すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

BLOGOSが2022年5月31日をもってサービスを終了するとのことです。BLOGOSでは、国公一般のこの「すくらむブログ」をサービス開始当初から13年間に渡ってご紹介いただきました。最近はSNS(主にTwitter)に力を集中していることもあり、すくらむブログを書くこともめっきり少なくなっていましたが、BLOGOS編集部には合計340記事を紹介いただき、大変お世話になりました。感謝致します。m(__)m (※このことはブログの時代からSNSの時代に移っていることを示す一つの出来事なのかもしれませんね)

BLOGOSの国公一般ページにログインすると、2016年11月以降のアクセス解析は今現在確認することができて、各記事のページビュー数を知ることができました。ちょうど10万ページビューを超えていたのが10記事ありましたので多い順に紹介しておきます。ちなみにページビュー数がトップだった「ZOZO前澤社長は年収100万円の貧困層より税・社会保険料が軽いのに田端氏が富裕層課税強化を批判」は、40万ページビューでした。(※各記事のリンク先は、BLOGOSはもうすぐアクセスできなくなりますので、この「すくらむブログ」の記事になっています)

[1]ZOZO前澤社長は年収100万円の貧困層より税・社会保険料が軽いのに田端氏が富裕層課税強化を批判

[2]谷査恵子氏(元昭恵氏付職員)の「昭恵氏の指示なかった」はノンキャリ国家公務員の仕事おとしめるもの

[3]森友公文書改ざんでノンキャリ職員の命奪い権力の座にしがみつく安倍晋三・昭恵夫妻と財務キャリア官僚

[4]ZOZO田端信太郎氏が「過労死は自己責任、自分で自分に危険タックルしてるようなもの」と断言

[5]昭恵氏の下僕とされた谷査恵子氏、1億円超える国家公務員人件費を昭恵氏に注いだ安倍政権の前近代性

[6]カルビー松本会長、ZOZO田端氏「高プロ(残業代ゼロ)が残業なくす」という #呪いの言葉の解き方

[7]竹中平蔵パソナ会長「残業代を出すのは一般論としておかしい」「労働者でなく私のニーズで高プロ提唱」

[8]財務省は安倍昭恵氏付職員からの財務省への働きかけ(森友問題の核心)の記録文書を隠している

[9]安倍首相が配った「おにぎり」は昭恵氏に注がれた1億円の結晶(谷査恵子氏ら昭恵氏付職員の汗の結晶)

[10]前川喜平さんインタビュー「衆院選は加計森友隠しの安倍政権に審判下すチャンス」


以上が2016年11月以降のページビュー数ベスト10です。それから、ページビュー1位を記録したときのスクショ等がいくつか残っていましたので記念に貼っておきます。(※順不同)

▼ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんにツイートいただきました。m(__)m

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1 事案の概要

 本件は、国立ハンセン病資料館に長期に渡り勤務してきた学芸員らが、ハラスメントや労基法違反などが横行する職場環境の改善を求めて労働組合を結成し資料館の管理運営を受託者する日本財団に対し様々な要求をして活発に活動していたところ、2020年4月1日付での受託者の変更を契機に、笹川保健財団が労働組合の中心的な役割を担っていた組合員2名を不採用とした事案である。

2 東京都労働委員会命令の概要

 本命令(2022年3月15日付命令・5月9日交付)は、日本財団と笹川保健財団の間に密接な関係が認められる本件においては、笹川保健財団による不採用が、従前の雇用関係である日本財団との関係において、組合員であることを理由とする不利益な取り扱いに当たるという事情が存在する場合には不当労働行為に該当するという判断基準を示した。


 その上で、資料館運営への批判やハラスメント問題等を広く訴える組合の活動は日本財団にとって好ましくないものであったこと、笹川保健財団の採用試験における多面評価の実施方法や組合員2名の不採用理由が極めて不自然なものであること、日本財団と笹川保健財団が資料館内の防犯カメラで組合員らの活動状況を監視しようとしていたことなどの事実関係を認定した上で、笹川保健財団が日本財団と一体となって組合活動を警戒し、採用試験の不合格という形式を装って組合員を資料館から排除したものと断じ、不採用は不当労働行為にあたると判断し、組合員の職場復帰と陳謝文の掲示を命じた(労組法7条1号違反)。

3 本件命令の意義

 判例上、採用行為については原則として企業の自由とされ(三菱樹脂事件・最高裁昭和48.12.12)、採用拒否は、それが従前の雇用契約関係における不利益な取扱いにほかならないとして不当労働行為の成立を肯定することができる場合に当たるなど「特段の事情」がない限り、労組法7条1号の不利益な取扱いに当たらないとされている(JR採用拒否事件・最高裁平成15.12.22)。この「特段の事情」の内容については、事例判断が積み重ねられているところであり、これまで認められた例としては、事業譲渡の際の雇入れ拒否の事例(ドリームアーク事件・京都府労委平成21.8.12)や請負から派遣に切り替えた際の採用拒否の事例(東リ伊丹工場採用拒否事件・兵庫県労委平成31.4.25)などがある。
 

 不利益取扱いにあたる場合を限定的にとらえるこの最高裁判例は学説上厳しく批判されてきたところではあるが、本件は、この最高裁判例の枠組みを踏襲しながら、本件の受託者変更に伴う採用拒否について不当労働行為の成立を肯定できる「特段の事情」があると判断したものである。
 

 公的施設の民間委託が進められる中で、現場の労働者は不安定な地位におかれる一方、声を上げにくい現実がある。そのような中で、職場環境の改善を求める組合活動を嫌悪した使用者が採用試験の不合格という形式で行った組合員排除について東京都労働委員会が厳しく断罪し、このような脱法的なやり方を許さない判断を示したことは、労働組合の活動による職場環境の改善を後押しするものとして重要な意義がある。


4 笹川保健財団は速やかに命令に従うべきである
 

 厚生労働省管轄の人権啓発の場で、管理運営団体による組合員排除の違法行為がなされたこと、そしてそれを東京都労働委員会が断罪したことは極めて重大であり、日本財団および笹川保健財団はこの命令を真摯に受け止めなければならない。また、人権尊重を謳う国立ハンセン病資料館でこうした問題が放置されれば、めざすべきハンセン病問題の解決にも支障をきたすことは明らかである。笹川保健財団は速やかに東京都労働委員会の命令に従い、組合員2名を職場に戻した上で、職場環境の改善を求める労働組合の要求に誠実に対応すべきである。

2022年5月10日
国家公務員一般労働組合国立ハンセン病資料館分会
同弁護団弁護士今泉義竜・同小部正治

 

 全経済産業省労働組合中央執行委員の飯塚盛康さんが、先日の菅首相の記者会見で国家公務員の退職増の問題について書いてくれたので、以下紹介します。

 菅首相は3月5日の記者会見でフリーライターの江川紹子さんによる「ブラック霞が関」とも呼ばれるような過酷な状況の中で若手一般職国家公務員の退職が増えているのではないか?という質問に対して、「一旦退職してまた元の省に帰ってくる人もいるということも事実」と回答しました。

 江川紹子さんの質問は、昨年11月に内閣人事局が自己都合を理由とした20代の国家公務員総合職(キャリア官僚)の退職者数が2019年度に87人に上り、6年前の21人から4倍超の増加となったという調査報告を元にしたものです。

 この調査によると退職理由は「もっと自己成長できる魅力的な仕事に就きたい」との回答が男性49%、女性44%。「長時間労働で仕事と家庭の両立が難しい」は男性34%、女性47%でした。

 要するに国家公務員の仕事は長時間労働で魅力がないので辞めたということです。

 2019年は安倍内閣で文書改ざんをさせられたり、先輩である局長クラスは国会で虚偽答弁や「記憶にない」などの自分のプライドをかなぐり捨てたような答弁をしている姿をみれば、少なくとも国民のために仕事をしたいという志を持った若いキャリア官僚が辞めたくなるのは当たり前だと思います(※下記グラフにあるように、安倍・菅政権に私物化されている国家公務員の姿を見て国家公務員志望者も半減しています)。



 ある意味、国家公務員という職業に見切りをつけたキャリア官僚が、菅総理が言うように元の省庁に帰って来ることがあるのかを考えてみます。

 一般職の国家公務員になるには、人事院の試験に合格した者の中から、各省庁が面接し、合格した者がその省庁に任用されます。

 人事院の試験には、一般職の国家公務員では総合職(キャリア官僚)と一般職(ノンキャリア)があり、年齢制限は30歳となっています(人事院の試験には国税専門官、労働基準監督官などの専門官試験もあります)。

 国家公務員は辞めてから、もう一度国家公務員になりたいと思ったら、再度人事院の試験を受験しなければなりません。

 もし大学を卒業後、国家公務員になり、25歳で辞めて民間企業に勤務した後に、元の省庁で働きたいと考えたら30歳まで人事院の試験に合格し、元の省庁の面接に合格しなければなりません。

 私が知っている範囲では、経産省を辞めて、再度人事院の試験を受けて他省庁に行った人がいますが、経産省を辞めて、民間企業で働いたのちに人事院の試験を受けて経産省に戻ってきたという人を知りません。

 今、人事院は就職氷河期世代を対象に民間企業経験者を国家公務員として採用していますが、その他にも各省庁で高度な専門性を活かして政策立案の中枢を担ってもらう管理職員や非常勤職員を募集しています。

 この中の管理職員を募集しているポストはキャリア官僚のポストで、キャリア官僚を辞めた後に民間企業で働いて専門知識を有した人が採用された人がいます。

 こういう人を「出戻り官僚」と言いますが、途中で辞めたキャリア官僚の人数と比較したら、圧倒的に少数ですし、2年の任期しかないので、定年まで勤めることはありません。

 菅総理はコロナ対応等で過酷な長時間労働になっていることを理由に辞めても、元の省庁に戻ってくる人もいるから問題ないととれるようなことを言うのは、キャリア官僚をはじめとする一般職の国家公務員の働かせ方の問題から目をそらさせるためのものではないでしょうか。

 

 実際、新型コロナウイルス感染症に関する政策立案などを担う内閣官房の対策推進室(コロナ室)でこの1月、「過労死ライン」の月80時間をはるかに超える378時間の残業をした職員がおり、コロナ室(職員数102人)の平均の残業時間は約122時間だったとのマスコミ報道もされています。こうした異常な長時間残業をなくすためには、菅首相のように根本的な問題から目をそらすのではなく、実効ある残業規制と抜本的な職員増を行う必要があります。

全経済産業省労働組合中央執行委員・飯塚盛康

 全経済産業省労働組合中央執行委員の飯塚盛康さんが、総務省幹部の違法接待問題について書いてくれたので、以下紹介します。

 総務省幹部の国家公務員倫理法違反の問題について考えてみたいと思います。

 はじめに、国家公務員倫理法における外部の者との飲食について確認すべきことは以下です。

 今回、問題になった「利害関係者」とは、――

 ①許認可等の相手方(許認可等を申請しようとする者も含む。過去に許認可したが現在も有効である者も含む)
 ②補助金の相手方
 ③立入検査、監査、監察の相手方
 ④不利益処分の相手方
 ⑤行政指導の相手方
 ⑥契約の相手方
 その他、他の省庁で予算の査定や公務員の定数の事務を行っている者も該当します。

――となっています。

 東北新社は総務省から放送事業の許認可を受けている会社なので、①に該当します。

 利害関係者と飲食を共にする時の費用の負担については――

(1)利害関係者の負担が自分と同額またはそれ以下になる場合

 ①割り勘の場合は飲食可ですが、1人1万円を超える場合は事前に飲食届け出を提出する必要があります。
 この場合、飲食後領収書等で確認し、消費税を含めて割り勘負けした場合は違反です。たとえ、事前に取り決めた金額を支払っても、割り勘負けしたら違反です。
 ②自分が全額、あるいは相手方よりも多く負担すれば飲食可。

(2)利害関係者が自分より多く負担する場合
 以下の例外に該当すれば飲食可。
 ①20名以上の立食パーティー
 ②職務として出席した会議における簡素な飲食
  簡素な飲食とは会議室における2~3千円程度の箱弁。
 ③私的な関係がある利害関係者との飲食
  私的な関係とは、家族・親族、学生時代からの友人、職場外の地域活動で知り合った者で、職員として知り合ったことがきっかけで友人関係になった者は対象外です。
 ①から③に該当しない場合は飲食禁止です。

 今回の総務省の接待は、放送事業の許認可を受ける東北新社は明らかに利害関係者であり、その利害関係者が飲食代金を全額負担したので、明らかに違反です。

 総務省の幹部は、このことが発覚してから自分の飲食代を支払いましたが、割り勘負けした場合、速やかにその分を支払わないと違反ですから、違反行為がなくなることはありません。

 会社は情報が欲しい時は実際に実務を担っている担当職員と飲食をしたいと考えますが、多くの職員は倫理法違反で将来を棒に振るようなリスクは犯さないので、断るか、居酒屋で割り勘です。会社も担当職員に最終的な権限がないのはわかっているので、高級店で飲食させるなんてコスパが悪いことはしません。会社は許認可に何らかの手心を加えてもらいたいと思えば、実務を担っている担当職員よりもっと上の者と飲食をして、その代金を全額負担すれば、「貸し」ができます。飲食をした上の者は「借り」があるので、その「借り」を返そうとするので、行政がゆがめられることになります。だから、公正な行政をすべき国家公務員は利害関係者との飲食を禁じられているわけです。

 総務省の幹部は東北新社が利害関係者とは知らなかったと言っていますが、総務省の花形部署である放送事業の許認可業務をグリップしている幹部が東北新社が利害関係者と思っていなかったとしたら、彼らに放送事業の許認可をさせてはいけません。

 また、飲食の場で放送事業のことは話題に出なかったと言っていましたが、彼らと東北新社との共通の話題は放送事業のことに決まっているではありませんか。せっかく、高いお金を出して飲食させているのに、放送事業とは関係ない釣りの話でもしていたというのでしょうか。あまりにバカバカしくて空いた口がふさがりません。

 また、どんな会話をしたかも記憶にないと言っていますが、彼ら彼女らキャリア官僚が誇れる点は「抜群の記憶力」です(これしかないと言ってもいいですが)。その彼ら彼女らが会話の記憶がないというなら、今すぐにでも脳ドックを受診した方がいいと思います。

 今コロナ禍の中で、厚労省だけでなくどこの省庁も幹部を含め多くの職員が多忙を極めています。コロナの感染を心配しながら高級料理を食べる時間より、寝る時間が欲しいというのが、本音です。

 菅義偉首相は総務大臣の時にふるさと納税に反対した局長や課長を飛ばしました。総務省の幹部には、菅首相に逆らうと報復人事が待っていることがわかっています。これは総務大臣秘書官だった菅首相の長男である正剛氏に逆らっても同じことになると思っても不思議ではありません。だから、菅正剛氏が同席する接待を断れなかったのだと思います。

 加えて、霞が関の幹部人事を握っている菅首相の長男たる菅正剛氏が同席している接待ならば問題になることはないだろうという楽観視もあったと思います。今回の総務省接待問題は、菅正剛氏の存在がなければ、起こり得なかったと思います。

 国家公務員の仕事には、許認可や検査、補助金の交付業務があります。これらの仕事をするときは、日々利害関係者と接触することになるので、飲食の誘いにはかなり気をつけています。

 たとえば、検査で企業に行った時はお茶やコーヒーは飲みますが、お茶菓子には手をつけません。昼食は外で食べるか、外で食べられない場合は事前にコンビニで弁当を買っていきます。当然、検査が終了すれば、即退社します。

 駅から遠い企業に行くときも、企業の送迎は断って、バスかタクシーで行きます。タクシーの利用も制限があるので、1時間に1本しかないバスに乗って、バス停から30分歩くなんてことも普通です。

 これくらい、現場で働く国家公務員は倫理観を持って仕事をしているにもかかわらず、幹部が接待を受けているのを見て、多くの国家公務員の士気はだだ下がりです。

 総務省の幹部は処分され、総務省の中での出世はもうないと思いますが、山田真貴子内閣広報官だけは、すでに一般職国家公務員を退職し現在は特別職国家公務員で国家公務員倫理法が適用されないため、処分の対象になっていません。しかし、山田真貴子氏が菅正剛氏らから7万4203円の接待を受けたのは一般職国家公務員のときであり、その責任は免れませんし、そもそも特別職国家公務員にも倫理法が適用されるべきです。

 内閣広報官という特別職国家公務員は政治任用ですから、その責任は政治任用した菅首相が取るか、本人が辞職するほかないと思います。一般職国家公務員を退職後、60歳で月100万円以上の給料をもらいながら辞職しないというのは、市民の怒りを呼ぶのはもちろん、60歳で再任用しても年収で300万円に届かないで働いている多くの国家公務員の怒りも呼ぶことになるでしょう。

 今回の総務省違法接待問題が起こった背景には、森友・加計問題と同じ内閣人事局による霞が関の幹部人事支配があります。内閣人事局によって菅首相が国家公務員を私物化できる構造になっているからこそ起こった問題です。行政をゆがめて腐敗させる内閣人事局を早く廃止する必要があります。

全経済産業省労働組合中央執行委員・飯塚盛康

 

日本財団・笹川保健財団は不当解雇を撤回してください

 東京都東村山市にある国立ハンセン病資料館は、厚生労働省の委託団体により運営されています。2016年度からは日本財団が資料館の運営を受託し、今年4月からは笹川保健財団が受託者となりました。笹川保健財団はこの受託者交替に乗じて、資料館で働いている学芸員等に対して採用試験を行い、学芸員の稲葉さんと大久保さんの2人を不採用としました。稲葉さんと大久保さんは国公一般の組合員として、ハラスメントの根絶や労働条件改善のために日本財団との団体交渉を重ねていました。

稲葉さんと大久保さんを、国立ハンセン病資料館に戻してください!

 稲葉さんと大久保さんの不採用による雇い止めは、組合つぶしの不当労働行為であるとして、国公一般は5月8日に東京都労働委員会に救済申し立てを行い、すでに2回の調査期日が開かれています。
 人権啓発の場であるハンセン病資料館で働く労働者の権利を侵害する不当労働行為は許されません。不当解雇を撤回させて2人の尊厳を取りもどすため、みなさんのご支援をお願いします。

組合員を監視カメラで日常的に監視!!
組織ぐるみの明白なハラスメント


 国公一般・国立ハンセン病資料分会の組合員2名が不当解雇された問題にかかわり、資料館の事業部長や現職の学芸員らが組織ぐるみで組合員を日常的に監視していたことが明らかになりました。
 資料館の部長らによる監視行動は、なんと資料館に設置されていた防犯用のカメラを用いて行われていました。カメラを用いて監視した事実は細かくエクセルシートに記載され、資料館内の共有フォルダに保存されていました。
 これらのチェックシートには、たとえば女性組合員が何時何分にトイレに行き、何時何分にシャワー室へ入ったなど細かい記載が生々しく記載されています。このような組織ぐるみの「組合員いじめ」は明白なハラスメントであり、国立ハンセン病資料館としての体質としてふさわしくないことも明白です。
 国公一般はこれを「財団の不当労働行為意思を示す明白な証拠」として、都労委に提出。財団側の明確な説明が求められます。

●国立ハンセン病資料館とは
 1993年6月25日、高松宮記念ハンセン病資料館として開館。自分たちが生き抜いてきた証としての資料を残す活動として1969年以来とりくんできた多磨全生園入所者自治会図書室をベースにして、全国のハンセン病療養所入所者自治会で組織する全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)が実質的に設立しました。入所者自身による手作りの博物館施設で、主な目的は、自分たちが生き抜いてきた証を残すことと、社会に同じ過ちがくり返されないよう訴えかけることです。
 2007年3月31日、国立ハンセン病資料館としてリニューアルオープン。らい予防法違憲国家賠償請求訴訟における原告勝訴を受けて、国が補償の一環として名誉回復措置を講じるためにハンセン病資料館を拡充したものです。この時から、ハンセン病患者・回復者の名誉回復が資料館の目的に加わりました。

●資料館でのハラスメント(一部)

2016年2月~
P氏(多磨全生園入所者で国立ハンセン病資料館運営委員、語り部)による稲葉さんに対するパワハラ・侮辱・名誉毀損が始まった。

2018年1月~
国立ハンセン病資料館館長による、特定の職員を対象とした暴言が日常的に行われるようになった。

2018年 春~
館長による大久保さんに対するセクハラがたびたび行われるようになった。

2018年 秋~
館長の非常識な行動および指示を大久保さんが拒むと「辞めろ、辞めちまえ、辞めさせてやる」と恫喝され、同時にパワハラが行われるようになった。

2019年1月
館長が年頭の訓示で「あの学芸員気にくわねえよって、ひとこと言ったらね(…)どこかすっ飛ばすんだよ。辞めるか、飛ぶかだ」など職員を前に語った。

2019年4月
H事業部長・N事業課主任・O社会啓発課長が、大久保さん・田代さんの担当事業を一方的に取り上げようとし、春以降は、同じ事業課員でありながら田代さんと大久保さんを排除して、N事業課長とK、H学芸員の2人の事業課員だけで事業課の事業を決めていくようになった。

2019年10月~
事業課内においてN課長、K、H両学芸員の3人が事業を計画し、決定するまで、あるいは実施したことすらも田代、大久保両学芸員には知らせないという露骨な排除が日常的にくり返されるようになった。また事業計画の見直しを行うとして、H部長とN課長が田代さんと大久保さんを個別に呼び出し、従来の担当事業の取り上げと新たな事業の担当を一方的に通告し、了承を迫った。

2019年12月
他の学芸員などには配布・回覧されていた来館者調査報告書が、稲葉・田代・大久保の3人には周知されなかったことについて、12月9日、1月6日と2回の団交で理由説明と配布を求めたが、まともな説明はなく、報告書が配布されたのは2月7日であった。

2019年12月
療養所からの作品貸し出し依頼に伴い、資料管理課長である稲葉さんが展示作品2点を入れ替えたことについて、N課長が稲葉さんに対する言いがかりをH部長に伝え、H部長はN課長の言う「苦情」の妥当性を判断することなく稲葉さんを注意した。

2020年3月~
3月9日、組合は第1回目の記者会見を行った。すると日本財団は3月11日より、組合員3人について「監視カメラチェックシート」等と題する監視カメラによる行動記録をつけ始めた。これらのファイルは4月以降も更新されており、笹川保健財団がこの監視記録の作成を日本財団から引き継いだことが分かる。

 このように、資料館内における嫌がらせ等のハラスメントは枚挙にいとまがありません。2019年9月の分会結成後にも上記のような嫌がらせが多発・悪化している状況について、団体交渉でその改善を求めましたが、日本財団はコミュニケーションの問題と組合員に責任があるかの対応に終始しました。財団により資料館全体において組合を敵視・嫌悪する雰囲気が巧妙につくられてきたことの証左です。

 

 

▼ネット署名にご協力ください。

国立ハンセン病資料館で発生した不当解雇の撤回をもとめています。 不当解雇を撤回し、2人の学芸員を資料館に戻してください!

 

 国公一般・国立ハンセン病資料分会の組合員2名が不当解雇された問題にかかわり、資料館の事業部長や現職の学芸員らが組織ぐるみで組合員を日常的に監視していたことが明らかになりました。

 資料館の部長らによる監視行動は、なんと資料館に設置されていた防犯用のカメラを用いて行われていました。カメラを用いて監視した事実は細かくエクセルシートに記載され、資料館内の共有フォルダに保存されていました。国公一般はこれを「財団の不当労働行為意思を示す明白な証拠」として、都労委に提出。財団側の明確な説明が求められます。

 この件について、組合は都労委に「準備書面2」を提出しました。その内容を下記に一部引用します(個人名など一部修正)。

 

【都労委に提出した「準備書面2」より】

 

 2020年3月9日(月)、組合は第1回目の記者会見を行った。すると日本財団は、2020年3月11日(水)より、組合員3人について、「カメラチェックシート」「監視カメラチェックシート」「三人の動きについて」と題するエクセル表を事業部の共有フォルダに共有し監視カメラによる行動記録をつけ始めた。実際に監視と記録を行っていたのは●●部長、●●課長、●●課長、●●学芸員らであることは、各エクセル表のプロパティの作成者に●●部長や●●課長の名前がでていること、カメラチェックシートの「担当」欄に「●● 済」「●● 済」「●● 済」「●● 済」といった記載内容があることから分かる。しかも、「カメラチェックシート」には稲葉組合員について「地蔵」、女性組合員について「酌婦」という侮辱的なあだ名をつけて記載をしている。「カメラチェックシート」及び「監視カメラチェックシート」ファイルの最終更新日は2020年4月14日、「三人の動きについて」ファイルの最終更新日は2020年6月であることからすれば、笹川保健財団はこの組合員の行動記録の作成を日本財団から引き継いだことが分かる。
 このような、管理職ら及び彼らに迎合する学芸員による組合員3名に対する異常な監視行為は、被申立人らの組合嫌悪の不当労働行為意思を裏付けるこれ以上ない明白な証拠である。



 これらのチェックシートには、たとえば女性組合員が何時何分にトイレに行き、何時何分にシャワー室へ入ったなど細かい記載が生々しく記載されています。このような組織ぐるみの「組合員いじめ」は明白なハラスメントであり、国立ハンセン病資料館としての体質としてふさわしくないことも明白です。

 国公一般は、この問題は労使関係にとどまらない重大な問題と考え、厚労省および両財団に対する適切な対応を要求するとともに、不当に職場から排除された2人を資料館に戻すために、多くの仲間と手を取り合って奮闘します。

 

▼ネット署名にご協力ください。

国立ハンセン病資料館で発生した不当解雇の撤回をもとめています。 不当解雇を撤回し、2人の学芸員を資料館に戻してください!

 

「稲葉氏、大久保氏の主張に対する有志一同の見解の詳細」について(国公一般の見解)

 2020(令和2)年7月3日頃より、国立ハンセン病資料館(以下、資料館)の「有志一同」を称する数名の職員から関係各所に送られた「(別添)稲葉氏、大久保氏の主張に対する有志一同の見解の詳細」(以下「有志一同の文書」)に対する、国家公務員一般労働組合(以下「国公一般」)の見解は以下のとおりです。

 資料館の「有志一同」は、「元職員らを支える組合は、客観的な裏付けのない元職員による悪意と虚偽に満ちた主張を盲目的に信じて拡散させ、組合員ではない職員、元語り部への名誉棄損ならびに税金で運営されているハンセン病資料館への業務妨害を行っている」と主張しています。しかし、後述するように「有志一同の文書」こそ事実の歪曲であり、虚偽の内容でつくられているものです。国公一般は、二人の組合員に対する不当解雇の撤回と、二人を学芸員として資料館に復帰させることを求めているものであり、このような労働組合の正当な活動に対して「業務妨害」であるなどと攻撃することは、労働組合を敵視し、排除する以外の何物でもないことを指摘しておきます。
 「有志一同の文書」では、例えば稲葉さんが激高して糾弾しY事務局長を退職に追い込んだとする件についてですが、当時労働者代表だった稲葉さんが、職員たちの不満(今回の有志一同に名を連ねている者も含む)を集約して改善を申し入れただけであり、辞職を求めたものではありません。
 このように事実を都合良く歪曲してつくられた「有志一同の文書」については、その一つひとつすべてに反論することができます。しかし、国公一般は、本年5月8日に東京都労働委員会(以下、都労委)に対して、今回の不当解雇に関して不当労働行為の救済を申し立てており、目下審理中であるため、必要以上の反論は差し控えたいと思います。
 
 「有志一同の文書」の目的は、稲葉さんと大久保さんが職場を追われて当然の人間であると広く印象づけ、不当解雇撤回を求める私たちの運動とその支援者を切り崩すことが狙いです。
 ご支援をいただいている皆様におかれましては、この「有志一同の文書」に惑わされることなく、「稲葉さんと大久保さんを学芸員として国立ハンセン病資料館に戻せ」の運動への引き続きのご支援をお願いいたします。
 また、私たちの運動を支援したがために、すでに何らかの被害を受けられた方々がいらっしゃることには、心が痛むと同時に怒りを覚えます。誹謗中傷の相手をせず、ご自身を守る行動を取ってください。
 
 「有志一同の文書」は、全国のハンセン病療養所入所者自治会、署名の賛同人、ハンセン病市民学会関係者、国賠訴訟弁護団の弁護士、国会議員など、確認できただけでも約30カ所に及ぶ広範囲にわたってばらまかれています。
 資料館「有志一同」は、稲葉さんと大久保さんが多くの方々との間に長い時間をかけて培ってきた信頼関係を、虚偽の事実の流布をもって破壊しようとしています。
 資料館での学芸員の仕事は、ハンセン病患者・回復者の人生を扱います。自分の人生ではありません。きっかけは資料館での仕事だったとしても、顔や人柄がわかる人間同士として、生涯に渡ってつきあっていくものと考えます。
 稲葉さんと大久保さんは、このような考えのもと、資料館で働きハンセン病回復者との関わりを築いてきましたが、その関わりを日本財団と笹川保健財団は不当解雇によって物理的に奪いました。資料館の「有志一同」は、それに加えて、稲葉さんと大久保さんとハンセン病回復者との信頼関係までも奪おうとしているのです。

 文書の内容は在職年数等から「有志一同」の5人だけでは知り得ないものも含まれており、資料館の重要な管理職らが作成に関わっていることが推測されます。それが事実だとすれば、いざという時に法的責任を免れるために、上司の指示に逆らえない一般職員のみを実行者に仕立てて「有志一同の文書」を流布するというやり方は、卑劣なものだと言わなければなりません。
 いずれにしても、「有志一同の文書」自体が、国立ハンセン病資料館内で組織的な排除やハラスメントが行われてきたことを証明するものになっています。人権を扱う資料館において、このような人を貶める行為は決してあってはなりません。

 現在、管理運営を受託している笹川保健財団には、自らが雇用する国立ハンセン病資料館の職員らが行っているこうした誹謗中傷・名誉棄損行為をやめさせる責任があります。稲葉さんと大久保さんを「不採用」にした理由も明かさないまま、「有志一同」がまき散らす文書を好都合と考え利用しているのなら、国立ハンセン病資料館を管理運営する資格はないと言わざるを得ません。

 また、国立ハンセン病資料館を所管する厚生労働省は、受託団体のもとで行われているこのような人権侵害行為について、受託団体を強く指導することが求められます。これは人権尊重を根源とする国立ハンセン病資料館で起きた、重大な不祥事です。それにもかかわらず、これまでと同様に何も対処しない、あるいは実効性のない指導しか行わないとすれば、それは人権侵害行為に同調し、これを黙認しているのと同じであり、厚労省自身の責任も問われることになることを指摘しておきます。

2020年8月6日

国家公務員一般労働組合
同 国立ハンセン病資料館分会

 

 

▼ネット署名にご協力ください。

国立ハンセン病資料館で発生した不当解雇の撤回をもとめています。 不当解雇を撤回し、2人の学芸員を資料館に戻してください!

 

 

 全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんが、公務員の定年延長について書いてくれたので、以下紹介します。

 

 国家公務員定年延長に疑問符 自民・世耕氏 時事通信 2020年5月19日

 自民党の世耕弘成参院幹事長は19日の記者会見で、検察庁法改正案の今国会成立断念により先送りされることになった公務員の定年を65歳に引き上げる国家公務員法改正案に関し、「経済が苦しくなる中、公務員の給料が下がらないまま定年延長していいのか」と述べ、疑念を呈した。


 世耕氏が疑念を呈している国家公務員の定年延長について考えてみました。

 まず、国家公務員の処遇について説明します。

 国家公務員には一般的な事務を行う行政職、国税専門官や労働基準監督官のような専門官、国立病院の医師、看護師、国立学校の教師などの種類があり、それぞれに給与表があります。

 国家公務員は労働三権のうちスト権と労働協約権が制約されているので、国家公務員の給与や待遇を決める人事院が存在します。

 人事院は「情勢適応の原則」と言って従業員50人以上の民間企業の給与や待遇を調査して、その結果に基づいて年に1度、国会と内閣に「人事院勧告」を提出します。

 人事院勧告を反映した給与法等が国会で可決されることによって現実のものとなります。

 従業員50人以下の民間企業も含んで調査すべきだという声も聴きますが、都道府県単位や大きな市単位の行政機関(ハローワークや法務局)の多くが50人以上なので、妥当性があると考えています。

 一部の政治家などが「公務員の賃金は高すぎるからもっと賃下げすべきだ」と主張していますが、人事院によると、2019年度の国家公務員採用試験で、一般職(大卒程度)の申込者が前年度比11%減の2万9893人で3年連続のマイナス。3万人を下回ったのは、現行の試験区分となった2012年度以降初めてでキャリア官僚と呼ばれる総合職の申込者も減少が続いています。また、国税専門官や労働基準監督官などの専門職試験(大卒程度)の申込者も前年度比11.1%減。下のグラフにあるように、国家公務員志望者はこの8年で一般職36%減、総合職27%減になっています。公務員賃下げを主張する政治家のみなさんには、こうした公務員志望者が激減している状況を少しは考えてもらいたいと思います。



 それから、公務員賃金にかかわってよくある批判が、国税庁の「民間給与実態統計調査」の民間労働者の平均賃金と比べて、公務員の賃金が高すぎるというもの。国税庁による民間労働者の平均賃金はパートやアルバイトなど非正規労働者の賃金も入っての平均賃金です。民間の数字は、正規労働者と非正規労働者の平均賃金なのに、公務員の数字は正規公務員だけの平均賃金と比べて「公務員の賃金は高すぎる」と言っているわけです。公務職場にも「官製ワーキングプア」の状態に置かれている非正規公務員が多数いて、厚生労働省では53%が非正規公務員です。

 国家公務員の賃金は、人事院勧告によってベースアップが決まりますが、昇給は「人事評価制度」によって基準の2倍上がる人もいますし、逆に半分以下、あるいはゼロという人もいます。

 また、係員、係長、課長補佐、課長、次長、部長、局長などの職務によって給与が異なりますが、上の職務に行くにも「人事評価制度」が使われていますので、年功序列も崩れつつあります。

 賃金は55歳になると昇給停止になり、人事院勧告によるベースアップだけになりますが、55歳以上はここ数年はほぼゼロです。実質賃金が下がり続けているので、国家公務員の賃金が60歳まで上がり続けるというのは誤解です。

 現在の国家公務員の定年後の働き方は、同じ役所で再任用するか、民間会社などに就職するか(役所があっせんする「天下り」はないことになっています)です。

 ちなみに国歌公務員は身分保障があることから、雇用保険の適用はないので、60歳でリタイアすると翌月から無収入になってしまいます。

 再任用後の多くの職員の賃金は25万円から27万円ですが、扶養手当、住居手当、寒冷地手当などは支給されません。

 また、この賃金額は週5日勤務した場合ですが、週5日勤務になると定員にカウントされるので、新規採用者が少なくなるというので、多くの職員が週4日か週3日の勤務になります。

 仕事の内容は60歳前と同じ人が多いので、仕事をこなすために長時間残業をしている人もたくさんいます。週4日勤務だと手取りで20万円を切るので、厳しいと思います。

定年延長後の給与は600万円は本当か?

 昨年度の人事院の調査では行政職の平均給与は411,123円(平均年齢43.4歳)なので、ボーナスを含む年収にすると約678万円ですが、これは高給のキャリア官僚も含めた給与なので、ほとんどの国家公務員が退職する時の本省課長補佐、管区機関の課長、課長補佐の平均給与は約40万円です。55歳で給与は増えないので、年齢を加味しても60歳で45万円、年収で740万円というところだと思います。これの7割なので518万円というのが妥当なところかと思います。

 それでは、定年後518万円が多いのかですが、仮に民間企業で60歳の時の給与が45万円、ボーナス4.5カ月とすると、民間企業では60歳以後働くと給与が60%になると高年齢雇用継続基本給付金が最高で15%もらえます。

 仮に60%まで給与を下げても給与と雇用継続基本給付金を合わせると69%になります。(高年齢雇用継続基本給付金は非課税、社会保険料もかからないので手取り額は70%以上になりますし、企業は社会保険料の負担が減るので60%まで下げる企業が多い)

 給与ベースでは国家公務員も民間もあまり変わりませんが、60歳以後のボーナスの金額で差が出る可能性があります。

 また、高年齢雇用継続基本給付金は2025年から半減されるので、民間の給与の変化もみていく必要があります。

 最後に高年齢者雇用安定法は、事業主に対して「65歳まで定年年齢を引き上げ」「希望者全員を対象とする、65歳までの継続雇用制度を導入」「定年制の廃止」のうちいずれかの措置を講じることを義務付けています。これにより、2019年度には「希望者全員が65歳以上まで働ける企業」の割合が78.8%にまで達しています。

 加えて、同一労働同一賃金の観点からいえば、今後は高年齢労働者も含め、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保が実現されていくことも見込まれています。これは国家公務員も同様です。国家公務員の定年延長に反対するのではなく、公務員も含めた働く人が、年金が受給できる65歳まで働きがいと安心感を持って働き続けることができるかを考えていくべきだと考えます。

 最後に公務員賃金と財政の問題です。冒頭に紹介した世耕氏もそうですがコロナ禍において財政出動が多くなっているので公務員賃金を削減すべきとか、「公務員は10万円給付受け取り禁止」などと橋下徹氏吉村洋文大阪府知事などが主張していますが、地方公務員の7.4%(20万3千人)は医師・看護師など医療従事者で、5%(13万5千人)は保健師など衛生行政従事者(総務省2019年データ)です。フランスでは医療従事者の残業代5割アップと手当で23万円を支給しています。

 下のグラフにあるように、そもそも日本の公務員は人数も人件費もOECDの中で最低です。コロナ禍の最前線で奮闘する医療従事者や衛生行政従事者、コロナ関連の給付金・補助金・助成金等の実務を行うのも公務員です。日本は公務員が少なすぎたためコロナ対応にさまざまな支障が出ているのです。逆に公務員の人数を増やし、公務員人件費を他国並に引き上げていくことこそ必要なのです。



(全経済産業労働組合副委員長・飯塚盛康)

 普段でも“霞が関不夜城”と呼ばれるブラックな本省庁の職場。公務員削減が続くなか、新型コロナウイルスへの諸対応も加わって、霞が関の国家公務員の「働き方」はいっそう過酷なものになっています。

 

 

 いま上記にあるように、霞が関公務員相談ダイヤルに取り組んでいますが、「コロナではないが肺炎との診断が出て休もうとしたが、上司から『コロナ対応で人手が足らず業務が回らないから肺炎だろうが仕事しろ』と言われ肺炎でも休むことができない」との悲痛な相談や、「コロナ対応業務を2交代制で行っているが、夜から朝まで働いた日に、上司から『昨夜から朝まで働いたのだから昼間は休んでいいが、自分の有給休暇を取って休んでくれ』と言われた」、「コロナ対応の非常時だからと2日連続で徹夜仕事を強制された。このままでは過労死してしまう」との声が寄せられるなど、コロナ対応という“非常事態”だから国家公務員をいくら酷使しても許されると言わんばかりのブラックな「働かせ方」が蔓延しています。



 通常時においても、霞が関で働く国家公務員の30%(1万200人)が過労死の危険を感じ、パワハラ被害は34%(1万1500人)、セクハラ被害は21%(7100人)にのぼっています。



 こうした状況が悪化し続けていますから、最近、メディアにおいても国家公務員の長時間労働を改善すべきではないかと指摘する記事が増えています。

 国家公務員、志望者が11%減 19年度試験、民間人気で(共同通信2019年5月15日)
 「人事院は15日、2019年度の国家公務員採用試験で、一般職(大卒程度)の申込者が前年度比11.0%減の2万9893人だったと発表した。3年連続のマイナス。好調な企業業績を背景に民間の人気が高く、担当者は「人材が奪われている」と語った。3万人を下回ったのは、現行の試験区分となった12年度以降で初めて。中央省庁の幹部候補で、キャリア官僚と呼ばれる総合職の申込者も減少が続いている。」

 

 転職希望の公務員が急増 外資やITへ流れる20代(日本経済新聞2020年3月14日)
 「公務員の人材流出が増えている。大手転職サイトへの公務員の登録数は最高水準にあり、国家公務員の離職者は3年連続で増加した。特に外資系やIT(情報技術)企業に転じる20代が目立つ。中央省庁では国会対応に伴う長時間労働などで、若手を中心に働く意欲が減退している。若手の「公務員離れ」が加速すれば、将来の行政機能の低下を招く恐れがある。」「慶応大大学院の岩本隆特任教授の調べによると、霞が関で働く国家公務員の残業時間は月平均100時間と民間の14.6時間の約7倍。精神疾患による休業者の比率も3倍高かった。若手を中心に国会対応で長時間拘束されることや、電話対応などの雑務に時間を割かれることが長時間労働の原因となっている。」

 

マツコ、公務員の長時間労働に危機感 「人様のことやる前に、まずあんたたちのこと見直したら?」(キャリコネニュース2020年03月17日)
 「霞が関なんて、けっこう近く通るけどさ、まあ、ずっと電気ついてるよ」「昔はさ、第一種のエリートと呼ばれる人なんてさ、ほとんど東大法学部みたいな人が固めてたわけよ。でもいまそれだけだと来ないんだって。だから、大変なお仕事なわけよ」「若い人たちは本っ当に大変な仕事をしてるわけなのよ、みんな。だからもうちょっとケアしてあげないと。最初の希望する人が増えるように労働環境を改善しないと」「『働き方改革』の旗振り役の省庁において過重労働が蔓延しているという恐ろしい事態になっている」

 

 

「東大生のキャリア職離れ」国家公務員試験戦線に異常あり!(Wedge REPORT2020年2月6日)
 「中央官庁のキャリア職を目指す国家公務員総合職試験の志願者数が減少傾向の中で、これまで国家公務員志向の強かった東京大学卒業生の合格者数が激減、大学別では首位を維持してはいるものの、東大生の「キャリア職離れ」が浮き彫りになっている。」「人事院が明らかにしたところによると、2019年度試験の東大生(大学院生も含む)の合格者数は、全体の1798人中で307人で、東大の比率は17.0%と過去最低のレベルだ。」


 上記の志望者が減少しているという共同通信の指摘ですが、数字を拾ってグラフを作ってみました。



 グラフにあるように、国家公務員の志望者はこの8年で一般職は36%減(1万6557人減)、総合職は27%減(7359人減)。現行試験制度になって一般職が3万人を下回るのは初めてで、最低の志望者数になってしまっています。

 この上に、いま新型コロナウイルスへの諸対応が加わって、以下のような声が寄せられています。

 コロナ対応で“非常事態”だからと大臣やキャリア官僚がテンパって“エリートパニック”のような状況になっている。大臣レクを休日に設定して多くの職員を休日出勤させるなど「働き方改革」に大臣自らが逆行していて、現場の職員は疲弊している。

 「一斉休校」など官邸トップダウンがひどい。各現場の事務方に一切相談なく突如として官邸トップダウンの政策が降ってわいてくるので、上意下達のパワハラ職場に拍車がかかっている。キャリア官僚の一部にパワハラで有名だった佐川宣寿氏のように、もともと“クラッシャー上司”は存在していたが、コロナ対応という“非常事態にかこつけて”というのと、“政治主導”という名の官邸トップダウンと内閣人事局による人事権も使っての有無を言わせぬパワハラの横行が、最も弱い立場に置かれている現場の若手職員のメンタルを痛めつけている。

 「帰国者対応」や「クルーズ船対応」など新型コロナウイルス対応に専門的な訓練や備えがない職員も非常時だからと業務にあたっている。通常時もギリギリの人員だったのでパンク寸前だ。公務員を減らし過ぎだと痛感している。



 通常の国会対応でも深夜残業だったが新型コロナウイルス対応が加わり職場は野戦病院のようだ。このままでは多くの職員が倒れてしまう。



 新型コロナウイルス対応の業務で職場に泊まり込むことがさらに多くなった。政治家からカップ麺の差し入れがあったが、カップ麺より職員を増やしてもらいたい。



 「カップ麺より職員を増やしてもらいたい」――霞が関で働く国家公務員の悲痛な叫びです。最後にいくつかデータを紹介しておきます。

 日本の公務員数を国際比較すると、OECD加盟国の中で最低です。ノルウェーのわずか5分の1、OECD平均の3分の1しか公務員がいません。北欧の福祉国家は多くの公務員に支えられているのです。日本は福祉国家と対極にあるOECDで最悪の「自己責任国家」です。

 

 人件費で見ても日本の公務員はOECDで最低で、逆に財政赤字は最高です。よく政治家が「公務員人件費が高いから財政赤字が拡大する」などと言いますが、デンマークやノルウェーなど公務員人件費が最も高い国の方が財政赤字が最も低いことを見てもデタラメな主張であることがわかります。

 

 国・地方の財政支出に対する公務員人件費の割合を見ても、日本はOECDで最低で、アメリカの半分しかありません。

 

 現時点で、国家公務員の常勤職員・非常勤職員にはコロナにかかわっての特別休暇(有給)が私たち労働組合の要求によってできましたが、コロナにかかわらなければ、非常勤職員には病休(有給)は存在しません。コロナ対応、労働安全衛生の所管である厚生労働省の職員の53%が「病気で休むと無給になる非常勤職員」という異常な事態にあります。

 

 国家公務員の中で最も過酷な「働き方」になっているのが、コロナ対応の所管であり「働き方改革」を担う厚生労働省。過労死の危険を感じたことがある割合が62%、残業代の不払いがある割合が78%。「働き方改革」が最も必要なのが厚生労働省の職場になってしまっているのです。

 

 

(井上伸)

 全経済産業省労働組合副委員長の飯塚盛康さんが、森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん事件に関連し、2018年3月7日に自ら命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんの遺書手記を読んでの思いを書いてくれたので、以下紹介します。

 中央省庁には地方を所管する地方局があり、例えば経済産業省は〇〇経済産業局、国土交通省には〇〇地方整備局、厚生労働省には〇〇厚生局があり、財務省にも〇〇財務局があり、赤木俊夫さんが勤務していた近畿財務局もそのうちの1つです。

 基本的に本省は政策立案、地方局はその政策を実行するという役割になっているので、地方局の職員は補助金の交付決定から補助金額を確定して事業者に支払うなどの実務を担っています。赤木さんがいた近畿財務局も国有地払い下げの「実務」を担っていたはずです。

 私たち国家公務員は補助金や契約など、お金にからむ案件は会計検査院の受検が一番怖いので、きちんとした書類を揃えるというのは常識です。

 赤木さんが文書を改ざんさせられている最中の2017年の4月と6月に会計検査院の受検が行われていますが、書類は出すな、文書は保存していないと説明しろと言われたと手記に書いています。

 そんな中、7月に自分以外の人が異動してしまい、関係資料もないと分かった時、自分だけに責任を負わせようとする財務省に対する絶望感と改ざんしたという罪悪感によって精神を病んだのだろうと思います。

 ちなみに翌8月には安倍昭恵夫人の秘書だった経産省のノンキャリの谷査恵子氏はイタリア大使館に一等書記官として赴任しています(怒)。

 地方局では総合職いわゆるキャリアが新規採用されることはなく、全員ノンキャリですが、幹部といわれる局長や部長は本省からキャリアが送り込まれてきます。

 本省からみれば地方局は格下と見られていて、地方局は本省の言うことを聞いておけばいいんだと、本省から送り込まれた幹部のキャリアも思っているので、赤木さんが改ざんに抵抗しても押し切られていく姿は身につまされます。

 佐川宣寿局長が、なぜ文書記録は存在しないと国会で答弁したのか、決裁文書を改ざんしたのか? 安倍首相が国会で「妻と自分が関係していたら総理大臣だけでなく、国会議員も辞めますよ」と言ったことが発端だということは、絶対に忘れてはならないことです。

 『週刊文春』2020年3月26日号に掲載された赤木さんの遺書と手記を読んでから、ずっと心が沈んでいます。私自身、関東経済産業局という赤木さんが働いていた近畿財務局と同じ「管区機関」で働き、ノンキャリの課長補佐という同じ役職だったので、他人事とは思えないからです。

 赤木さんがなぜ改ざんを断ることができなかったのか? それは、赤木さんが旧国鉄から採用されたことにあるのではないかと私は思います。

 高校卒業後、当時の国鉄に就職した赤木さんは、国鉄の分割民営化によって1987年に中国財務局に採用されました。

 当時、10万人近い職員が余剰人員とされ、希望者は民間会社や民間鉄道会社や公務員などにあっせんされて就職しましたが、不採用になった人は国鉄清算事業団に行かされました。

 財務局に採用された赤木さんは国鉄清算事業団に行かなくて良かったと喜んだと思います。そして、赤木さんは財務局に恩義を感じたのではないでしょうか。それは畑違いの仕事をしながら、もっと勉強して役に立ちたいと思って、立命館大学法学部の夜間コースに通ったことでも推察されます。

 もしかしたら国鉄清算事業団に行ったかもしれない自分を救ってくれた財務局に恩返しをしようと仕事をしていたに違いありません。関東経済産業局にも国鉄や林野庁の就職のあっせんを受けて来た人がいて、同じような思いで仕事をしていた人を私は多く知っています。ですので、赤木さんも同様だったのではないかと思うのです。

 そんな、恩義のある組織から改ざんを頼まれて涙を流して抵抗した赤木さんの無念を想像すると、胸が張り裂ける思いです。

 財務省は赤木さんを見捨てたのか? 2017年2月から決裁文書を改竄させられた赤木さんは7月には異動できると思っていたのに、関係した人は異動したのに自分は異動できないだけでなく関係書類まで無くなったことで、精神を病んでしまいます。

 なぜ、そんなことができたのか? それは、赤木さんが正式な公務員試験を通った人ではない、いわゆる「外様」だったからではないかと思います。もっとひどい言い方をすれば、国鉄をクビになるところを拾ってやったヤツに全部責任を負わせてしまえと考えたのではないか。財務省、近畿財務局は赤木さんを見捨てたのです。

 赤木さんは国民のために仕事ができる財務省が好きだったと思いますが、その財務省の官僚は簡単に赤木さんを見捨てて、命まで奪いました。

 そして、手記が出た今でも麻生太郎財務大臣は見捨て続けています。

 安倍首相は「改ざんは二度と起きてはいけないこと」と言っていますが、改ざんは一度たりともやってはいけないことです。そしてその一回をやったのも、安倍首相が国会で「森友学園の国有地の払い下げに妻か自分が関係していたら総理大臣だけでなく国会議員も辞める」と言ったからです。あの時、安倍首相が辞めていれば、赤木さんが自ら命を絶つこともなかったのです。人の命を奪ってまで首相の座にしがみつくことを許し続けている国は、およそまともな民主主義国とは言えません。

 今からでも遅くないので、安倍首相は、首相も国会議員も辞めて、昭恵夫人と一緒に赤木さんの墓前で謝ってもらいたい。

 佐川理財局長が命令し、美並近畿財務局長が承諾し、黒川次官が不起訴にした。佐川氏は国税庁長官、美並氏は東京国税長、黒川氏は検事長。そして赤木さんは命を奪われた。赤木さんの命を奪っておいて、安倍首相も昭恵夫人も佐川氏も黒川氏らものうのうと暮らしています。昭恵夫人は赤木さんが命を奪われた日に銀座でパーティーに参加していました。この夫婦に人の血は流れているのでしょうか?

 安倍政権が続く限り、まじめに働く多くのノンキャリは、いつ第2の赤木さんになってもおかしくありません。

 国家公務員は赤木さんの言う「私の契約相手は国民だ」という言葉を胸に刻んで仕事をしてください。

 各省庁にある労働組合は、赤木さんのような人の駆け込み寺になって、職員に違法、不当な仕事をさせないと宣言してください。

全経済産業省労働組合副委員長・飯塚盛康