赤と黒
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『駿河城御前試合』

 『駿河城御前試合』(南條範夫)

―あらすじ―
 江戸初期の駿河。駿河城城主・徳川忠長によって御前試合が開催された。通常とは異なり、今回の御前試合には真剣を用いることが通達される。11組による死闘は、懸念されていた以上に凄惨な結果を迎えることになった。



 本書の一部を原作とした漫画・『シグルイ』は読んだことがあったのですが、本書は初めて読みました。実際に読んでみると、漫画の原作部分となっているのは「無明逆流れ」を中心に「がま剣法」など100ページにも満たず、ここから『シグルイ』へと物語を膨らませた手腕に驚かされます。
 本書では「無明逆流れ」以外にも10組の試合が書かれており、そのどれもが独特の色合いを帯びています。個人的に印象深かったのは、『シグルイ』原作の「無明逆流れ」と「がま剣法」はもちろんのこと、己の性癖ゆえに闘いに挑む「被虐の受太刀」、人を殺めた過去から不殺剣を会得した「峰打ち不殺」、その名の通り互いの身替りが戦う「身替り試合」あたりでしょうか。

 

 

『勉強はそれからだ 象が空をⅢ』

 『勉強はそれからだ 象が空をⅢ』(沢木耕太郎)

―あらすじ―
 東京に出てきた、若き頃の著者。ルポライターとして試行錯誤した日々がここに。



 なぜ著者の作品はこんなにも面白いのか。『夕陽が眼にしみる 象が空をⅠ』、『不思議の果実 象が空をⅡ』に続く3冊目ですが、内容には繋がりがないため、単独で楽しめます。また、このシリーズはエッセイをまとめた作品であるため、1テーマが短くまとまっており、空いた時間に少し読みたいときにも良い作品です(読み始めると止まりませんが…)。

 

 

『江戸の卵は1個400円!』

 『江戸の卵は1個400円!』(丸太勲)

―あらすじ―
 化政文化期の江戸時代。江戸っ子たちの暮らしぶりはどうだったのか。給料や食費など、江戸時代の生活費を検証する。



 私の好きな「歴史」と「経済」をテーマにした作品です。当時の大工や武士の給料をはじめ、二八そばや鰻といった食べ物、さらには生活費や旅費、吉原での遊びなどにも言及していきます。当時の経済に関する川柳が端々に登場するのも本書の特徴ですね。雑学本の範囲にとどまってしまう節はありますが、江戸時代がより身近に感じる1冊だと思われます。

 

 

16年目

 16年目です。

 15年目の頃(1年前)以上に忙しく、1月半ばから5月末日まで読書が止まっていました。また、様々な本を読んできたせいか、読みたい作品が少なくなってきたのも事実です。現時点で読んだのは、再読も含めて何と6冊です。6/1(火)から再スタートを切りたいと思っています。

 

吉良吉影

『大局観 自分と闘って負けない心』(再読)

 『大局観 自分と闘って負けない心』(羽生善治)

―あらすじ―
 将棋界において、史上初の七冠独占を成し遂げた天才棋士・羽生善治。現在も将棋界で活躍する著者が語る「大局観」とは何か。



 テーマが区切られており、短いコラムを集めたような構成になっており、テンポよく読むことが出来ました。他のスポーツへの例えが上手く、私のように将棋をあまり知らない人間にも分かりやすい内容になっていました。チャレンジ精神や集中力のつけ方など、将棋だけでなく他にも応用できる内容であり、万人向けの1冊です。

 

 

『コピー用紙の裏は使うな!』(再読)

 『コピー用紙の裏は使うな!』(村井哲之)

―あらすじ―
 経営者がよく言う「コストカット」。コピー用紙の裏紙を使ったり、電気をこまめに消したり、人員を減らしたり…それらは全くコストカットではなかった。コストの削減に必要なことは何か。



 あらすじに書いたような具体例も載っており、楽しんで読めました。「支出を減らすことで労力が増えるようではコストカットと言えない」という内容が多くあり、如何に楽しんでコストカットを行うかの実例も数多く書かれていました。

 

 

『夫婦善哉』

 『夫婦善哉』(織田作之助)

―あらすじ―
 化粧品卸問屋の息子・柳吉は、芸者の蝶子と懇ろになり実家を勘当された。柳吉は金遣いの荒さと飽き性が相まって、なかなか商売が長続きしない。蝶子は甲斐性のない夫を支え続ける。表題作「夫婦善哉」ほか、「木の都」、「競馬」など6編を収録。



 表題作が有名な短編集です。約80年前の作品とは思えないほど、読みやすい文体でした。が、内容にはあまり没頭できませんでした。それと言うのも、柳吉にそれほど魅力が感じられず…同じく旦那が道楽者の『ぼんち』(山崎豊子)は非常に楽しめたのですが、不思議なものです。なお、同時収録の「競馬」における男の嫉妬と執着心は面白く読めました。

 

 

『しづ女の生涯 小説集』

 『しづ女の生涯 小説集』(三浦哲郎)

―あらすじ―
 高校生の由良は、花屋の奈緒が気になっていた。そんな折、コンビを組む藤尾から、彼も奈緒が気になっているとの話を聞いた。藤尾の気持ちと友情を優先し、わざと奈緒に冷たい態度を取る由良だったが、ある日、奈緒から呼び出され…



 以前、「春愁」という短編の一部を読んだことがあり、全体を読んでみたいと思い本書を購入しました(あらすじに書いた内容)。そして読んでみると、以前読んだシーンは回想シーンだったらしく、その全貌に驚かされました。ラストの余韻も含め、実に大人向け。他の短編も情緒があり、2021年はまたも年初めから良い作品に巡り会えました。

 

 

『真珠夫人』(上下巻)

 『真珠夫人』(菊池寛)

―あらすじ―
 湯河原を訪れた渥美信一郎は、成り行きから青木という青年とタクシーに乗り合わせることとなった。が、タクシーは事故を起こし、青木は腕時計を「瑠璃子に返してくれ」と言い残し、時計とノートを託して絶命する。助かった信一郎は何とか壮田瑠璃子の家を知り、彼女に時計を返そうとするが…



 2002年に昼ドラとして放映されたこともあり、名前だけは知っていましたが、今回初めて本書を手に取りました。大正時代の作品ということもあり、仮名遣いや表現方法などが現代と異なる部分はありますが、それを考慮しても非常に面白く、のめりこんでしまいました。とにかく瑠璃子のキャラクターが強烈であり、読者をグイグイと引っ張っていきます。彼女に翻弄される男側の視点から見るか、瑠璃子本人からの視点で見るかで物語はガラリと表情を変えます。極上に甘美なる悲劇。

 

 2021年の最初に読んだ本ですが、これはこのまま2021年のベスト1になるかもしれません。果たして2021年は、本書を上回る素晴らしい作品に会うことは出来るのでしょうか。

 

 

謹賀新年(2021年)

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

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