ミュージカル映画というよりも音楽映画!
シング&ダンス&ミュージック!
迸る音楽愛。
ジャズ志望ピアニスト男子と、女優志望女子。
彼らの夢は叶うのか。
カメラは縦横無尽である。
まるで踊るようだ。
もはや全編ドローンなの!?って、ワクワクしてくる。
何しろ、1曲目から鳥肌である。
ああ、なんと軽快!優雅!ポップ!タップ!ジャジー!
ロサンゼルスはハリウッドのロケである。
私事ながら数年前に訪れたスタジオの景色で、さらに興奮。
そうでなくても、映画人や映画ファンならば盛り上がり必至のロケーションや舞台裏だ。
ライアン・ゴズリングのピアノ努力が素晴らしい。笑顔も迷いも一様に、切ない。
エマ・ストーンの歌唱は、ハスキーボイスが大変な魅力。
殊に独唱では、再び鳥肌。結果、アカデミー賞主演女優賞を獲得した。めでたい!
デミアン・チャゼル監督は、傑作『セッション』よりも笑いが多め。
必死な若者を描いて、監督自らを投影するスタイル。
映画は非常に熱くて、抜群の個性。
愉快で情熱で、開始3分で失禁。
カラフルキュートな衣装とリズムに、踊りだしたくなる。
名作ミュージカルのオマージュで。
ジャズを、あのセリフで完全に理解できた。
最高に好きになりそうな高揚感。
だから、鑑賞後感がショボーンになって、切ない。
一つには配給会社GAGAの、予告編でハイライト流しちゃう問題がある。
思うに、GAGAの担当者は編集が上手い。
時には本編よりも面白くなるので、注意だ。
もう一つは、終盤の流れにあった。
当然ながら、同じ着地でも描き方によって印象は異なる。
あの表現は技術論ではなく私情として、好き嫌いが別れるのではないか。
もっとも、展開は監督の実体験による気配であり、となれば仕方がない。
そこにハマれた方々が心底、羨ましい。
願わくば、ガッツリと夢にハマりたかった。
【情報】ハリウッドのワーナー・ブラザーズ・スタジオでは、劇中に登場したカフェをスタジオ・ツアーの目玉に据えたとのことです。機会がおありの方はよかったら。
訪問記=ワーナー・ブラザーズ・スタジオ
スクリーン(試写会)
LA LA LAND
2016/アメリカ
監督・脚本: デイミアン・チャゼル
撮影監督: リヌス・サンドグレン
作曲: ジャスティン・ハーウィッツ
作詞: ベンジ・パセック / ジャスティン・ポール
エグゼクティブ音楽プロデューサー: マリウス・デ・ヴリーズ
音楽監督: スティーヴン・ギシュツキ
出演: ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J・K・シモンズ
[関連作品]
デミアン・チャゼル監督⇒セッション
ライアン・ゴズリング⇒きみに読む物語/ドライヴ/L.A. ギャング ストーリー
エマ・ストーン⇒バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)/アメイジング・スパイダーマン2/アメジング・スパイダーマン
※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。