ソフトクリーム
夏の北海道に行くと必ず食べたくなるのが
「ソフトクリーム」だ。
道の駅なら
三笠の夕張メロンソフトとか
温根湯のラ・フランスソフトがおいしい。
また
赤井川村の「山中牧場」や
浜中町の「ファームデザインズ」など牧場直営であれば
純粋にバニラを注文したいところだ。
加熱処理などをしていない牛乳が
比較的容易に手に入りやすいだろうから
素材に恵まれているのがなによりだ。
「やっぱり北海道のソフトは違うなあ・・・。」
という声が漏れてしまうワケだ。
普段からソフトクリームを食べておらず
北海道に行ったときくらいしか口にしない私。
「違い」など分かろうはずがないことは承知の上だが
「北海道」と「牧場直営」という調味料は
何ものにも代えがたいのだ。
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1995年
富良野の『アイスミルク工房』に入った。
「ホウレンソウ味」をひと口食べこう思う。
「やっぱり北海道はホウレンソウも甘いなあ・・・」
道の駅「南ふらの」
帯広から南富良野町までの国道は意外と地味だ。
新得そば、狩勝峠、かなやま湖などみどころも結構あり
「幾寅駅」という新スポット(映画ロケ地)もそこに加わった。
しかし、一般的な北海道のイメージや
「富良野エリアの南の玄関口」を想像していくと
期待を裏切られることになる。
極めて庶民的なルートであるそこは
「いざ富良野へ」という意気込みを爆発させるための
長い長い滑走路だ。
峠を過ぎて走るとやがて、道の駅「南ふらの」の看板が出現する。
初めての旅人は思う。
「道の駅からは富良野平野の展望がきっと・・・」と。
ところが、そこはまだまだ山の中。
写真やテレビで見る富良野はそこには無い。
ここほど旅人の期待を裏切る道の駅もなかろう。
(道の駅「摩周温泉」の小ささも捨てがたいが)
そして、現実を知った旅人は
富良野への思いを馳せながら小休止をとるのだ。
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1995年
道の駅「南ふらの」に到着した私は現実を知った。
しかし、ここは道の駅の中でもかなりの規模で
売っている特産品も豊富だ。
生まれて初めて幻の魚「イトウ」を見た私は
それだけでも満足として、先を急いだ。
北海道の味?
北海道のウマいものといえば
ラーメンやジンギスカン、ウニ、イクラなどを思い浮かべる。
しかし、北海道を初めて旅する人がガイドブックを見て
「お、こんなのも北海道名物なの?」と思うものがある。
『豚丼』だ。
言わずと知れた帯広名物だが、値段が少々高く
牛丼ならワンコインで大盛りまで食べられるところが
この豚丼は並でもツーコインは必要だろう。
味にこだわらなければ
今なら「吉野家」や「まつや」でも豚丼は食べられる。
しかし、ここは旅の思い出。
材料にこだわった本場?の味を賞味しておきたいところだ。
有名どころはなんといっても「ぱんちょう」だろうが
駐車場があって車やバイクで行きやすい「新橋」がお勧めだ。
濃いタレをたっぷりつけて焼いてあるその肉は
「焦げてるのか?」と思ってしまうほど黒い。
濃い味が好きな人には特に勧めたい。
また、ここには大山のぶ代似のオバちゃんがおり
たいへん愛想がいい、というか威勢がいい。
ここでは1,000円ちょうどのメニューを注文するといい。
すると、会計でオバちゃんはおそらくこう言う。
「じゃあ、1,000万円ね。」
・・・・・・・・・・・。
ここは、千円札を出して
「はい、1,000万円です。」
と返すのが礼儀というものだろう・・・。
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1995年
道の駅「摩周温泉」で車中泊をしたあと帯広へ向かった。
そして市街地のはずれで見つけた豚丼屋へ入った。
食後に1,000万円を要求された私は
ただただ愛想笑いしかできず、
千円札を差し出しただけだった。
木彫りの・・・
ひと昔前、北海道のお土産と言えば「木彫りの熊」であり
これは貰って困るお土産の代名詞であった。
今でも土産物屋で見かけるが、その重量感と高級感
そしてあえて手に届きにくいところに陳列されているその姿は孤高だ。
ひょっとしたら、中高年の方にとっては
まだ土産物界の大御所なのかもしれないが、
私たちにとってはある意味手の届かない存在となっている。
北海道に来たんだからどうしても木彫りが・・・
という人にはこれをお勧めする。
『カムイニポポ』
これは簡単に言えば、アイヌの神様のお守りのようなもので
大きさはキーホルダー程度のものから置き物大まで多彩だ。
したがって、値段もピンきり。
(カムイニポポのキーホルダー)
私の行き付けは、阿寒湖畔にある民芸店「えぞりす」だ。
手彫り感がビンビン伝わってくる風合いがよく
買った木彫りに好きな言葉を彫ってくれる。
初めてこの店に行ったのは、やっぱり95年の夏。
何を買おうか思案していると
アルバイトと思しきお姉さんが、私にニポポを勧めた。
「好きな言葉を彫りますよ」と言われ
「例えば?」と問い返すと
前日自転車で旅する人が「根性」と彫っていったと・・・。
そんなに気合の入った旅をしていない私は
とりあえずお姉さんのお勧めの言葉でお願いした。
するとニポポのちょうど足の裏に「イナンクル」と彫ってくれた。
アイヌの言葉で「幸せ」という意味らしい。
この言葉が気に入った私は
以来ここに来たら必ずこの言葉を彫ってもらっている。
あのお姉さんはその後見かけたことはないが
彼女に「イナンクル」という言葉を教えてもらわなければ
ここには通っていなかったかもしれない・・・。
いろいろと思い出深い阿寒湖畔である。
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1995年
『えぞりす』でカムイニポポを買った私は
昼ごはんを食べようと阿寒のまちを歩いた。
『えぞ鹿』という看板を見つけて
これも旅の思い出、と鹿肉の鉄板焼きを注文した。
オンネトー
今やオンネトーは「知るひとぞ知る」といったところだ。
ガイドブックにもれなく載っているばかりか
ツアーのメインに組まれるほどに出世した。
晴れているときのオンネトーは
湖面が青緑色(エメラルドグリーン)に染まってきれいだ。
(オンネトー:紅葉も見事)
夏の観光シーズンになると
観光バスも出入りして、たいへんな賑わいになる。
団体さんを避けたいなら早朝か夕方に行くのがいいが
私は早朝をお勧めする。
ここで運が悪かったら出会うのが、おじさんカメラマン集団だ。
オンネトーは、朝日に映える雌阿寒岳と阿寒富士をとらえる
絶好の撮影スポットにもなっている。
彼らの中には湖水の中にまで入って
三脚を構えている方もおられて
騒々しくはないものの
我がもの顔ぶりは団体客を凌ぐものがある。
しかも彼らはシャッターチャンスが来るまでは
待つことを厭わないので、さらに厄介だ。
旅の記念にぜひ写真を撮っておきたい場所である。
カメラマンたちに負けないよう
何とかベストショットを狙いたいものが、
彼らのカメラよりも前に出ることは避けたい。
ライフルの前に身を投げ出すようなものだから・・・。
(湖の中には入らないように)
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1995年
早朝だれもいないオンネトーをひとしきり堪能したあと
駐車場から展望台へ登ってみた。
そして帰りの道を見失い、1時間ほど山の中を徘徊した。
後から登ってきた親子を発見して事なきを得たが
今思えば道東の山の中にひとりで入るとは
なんと危険なことをしたかと震え上がる。
しかも早朝に熊鈴も付けずに。

