国連・憲法問題研究会ブログ -22ページ目

殺害から3年-福岡正二さんを悼む 野宿者への差別と排除を許さない

野宿者への差別と排除を許さない
殺害から3年 - 福岡正二さんを悼む


2011年6月26日(日)
 14:00  JR府中本町駅集合 → 徒歩で殺害現場へ
 14:30  殺害現場で献花 (府中市是政3-55)
       想いを語りあおう
 16:00  交流会


私たちは、福岡正二さんを忘れない


■2008年、多摩川沿いで、野宿の仲間が鉄パイプで連続して襲撃された 2008年6月27日未明、福岡正二さんが虐殺された。府中市にある高速道路下のひっそりと静まりかえった公園で、丸太のベンチに座って一人で 眠っていた福岡さん。突然、鉄パイプで頭を何度も殴られ、殺された(享年74歳)。
 半年後の2009年1月2日未明、世田谷で、近藤繁さんが虐殺された。フェンスに囲まれた高速道路下で体を横たえて眠っている時、鉄パイプで殴 られ、殺された後も脳みそが飛び出るまで殴られ続けた(享年71歳)。
 2008年3月から国立・府中など三多摩地域の多摩川周辺で、野宿の仲間が鉄パイプで連続して襲撃されている。そして、近藤さんが殺されたのを 最後に、終息した。

■「人間のくず」を排除する、資本と行政


10件近い一連の事件のうち、近藤さん殺害と二人傷害の3件は、高本孝之さんが逮捕・起訴された。高本公判の最終弁論(4/25)で、検察は、襲 撃によって近藤さんの人生が突然終った、二人は脳などに後遺症が残った、と主張。弁護側は、高本さんが障碍ゆえに生き難さを抱え、障碍ゆえに自分 の行為がもたらす結果を想像しきれなかった、殺意はなかった、と主張した。裁判は、社会の秩序を保つためにあり、近藤さんの「生」を明らかにはし ない。また、障碍がある野宿の仲間もいるのに障碍がある高本さんとは殺し殺される関係になってしまったことを、あぶり出すこともない。
 公判で明らかになったのは、高本さんが父親から、「ホームレスは人間のくず。お前もホームレスになればいい」と言われていたことだ。人間を「く ず」と「くずでない者」に分け、「くずは必要ない」という考え方は社会に広く深く浸透している。例えば、1カ月ごとに契約をくりかえす派遣労働 だ。会社存続のために労働者を気軽に辞めさせる論理が、まかり通っている。
 むき出しの排除は、金儲けを必然とする資本だけではなく、行政も資本と一体になって流れを加速させており、仲間が生きる環境をますます苛酷にし ている。墨田区はゴミに出されたアルミ缶を集めて換金していた野宿者の仕事を「資源ごみ持ち去り禁止」条例によって禁じ、渋谷区は国際的なスポー ツメーカー・ナイキがプロデュースする若者向け有料公園にするために宮下公園から野宿者を追い出した。野宿者が最後にたどりついた仕事と寝場所を 行政が率先して奪い、生存するためのわずかな糧と休息さえはぎとっていく。だからといって野宿者が生活保護を申請しても、申請を拒否されるか、貧 困ビジネスである「寮」に入って規則と支配に従わされるか、どちらかの選択肢しか示されないだろう。システム化した排除が、生存と希望を奪ってい く。それでも資本と行政は、「殺意はない」と言うだろう。


■福岡さんへの想いを共に、つながろう

 存在を許さない力が強まっている今こそ、私たちは、「生きている」と訴えよう。目に見える殺しも、目に見えない巧妙な殺しも、許さない。福岡さ んの死を許さない想いを起点に、障碍がある仲間を含む、顔が見えない仲間ともつながっていこう。


福岡正二さんを悼む会(? 070 - 5451 - 7010、090 - 3549 - 0844)
府中地域で共に生きる仲間の会/たまごの会/夜まわり三鷹/三多摩自由労組/のじれん(渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合)/東村山1/13万の会

報告・福島第一原発事故とは何か

福島第一原発事故とは何か
山崎久隆さん


5月29日、学習会「福島第一原発事故とは何か?」を行いました。講師は山崎久隆さん(たんぽぽ舎)。普段使っている会場は震災の余波で空いてなくて大久保になりました。台風による大雨というあいにくの空模様でしたが、予定通り行いました。山崎さんは図・写真を映しながら、下記の講演を行い、参加者は山崎さんの講演に熱心に耳を傾けました。
 
 原発震災が起きることは判りきっていて言い続けてきたのに、実際に原発震災が起きる前に原発を止められなかった。「市民運動の責任」を感じている。これからの私達の運動は、ともかく今ある原発を一日も早く停止する。
 震災の後、原発を延命させるための「停電」が行われた。「節電キャンペーン」によって常時6000万キロワット発電量がないと停電が起きるかのようにマインドコントロールされている。


 だが、予定通り火力発電所が復旧すれば5500キロワット。昨年夏でもピークは6000万キロワットを超えなかった。今の15%節電キャンペーンで5%や10%の削減は難しくない。それに電力会社は大口需要者=大企業と需給調整契約を結んでいる。これは需給が逼迫したら送電を止める代わりに料金を安くする契約。電力会社は、普通は3時間前、緊急時には1時間前に電力をストップできる。これで4400万キロワット。「電気は余っている」と反論していかなければいけない。


 3・11東日本巨大地震のメカニズムだが、4つのプレートがぶつかる日本列島は大地震が不可避。石橋克彦さんが指摘したとおり、これからは大地動乱の時代。このようなところで原発建設・運転はあってはならない。
 原発は13ヶ月で定期検査なので来年の春頃には全て停止する。運転再開を許さないことが運動の課題。法的には知事の同意は必要ないが、現実には知事の同意なしの運転再開は無理。泊原発が危ないという見方もあるが、知事の多くはそんな重い決断はできないと思っている。

 福島第一原発事故の1号炉から4号炉で原版震災が起きた。補償問題があるので、東電は「異常な自然災害」で壊れたとしている。原発が火力発電所と違うのは停止した後、外部の電気で冷やさないとメルトダウンの危険があること。東電の変電所・送電鉄塔が津波ではなく地震で壊れた。事故の原因は津波ではなく地震。第一原発での揺れは東電が想定していた揺れと同じ600ガル。だから、設計ミス・施工ミス・想定ミス。福島原発は欠陥品。過失ではなく重過失。


 外部電源がなくなって、東電は全国から電源車を送ろうとしたが渋滞で着けなかった。官邸はヘリでの空輸も検討した。東北電力の電源車が夜中に着いたが、配電盤は地下で水没していた。非常用発電機を空輸したが、第一原発はアメリカの規格でケーブルが合わず送電できない。時間を空費している間に水素爆発した。

 文部科学省の「SPEEDI」の放射能拡散予想図は実際の測定とほぼ一致している。ところが「パニックを恐れた」政府が4月まで公表しなかったために活用されなかった。

 このために、数値が低かった南相馬の人たちが数値が高い飯館に避難して、その後再避難した。二重三重に間違っている。公表されていればこういう事態は防げた。彼らは情報を隠して人をだますことしかしていない。

 今後心配されるのは海洋汚染。放射性物質で白血病・がんの原因になるのはストロンチウム90だが、2ヶ月経っても公表されていない。なぜ測られないのか。


 福島の汚染地域はチェルノブイリより面積は狭いが、高汚染地域は変わらない。福島の東は海で放射性廃液はきちんと測定されていない。放射性物質の放出量がチェルノブイリの10分の1という発表は疑問。今のモニタリングポストは大陸での核実験用に高い場所に設置されている。人間への影響を調べるためには地表と地上1mで測定するように自治体、研究機関に要求していく必要がある。



 質疑応答ではどうやれば原発を止められるのか、海洋汚染は大丈夫か、アメリカの原発の汚染はどうなのか、山崎さんなど民間の研究者の提案を東電などは受け入れているのかなどなど。最後に国連憲法研から福島原発事故緊急会議と6・11行動への参加を呼びかけました。
 
 終了後、喫茶店に行って、時間切れで聞けなかった点をお聞きしました。
 山崎さんは、国会で騒がれた海水注入中止については、そもそもメルトダウンして建屋が吹っ飛んでいるのだから、争点になるのがおかしい。

 現在は司令官不在。菅官邸が大本営。ともかく二〇三高地をとってこいというアバウトな命令を出して、現場が右往左往している。現場の管理職は限界まで被曝しているので、もうすぐ不在になる。9ヶ月で収束という工程表を官邸が作らせたせいで必要な作業が行われなくなる。まず高レベル汚染している瓦礫を片付ける必要がある。米軍の核戦争対応部隊はデータだけ取って帰っていった。

 校庭の土を除去した後、校庭の隅に積んでいるのは危険。コンテナに詰めて原発に送るべき。チェルノブイリでもコンクリートの建物の除染は難しくないが、山林や田の除染は難しい。イラク戦争時にイラクで採取したイラクの土の鑑定を日本の検査機関・大学に依頼したら、全て断ってきて外国の検査機関に依頼したことなどと話していました。

 講演について詳しくは今後発行する報告集をお読みください。

国連・憲法問題研究会ブログ

≪学習会≫福島第一原発事故とは何か?

≪国連・憲法問題研究会学習会≫
福島第一原発事故とは何か?


 【講演】
山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)


 【日時】
5月29日(日)午後1時半~


 【会場】
大久保地域センター3階会議室B
(JR新大久保駅8分・副都心線東新宿駅5分・大江戸線東新宿駅8分)
http://www.h2.dion.ne.jp/~aa-kkse/ookubo_a.htm
※普段と会場が違います。


 【参加費】
800円(会員500円)


3・11大震災によって福島第一原発1~4号機で原発震災が発生。事故から2ヶ月経っても予断を許さない状態が続いています。
 福島原発事故は100%の人災です。それでも、政府は子どもに原発労働者並みの被曝を認める見解を出し、電力会社は原発を運転し続けるなど、原発政策を見直そうとはしていません。
 だが、原発事故によって地震・津波の被害を受けた何万もの人々が再度の避難を余儀なくされ、放射性物質の排出が続き、大地と海の汚染は拡大し続けています。
 政府や東電などが「想定外」と称し責任逃れを図る福島第一原発では何が起こり、何が続いているのか。山崎久隆さん(たんぽぽ舎)に講演してもらいます。



 国連・憲法問題研究会
東京都千代田区富士見1-3-1上田ビル210工人社気付
TEL:03-3264-4195/FAX:03-3239-4409
http://ameblo.jp/kkmk-blog
http://www.winterpalace.net/kkmk/
kkmk@winterpalace.net