『脳髄工場』
『脳髄工場』(小林泰三)
―あらすじ―
人工脳髄が一般化した未来。そんな中、あくまで人工脳髄の装着を拒んできた少年がいた。果たして彼に突きつけられる真実とは。ホラー短編集。
裏表紙の内容紹介に惹かれて買ってみたのですが、やや期待外れな内容でした。この本は短編集なのですが、何と言うか、本の途中で著者のクセが分かった辺りからどの話も展開が見えてしまいます。短編SFで最後にどんでん返しを持ってくるあたり、星新一を髣髴とさせる話が多く、収録されている短編・「同窓会」や「綺麗な子」などは特に似ています。全体的にホラーっぽくなかったのも残念でした。表紙と帯のおどろおどろしさから期待していたのですが。まあ「友達」という短編はなかなか面白かったです。
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『思わず話したくなる 三国志の謎』
『思わず話したくなる 三国志の謎』(阿部幸夫)
―あらすじ―
三国志についての解説本。
取り立てて新しい部分はありませんでしたが、酒や馬、武器などについてまとめてあり、なかなかこういったまとめ方をしている本は無いので嬉しいところです。しかし、せっかく酒について書いていながら孫権の項がなかったり、武器の話に徐晃の項がなかったりと、今ひとつ物足りないのが惜しい本です。
思わず話したくなる三国志の謎―壮大なスケールをキッチリ把握する!/日本文芸社
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『佐賀のがばいばあちゃん』
『佐賀のがばいばあちゃん』(島田洋七)
―あらすじ―
昭和33年の日本。佐賀の片田舎にいる祖母の元に預けられた8歳の洋七少年。そこでは厳しい戦後を生き抜いた、がばい(すごい)ばあちゃんとの貧乏生活が待っていた。
少し前に話題になった本なので読まれた方もいらっしゃるでしょうが、かのB&Bの島田洋七さんによる、祖母についてのエッセイです。非常に面白く、感動した本であり、今年読んだ本の中でもベスト5に入りますね。がばいばあちゃんの元気で明るいエピソードに、時に励まされ、時に感動させられる本です。特に、「本当の優しさとは、他人に気づかれずにやること」という一文には考えさせられ、それに関する修学旅行のエピソードと、運動会での弁当のエピソードがとても心に残りました。名作として後年まで残っていってほしい作品です。
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『ヒトクイマジカル』
『ヒトクイマジカル』(西尾維新)
―あらすじ―
不死についての研究を行う木賀峰助教授に誘われ、モニターとして研究に参加することになった「ぼく」。紫木一姫らとともに京都北部の診療所に向かうが、そこでは悲劇が待ち構えていた――シリーズ第5弾。
匂宮兄妹が登場し、完全に異色バトルモノとなってしまいました。前半でのほのぼのした展開から急転直下、後半の無惨なる殺人現場への変貌は意外性があっていいですね。人気キャラをサックリ退場させるあたりにも好感が持てます。前半が明るかっただけに後半での怒涛の展開が素晴らしかったです。
ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)/講談社
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『兵法 三国志』
『兵法 三国志』(大橋武夫)
―あらすじ―
兵法から見た三国志。
戦略面・戦術面から三国志を解き明かした本です。巻末の著者紹介によると、著者は世界大戦に参加していた人物とあり(1906年-1987年)、軍人としての観点から、赤壁の場所を推測したりそれぞれの戦いの解説をしているあたりに面白さを感じました。
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『人は見た目が9割』
『人は見た目が9割』(竹内一郎)
―あらすじ―
人は見た目が9割?最初にあった時の「見た目」で決まってしまう深層心理とは。
「前髪を伸ばす心理」や「腕組みをしてしまう状況」など、なかなか面白い部分もあったのですが、今一つだったように感じました。タイトルと内容が合ってないと言うか、本書の結論がよく分かりません。「内面が外面にも影響する」というのは納得させられましたが。議論のたたき台用と見ればアリかもしれません。
- ¥734
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『窓ぎわのトットちゃん』
『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子)
―あらすじ―
舌足らずのため、自分のことを「トット」と呼んでいた幼少時代の著者。トモエ学園に転向したトットちゃんは、そのユニークな教育方法のもと、すくすくと育っていく。
小林先生(校長先生)の理念に考えさせられます。身体が不自由な子にも自信を持たせてあげられるようなプログラムを考案するなど、常に生徒のことを第一に考える姿に非常に感銘を受けました。きっと何度読み返しても、その都度感動するであろう作品です。
- ¥700
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『ABARA』
―あらすじ―
突如現れた“白奇居子(シロガウナ)”と呼ばれる異形の生命体。時期を同じくして、養殖所で働く駆動電次の元にタドホミという女が訪れる。駆動は、白奇居子に対抗するために生成された“黒奇居子(クロガウナ)”と呼ばれる存在であった。
最初に読んだときは「何だこの画面真っ黒な漫画は。そしてキャラクターはあまり喋らんし、ストーリーがさっぱり分からん」という感じでした。しかし一応ながら読んでいくにつれ、ちょっとずつちょっとずつ、その世界観に引き込まれ面白くなっていきました。残念ながら面白く感じてきた矢先に連載が終了(打ち切り?)してしまったのですが、今回改めて最初から読み返し、面白さを再確認しました。ラストがあやふやなのですが、それも作者の味の内かと思っています。人を選ぶ漫画ではありますが、嵌れば病み付きになりそうな漫画です。
ABARA (上) (ヤングジャンプコミックス)/集英社
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ABARA (下) (ヤングジャンプコミックス)/集英社
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『機関車先生』
―あらすじ―
瀬戸内の小島・葉名島に、1人の大きな先生がやってきた。病気が原因で口をきけなくなったという先生に対し、子供たちは「口をきかん=機関車先生」とあだ名をつける。
「寝る前にちょっと読もう」と本を広げたところ、そのあまりの面白さに最後まで読みきってしまいました。「ページをめくらずにはいられない」という力を持った作品です(この手の力を持った作品は総じて名作です)。とても爽やかな作品で、ラストもとても綺麗で感動しました。人とのコミュニケーションの難しさ、大切さを教えてくれます。アニメ映画化、ドラマ化もされているようですが、機会があればこちらも見てみたいですね。
機関車先生 (講談社文庫)/講談社
¥484
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『サイコロジカル』(上下)
―あらすじ―
天才工学師・玖渚友とともに、兎吊木垓輔なる人物を助けるために、堕落三昧(マッドデモン)斜道卿壱郎の研究施設に赴いた「ぼく」。が、兎吊木垓輔が密室にて殺害されてしまう。侵入者・石丸小唄の手引きによって、真相を暴こうとするも――シリーズ第4弾。
作中でも触れられていますが、第1弾を髣髴とさせる展開でした。そのためオチが読めてしまった部分もありましたが、新キャラ・石丸小唄の正体などは面白く感じられました。
サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)/講談社
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サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄 (講談社ノベルス)/講談社
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