昔,「ミステリーゾーン」の題名で日本でも放映されたトワイライトゾーンをCSのスーパードラマTVで放送されています。このシリーズの後で,同じ題名のものも制作されましたが,オリジナルがずっと面白いです。以前も観たことがありますが,この「すべては彼の意のままに」原題“A World of His Own”が面白かったです。

 中年の男が美人の奥さんと暮らしている場面から始まりました。窓の外から別の女が覗いています。実はその女が実の奥さんだったのです。その女の追及に,「一緒にいた人は,このテープレコーダーに吹きこんで作ったものだ」と弁解します。そのテープを切り取り暖炉に放り込んで燃やすことにより消してしまったことを話しますが信用しません。追及している女自体も自分が作ったものだとまで白状しますが女は信用しません。そしてそのテープを自分自身で燃やしてしまいます。そしてそれが本当だったことを知ります。男はがっかりして録音しなおしてその女を再現しようとしますが,最初にいた人の方が良いと思い直します。そして,その人と暮らすことになるのでした。

 “自分自身も実はそれだった”というストーリーはこれの前に見た同シリーズの「マネキン」にもありました。女性がデパートのエレベーターで実際にはない階に連れていかれます。そこで対応した店員はマネキンそっくりだったのです。最終的には自分もマネキンだったという結末でした。映画「13F」では,現実世界とコンピュータが作り出した仮想世界との間を行き来しますが,実は自分の世界も仮想世界だったという話です。この手の展開は「もしかしたら」と予感させることがありますが,それでも楽しめます。

 浅草演芸ホールでは高座の場面の写真は撮れないので,私はいつも入り口の写真を撮っています。今回も同様に東洋館入り口の写真を撮りました。東洋館と浅草演芸ホールは同じ建物で,入り口が隣同士です。噺家さんの衣装によく似た着物を着て歩いている若い2人が写真に写り込みました。前座さんのようでした。後でよく見てみると違いました。観光客用に,日本の着物を貸し出しているところがあり,これは東洋系の外国人が着物を着て歩いている所だったのです。それが証拠に町の写真を撮りながら歩いています。

 ところで不思議なことがあります。浅草演芸ホールでも,開場前に切符を買う列が少しできますが,東洋館の列はいつもそれよりずっと長いのです。いずれの演芸場でも,並ばなくてもだいたい観やすい席が取れます。それにも拘わらず列ができるのがよくわからないのです。初めての人が係員に訊いていました。「こんなに列ができていて,席にすわれるのでしょうか」と。係員は「大丈夫です」と答えていました。この列の人数に比べて席数はずっと多いのです。「(日本人の)観光客で初めて演芸場に入ろうとしている人たちなのかなー」と考えるしかありません。

 最近の漫才は「若者がバカ話をしているだけ」という先入観があり,漫才(一人の漫談も含むが)専門の,この演芸場にはこれまで入ったことがありませんでした。食わず嫌いはよくないので実際に入って体験しました。客席は浅草演芸ホールより小さかったのですが,明るく良い雰囲気でした。舞台も明るかったです。舞台と客席が近く,客と演者とも近い関係が感じられました。実際に観た感想は,思っていたより良かったです。先入観通り,若者のバカ話と感じられるものもありました。浅草演芸ホールに出演している人たちもここにも出演していました(東洋館の方がベースなのかも知れませんが)。浅草演芸ホールに出る人たちにも(私にとって)面白くないものも少しはありますが,面白い人たちが多いと感じます。ここでの高座(?舞台)も良かったです。最後(トリとは言わない?)は宮田陽・昇でした。私にはなじみのコンビです。ただ,録音を聴いていることが多く,顔かたちの印象が違っていました。県や国の位置を覚えていて,暗唱するのが特徴ですが,「また同じネタ」という飽きはありませんでした。

 落語より気楽に観られます。落語は噺に合わせて場面を想像しながら聴かなければなりませんが,漫才の方は気楽に聴けます。頭をあまり使いたくないときは東洋館に行けば良いというような印象を持ちました。

(幕間だけ撮影可でした)

 昭和の家具が集められていました。ちゃぶ台や洋服ダンス,茶箪笥など,子供の頃見慣れた家具ばかりでした。庶民の暮らしは皆同じようなものだったのかも知れません。

 昭和の家具が集められていました。ちゃぶ台や洋服ダンス,茶箪笥など,子供の頃見慣れた家具ばかりでした。庶民の暮らしは皆同じようなものだったのかも知れません。

 これは触って良い展示でした。「触って良い」というより,いじってみることを勧めています。この形のものは合引と言う椅子のようなものだそうです。歌舞伎で一方を大きく見せるような演出があります。例えば鬼と人間のからみでは,鬼を大きく見せる必要があります。黒子がささっと鬼役に近寄り,腰の下にこのようなものを挿し込んでいる場面を見たことがあります。

 展示してあるものは歌舞伎で使っているものではないようです。ばらして携帯するよう設計されています。

 

 合引を分解した状態です。溝と挿し込む部分は蟻になっていました。すなわち,溝の奥の方が広くなっていてスライドして差し込むと,垂直に引っ張っても抜けない構造です。その他にも,組み立てて座っても崩れないよう,力学的に考えられた構造になっていました。

 

“奥様は魔女”の再放送で,この写真のような器具が出てきました。ボストン郊外セーラムに“七つ破風の家”という史跡があります。ドラマの中で,夫婦がここを見学していると,この器具がサマンサについてきてしまいます。Witch(魔女と訳しますが,男も女もいるので原語のまま記載します)の男が昔この器具に変えられていたという設定です。ドラマの中ではこれを“コタツ”と呼んでいました。就寝前にベッドを温めるのに用いられた器具だそうです。家具博物館とどういう関係があるのかと思いますが,取っ手部分は家具と同じ加工で作られたということはその形状と塗装から分かります。 

 家具に関するビデオを観られるコーナーがありました。観るには係員に声をかける必要があるようでした。またまた係員さんのお手を煩わせてしまいました。声をかけるとプラスチック箱に入ったいくつかのDVDを持ってきていただけました。その中で技術に関するものが見たかったので,横浜の家具職人の紹介を見せていただきました。横浜は海外との交易の場で,家具づくりも重要な位置づけがされていたとのことです。家具づくりには種々の専門家の手を経て作られるのだそうです。三浦按針が西洋の道具と逆だということに大変驚いたそうです。日本のノコギリやカンナは引いて使います。一方,西洋では押して使うようです。職人は引いて使うように体ができていると言っていました。0.1 mm単位の精度で作られるそうで,やはり職人はすごいです。

 触っても良いものの2番目として木材のいろいろな継ぎの方法が展示されていました。自分で組んだり分解したりできます。プロはすごいと思いました。真似しようと思ってもかなり難しいものがいくつもありました。写真は留め形隠し蟻形組継ぎという技法だそうです。見た目には角を45°に切って繋いだだけに見えます。初心者の私としては,間にダボを入れて接着剤で継ぎます。これはずっと手が混んでいました。

 

 ばらしてみるとこんな風になっていました。しっかりと継げるように見えます。留め形は45°を意味し,蟻形と言うのは台形の形に継ぐ方法です。“隠し”は文字通り,この仕組みが隠れているということでしょう。

 

 その他,私がよくやっているあられ組継ぎもありました。3か所にほぞ継ぎのようなものがあるのですが,挿してからずらすと抜けなくなるような構造もありました。

 木材サンプルが展示されていました。私のDIYでは,せいぜい硬さを選ぶ程度です。プロの建築では,硬さはもちろん色や香り,重さ,加工のしやすさなどいろいろな要素があるようです。木の香りは好きです。サンプルを嗅いでみました。料亭の木の飾りなどで,こんな香りがしたと思うものもありました。後で説明書きを読んでみると,「においも嗅いでみよう」とも書かれていました。同じ木でも複数の漢字が割り当てられていることも知りました。桜は木材として使われないそうです。「散る」というイメージが建物には縁起が悪いというのが理由だそうです。しかし,材質としても,弱すぎる,腐食しやすいなどの問題もあるのではないかと思いました。