垂涎である。
ダッラダラである。
オシャレが過ぎる!
みんな大好き「しまむら」のみならず、ついに激安洋服店タカハシに通い始めた初老ババア(当方)には眩しすぎるファッション天国。
これ、『ラ・ラ・ランド』ですか?
いいえ、がっつりスリラーサスペンスです。良き!
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夢と現実のシンクロワールド
あらすじは、こうだ。
デザイナーを目指してロンドンに進学したエロイーズ。という特徴ある名前だったことに、今、気づきました。
イジワル同級生に絡まれて、エロイーズは学生寮を出ることに。
一人暮らしするしかない。
見つけた部屋は、古アパートの最上階。
家具調度がクラッシック。
やだオシャレ。
好んで住み始めた部屋で、エロイーズは毎夜、おかしな夢を見るようになる。
エロイーズが見る夢は、まるで現実。
だから、起きたらヘトヘト。
睡眠時無呼吸症候群を超えてくる疲労感。
夢の舞台は60年代らしい。
サンディという歌手志望の女子が夢に現れて、エロイーズは魅力的な彼女にシンパシーを抱くようになる。
音楽と素敵な衣装が盛りだくさん。
ホラーとは無縁にも見える立ち上がり。
ただ、エロイーズは見える子だ。
霊感女子である。
夢を抱く2人の女子が時を超え、夢を介してシンクロし、やがて思わぬ恐怖に包まれていくスリリングさといったら…
何このオシャレ度!
キャスト&スタッフ
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この映画、女優2人の魅力に尽きる。
白いコートのエロイーズ役トーマシン・マッケンジーが健気。『ジョジョ・ラビット』のユダヤ人少女役だったと、今、気づきました。中年の記憶力、恐縮です。メイクも人相も変わっていき、終盤ではキレキレ。まず、頭の小ささに愕然。
赤いドレスのサンディ役アニャ・テイラー=ジョイが、魅力の塊! スター候補生!といいますか、すでに大人気。『スプリット』でお褒めしていたのも忘れていた。話題だった『ウィッチ』も観ます。完璧なスタイル、着こなし、歌も良い。来世はこういう人に生まれたい。
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バー常連客役のテレンス・スタンプが、さすがの色気! カッコいい。当家の父親と同じ年齢だと気づいて驚愕。こういう配役が嬉しすぎる。
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アパートの大家役が良いのだけれど、ダイアナ・リグであった。えっ!である。『地中海殺人事件』の嫌われ者、あの大女優役の! ↓
そりゃ上手いわけです。素敵だ。
本作、何が素敵かといって衣装と音楽である。サントラが欲しくなる。60年代の華やかさがいっぱい。中でも名曲「恋のダウンタウン」がたまらない。
映像も最高なのだ。撮影はチョン・ジョンフンであった。あの韓国映画の傑作『オールド・ボーイ』の! (興奮)
イケメン監督ことエドガー・ライトの見事さよ。『ショーン・オブ・ザ・デッド』『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』、『べイビー・ドライバー』、脚本の『アントマン』と観た作品ぜんぶが面白い。随所のこだわりが冴えわたる。イギリスの感性が日本に通じるのか、個人的にハマりがちだ。
殺しと音楽と青春で異次元
心霊モノかなあと観ていたら、筋書きは謎解きの様相を呈していく。
そう、ここはロンドンなのだった。
ロンドンといえば殺人である(風評被害)。
切り裂き魔ジャック・ザ・リッパーがいた、シャーロック・ホームズもいた街だ。
殺人ミステリーが似合う都市。
そのロンドンの夜が美しい。
華やかな夢の裏側で、女性が物のように扱われていた時代。
それは今も続いているのだと、まるで#metoo運動の一翼を担うような哀しみや憤り。
きらびやかなバー。
着飾るダンサー。
オールディーズのミュージック。
こういう物語をホラーの土台で作り上げる意外性。
ついには、展開に素直に驚いてしまった。
無性にやりきれないというのに、ナゼか後味は爽やか。
青春映画を観たような気持ちになる。
過去と現代が影響し合う流れはタイムリープであり、とある名作児童文学も思い出させた。
クルクル回るドレスの裾に翻弄されるような時間のいたずら。
大量の血飛沫には意味がある。
物語において、それはとても重要だ。
来世ではあんな服を着てみたい。
よだれ出ました、この映画。
2021年製作/115分/R15+/イギリス
原題:Last Night in Soho
監督・共同製作・共同脚本:エドガー・ライト/共同脚本:クリスティ・ウィルソン=ケアンズ/撮影:チョン・ジョンフン/美術:マーカス・ローランド/衣装:オディール・ディックス=ミロー/編集:ポール・マクリス/音楽:スティーブン・プライス/出演:アニヤ・テイラー=ジョイ、トーマシン・マッケンジー、マット・スミス、ダイアナ・リグ、シノープ・カールセン、マイケル・アジャオ、リタ・トシンハム、テレンス・スタンプ
※読んでいただいてありがとうございます。情報に誤りがありましたらご一報いただけたら幸いです。
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