09:31:52

生活保障で税金を「払えるようにする」福祉国家スウェーデン、消費税増税で生活を破壊する日本

テーマ:経済・財政・税制の問題

 天池洋介さん(日本福祉大学非常勤講師)がこのブログ用に寄稿してくださいました。転載させていただきます。(※消費税増税で社会保障を拡充せよとする井手英策慶応大学教授が前原誠司民進党代表のブレーンということで、井手教授の議論をどう考えればいいのか、あれこれFacebook上で書き連ねていたところ、天池さんから寄稿いただいたという経緯です。天池さんの結論である「消費税ではなく所得税や法人税の増税、あるいは1970年代の水準に戻すことで最低限の社会保障サービスの原資を確保し、最低限の生活を保障し税金を「払えるようにする」ことができるようになった後で、更なる社会保障水準の向上をめざして消費税を引き上げていくのが妥当ではないでしょうか。それはスウェーデンの福祉国家がたどってきた道と、同じ道でもあります。」に同感です)


 税金を「払えるようにする」福祉国家スウェーデン
 天池洋介 日本福祉大学 非常勤講師


 消費税の税率が議論される際に必ず引き合いに出されるのが、北欧の福祉国家・スウェーデンです。スウェーデンでは消費税(付加価値税)は25%と高率ですが、国民全てが一生安心して暮らせる社会保障制度を築き上げています。それに習っての日本での「消費税を福祉目的税にするから増税に賛成してほしい」、という呼びかけについてどう考えたらいいのでしょうか。スウェーデンの税金と社会保障サービス(福祉)のあり方を参考に、日本の消費税の税率について、今までとは違った視点から見てみましょう。

 消費税10%で生活破綻する日本、
 消費税25%でも破綻しないスウェーデン


 スウェーデンの税制、特に消費税を考える場合に、税額、税率と合わせて、「なぜ高率の税率なのにスウェーデン国民は払えるのか?」、逆に「なぜ日本では10%の税率にすると大変なことになってしまうと予想されているのか?」を考える必要があります。日本では消費税を10%、あるいはそれ以上にすると国民の生活が破綻する人が多数出てしまうこと、逆にスウェーデンでは25%でも国民の生活が破綻しないようになっていることを、多くの人が見過ごしたままスウェーデンの高率の税金を引き合いに出して議論が進んでいます。

 消費税が25%でもスウェーデン国民の生活が破綻しない背景には、国民の生活が行き詰まらないように税と社会保障サービスがデザインされていることがあります。特に日本ではあまり注目をされていない、ミニマムコストとマキシマムコストという制度が果たす役割はとても大きなものがあります(*1)。消費税増税で特に打撃を受けるのが年金や社会保障サービスの受給者ですが、スウェーデンでは特に適切な水準の生活を保障するものとして、最低限手元に残さなければいけない生活費が定められていて、所持金ゼロになったり、生活費が不足しないようになっています。

 25%の消費税を払う前提として生活費が確保される

 まずミニマムコストについてですが、これは日本にはない考え方なのでなかなか理解しにくいのですが、これ以上取り上げてはいけない生活費(約6万円)として設定されている金額です。単純に言うと、必ず毎月6万円は生活費として手元に残さないといけないことになっています。その仕組みですが、経費としてまず税金と住居費を支払い、その上でミニマムコストの6万円をまず確保します。経費とミニマムコストを収入(主に年金)から差し引いて、残った金額が多ければ社会保障サービスの負担額に充てられ、残った金額が少なければ社会保障サービスの負担額が減額されます。収入が少ない場合には住宅手当が上乗せ・追加されます。もちろん、この6万円は誰もが25%の消費税を払う前提、あるいは払えるようにする前提で算定された額です。

 社会保障をいくら利用してもこれ以上払わなくてもいい
 という上限がある


 次に社会保障サービスの負担額ですが、日本では所得に応じて一律に負担額が決定され、支払うことができなければサービスの利用ができません。しかしスウェーデンではマキシマムコスト(*2)という、利用料の上限が定められています。上限なので、収入から経費とミニマムコストを引いた残りの額に応じて利用料は柔軟に変動します。このマキシマムコストが日本の「上限額」と違うのは、日本はこれ以上サービスを利用させてもらえない上限であるのに対して、スウェーデンではいくら利用してもこれ以上払わなくてもいいという上限、ということです。日本では保育園の保育料が似たような運用をしています(*3)。

 税金は国民の生活を支えるために徴収するものであって
 国民の生活を破壊するものではないのに
 日本の消費税は「払えるようにする」制度が欠落している


 このようにスウェーデンでは多額の税金を払っても、生活が破綻しないように社会保障制度がデザインされており、税金を「払えるようにする」制度設計がなされています(*4)。翻って日本のように、消費税を「払えるようにする」制度が欠落している状態で、消費税を増税してしまったら、国民の生活を破綻に導く可能性は決して低くありません。福祉国家においては税金は国民の生活を支えるために徴収するものであって、国民の生活を破壊するものではないという基本が、日本社会では共有されていないので、いつも誰が痛みを受けるのか、誰が犠牲を負うかという変な話になってしまいます。「生活はどうなろうとも税金はむしり取られるもの」という考えから、「生活を支えるために税金を払うこと、生活が苦しくて税金が払えないなら、払えるようにするのが政府の仕事」と発想の転換をすることが、日本において福祉国家を展望する上で今、求められていることなのではないかと思います。

 そのためにはまず、消費税ではなく所得税や法人税の増税、あるいは1970年代の水準に戻すことで最低限の社会保障サービスの原資を確保し、最低限の生活を保障し税金を「払えるようにする」ことができるようになった後で、更なる社会保障水準の向上をめざして消費税を引き上げていくのが妥当ではないでしょうか。それはスウェーデンの福祉国家がたどってきた道と、同じ道でもあります。

*1:藤原瑠美 (2009) 『ニルスの国の高齢者ケア エーデル改革から15年後のスウェーデン』 ドメス出版.(pp104-107) 参照
*2:正確にはマックスターケット(maxtarket)=最大の上限という意味。介護料金、家賃、食費について定められている。
*3:ただしスウェーデンのマキシマムコストは所得比例ではなくて、全員一律の料金設定になっています。
*4:もちろん、年金受給者を主な対象としたミニマムコストとマキシマムコストだけではなく、様々な社会保障サービスの全体を考慮する必要があります。例えば学生については学費が無料の上、月々の生活費が支給されたり、失業者についても従前所得の80%を保障する失業手当(最低基準額あり)があるなど、どんな状況にあっても生活水準が保障され、税金を「払えるようにする」仕組みになっています。



 以上が天池さんの論稿です。これを読ませていただいて、やはり「消費税増税で社会保障拡充」という井手英策教授の主張は、スウェーデンの現実から見ても間違っていると思いました。誰もが生活保障される社会保障が前提にあって、スウェーデンの消費税25%があるわけですから、井手教授の議論は逆立ちしていると言えるのではないでしょうか。実際にこれまでも日本において消費税増税が先行してきましたが、下記のように逆に社会保障が改悪されてきたことや、消費税増税によって再分配が更に効かなくなり、子どもの貧困も、若者の貧困も、高齢者の貧困も深刻化している事実を見れば、「消費税増税で社会保障拡充」というのはすでに破綻した政策と言えるのではないでしょうか。

 

(井上伸)

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2017-09-18 17:04:17

安倍首相「社会保障は高齢者偏重」のウソ→公的年金の低さが高齢世帯4分の1の貧困をもたらしている

テーマ:医療・社会保障の問題

 きょうは「敬老の日」ですが、安倍首相がまたマスコミを使ってウソとデタラメを吹聴していますので指摘しておきます。

 安倍首相は9月12日付の日本経済新聞「首相『社会保障、高齢者中心を是正』本紙インタビュー」の中で、「高齢者向け給付が中心となっている社会保障制度」を是正する必要があると明言しています。

 ようするに安倍首相は、日本の社会保障は高齢者偏重だから、高齢者向けの社会保障を削る必要があると言っているわけです。

 この議論の前提になる「日本の社会保障は高齢者偏重」というのは、本当でしょうか? 検証してみましょう。

 まず、日本の社会保障全体の現状です。下のグラフは、OECDのサイトで簡単に見ることができる社会保障への公的支出の国際比較で、各国直近となる2013年のデータです。



 上のグラフにあるように、日本の社会保障は23.1%でOECD34カ国中14位に位置し、フランス31.5%の73%という低い水準です。

 この社会保障の中から、年金への公的支出を見たものが下のグラフになります。

 上のグラフにあるように、日本の年金への公的支出は10.2%でデータのあるOECD32カ国中9位に位置し、イタリア16.3%の62%という低い水準です。

 年金への公的支出は少ない日本なのに、下のグラフ群にあるように、65歳以上の高齢化率は突出して高くなっているのです。(下のグラフの1つめは高齢化率(65歳以上人口の割合)の推移、2つめは高齢化率の各国2013年データ、3つめは労働年齢人口(15歳から64歳の人口)の割合の推移)



 年金への公的支出は全体として少ない上に、65歳以上の高齢化率は突出して高いので必然的に以下のグラフになります。

 上のグラフにあるように、年金受給者一人当たりの公的支出が日本は低く、フランスの68%しかありません。

 日本の社会保障は高齢者偏重だから、高齢者向けの社会保障を削る必要がある、とする安倍首相の言説がデタラメであることは、こうした国際比較をすれば一目瞭然です。

 事実は、「日本の社会保障は高齢者向けも貧困だから拡充する必要がある」ということです。

 実際、唐鎌直義立命館大学教授が「高齢世帯の4分の1が貧困 独居女性では2人に1人『生活保護未満』」(西日本新聞9月15日付)と下表を示し、「1人世帯の貧困率が特に高く、女性56・2%、男性36・3%。2人世帯でも2割を超え、高齢者と未婚の子の世帯は26・3%、夫婦世帯は21・2%だった。高齢者世帯全体の貧困率は27・0%で、以前まとめた09年調査の分析結果と比較すると2・3ポイント増加。この間、貧困世帯は156万世帯以上増えて約653万世帯に、人数で見れば1・3倍の約833万6千人になった」と分析しています。



 唐鎌教授はこの背景について、「公的年金の給付額が低下したため」と指摘し、高齢者1人当たりの年金受給額は「(直近の調査結果である)14年度は年間約161万8千円で、09年度に比べ14万円減っていた」「子どもだけでなく高齢者の貧困も深刻。生活保護受給者は今後さらに増えるだろう。これ以上の年金引き下げはやめるべきだ」と強調しているのです。

(井上伸)

2017-09-14 10:53:21

日本の教育への公的支出をOECDで最低とし教育無償化に逆行して私費負担も増加させた安倍政権

テーマ:霞が関・公務関連情報

 OECD(経済協力開発機構)が9月12日、「図表で見る教育2017(Education at a Glance 2017)」を公表しました。その中から、小学校から大学までの教育機関への各国の公的支出(対GDP比)をグラフにしてみたものが以下になります。

 



 上のグラフにあるように、直近の2014年のデータで日本はOECD34カ国中最低、デンマークの半分程度しかない教育貧困国であることが一目瞭然です。(※日本がOECDで最低になったのは2012年のデータ以来です)

 続いて、大学など高等教育への公的支出をグラフにしてみたものが以下です。

 



 日本の高等教育への公的支出は、2008年から2013年まで6年連続でOECD最下位でしたが、7年連続の最下位はまぬがれました。しかし、上記グラフにあるように日本は最低レベルが続いていることにかわりなく、フィンランド、エストニア、オーストリア、ノルウェー、デンマークの3分の1以下という低い水準です。

 安倍首相は「教育無償化へ憲法改正が必要」などと言っていますが、高等教育における私費負担の割合をこのOECDデータで確認してみると、前回の2013年の高等教育の私費負担割合は64.75%でしたが、今回の2014年では65.90%と1%以上増えているのです(OECD平均は30%)。また、高校までの教育の私費負担の割合も増えています。

 ようするに、安倍首相は「教育無償化へ憲法改正が必要」などと言っておきながら、実際にやっていることは、教育無償化どころか逆に教育費の自己責任化に拍車をかけているのです。

 また、安倍首相は「教育無償化へ憲法改正が必要」などと憲法を改正しなければ教育無償化が実現できないかのように言っていますが、大学授業料が無償であったり、日本よりもはるかに学費が安い国の憲法に、「教育は無償にする」とか「学費は安くする」などということは書かれていません。教育無償化は政策の問題で、憲法に書かれているかどうかの問題ではないことが、実際に教育無償化へ努力している他国の教育政策を見れば明らかです。安倍首相は9条改憲のために教育無償化を口実として利用することをやめるべきです。

(※「図表で見る教育2017(Education at a Glance 2017)」の中には、高等教育機関の理工系分野に占める女性の学生の割合が日本は13%と加盟国中最低だったことや、国公立学校の教員の年間勤務時間は1,891時間で、OECD平均の1,608時間より283時間も長時間労働になっていることなども明らかになっています。)

 

井上伸

2017-08-24 11:44:00

貧困率改善?→物価上昇分を考慮すると2012年と比べて2016年の所得分布が改善したわけではない

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 福祉国家構想研究会が8月19日、北海学園大学で講演会を開催しました。後藤道夫都留文科大学名誉教授による「貧困克服・社会再生のための選択肢――連合政権から福祉国家へ」と題した講演から、私自身ずっと気になっていた政府の貧困率の問題について指摘している部分を紹介します。(文責=井上伸

 政府が今年の6月27日、貧困率を発表しました。

 全人口の貧困率は、2012年の16.1%から2015年の15.6%。子どもの貧困率は16.3%から13.9%へ減少したとしました。

 この発表に対する多くの論評は、依然として貧困は深刻な状況ではあるが改善の方向であることは喜ばしい、というものでした。

 しかし、よく見てみると、可処分所得の分布の実質で見た場合、状況は悪化しています。貧困の改善どころの話ではありません。

 実質値の貧困線が2012年の111万円から2015年の106万円に下がっています。可処分所得の全体が下がっているわけです。そして、全体が下がると貧困線も自動的に下がるわけです。

 2012年の貧困線111万円で2015年の数字を出してみると、全人口の貧困率は17%となり、むしろ上がっていることになります。子どもの貧困率は15.6%で少し改善していますが、子どもの貧困率が改善したのは、低所得の世帯の有業人口が増えたからです。

 ですので、貧困率が下がって良かったね、という話ではまったくありません。

 政府が発表する相対的貧困率は国際比較するときに役立ったりするわけですが、実質的には「相対的低所得率」の測定ではあっても、本当に生活ができるかどうかの実質的な貧困率とは言えません。

 そこで、さまざまな問題がありつつも生活保護の基準となる最低生活費未満を実質的な貧困として、グラフにしたものが以下です。

 



 グラフにあるように、2012年の基準を固定し、物価上昇分を考慮すると、その基準にたっしない人口は3079万人(24.3%)となり、2012年と比べて所得分布が改善したわけではないことがわかります。18年前の1998年が12.9%ですから、2016年は2倍近くも増加しているのです。これが、日本社会の貧困の実態に近いものだと考えています。

2017-08-17 10:26:55

【経済産業省の現場から告発】谷査恵子さんのイタリア赴任は昭恵氏かばい続けた論功行賞

テーマ:霞が関・公務関連情報

 ※以下は、全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんのフェイスブック投稿から、ご本人に了承を得ての転載です。

 安倍昭恵さん付職員だった谷査恵子さん(経済産業省ノンキャリア職員)がイタリアの日本大使館に一等書記官として赴任することをツイートしたら、3000を超えるリツイートがありました。





 このことから、多くの人がこの人事異動に怒りを持っていることを、ひしひしと感じます。

 私なりに、この人事異動に対して考えていることを書いておこうと思います。

 1.異動時期について

 谷さんが昭恵さん付職員から経済産業省に戻ったのは2016年1月です。世耕弘成経産省大臣は記者会見で6か月前に内々示を出していたと発言していたので、経産省に戻って1年くらいでイタリア大使館への赴任を決めていたことになります。

 経産省の人事異動サイクルは2年から3年なので、1年というのは、よほどの理由(急にポストが空いた、急に専門的な知識が必要な職員が必要になった等)がない限り、1年での人事異動はないので、何らかの理由があったのではないかと思います。

 すでに、谷さんは昭恵さんから厚遇を約束されていましたが(この時にはイタリア大使館という具体的な約束はなかったとは思います)、今年になってから森友学園の問題がくすぶりだしたので、どこか海外赴任させようとしていた矢先の3月23日の籠池氏の証人喚問で、思いもかけず谷さんの名前が出たことから、内閣官房はあわてて彼女を出勤させず、因果を含めて個人でやったことにさせたと思います。

 さらに昭恵さんが私にフェイスブックメッセンジャーでメッセージを送ったことから、谷さんに注目が集まったので、出勤もできず、やむなくテレワーク(自宅勤務)を行うことになりました。

 しかし、経産省での谷さんの仕事はテレワークでできるようなものではないため、谷さん自身も限界を迎えていたのではないかと思います。

 そこで、8月6日の日曜日という誰もいない日に辞令を発令して、みんなが知るころにはイタリアに行っているという姑息な手段をとったのではないかと思います。

 2.在イタリア日本大使館一等書記官について

 まず、経産省のキャリア官僚とノンキャリア官僚の役人人生の違いについて説明します。

 キャリアは総合職(旧国家1種とか旧上級試験)の合格者で、入省して2~3年で係長、30代で海外留学、課長昇任、40代で大使館勤務、その後も役職階段を上っていきます。

 一方、大卒ノンキャリアは入省後、6年から8年後に係長です。40歳代で課長補佐、優秀な職員でも50歳代で課長より下位の室長、企画官止まりです。

 世耕大臣は谷さんが海外留学の経験があると言っていましたが、キャリアのように全員が海外留学できるわけではなく、一定以上のTOEICの点数を持ち、省内の選抜試験を通り抜けたものが「語学研修」として半年から1年英語圏の学校に行けるのであって、キャリアのように政治経済を学ぶための海外留学とは全く性格が異なります。

 また、世耕大臣は谷さんの同期のノンキャリアの3分の1は海外赴任していると言っていましたが、多くのノンキャリアはジェトロ(日本貿易振興機構)等の経産省関係の団体の海外駐在地に行っているので、40歳そこそこのノンキャリアが大使館に赴任するのは異例です(彼女は課長補佐なので一等書記官というポストは普通だと思います)。

 前述したようにキャリアでも40代で大使館勤務ですが、それでも欧米の大使館に赴任するのは、相当優秀で将来を嘱望された者で、多くのキャリアは東南アジアや韓国、ロシア等です。

 一方、ノンキャリアが行ける大使館は、アフリカ、南米、中東など、キャリアが行きたがらない、行かせてもあまり意味がない国ばかりです。

 今回の谷さんの異動は多くの経産省の職員が驚くとともに、違和感を持っています。

 3.谷さんのこと

 私は彼女の仕事ぶりやプライベートのことは全く知りませんが、彼女を知っている人は、みな谷さんは仕事はできるし、性格もいいと言います。

 しかし、今回の件では表向きには、「上司に相談もしないで個人プレーで仕事をし、昭恵さんに随行するときは出張伺いも出さず、勝手に出張に行き、選挙活動という国家公務員法違反を疑わせる行為をし、森友学園の問題にかかわったかもしれないにもかかわらず、安倍夫妻の引きによっていい思いをした人」というレッテルが貼られてしまいました。

 2年後に経産省に戻ってきた時には、後ろ盾だった安部夫妻はいないだろし、上記のようなレッテルを貼られたまま仕事ができるのだろうかと思います。

 私は彼女は2~3年後には辞めるような気がします。

 ※以上が飯塚盛康さんのフェイスブック投稿です。なお、飯塚さんには、国公労連の月刊誌『KOKKO』8月号で、この谷さんの問題などについて、晴山一穂専修大学教授と対談をしていますので、ぜひ参照ください。(井上伸



 

2017-07-20 11:36:30

過労死で毎日1人超の命奪い労災最多となった日本、「残業代ゼロ」でさらに労働者の命奪うのか

テーマ:働くルールづくり

労働者の命を奪い続ける長時間労働が続く日本で、「働き手の怒り、連合へ 「残業代ゼロ」容認抗議、本部前デモ」(朝日新聞2017年7月20日05時00分)という異例の事態も生まれてしまっています。長時間労働を容認することは、過労死を容認することであり、労働者の命をも軽視することです。そのことは、客観的事実の問題として、政府統計でも明らかです。

厚生労働省は6月30日、2016年度の「過労死等の労災補償状況」を公表しています。これをもとに、いくつかグラフを作成しましたので紹介しておきます。

▼過労死等の労災請求件数は2016年度に2,411件と昨年度より101件増えて過去最多の件数となっています。いまの安倍政権は2012年12月末発足なので、2012年度を起点とすると、安倍政権になって毎年増え続け、直近の2016年度2,411件は2012年度2,099件と比べ312件(14%)も増えています。1年間で2,411件ということは365日で割ると6.6件です。いま日本では1日に6人以上が過労等により脳・心臓疾患、精神障害の労災となっているわけです。



▼過労等の労災請求件数を、脳・心臓疾患と精神障害で分けて見ると、精神障害による労災請求が激しく増えていることがわかります。直近の2016年度1,586件は2012年度の1,257件と比べ329件(26%)も増えています。



▼過労等による精神障害の労災請求件数の推移を年齢別に見ると、2015年度から2016年度にかけて40~49歳の年齢層が83件(18%)も増えています。

 



▼2006~2015年度を合計した年齢別の労災請求件数を見ると、若年層は脳・心臓疾患に比べ精神障害が多発していることが分かります。



▼過労死・過労自殺(死亡件数)の推移を見ると直近の2016年度で459人。365日で割ると1.25となりますから、2016年度も日本では毎日1人以上が過労死・過労自殺で命を奪われているのです。



安倍政権による「残業代ゼロで働かせ放題・過労死しても自己責任」となる高度プロフェッショナル制度創設や裁量労働制の拡大は、こうした現状をさらに悪化させるものになります。

そして、過労死・過労自殺で毎日1人以上の命が奪われ続ける現状を一刻も早く解消するために、「8時間働いたら帰る、暮らせるワークルール」をつくる必要があります。

2017-05-11 09:17:24

「霞が関過労死110番」が実施されます

テーマ:労働相談

上部団体である国公労連が、5月13日(土)10時~16時、「霞が関過労死110番」を実施します。

 

電話相談で、電話番号は、03-5510-2190です。

 

霞が関で働く公務員の長時間労働をなくしたい、過労死や過労自殺などが発生しない様にしたい、そんな思いから、110番が実施されます。

 

本人からだけでなく、家族からの相談も受け付けます。

 

なお、メールでの相談は24時間いつでも受け付けています。

メール相談は、soudan@kokko.or.jp まで

 

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2017-05-05 12:43:09

安倍首相「教育無償化へ憲法改正」のウソ→改憲なしで実現した高校授業料無償化を廃止したのが安倍政権

テーマ:霞が関・公務関連情報

 読売新聞の記事です。
 

 安倍首相(自民党総裁)は読売新聞のインタビューで、幼児から大学などの高等教育までの教育無償化を憲法改正の優先項目にする考えを示した。
「教育無償化は維新と連携…首相、改憲論議に期待」読売新聞 2017年05月03日 06時00分

 高等教育だけでなく、すべての教育の無償化のために憲法改正が必要だと安倍首相(自民党総裁)は言っているわけですが、以下の異邦人さんのツイートに同感です。

 

異邦人 @Medicis1917 これだけは言っておきますが、教育無償化や環境権は立法政策で実現出来ます。安倍政権はこれらをダシに改憲の必要性を喧伝していますが、自分達の立法不作為を憲法のせいにするのは即刻やめて頂きたい。市民の権利自由を拡充させる為に、我々は憲法に基づき国会に立法権を与えているのですよ。

異邦人 @Medicis1917 民主党政権が公立高校無償化を実現した際には散々反対した挙句、政権交代後にすぐ所得制限を設けたのは他でもない安倍政権なのに、今更「高等教育も全ての国民に真に開かれたものにしなければならない」と言って高等教育無償化をダシに改憲を主張するなど自己欺瞞も甚だしい。だったら今すぐやれよ。

 実際、安倍政権は2014年4月から高校授業料無償化を廃止してしまいました。今でも自民党のホームページを検索すると、高校授業料無償化に反対する歴代の自民党の政策を、以下のように多数確認することができます。

▼自民党のホームページから



▼自民党のホームページから(※今回のテーマとは違いますが、最低賃金1,000円や製造業への派遣禁止がアンチ・ビジネス政策ってのも酷い)



▼自民党のホームページから



 上記を見て分かるとおり、高校授業料無償化は、「将来に責任を持たない政策」、「将来の子供たちにツケを廻すもの」、「ただのバラマキをしているだけ」、「選挙目当てのバラマキ政策」、「(高校授業料無償化を続ければ)財政破綻国家に転落することは間違いない」と自民党は断言してきました。そして、「過度の平等主義や均一主義を排」する「私たち自民党の基本的な考え方は『自助』を基本(※ようするに「教育は自己責任」が基本だと言っているわけですね)」とすると自民党は一貫して主張してきたわけです。

 こうやって、公立高校の授業料無償化についてだけでも、自民党は「教育は自己責任」の立場から強く反対してきました。だからこそ、「大学など高等教育への日本の公的支出は6年連続でOECD最下位、33カ国平均の半分以下と突出して低い大学への公的支出」で、「安倍政権が狙う国立大学費93万円の異常、今でも学費45倍増に対し賃金2割減、日本の私費負担はOECD平均の2倍」に日本は実際になっているのです。これが自民党の教育政策の実績です。



 加えて、稲田朋美防衛相の言葉どおり、子ども手当を付けるぐらいなら軍事費を増やせとやってきたのが安倍政権であることは、軍事費の推移を見れば一目瞭然です。



 そして、「大学など高等教育への日本の公的支出は6年連続でOECD最下位」ですが、以下のように軍事費は世界8位と主要国と肩を並べているのです。



 教育無償化についての予算は「バラマキ」だと口汚く批判して世界最低にまで削減し、軍事費だけは世界有数の規模を確保してきたのが自民党です。日本を「高等教育予算は世界最低、軍事費は世界8位」にしたのが自民党なのです。

 突如として、「幼児から大学などの高等教育までの教育無償化を憲法改正の優先項目にする」と言い出した安倍首相には、民主党政権下で憲法改正なしでも高校授業料無償化を推進してきたことに強く反対してきた自民党の言い方をそのままお返ししたいと思います。「改憲目当てに教育無償化をただ利用しているにすぎない」と。

(井上伸)

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