この物語は、あなたの宝物になる。
亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。
真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。
円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
映画化決定! 2025年7月4日(金) 全国ロードショー!
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
超おおまかな物語の展開だけはネタバレになりますが支障はないと判断して記載します。
目に見えない新型コロナウイルスが蔓延していく中、何気なく過ぎていた日常が制限され、変わってしまうもどかしさと不安。そんな時代を生きた中高生たちが主人公です。 皆どこかやるせない想いを抱え、その想いがさまざまな「糸」を手繰り寄せていき、やがて思いもしない点と点がつながれていくのです。必死に「今」をつかもうとし、オンラインツールも駆使しながら、逆に「距離を越えたつながり」が生まれていきます。孤立した自粛生活の中でも世界とつながっていけるんだ、ということに気づいていくのですが、その糸口は、昔のラジオの電話相談での会話だったり、きのこがお互い好きというニッチな趣味の一致だったり、離れていても同じ星を眺めたいという想いだったり。
この小説に描かれた”つながり”を、どう受け取るかは、皆さん一人ひとりに委ねられています。きっと、読み終えた後には、ふと星を見上げたくなる、誰かに想いを届けたくなる、そんな物語だと思います。


