北出茂 大阪・枚方の社労士の働き方ブログ 【三方良し】ブログ

北出茂 大阪・枚方の社労士の働き方ブログ 【三方良し】ブログ

法律家20年、開業10年のコンサル。働き方、資格、法律などについて語ります。(補助 えみ+あり+まい)

※当ブログは出展だけ明記してくだされば引用自由で連絡不要とします。但し、商業使用に関しては連絡のうえ使用条件につき許可を得てください。

このブログは、北出茂社会保険労務士事務所(北出茂と仲間たち)が運営しております。
皆様のおかげで、前身の「ポラリス北出法務事務所」より数えて開業10年を迎えることができました。ポラリスは北極星であり、道しるべとなる星です。変化の速い時代であるからこそ変わらない存在でありたい。困難に陥った時に頼れる存在でありたい。思いは今も変わりません。
ありがたいことに、毎年、様々なところから、講演やセミナーの依頼をいただきます。その中には病院での講演会講師も含まれています。2020年から2023年にかけて、いまや世界中の人々がコロナウイルスにより、生命や健康を脅かされております。
命と健康にかかわる仕事をされておられる方に、心からの経緯を表します。
改めて思います。
生きていることは奇跡なのだと。一人ひとりが、かけがえのない存在であるのだと。
だからこそ、自分自身を大切に大切に。
今日という日は、昨日亡くなった方が、あれほどまでに夢見た明日という日。
今日という日が、あなたにとって、素敵な1日でありますように。

北出茂社会保険労務士事務所 所長 北出茂     http://www.sanpouyoshi-kitade.com/

作家で政治団体日本保守党代表の百田尚樹氏(68)が6月8日に、自身の「X」(旧ツイッター)で、党の代表を退くことを検討していると明かした。

また、「最近、百田の発言が気に入らんからと、党員を辞める人もいるようなので、マジで代表を退くことを考えています」と明かしている。

筆者も物書きの一人として、百田氏のことは尊敬している。

とりわけ、「永遠のゼロ」を読み、創作意欲を書きたてられた。

取ってよかった資格 「第一種衛生管理者」

 

労働安全衛生法により、常時50人以上が働く事業場では、衛生管理者を1人以上置くことが義務づけられています。衛生管理者は、事業場で働く人が増えるにつれて設置する人数を増やす必要があります。

 

どこの事業場でも、当然、衛生管理者の設置義務があり、資格を持っていれば、職場では重宝されます(^^)/

 

<衛生管理者の種類>

衛生管理者には第一種と第二種の2種類があります。

第一種であれば、すべての業種で衛生管理者となることができるので、転職、再就職に役立てたいという方はオススメです!

第二種は事務作業中心の職場が対象となり、第一種は有害業務を扱う業種(製造業、運送業、鉱業、建設業等)が対象となります。

 

<合格率>

合格率は第一種衛生管理者が40%前後(初回合格率は20%程度)、第二種衛生管理者が50%前後(初回合格率は25%程度)です。

 

<必要な勉強時間>

第一種でおよそ100時間、第二種で60時間と言われています。

毎日1時間勉強するとして、第一種で3カ月、第二種で2カ月が受験までの目安となります。

 

<試験日>

全国7ブロックに分けて、毎月試験日が3~5日あります。

 

衛生管理者は難易度もそれほど高くなく、地道に勉強すれば取れる資格です。

50人以上の人が働く職場では有資格者が必要となるので、重宝がられることも多いはず。

製造業や建設業、運送業等にお勤めの方で、何か資格を取ろうかな?と思っている方にはオススメです。

取ってよかった資格

 

合格してよかった資格、社会保険労務士(以下、社労士)について。

 

もともと総務・人事・労務・法務・保険の仕事を経験していて、業務で必要な知識を身につけるために始めた勉強。

特に、損保ジャパンで働いているときに女性社員が受験をしていると聞いて、刺激を受けて

勉強を本気で始めました。

 

<社労士とは>

社労士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。

企業の成長には、お金、モノ、人材が必要とされていますが、社労士はその中でも人材に関する専門家。

企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、業務の内容は広範囲にわたります。

 

<合格率>

社労士試験の合格率は年度によってばらつきがあるものの、平均6~7%程度です。

 

<必要な勉強時間>

試験範囲が広く、合格するためには1000時間以上の勉強が必要だと言われています。

ただし、予備校の学習時間には【3倍の法則】があります。

3000時間はかかると考えておいた方が無難です。

しかも、3,000時間勉強すれば必ず合格できるとは限らないので、目安として考えてください。

 

< 試験日>

社労士の試験は年に1回、8月の第4日曜日に実施されます。

社労士試験に合格すれば、会社員として働くだけでなく、独立・開業も可能です。

謹賀新年

 

 新年あけましておめでとうございます。

 日本でも、新年早々胸が痛くなる災害や事故が相次ぎました。

 世界に目を向けると、ウクライナやガザ地区(パレスチナ)では、今も無辜(むこ)の民の命が奪われています。理不尽な経済制裁に苦しめられている国もあります。

この正月に私は数え年で五〇を迎えました。

 敬愛する四宮先生に見習って、非常の死を遂げながら、理不尽な国際的経済制裁に苦しめられているアフガニスタンの人々から今なお敬愛されている中村哲氏の言葉を噛み締めつつ、残りの人生を送りたいと思います。

 彼は、「全ての『繁栄』と名の付くものは弱者の犠牲の上に築かれてきた」と指摘し、自己責任を唱えることは、「人のことをかまっておれるか」と開き直ることであると喝破(かっぱ)しています。

 そして、「人は、夫々(それぞれ)のやり方で、重荷を負いあって生きていくように召されている」ことが、自らの出発点であり、くりかえしたちかえっていくべき共有点でもあると考えました(ペシャワール会報第2号より)。

 彼のような大きな業を成し遂げる能力は私にはありませんし、特定の信仰をもつ者でもありません。

しかし、職業人としては勿論のこと、資本主義の暴走下で苦しむ同時代に生きる人々のために、法律家として何某(なにがし)かのお力になれるように、作家・活動家として社会の闇を光で照らし警鐘を鳴らす活動ができるように、微力ながらも尽力していきたい、日々精進をしていきたいと考えています。

 皆様には、今後とも御指導、御鞭撻の程を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

2024年元旦  北出 茂

第19回試験 倫理2

 

<おきらく社労士の答案>

【解答例】 イ 代理人となることができない
本来、D社の代表から「報酬として30万円支払うので、D社の代理人として」という言葉がなければ、当該D社の申し出は、社会保険労務士法第2条第3項第2号の和解交渉となるが、この文言があるため、依頼を受けると、双方代理を行うことになるので、D社の依頼は受けられない。(130字)

<下記より引用>
第19回紛争解決手続代理業務試験を解いてみた(倫理編=解答例):おきらく社労士のどたばた雑記帳@マジメ:SSブログ (ss-blog.jp)
 

<当研究会による上記答案の採点>

15点満点中0点

 

<講評>

条文の構造や法律の趣旨を理解していないという点が致命的です。

まずは、条文をきちんと読むことから始めてください。

「これをあげる」と商品をプレゼントされている(贈与)のに、

窃盗罪(犯罪)を成立させてしまうような、

極めて危険で法律を無視した独善的な解釈(もはや法解釈ですらない)をしてしまっています。

「おきらく」で済まされる話ではありません。

この答案では0点(もしくは「書き賃」として1点の獲得が関の山)だと考えられます。

【解答例①】 代理人となることができるとする立場からの[スペシャル答案]

<結論>

 イ 代理人となることができる
<理由>

紛争解決手続中に、乙は、D社から、退職を前提に金銭和解の提案をされている。D社が乙に有償でD社の代理人としてEを説得してほしいと申し出たのに対して、乙は即答せずに、Eと連絡をとり、誠実に信義則に反することなく申し出の内容を正確に伝えている。

すると、Eからも退職を前提とした金銭和解の金額の交渉を依頼されたうえ、有償で「D社の代理人にもなっていただいて結構です」との回答を得ている。

同意があるので、法律上も双方代理の禁止には該当しない。

よって、乙は、D社の申出に応じて同社の代理人となることができる。(249字)

 

(他の答案は掲載を省略。「究極の過去問題集」にはすべての答案が掲載されています)

 

〔出題の趣旨〕

 

第1回期日の直後、乙は、D社の代表者から電話で、「もしEが自発的に退職してくれるのであれば、相当額の金銭を支払って解決する用意がある。報酬として30万円を支払うので、D社の代理人として、Eをその方向で説得してくれないか。」という申し出をうけた。

 乙は、即答せず、電話を切ったうえで、Eと連絡をとり、D社代表者から上記申し出をそのまま正確に伝えた。

すると、Eは「第1回期日におけるD社の頑なな態度を見て、私も、お金を支払ってもらえるなら退職してもいいかなと思っていたところです。その前提でD社と金額の交渉をしてくれませんか。D社の代理人にもなっていただいて結構です。乙さんも、両方から報酬がもらえて得ですよね。」と答えた。

この場合において、法律に照らし、乙は、D社の申出に応じて同社の代理人となることができるのか①結論と、②その結論に至る理由の双方の記載を求める出題である

 

<この問題を解く上での条文とキーワード>

 

【第19回(倫理2)】

民法108条、双方の同意

一般義務

社労士法1条、公正誠実、

社労士法16条、社労士としての信用や品位、                                                               

 

<北出博士のワンポイント解説>

 

【特定社労士の法律上の権限について】

 まず、このような交渉をすることが特定社労士の権限内であるかについて考察をしなければならない。

 この点、問題文より、乙はEの代理人として調停の第1回期日に出頭し意見を述べたが、合意に至らず、約1ヵ月後に第2回期日が設定されたことが明らかである。そして、この第1回期日の直後に和解交渉の申し入れがあったわけである。

 とすれば、金銭和解の交渉自体は、紛争解決手続中であるため、社労士法2条3項2号(和解交渉)で特定社労士の業務の範囲内として認められるということになる。

 

【双方代理と双方の同意(許諾)について】

 次に、乙はD社の代表からの電話で「報酬として30万円やるから、退職して金銭解決する方向で説得してくれ」と言われている。D社の申出に応じて同社の代理人になることができるか。
 この点、D社の依頼を受けると双方代理となるのであれば、同社の代理人になることができないということになる(民法108条、弁護士職務倫理規定28条参照)。
 しかし、本件についてみると、第一に、D社の代表は、乙がEの代理人として調停の第1回期日に出頭し意見を述べた経緯から、乙がEの代理人であることを当然分かったうえで依頼をしている

しかも、乙は、即答せず、電話を切ったうえで、Eと連絡をとり、D社代表者から上記申し出をそのまま正確に伝えている。乙は誠実に職務を遂行し何ら信義則に反することはしていないのである。

 さらに、第二に、Eも金銭和解の金額の交渉を依頼したうえで、乙がD社の代理人になることを承諾している

 すなわち、Eは「第1回期日におけるD社の頑なな態度を見て、私も、お金を支払ってもらえるなら退職してもいいかなと思っていたところです。その前提でD社と金額の交渉をしてくれませんか。D社の代理人にもなっていただいて結構です。乙さんも、両方から報酬がもらえて得ですよね。」と答えている。

 Eは方向性が一致することを確認したうえで、乙がD社の代理人になることでより交渉が上手くいくことを理解したからこそ、乙がD社の代理人になることを快く許諾しているのである。

 

【あてはめと結論について】

 本問では、わざわざ双方の依頼(許諾・同意)があることを浮かび上がらせている。そうすると、少なくとも双方代理として禁止される行為には当たらない。

この観点からは、代理人になることができる結論に傾く。明文上、そうであるし、双方が望んでいるのであるから、できない理由がないというのが素直な解釈である。

他方で、公正な業務遂行という観点からは慎重を要する、もしくは影響が僅少であっても倫理上許されないと考えることも(苦しいが)不可能ではない。

 なお、双方代理になるから法律上許されないという回答では不合格答案になることは当然である。

 そこで、代理人となることができるとする立場からの解答例(参考答案)を【4通】掲載した。

 さらに、代理人となることができるが、慎重を要する立場からの答案を【1通】掲載した。

 そして、双方代理にはならないので法律上は禁止されないが倫理上許されないので代理人となることができないとする立場からの解答例(参考答案)を【1通】掲載した。

 合計で【6通】の解答例を掲載することにした。

 

以下の条文が参考になる。

 

<民法>

(自己契約及び双方代理等)

第108条 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない

 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

 

<社労士法>

(社会保険労務士の職責)

第1条の2 社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。

 

(信用失墜行為の禁止)

第16条 社会保険労務士は、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

 

(秘密を守る義務)

第21条 開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員でなくなった後においても、また同様とする。

 

<弁護士職務倫理規定>

(職務を行い得ない事件)
第二十八条 弁護士は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第一号及び

第四号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその依頼者及び相手方が同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合は、この限りでない
一 相手方が配偶者、直系血族、兄弟姉妹又は同居の親族である事件
二 受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手
方とする事件
三 依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件
四 依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件

 

【追記】

<読者から「反面教師として非常に示唆に富む解答例がある」との連絡を受けたので、みなさんにも紹介させていただきます>

第19回紛争解決手続代理業務試験を解いてみた(倫理編=解答例):おきらく社労士のどたばた雑記帳@マジメ:SSブログ (ss-blog.jp)

第19回 紛争解決手続代理業務試験問題 (倫理問題) 

 

<小問2>

 

 開業の特定社会保険労務士乙は、D社の従業員で現在は育児休業中のEから依頼を受け、代理人として、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第52条第1項に基づく調停を労働局に申し立てた。

 Eは、D社との間で育児休業明けの復職先について相談していたところ、もともと課長職であったにもかかわらず、D社から、すでに別の者がEの後任として着任済みなので、Eが復職する場合には、別の部署に異動したうえで課長代理となると言われたことから、調停においては、従前どおりの部署で課長職に戻すことを求めている。

 乙はEの代理人として調停の第1回期日に出頭し意見を述べたが、D社は主張を譲らず、合意に至らなかった。ただし、D社の求めによって調停手続は続行となり、約1ヵ月後に第2回期日が設定された。

 第1回期日の直後、乙は、D社の代表者から電話で、「復職する場合の条件は変えられないが、もしEが自発的に退職してくれるのであれば、相当額の金銭を支払って解決する用意がある。ついては、報酬として30万円を支払うので、D社の代理人として、Eをその方向で説得してくれないか。」という申し出をうけた。

 乙は、その場で即答せず、ただちに電話を切ったうえで、すぐにEと連絡をとり、D社代表者から上記申し出をそのまま正確に伝えた。すると、Eは、「実は、第1回期日におけるD社の頑なな態度を見て、私も、お金を支払ってもらえるなら退職してもいいかなと思っていたところです。その前提でD社と金額の交渉をしてくれませんか。D社の代理人にもなっていただいて結構です。乙さんも、両方から報酬がもらえて得ですよね。」と答えた。

 法律に照らし、乙は、D社の申出に応じて同社の代理人となることができるのか。(ア)「代理人になることができる」又は(イ)「代理人となることはできない」の結論を解答用紙第7欄の結論欄にカタカナの記号で記入し、その理由を250字以内で記載しなさい。

 

 

【分析】

 

 

先の案件

状況

第19回

設問2

Eから

相手方はD社

 

 特定社労士乙は、D社の従業員で育休中のEから依頼を受け、代理人として、調停を労働局に申し立てた。

 Eは、D社との間で育休明けの復職先の相談していたところ、D社から、すでに別の者が(もともと課長職であった)Eの後任として着任済みなので、Eが復職する場合には、別の部署に異動したうえで課長代理となると言われたことから、従前の部署で課長職に戻すことを求めている。

 乙はEの代理人として調停の第1回期日に出頭し意見を述べたが、D社は主張を譲らず、合意に至らなかった。約1ヵ月後に第2回期日が設定された。

第1回期日の直後、乙は、D社の代表者から電話で、「もしEが自発的に退職してくれるのであれば、相当額の金銭を支払って解決する用意がある。報酬として30万円を支払うので、D社の代理人として、Eをその方向で説得してくれないか。」という申し出をうけた。

 乙は、即答せず、電話を切ったうえで、Eと連絡をとり、D社代表者から上記申し出をそのまま正確に伝えた。

すると、Eは「第1回期日におけるD社の頑なな態度を見て、私も、お金を支払ってもらえるなら退職してもいいかなと思っていたところです。その前提でD社と金額の交渉をしてくれませんか。D社の代理人にもなっていただいて結構です。乙さんも、両方から報酬がもらえて得ですよね。」と答えた。

法律に照らし、乙は、D社の申出に応じて同社の代理人となることができるのか

 

 

 

【解答例⑤】 申し立てることができるとする立場からの[スペシャル答案]

<結論>

 イ 申し立てることができる
<理由>

商工団体の立食パーティーで、次々と挨拶していく中、甲は初対面のBとも名刺交換し、ごく短時間の立ち話をしている。が、事件についての「協議」は受けたとしても、アドバイスはしておらず「賛助」はしていない。

また、その後の話はあくまで仮定の話であり、「そのようになったら、ご連絡させていただきますので、ぜひよろしくお願いいたします」と言うのも、話の流れから出た社交辞令レベルと評価するのが社会通念上相当といえる。よって、社労士法22条2項2号の受任禁止レベルの「信頼関係」に基づくものとは考えられないため。(248字)

 

〔出題の趣旨〕

 

特定社労士甲は、地元の商工団体が主催する立食パーティーに参加した。甲は、初対面のA社代表取締役Bとも名刺を交換し、ごく短時間、立ち話をした。

B:「半年ほど前、当社は従業員を1人解雇したのです。」

 甲:「元従業員の方が労働局にあっせんを申し立てた場合には、会社側の代理人として対応することができます。」

 B:「もしそのようなことになったら、ご連絡させていただきますので、ぜひよろしくお願いします。」

その後しばらくして、甲は、知人の紹介で、Cから相談を受けた。Cの相談内容は、A社から不当に解雇されたので、労働局にあっせんを申し立てたいが、自分ひとりでは不安なので、代理人になってほしい、というものであった。

 このような場合に、法律に照らし、甲は、Cの依頼に応じ、Cの代理人としてA社に対しあっせんを申し立てることができるかを問うもの。

本設例において、受任禁止が課されるほどの「信頼関係」が生じたといえるか、特定社会保険労務士としての職務の公正、品位等についての倫理に反するかの考察を問うもので、①結論と、②その結論に至る理由の双方の記載を求める出題である

 

<北出博士のワンポイント解説>

 

受任禁止が課されるほどの「信頼関係」が生じたといえるか、依頼者の利益と自己の経済的利益が相反するか、特定社労士としての職務の公正、品位等についての倫理に反するかの考察を問うものである。

問題文の中にある根拠をできる限り見つけて、そこから各種の法的原理に結びつけて答を導き出す姿勢を貫いてほしい。

本問では、わざわざ、商工団体が主催する立食パーティーであること、次々と挨拶していく中で、甲は初対面のBとも名刺交換しごく短時間の立ち話をしたにすぎないことを浮かび上がらせている。偶然が作用した一連の流れの中の出来事に過ぎないのである。

この点を強調して、その後の話はあくまで仮定の話であり、「そのようになったら、ご連絡させていただきますので、ぜひよろしくお願いいたします」と言うのも、話の流れから出た社交辞令レベルと評価すれば、社労士法22条2項2号の受任禁止レベルの「信頼関係」に基づくものとは考えられないため、依頼を受けることができる結論に傾く。

他方で、話の流れから出た社交辞令的な会話であっても、損害賠償などA社とCに関わる話の内容について具体的な協議をしており、この時仮定したとおりに、実際に相手方であるCからあっせんの申し立ての依頼が来たわけである。

この点を強調して、その時の話が顕在化して、「そのようになったら、ご連絡させていただきますので、ぜひよろしくお願いいたします」と言う会話がなされていたことを重視すれば、事実認定とあてはめ仕方によっては、社労士法22条2項2号の受任禁止レベルの「信頼関係」に基づくものという結論を導くことも可能であろう。さらに、社労士法22条2項2号には該当しなくとも、公正な業務遂行という観点からは、社交辞令的な会話であっても倫理上相手方からの受任は許されないという構成もありうる。

そこで、依頼を受けることができるとする立場からの解答例(参考答案)を4通掲載し、依頼を受けることができないとする立場からの解答例(参考答案)を4通、合計8通の解答例を掲載することにした。

 

社労士法22条2項2号のほか、以下の条文が参考になる。

 

<社労士法>

(社会保険労務士の職責)

第1条の2 社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。

 

(信用失墜行為の禁止)

第16条 社会保険労務士は、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

第19回 紛争解決手続代理業務試験問題 (倫理問題)

 

<小問1>

 

開業の特定社会保険労務士甲は、地元の商工団体が主催する立食パーティーに参加した。パーティーには多数の商工事業者が出席しており、甲は、人脈を広げようと、知らない人にも次々と挨拶して名刺を交換していた。その中で、初対面のA社代表取締役Bとも名刺を交換し、ごく短時間、立ち話をした。Bとの会話の内容は、次のようなものであった。

B:「半年ほど前、当社は従業員を1人解雇したのですが、先日、その元従業員から、解雇は違法だから損害を賠償しろという文書が内容証明郵便で送られてきたのです。甲さんは、そのような事件を取り扱っていますか。」

 甲:「法律上、裁判の代理人などはできないのですが、元従業員の方が労働局にあっせんを申し立てた場合には、会社側の代理人として対応することができます。」

 B:「そうですか。もしそのようなことになったら、ご連絡させていただきますので、ぜひよろしくお願いします。」

 甲:「わかりました。こちらこそよろしくお願いします。」

 その後しばらくして、甲は、知人の紹介で、Cから相談を受けた。Cの相談内容は、A社から不当に解雇されたので、労働局にあっせんを申し立てたいが、自分ひとりでは不安なので、代理人になってほしい、というものであった。

 法律に照らし、甲は、Cの依頼に応じ、Cの代理人としてA社に対しあっせんを申し立てることができるか。(ア)「申し立てることができる」又は(イ)「申し立てることはできない」の結論を解答用紙第6欄の結論欄にカタカナの記号で記入し、その理由を250字以内で記載しなさい。

 

 

【分析】

 

 

先の案件

状況

第19回

設問1

Bから相談

相手方は従業員

 

特定社労士甲は、地元の商工団体が主催する立食パーティーに参加した。甲は、初対面のA社代表取締役Bとも名刺を交換し、ごく短時間、立ち話をした。

B:「半年ほど前、当社は従業員を1人解雇したのです。」

 甲:「元従業員の方が労働局にあっせんを申し立てた場合には、会社側の代理人として対応することができます。」

 B:「もしそのようなことになったら、ご連絡させていただきますので、ぜひよろしくお願いします。」

 その後しばらくして、甲は、知人の紹介で、Cから相談を受けた。Cの相談内容は、A社から不当に解雇されたので、労働局にあっせんを申し立てたいが、自分ひとりでは不安なので、代理人になってほしい、というものであった。

 法律に照らし、甲は、Cの依頼に応じ、Cの代理人としてA社に対しあっせんを申し立てることができるか