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『もっとよくわかる 世界の三大宗教』

 『もっとよくわかる 世界の三大宗教』(歴史の謎を探る会)

―あらすじ―
 キリスト教、イスラム教、仏教について、さらなる解説。


 『常識として知っておきたい 日本の三大宗教』と同じく、『常識として知っておきたい 世界の三大宗教』の同シリーズで、三大宗教(とユダヤ教も少し含む)に対して、さらに突っ込んだ内容となっています。とは言ってもあまり難しいことはなく、「仏様が蓮の花を模した台座に座っている理由」や「イスラム教徒がターバンを巻く理由」など、ちょっとした雑学の本みたいな感じなので気軽に読めました。また、このシリーズを読み、イスラム教に対する考え方が変わりました。今まで私の中では、イスラム教と言えばジハード=テロのような、悪いイメージが大きかったのですが、他の宗教に対して寛大であったり、聖地エルサレムを独占することもない、喜捨(寄付の心)を大切にするなど、良い面も多いことに気付きました。儒教もそうでしたが、今まで無関心であった事柄も、知ってみると意外と面白い部分が多く、キリスト教や仏教もさらに知りたくなってきました。他にも簡単そうな本があれば読んでいこうと思います。

もっとよくわかる世界の三大宗教 かなり素朴な疑問・篇 (KAWADE夢文庫)/河出書房新社

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『常識として知っておきたい 日本の三大宗教』

 『常識として知っておきたい 日本の三大宗教』(歴史の謎を探る会)

―あらすじ―
 神道、儒教、日本仏教についての解説。


 日本仏教、神道、儒教に関しての簡単な解説書となっています。個人的に特に面白いと感じたのは儒教でした。私はこれまで、儒教というと難しそうなイメージを持っていましたが、この本で少し儒教を知り、イメージが刷新されました。「仁」、「礼」、「恕」といった自律精神や思いやりの心を持って生きなければならないとあり、現代の日本には欠けている部分が強く書かれているようにも感じます。

常識として知っておきたい日本の三大宗教―神道・儒教・日本仏教 (KAWADE夢文庫)/河出書房新社

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『零崎双識の人間試験』

 『零崎双識の人間試験』(西尾維新)

―あらすじ―
 戯言シリーズの外伝作品・人間シリーズ第1弾。“殺し名”第三位に列せられる零崎一賊。長兄である零崎双識は、弟を探しに旅に出るが、早蕨の兄弟が彼を待ち受ける。


 戯言シリーズ番外編の『零崎双識の人間試験』を読みました。個人的には戯言シリーズ本編よりも楽しく読めた気がします。殺人鬼になる女の子が出てくるのですが、彼女の殺人鬼への変化が楽しかったです。文字にすると危険な内容ですが、少女自身があっけらかんとした性格のためか悲惨さは全くなく、明るいエンターテインメントです。

零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)/講談社

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『常識として知っておきたい 世界の三大宗教』

 『常識として知っておきたい 世界の三大宗教』(歴史の謎を探る会)

―あらすじ―
 キリスト教、イスラム教、仏教についての解説。


 タイトルにもあるように、基礎的な知識を知るには十分な内容です。特に、最初の数ページにて三大宗教の違いが図式で表されており、あまり知識の無い私でもパッと見て違いが理解しやすかったのが嬉しかったです。あくまで浅い部分しか書いてないので多少分からない部分もありますが、それでも取っ掛かりに読むには結構いい本だと思います。

常識として知っておきたい世界の三大宗教──歴史、神、教義……その違いが手にとるようにわかる本 .../河出書房新社

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『錦繍』

 『錦繍』(宮本輝)

―あらすじ―
 お互いを愛していながらも離婚に至った一組の男女。が、10年後、偶然にも再会したことで、女は男に一通の手紙を送った。往復書簡により10年の歳月が埋められる。


 あらすじに書いたように、手紙の内容によって話が進む、書簡体という技法で書かれている小説です。ただ当時を振り返りお互いを責めるだけではありません。自分自身を省み、そして未来を歩んでいこうとする物語であり、「何故生きるのか」、「生きることと死ぬこと」など、色々と考えさせられます。ただ、主人公(元)夫婦が30代なので、若い人にはなかなかこの小説の面白さが伝わりにくいかもしれません。私自身、あと20年ほど経ってから読めば、さらにこの小説を深く理解できるだろうと思っています。

錦繍 (新潮文庫)/新潮社

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『呉・三国志』 5巻

 『呉・三国志』(伴野朗) 5巻

―あらすじ―
 三国志における呉を主体とした作品。呉の「浙江耳」、魏の「青州眼」、蜀の「臥龍耳」といった諜報機関による情報戦が幕を開ける。


 去年の8月に「また読んでいこう」と書きながらも全く読んでいませんでしたが、読む本が無くなったので読むことにしました。三国志の「呉」をメインに置いた小説であり、また情報収集戦が中心となっています。5巻では三国鼎立~荊州問題までが収録されており、合肥の戦いの描写が素晴らしかったです。特に、この戦いの中で、甘寧と凌統という2人が互いを理解するシーンは最高です。

呉・三国志 長江燃ゆ〈5〉荊州の巻 (集英社文庫)/集英社

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『友情』

 『友情』(武者小路実篤)

―あらすじ―
 脚本家の野島と小説家の大宮は、厚い友情で結ばれていた。野島は大宮のいとこの友人・杉子に恋をするが…恋か、友情か。


 約100ページと言う短さでありながら、普遍のテーマを扱った名作です。恋か、友情か。文章や言葉遣いが難しいものの、高校生でも十分に読めるでしょう。

友情 (新潮文庫)/新潮社

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『国銅』(上下巻)

 『国銅』(帚木蓬生)

―あらすじ―
 奈良時代の日本。大仏建造の命を受け、奈良の地に集う国人たち。石を削り、材木を運び、錫を溶かす―命を賭しての労働の果てに国人が見るものとは。


 奈良の大仏を作る人足達の話で、決して派手な話ではありません。しかし主人公が多くの人と出会い、別れ、そして多くの事柄を体験し、学び、人間として成長していく物語であり、かなりのページ数ながらも最後まで読みきらせる力を持っています。実に読み応えのある小説でした。台詞や文章にも癖がないので読みやすいので、「長い小説はなかなか…」といった人にもオススメです。

国銅〈上〉 (新潮文庫)/新潮社

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国銅〈下〉 (新潮文庫)/新潮社

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『男の作法』

 『男の作法』(池波正太郎)

―あらすじ―
 著者が語る、「男とはどうあるべきか」。


 1984年とかなり昔に出た本なので、やはり時代的に違ってきている部分もありますが、それでも色々と教えられる点がありました。「一昔前の、古臭い男」(褒め言葉)といったところでしょうか。実に恰好いい。『決定版!大人の酒・男の飲み方』、『大市民』あたりと合わせて読むのも一興です。

男の作法 (新潮文庫)/新潮社

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『細川ガラシャ夫人』(下巻)

 『細川ガラシャ夫人』(三浦綾子) 下巻

―あらすじ―
 細川忠興に嫁いた玉(ガラシャ)。幸せな日々が続く中、父・光秀が本能寺にて織田信長に叛旗を翻したとの知らせが彼女を襲う。戦乱の時代を生きていくガラシャの姿を上下巻に渡って描く。


 最後まで己を、キリスト教の教えを貫いたガラシャ夫人の姿は本当に素晴らしく、とても感動しました。『塩狩峠』とはまた違う戦国という時代の中で、人生とは何なのか、人間らしく生きるとは何なのかを問うガラシャ夫人の考えには教えられることが多かったです。この数年、色々な本に出会いましたが、20代前半というこの時期に出会えたことが嬉しい1冊だと言い切れます。

細川ガラシャ夫人〈下巻〉 (新潮文庫)/新潮社

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