こんにちは、語源大好き「交野一人百首」の水守勤三です。今日は、特別版として、
私が一番好きな接頭辞と、語源を活用する上で武器となる知識である同化を取り上げます。
あまり英単語が登場しない一風変わったブログになります。でもでも、とても役に立つブログです。長編です。日を分けてお読み頂くこともできます。ぜひぜひ、お付き合いください。
前回のブログ「目を向けて 状況見てから advise」で、advise の分解を次のようにご紹介しました。
advise = ad- + vise = …へ(to …) + 見る(to see, look)
接頭辞の ad- は、go to school に登場する前置詞の to で、「…へ」と方向を示します。
前回は、語幹に目を向けたのですが、今回は、
① 接頭辞 ad-
② 同化
に焦点を当てます。
どちらも、私が愛してやまない知識です。お付き合いください。
接頭辞 ad- = 前置詞の to
これほど登場回数が多くて、
これほど意味が分かりやすくて、
これほど役に立つのに、
知る人がほとんどいない接頭辞
これが、私が接頭辞 ad- に持つイメージです。
登場回数
re-, in-, com-, … 等々、登場回数の多い接頭辞はたくさんありますが、これらに負けず劣らず活躍しているのが接頭辞 ad- です。
意味が明確
接頭辞は多くの場合、複数の意味を持ちます。しかし、接頭辞 ad- は、go to school に登場する前置詞の to のイメージ、つまり「…へ」の意味さえ押さえれば完結する、意味がとても明確な接頭辞です。
思い切り訳に立つ
接頭辞 ad- を知ったことによって、意味を記憶することが非常に簡単になった単語がいくつもあります。また、文字を通しての意味だけでなく、イメージのある意味を獲得しました。同じことがみなさんにも起こると確信します。
徹底的に低い知名度
「re-という接頭辞はどんな感じでしょうか」
よくセミナーの始めの方で受講生の方々にお伺いをします。そうすると、手をくるくると回してくださる方が、毎回のようにおられます。
その一方で、接頭辞 ad- は、まず、接頭辞として認識さえもされていない、のが実情です。
これは大きな損失です。
接頭辞 ad- を持つ単語にチャレンジ!
では、adviseのように、ad- で始まる単語を上げてみましょう。目標は、品詞変化なしで20語!
サンプルは〔編集後記〕に上げますので、ご自分の挑戦が終わられた後で、ご参照ください。
如何でしたか。品詞の変化をさせずに、代表的な品詞のみで、20語以上言えたならかなりの上級者の方ではないでしょうか。
「少ないじゃないか…」ここから接頭辞ad- の不運が始まります。次に進みましょう。
a- で始まり、後ろに同じ綴りが続く単語にチャレンジ!
では次に、assistのように、先頭がa- で、その後に、同じ綴りが続く語に挑戦してみましょう。
ここでも品詞変化ができる語でも、代表をひとつ出すというルールで行ってみましょう。
例:assist, assistance, assistantでもassist一語で
チャレンジして頂いた後で、〔編集後記〕のリストをご覧ください。
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如何でしたか。チャレンジ後に〔編集後記〕に上げたリストを見られて、意外と少ないではないか、と思われたことと思います。
理由は、意図的に少ない目にご紹介したからです。リストには、3級・準2級・2級の3つの級から拾い出したものを挙げました。
準1級と1級の単語帳は材料として使用しませんでした。単語のレベルが上がると、接頭辞 ad- が登場する頻度は高くなり、もしリストにすると非常に長いものになってしまいます。
接頭辞 ad- 悲劇の原因 = 同化
前置詞 to の意味の接頭辞 ad- が英語学習者の間で、ほとんど認知されない理由は、ad- という形で出るよりも、assist, attack, accept のように、語幹(sist, tack, cept)の先頭の音に合わせて as-, at, ac- のように形を変えて登場している方がはるかに多いからです。
ad- + sist ⇒ assist
ad- + tack ⇒ attack
ad- + cept ⇒ accept
この時の ad- のように、語幹の影響で音が変わり、それを表すスペルが変わる現象を同化(assimilation)と呼びます。ad- の時だけでなく、
different = dis- + ferent
irregular = in- + regular
collect = com- + lect
success = sub- + cess
oppose = ob- + pose
assimilation = ad- + similation
などでも起こっています。
同化に気付けるようになると、語源が見えやすくなってきます。是非、慣れていきましょう。
では、お話を今日のテーマ 接頭辞 ad- に戻して、もう少しだけお話しさせてください。
接頭辞 ad- の同化の変則版
同化の単語は、「a-で始まり、その後ろに同じ綴りが2回続く」という条件で3級・準2級・2級から拾い出しました。
ところが、これら以外にも、同化ではあるが同じ綴りが2回続かない単語が3つ出ていました。
acquire, acknowledge の2語です。
acquire = ad- + quire
acknowledge = ad- + knowledge
となります。
元の語幹の音と綴りを守りながら、ad- に変化してもらった、という形です。これに類するものもたくさんあります。「これもかな?」と思った時には、是非、チェックして、応用できる範囲を広げていってください。
ad- の d- が消える接頭辞 ad-
3級・準2級・2級の単語帳の中に次のような語がありました。
agree, avenue, amount, aspect, achieve, avail
実は、これらの語の先頭の a- も接頭辞 ad- です。
同化ではなく、d- が消えた、現象と言えます。
接頭辞の最後の音・綴りが消える現象は、同化と同じく、ad- だけでなく多くの接頭辞で発生します。
怪しい、と思った時は、ぜひぜひチェックをしてみてください。段々、法則性のようなものが見えてきます。
如何でしたでしょうか。
接頭辞 ad- の魅力、同化の妙を感じて頂けましたら、幸いです。
では、またお会いしましょう。
〔編集後記〕
ad- で始まる語の例
英検3級から1級までの単語集を、各級から一冊ずつ用意し、索引をみながらピックアップしました。実際には、複数の品詞で取り上げられて語数は多くなっていますが、ここでは代表的な品詞1回での登場としました。(他のリストも同じ要領で作成しました)
1. advise
2. address
3. adventure
4. add
5. admit
6. adult
7. administer
8. advance
9. advantage
10. adapt
11. addict
12. adjust
13. advertisement
14. advocate
15. adequate
16. adhere
17. adopt
18. admire
19. admonish
20. adore
21. adept
22. adjacent
advanceとadvantage の先頭のad-は、見かけのad- で、接頭辞のad- ではありません。逆に言うと、他はすべて接頭辞 ad- の ad- です。
a- で始まり、後ろに同じ綴りが続く単語
1. accident
2. arrive
3. access
4. announce
5. arrange
6. assist
7. attack
8. accept
9. appeal
10. approach
11. assign
12. appear
13. apply
14. attend
15. affect
16. attract
17. allow
18. appoint
19. approve
20. arrest
21. account
22. attain
23. afford
24. appreciate
25. appropriate
26. accompany
27. accomplish
28. accurate
a- で始まっているが同化でない単語
今回しようしました3級・準2級・2級の単語帳の中には、a- で始まっているが、接頭辞ad-の同化でない単語が登場していました。
anniversary, annual, allergy, attitude, abbreviate
anniversary と annual は 先頭のann- で「年」の意味
allergy と attitude は切れ目のない単語
abbreviate は別の接頭辞 ab- に「短い」の意味のbreviate が続いた語
このように a- の後に同じ綴りが連続したからと言って、すべてがad- の同化だという訳ではありませんが、個人的な感覚としては、95%以上は ad- の同化と言っても過言ではないと感じられるレベルではないかと思います。
接頭辞 ad- が前置詞 to だから起こる現象
add A to B
attach A to B
apply A to B
assign A to B
adapt A to B
attribute A to B
のように、接頭辞 ad- で始まる動詞には、後ろにA to Bの形をとる語が多くいます。これも語源の味わいではないでしょうか。