一昨日の土曜日10日にフェスティバルホールに聴きに行った小林研一郎 指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団3大交響曲の夕べのことを書きます。

2020年はコロナ禍で中止となりましたが、毎年、真夏にフェスティバルホールで出演者もプログラムも同じで繰り返し開催されるコンサートで、今回でなんと34年・33回目の公演。僕は2018年()、2019年()、2021年()、2022年()と昨年に続いて、6回目となりました。

 

 

下にリンクを貼った昨年の記事のタイトルをコバケン最後の『3大交響曲の夕べ』としていますが、前半が終わった時にマイクを握って再登場したコバケンさんが「32年続けてきた3大交響曲の夕べですが、この3曲を指揮するのは、体力的にも気力的にもとても大変なんで、今回で最後になります。丹精込めて演奏しますので、聴き納めとして、お楽しみください。」と突然、切り出されたのです。いきなりのことだったので、会場はどよめきました。

そして、後半の演奏後、アンコール前に再び、コバケンさんがマイクを握り「先ほど、3大交響曲の夕べが終わると誤解を受けるようなことを私は申し上げましたが、来年以降、指揮者は変わっても、3大交響曲の夕べは継続されます。そうでないと私の32年も報われませんし。最後のアンコールはいつもと同じ、ダニーボーイです。」というように話された後に、ダニーボーイが演奏され、惜しまれながらも終演となっていたのです。

 

 

で、今年の3大交響曲の夕べはどうなるのかなと思っていたら、その後、大フィルやフェスティバルホールに継続を望むお客様の声が殺到、それを聞かれたコバケンさんが「ならば気力を振り絞ってやる」と決意、やっぱり継続となったのですグッ

 

出演 

指揮:小林研一郎

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

コンサートマスター:崔文洙

 

 

プログラム 

前半

シューベルト:交響曲 第7番 ロ短調 D759「未完成」

 第1楽章 Allegro Moderato

 第2楽章 Andante con moto
ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」

 第1楽章 Allegro con brio
 第2楽章 Andante con moto
 第3楽章 Scherzo:Allegro
 第4楽章 Allegro 

後半

ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界より」

 第1楽章 Adagio - Allegro molto
 第2楽章 Largo
 第3楽章 Molto vivace
 第4楽章 Allegro con fuoco

 

アンコール:ダニーボーイ

 

今年も、最初から最後まで弦5部16-14-12-10-8の大編成。

 

最初は、未完成。

この曲を聴くのは、昨年のこのコンサート以来ですが、兎に角、先ずは今年も聴けて嬉しいニコニコ

出だしののチェロとコントラバスから美しかったし、クラリネット首席の船隈さんの演奏が綺麗でしたキラキラ

 

続いて、運命。運命を聴くのは3月の飯森範親さん指揮・日本センチュリー響の「運命×カルミナ・ブラーナ」というコンサート以来()。この時は、カルミナ・ブラーナがメインだったこともあり、特に大きな感動はなく普通と言った感じでしたが、今回のコバケンさんの運命は凄かったですOK

コバケンさんの気迫がオケに伝わっているかのような演奏ルンルン

元々、金管が良く鳴る大フィルですが、ホルンが今まで聴いた中で一番の出来だったように思います!

さらに、京響首席のハラルド・ナエスを首席客演に迎えたトランペットもこの日は秀逸。

速すぎず遅すぎることもないコバケンさんの運命はやっぱり良い。

コバケンさんの指揮は、中腰ガニ股やイナバウワー、観客席を指さして音を届けるアクションなど、いつも同様のアクションでしたが、この週の前半、プロ野球野球の始球式もやられただけあって元気ハツラツ、疲れも見えませんウインク

 

後半は、新世界より。

この曲は先月、ペトル・ポペルカ指揮・プラハ放送響の来日大阪公演()で聴いたばかり。勿論、チェコのオケが演奏する新世界なので良かったけれど、今回の大フィルは引けを取らない素晴らしい演奏となりましたチョキ

第1楽章からコバケンさんも気合充分、第2楽章は、多分、奏者は水村さんだと思うのですがイングリッシュホルンが美しく、第3楽章では一気に盛り上がり、更に第4楽章冒頭とラストではコバケンさんは半身以上に客席を向く指揮で華々しく炎のフィナーレメラメラ

この日は、今まで聴いた3大交響曲の夕べの中で、最も感動した演奏になりました拍手

少し残念だったのは、フェスティバルホールあるあるのフライング気味のブラバーが出たこと…
なんで、コバケンさんの手がっちゃんと降りるまで待てないのかなぁプンプン
 

カーテンコールでマイクを持って登場されたコバケンさんは「昨年、83歳にもなって、この3曲をやるのはしんどいので今回で最後にしたいと言いましたが、その後、お客様から、そんなことを言わず続けてと言われ、戻って参りました。そして今日、2600席満席のお客様に迎えられる中、大フィルの皆さんもそれに呼応して素晴らしい演奏をしてくださって感無量です」というようなニュアンスの言葉を少し涙ぐんでおっしゃり「アンコールはいつものようにダニーボーイです。」と演奏に移られました。

 

いつもながら、いや、いつも以上に沁みる美しい「ダニーボーイ」で、ウルっと来ました泣

そして、最後は恒例のオケ全員でお辞儀2回と手を振っての退場で〆。

 
開演17時、休憩20分を挟み、終演19時35分、2600席満席で当日券なしびっくり
また、来年も是非、聴きたいと思いますびっくりマーク
 

 

以下。リハから終演までの大フィル公式Xの投稿を貼っておきます。