からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜 -99ページ目

哀愁のエピゴーネン

見舞った。見舞いの品は結局カール(カールおじさんの手作り菓子)にした。なぜって見舞う道中ドンキに寄らなかったから。

そんで、見舞うと言っても特に話すこともなく、友人は別に命に関わる病気で入院してるわけじゃない、中庭に出ると、おれは置いてあった新聞をとカールを手にイケてる泡沫候補を血眼で探してた。そんなとき、友人がおれに驚いた様子で声をかけてきた。

「おい、これ見ろよ」

新聞を眺めるおれの前にしゃしゃり出た友人の手にはケータイが握られていた。画面をこっちに見開いて。おれは嫌煙者が歩きタバコしてる奴を見るような蔑みきった目でそれを見た。なぜってそのケータイは汚物だから。しかし、汚物まみれの外骨格に対し画面には女の子の写真が映し出されていた。

「ふむ、だからなに?」

知らない女の子だった。訝しむおれに友人は

「お前、わからない?」

と言った。相変わらず驚きを維持してる。

「これ、多分、お前が昔つきあってた○○だよ。名前を検索したら出てきた」

ばびったね。いやあ、ばびった。そう言われると、汚物ケータイの中で大人の笑顔を浮かべるその子、確かにおれの記憶にある彼女の面影がある。名前と生まれた年と出身都道府県が一緒だった。まず間違いない。彼女は就職活動中の者に向けた会社のPRの為に「この会社で働いて」みたいなことをうれしはずかしで語ってる。お互い十代の中頃に1ヶ月だけつきあって、お互いに捨てたかったものを捨てると、あっさり別れた。写真の一枚も撮ることなく。その彼女が画像検索で引っかかったのだ。彼女の名前はありふれた名前だから、こりゃもうばびったね。

おれは友人がなぜおれの初彼女の名前を画像検索したのかを問い質すこともせず、じっと画面を見た。別になにかよからぬことを考えて見てたわけじゃない。どうしていいかわからなくなっていた。見ちゃいけないものを見てしまった、ただそんな気になった。

「なんかごめんな」

そう告げる友人の声も上の空で、おれはカールを口に運んだ。カールおじさんの泥棒ひげがいつもより黒く光って見えた。

いやあ、ばびったよ、うん。

別にそんな戸惑うこともねえのにね。

ちなみにおれの名前(多いか少ないかで言ったら少ない)を検索するとほんの少し前に同姓同名で多分一番著名な方であろうお方がお亡くなりになっていたことが判明した…………。勝手ながらご冥福を祈らせて頂くとともに、これからの○○○○○界を引っ張っていく所存でございます。でもおれ、基本本名非公開なのよね(お前何様のつもりだよ)。

ベスタボ君、縛られることもなく

僕の人生に何が足りないか、何もない部屋で考えていた
3年前のカレンダー11月以降めくられることはなく
この世に未練があるのなら、色の無い部屋で考えていた
恋した記憶はあるけど愛されたことはなかったな
世俗の奴らは一様に、雄山気取りの山岡崩れで、自分の価値ほど生きちゃいないのに
あいつらだけが愛し合ったり、安らかだったり、思えば思うほどうまくいかないのに

もうすぐ行くから、だから、生きてる人は悪いな

はちまきにろうそく立てて、床にペンタグラム、塩を盛れ
白装束で生贄捧げろ、積み上げられたトカゲの尻尾
呼び出す呪文はいつになく、溢れる想いの洪水
洋の東西問わないさ、でたらめだが想いはマジさ

一心不乱に祈った。僕を愛してもいいという娘はおらぬか。お見合いサイトみたいだな
こんな僕にもいいとこあるよ。いつでもそっちに行けるから、死を賭しているに丸だから

具現化せよ恋する乙女、僕を愛せよ、その瞬間

出た

世間的に見れば美少女ではないかも、呼び出された少女は愛嬌のある顔
だけど僕の審美眼ではど真ん中ストレートびっくりさ
この世に未練があるのなら、少女は笑うように言った
わたしと契りを結ぶなら、あなたはもう生きてはいけない

僕ははにかんで言った。願ったり叶ったりさ

ごくつぶしと少女霊、想いは能力を超えて
どうやら君もこの世あまりいい思い出無いかい
ろくでなしと少女霊、想いは時空を超えて
残された時間も超えて、ふたり手を重ねた

この世に未練があるのなら、赴くままにふたりで晴らそう
青春色のデートが望みなら、さあ出かけよう。夏は暑いぜ

すねかじりと少女霊、少女に足はないから
僕の体に取り憑いて、僕は今に走り出すから
ソフトクリームなんか買ってさ、溶けないよう食べるんだ
できなかったことをしよう、ふたりで思い出作りだせ

人は皆心に審美眼携えている。馬鹿な奴らさ、君のかわいさに気がつかないなんて
そんな奴らの言いなりになるなよ、真に受けることなどないさ、縛られることなどないさ
僕はほらどうしようもないけど、生きてる価値なんかなにひとつ無いけど、もうすぐ死ぬけど
恋っていいな、君を想えば。愛し合える人を想えば

悲喜こもごもひっくるめられたら、すりつぶした記憶はいらない
残り時間限られ、僕は初めて生きた
死ぬ前に少女霊、愛おしく透き通って
あなたまだ死なないで、いつか誰かから愛されるから、生きてればいい日あるから
薄く涙流した少女は、青年を殺すこともなく、朝陽に包まれ消えた
ごくつぶしの少年は生きようと決めた、あの世に持っていく為に少女への愛を永遠に抱えながら


ぼつしりーず少女と処女

糞して寝ろ(性的な意味で)

眠れない。こんな夜はいつも頭がどうかしてる。

日焼けした肌が剥けようとする頃汗をかくと、水ぼうそうになったみたくプチプチができて、それを爪でローラーかけるの楽しかったなあ。

そんなこと思ってる。テレビでは外国人が走ったり投げたり飛んだりしてる。たまにエロい。ラジオでは爆笑問題がしゃべってる。さっきから携帯電話で5分置きに友達とメールしてる。灰皿が一杯だ。遠くでパトカーのサイレンが聴こえる。虫が甲高く鳴いてる。蝉の断末魔の声が聴こえる。きっと猫にいたぶられてる。それでもやけに時計の針の音が気になる。たまにある。デジタルにするか、電池抜こうか、考える度に考えるだけで朝が来る。部屋に蚊がいる。蒸し暑くて汗がでる。ケータイが震える。友達は今病院のトイレにいる。抜きたいけど怖いからと言ってさっきからメールしてくる。アホだと思う。ちんこしごいてる手で返信してくる。はじめには電話かけて来やがった。アホだと思う。テレホンセックスじゃないんだから。男同士でさ。本当にアホだと思う。明日見舞いにいってやろうと思う。何か必要なものあるかと聞けば、テンガと言う。なのでピンクローターを買っていこうと思う。今日は眠れない。こんな日はどうかしてる。世界がどうかしてる。ちょっとずれてる。こんな日は世界を動かす歯車がちょっとずれてる。噛み合わない日。ちょっとずれてる夜。君達
は今ちょっとずれてるけど、みんな寝てるから何事もなかったような朝を迎える。不意にさびしくなった。友達からメールはくるけど、なんか無性にさびしくなった。人恋しくなった。ちょっとずれてる夜だから、こんな記事を投稿しちゃう。

飛び越されてえ、アホ面で見上げてえ、…まてよ?仮におれがジャーマンで投げたら…いやいや駄目だよ駄

どぐしゃってなる時、尋常じゃないくらい眉間にしわ寄せて画面に集中しとります。空中で捕まえてそのまま後ろに倒れてえと思う。多分、おれ、色々こじらせてる。弾丸のごとき勢いをつけながらも空中ではひらりと舞う、肉体ってすごいね。マッスルなんとかは延々と自慢話聞かされてるみたいで品が無いと思う。

微笑シリーズ、いつどこで誰がどうした怖いバージョン

『じゃあ今流行りの怖い話でもひとつ』
「流行りっていうか季節の…まあいいけど」
『あれは地上の猿の一部がようやく二足歩行で歩き始めた頃』
「何万年前の話だよ!」
『一匹の大トカゲがシダ植物の生い茂る木陰に身を休めているところで』
「もはや祖先の話でもないの!?」
『神々が』
「神々!?じゃあそれは怖い話じゃなくて神話だな!」
『屁をこいた。はっはっはっはっ』
「はっはっはっじゃねえよ!!なんだよその話は!」
『知らないの?』
「知らないよ!」
『えっ、いつどこで誰が(何を)どうしたゲーム知らないの?』
「いつどこで誰がどうしたゲームだったの!?一人の頭の中ででするもんじゃねえだろ!」
『いやあね、いつどこで誰がどうしたゲームってあるじゃないですか』
「あるけど。あれな、紙に“いつ”なら例えば“夜中”とか書いて、それをでたらめに組み合わせて、おかしいねってゲームな」
『それの怖いフレーズ限定で遊んでたことがあってな』
「へー、まあテンション次第ではおもしろいゲームだからな。それはいつの話?」
『先週』
「最近だな。てっきり中学生ぐらいの時だとおもったぜ。どこで?」
『おれんちで』
「ふぅん、誰と?」
『男友達三人と』
「で、どうなった?」
『友達のひとりがコックリさんに取り憑かれたみたいになって大変だった』
「ああ…」
『そんでさ、その怖い話バージョンのいつどこで誰がどうしたゲームだけど、あ、おれんちでやってたんだけど、やってたらなんか友達のひとりが』
「コックリさんに取り憑かれたみたいになったんだろ!?」
『えっ、なんで知ってんだよ?』
「今さっきお前がゲロったよ!」
『…不思議!』
「不思議!、じゃねえよ!お前が話の重要な部分を勝手にペラペラ喋っちゃっただけのことだろ!」
『なにそれ怖い』
「いやいやいやいや、今さっきのは別にコックリさん的な要素ではなく、お前がマヌケだっただけだ!」
『へえ、そうですか』
「そうだよ!」
『じゃあこれは知ってるかな?友達が狂いだした時に引いたいつどこで誰がどうしたを』
「知らねえよ!」
『へへっ』
「勝ち誇ってんじゃねえよ!なんだ?マニア同士の言い争いかよ!お前が話してない話は知らねえよ!」
『話してない?そうだっけ?』
「当たり前だろ!それっていわば話のオチだろ?」
『話してないっけ。ふうん。いつ?』
「はあ!?」
『いつ話してないっけ?ねえ、いつ?』
「なんて無茶ブリだ…」
『ねえ、いつ?』
「うっ、ああ、ダ、ダンスパーティーのあと」
『ああ、あの時か』
「………なにを納得してんだよ!なにそれ!続きは!?」
『え?』
「え?じゃねえよ!なんだよ!やり損かおれは!なんなんだよ!せっかく、ダンスパーティーのあと、抜け出した路地裏で、ふたりが密かに、ダンスを踊った。って!ダンスを踊った。って!考えたのに!またダンスを踊ったのかよダンス大好きか!って考えたのに!」
『おいおい、いつどこで誰がどうしたゲームはひとりでやるもんじゃないぜ?』
「お前が言うなあ!」
『ふぅ、仮にその狂った友達を近藤としよう』
「…よし、話を続けてくれ」
『結構盛り上がってたんだ。朝からやけに蒸し暑い夏の日に、誰もいない体育館で、少女を連れた老婆が揃って、首を吊った、とかさ。去年、墓地で、髪の長い女に、追いかけられた、とか、結構怖さの琴線にヒットしたんだよ。まあ、ヒットするように意図してんだけど。言葉が足りない分あとからみんなで妄想して話を作り上げたりな。いい話ができたから今回はお前の勝ちなとか』
「おう」
『そんな盛り上がりの中、もうカード的に最後の方でさ、近藤の番。あいつが言葉の書かれた紙を袋から引いていった。一枚目…………ほら』
「あ、ああ、いつ?」
『今から』
「どこで?」
『この部屋で』
「誰が?」
『この近藤が我を』
「………どうした?」
『………』
「……どうした?」
『…呼ぶ』
「呼ぶ?」
『そう、呼ぶ。そのカードを見た瞬間、みんな不思議がってな』
「なんで?」
『ああ、みんな黒色のペンで紙に言葉を書いてたんだけど、その呼ぶって書かれたカードだけ血をつけた指でなぞったようなさ、赤い字だったんだ』
「うわあ」
『誰だよこれ書いた奴、っておれが言ったんだけど、誰もそんなもん書いてないって言うんだよね。まあでも誰かが本当のことをひた隠しにしてるんだなって、その時はそうなった。でもあまりに犯人が出てこなくてさ、モヤモヤしだして軽い口論しだしたりなんかしちゃって、みんなテンションがた落ちよ。もうやめようってことになった』
「なるなそれは」
『そしたら近藤が、もう一回、もう一回だけって言うんだよ』
「お、おう」
『おれ達はもうテンション下がってるから、勝手にやれって言ったんだよ。もう寝るからひとりでやってろって』
「うん」
『そうしたら、近藤やりはじめんたんだよな。部屋の隅でひとりでさ。電気消したから、あいつケータイのライト機能使ってやってんの。どのくらい経ったかなあ。近藤が突然、なきはじめた』
「なきはじめた?号泣したってこと?」
『いや、その泣きじゃない。涙の泣きじゃない。近藤がさ、こーん、て。別に近藤って名前だから、こーん、て鳴いたわけじゃないんだけど』
「そんな状況で自分の名前、あだ名か?それを言い出す奴はいないだろ、わかるよ。近藤仮名だし」
『こーん、こーん、ってさ。鳴きやがって。うるせえってなるじゃん。うるせえ黙れって言ったんだけど、近藤はやめない。そしてダイアモンドは砕けない』
「なぜジョジョ四部の副題を言ったのかわからないが」
『構って欲しいのかと思ったから、おれ達はみんな無視して寝ようとしたんだ。そしたらおれの隣で寝てた奴も、こーん、こーん、って鳴き始めた。これはただ事じゃない』
「うん」
『おれ、友達同士が変なセックス始めたと思ってさ』
「そっち!?そっちの方向で!?」
『いや、ただ事じゃないだろ。男同士が自分ちで変なセックスしだしたら』
「それは一大事だが」
『おれ、やめろって言いながら立ち上がって明かりをつけたんだ。もうそうしたら』
「おう」
『ふたりがさ、びっくりするぐらい青白い顔で歯をむき出して、この世のものとは思えない形相でこっちを見てるんだよ』
「うわうわうわ」
『ちらりと、部屋の隅の紙の入った袋の方を見ると、あの赤い文字で、梵字というかさ、なにやら得体のしれない文字が書いてある紙が何枚も床に散らばってる。友達ふたりはこーん、こーん、って鳴きながら、四つ足で、おれを狙ってる、狙ってるっつってもよくわからないんだけど、とにかくそっちの世界引き込むというかね』
「うん」
『うっわあって思ってさ。もういいかって思ってさ。ここでネタばらしだよね』
「ネタばらし!?なにそれ!え?」
『いや、その近藤ってやつ、いわゆる見える人を自称してたからさ、おれ達ふたりでイタズラしたんだよ。その赤い紙もみんな仕掛けだから。近藤はまんまとそれに引っかかったわけ』
「あ、そうなの。なんだよ」
『電気消してる時なんか笑いこらえるのに必死だったんだから。こーん、だぜ?鳴き始めてやがんの。あれは笑ったなぁ。声には出してないけど。しまいには仕掛け人の友達までこーん、こーん、って鳴き始めてさ。それでも気がつかねえの。いやあ笑ったなぁ。こーん、こーん、こーん、こーん、ってさ。ははは。こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん』
「狐キャラ入ったんだろうね。そんでそのあと近藤はどうしたんだ?」
『あ、近藤?近藤ねえ、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、ははは』
「おいおい、ツボにはまりすぎだろ」
『こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、今から』
「は?」
『この場で』
「なに?」
『我を呼び出した者は』
「なんだよ」
『死ぬ』
「ああ!?」
『こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、こーん、………………』
「おいちょっと、おい!大丈夫かおい!こ…………………こーん」


終わり。おれはよくひとりでいつどこで誰がどうしたゲームをするよ。誰が、は全部知人の名前書いてね。で、どうした、には全部不幸なこと書いて。うん。まあ知人云々は嘘だけど、でもたまにひとりでいつどこで誰がどうしたゲームをしてトランスすることってあるよね?あるある話だよね。さようなら。


部屋で
ひとりでこれを読んでる奴が
明日好きな人からメールがきますように!!てへっ☆