党首公選制を唱えただけで松竹さんが除名された。そして、その除名に異議を表明しただけで、壮絶なパワハラを受け、あげくに次期選挙を非公認にされ、離党に追い込まれた大山奈々子県議の件について憂慮している。
[参照:使える!労働法の常識~共産党で起きている問題から考える~あけび書房]
異論を認めるが排除する、という共産党のやり方は、一般人には理解しがたい。
「国民や住民の利益(全体の利益)の上に党中央幹部の利益(個人の利益)を置く」(=持ち場で尽力してきた優秀でまともな感覚を持った者を共産党中央が切り捨てる)という体質は、極めて問題ではないだろうか。
この点について、ご意見をいただいた。
でもさ松竹氏の著作全部読み松竹氏の編集した鈴木氏の本も読んだけど まあつまらん散財だったが 異論どころか完全に綱領否定だよね 日米安保堅持社会主義路線から資本主義路線への転換憲政党への党名変更提起の著作 そして党首公選は一般国民への受け狙いととれる発言もあった 記者会見youtubeで元朝日のフリー記者に党内で提起しましたかに提起してません これじゃどうしょうもないでしょ
貴方のような松竹応援団はみんな除名は規約違反で非難するけど決して綱領否定には触れないのね 立党の精神の否定だよ 何故? 大山議員もそうだよね 鈴木氏が著作の中で共産党生き残りのために資本主義政党への転向を呼び掛けてるがそんな転向をした共産党なんて要らないんだよ 生き残らなくて結構 それと民主集中制は共産党で使われる用語だけど近代政党は基本皆そうだからね その用語を使ってないだけ
隣家のオバチャン地域の自民党後援会幹部だけど天皇制と日米安保否定したら問答無用で追い出すだって 話し合う必要もない だって私達の党のこと否定してるんだから 自民党は党首公選と言われるけど出てくる人は皆自民党の基本方針つまり綱領認めてるんだよ だからカレーライスとライスカレーの違い程度 綱領認めないヤツ党首選に出るわけないじゃん
党首をどう選ぶかなんて正直大したことじゃない まともな誰を選ぶかなんだよ 俺は選挙では共産党に何時も投票してるけど 共産党が綱領否定して松竹氏や鈴木氏の言う路線に転向したら即刻支持止めるわ
で貴方はお二方の綱領否定提起はどう思ってるの 民主集中制や党首公選制で文章散りばめておきながら綱領否定に触れないのは何故 触れたくないのかな 応援上都合悪いから
まず率直に申し上げておきたい。
このような指摘には一理ある部分がある。すなわち、政党にとって綱領は単なるスローガンではなく、組織の存在理由そのものであり、それを全面的に否定する提起がなされた場合、組織として一定の対応を検討するのは当然である、という点である。
しかしながら、それと「除名・排除」という最も重い処分が正当化されるかどうかは、全く別の問題である。ここを混同してはならない。
■「異論排除」は本当に正しいのか
特定社会保険労務士・作家 北出 茂
この方は、「綱領否定だから除名は当然だ」との立場である。しかし、法律実務の視点から見れば、この論理は極めて危うい。
なぜなら、現代の民主主義社会においては、
組織の理念と個人の思想の自由は、常に緊張関係の中で調整されるべきものだからである。
政党もまた、私人の結社ではあるが、同時に公的性格を強く持つ「民主主義のインフラ」である。したがって、単なる企業や趣味の団体以上に、内部の言論の自由・異論の許容が求められる存在である。
仮に「綱領と違う意見を述べた者は排除する」という運用を徹底すればどうなるか。
そこには以下のような問題が生じる。
- 内部議論が消滅する
- 政策修正の機能が失われる
- 社会の変化に対応できなくなる
- 結果として支持を失う
これは、労働法の世界で言えば「意見を述べた労働者を解雇する企業」と同じ構造である。
形式的には就業規則違反でも、実質的には不当解雇と評価され得る場面である。
■経営者の論理との共通性
興味深いのは、この方の主張が、ブラック企業の論理と非常によく似ている点である。
例えば企業でもこう言われることがある。
「会社の方針に反対するなら辞めてもらうしかない」
一見もっともらしいが、この論理が無制限に許されればどうなるか。
- 内部告発は不可能になる
- ハラスメントは隠蔽される
- 組織は硬直化する
その結果、不祥事が表面化したときには取り返しのつかない損害が生じる。これは多くの企業不祥事が示している現実である。
したがって、経営者の立場から見ても、異論を即排除する組織はリスクが高いのである。
■「民主集中制」と現代的ガバナンス
この方は「民主集中制はどの政党にもある」と述べる。これは定義としては明確に間違いである。
確かに、一定の統一性はどの組織にも必要である。
しかし重要なのは「程度」と「手続」である。
現代の組織運営においては、
- 意見表明の自由
- 手続的公正(デュープロセス)
- 透明性
が不可欠である。
これは企業であればコーポレート・ガバナンス、労働組合であれば組合民主主義、政党であれば党内民主主義にあたる。
仮に、
- 党内での提起の機会が実質的に与えられていない
- 異論が直ちに処分対象となる
- 第三者的な検証がない
という状況であれば、それは「民主集中制」ではなく、単なる統制の強化である。
■綱領は「固定物」か「発展するもの」か
ここで本質的な問いに立ち返る必要がある。
綱領とは絶対不変のものなのか、それとも時代に応じて発展するものなのか。
歴史的に見れば、どの政党も綱領を変更してきた。
- 保守政党も経済政策を変えてきた
- 労働運動も戦術を変えてきた
- 社会保障制度も時代とともに進化してきた
変化そのものが問題なのではない。
問題は、変化の議論を許さないことである。
■民間企業の視点から
社労士として申し上げる。
この問題は政治組織だけではなく、民間企業にも示唆に富む。
労働者の側から見れば、
「意見を言えば排除される組織」は恐怖である。
一方で経営者の側から見ても、
「異論が出ない組織」は極めて危険である。
なぜなら、
問題は沈黙の中で拡大するからである。
健全な組織とは、
- 異論が存在し
- 議論が行われ
- 最終的に一定の統一が図られる
というプロセスを持つ組織である。
■結論
この方の問題提起――「綱領否定をどう考えるか」――は重要である。
しかし、それに対する答えは「排除」であってはならない。
むしろ必要なのは、
- 公開性のある議論
- 第三者的視点の導入
- 少数意見の保護
である。
民主主義とは、
異なる意見を持つ者同士が、それでも共に存在するための技術である。
それを放棄したとき、どのような理念を掲げていようとも、その組織は民主主義から遠ざかる。
そしてそれは、労働者にとっても、経営者にとっても、不幸な結果をもたらすのである。
■参照情報
・日本国憲法(特に第21条:表現の自由)
・労働契約法第3条(労使の対等原則)
・ILO(国際労働機関)結社の自由原則
・政党法理および結社の自由に関する判例・通説
・企業不祥事に関するコーポレート・ガバナンス論
・労働組合民主主義に関する実務・学説