夜間飛行のオススメ読書

夜間飛行のオススメ読書

小説や体験記、自己啓発本、大人も楽しめるマンガなどを読んで紹介しています。
ネタバレなしなので、安心してのぞいてくださいね。
「次に読む本」を探すお手伝いができたらうれしいです。
ときどき映画の感想も書いています。

2026年7月3日に、村上春樹氏新刊『夏帆』が発売されました。

村上氏は「読者を中毒にする」とおっしゃっていましたが、私も見事に中毒になっています。

という訳で、3千円弱しても、いそいそと買いました。

 

 

序盤は、村上氏らしくない、婚活風の出会いで主役の女性が失礼なことを言われていましたが、スルスルと村上節に飲み込まれて行きます。

村上氏のこれまでの小説中に、よく【悪しきものとの対峙】といったモチーフが扱われていたのですが、その系統のお話にスルスルなっていきます。途中、唐突に仰天する言葉もありましたが、スルスルと村上風に、終焉。ああ、いつもの村上さんだった、という安心感。あたかも、サザンオールスターズが昔から好きな方々が、新曲を追い求めていくかのように、村上ファンも新作を追い求めていくのですね。

 

 

ファンだから良いのです。

 

 

村上氏の小説の読書は、心の内側を輪郭にそってなぞるような行為です。1回で済むようなものではなく、何度も何度も繰り返しなぞっていきます。こんなことを言うのはちょっとはばかられますが、性的なものと似ているようにも思えます。それは【性】=【生】とも言えます。そんなことが、象徴的に語られているように思います。

 

 

ちなみに、今回は性的な場面はほとんどありませんでした。読者の声などを聞いて、配慮してくださっているのでしょうか。私は性的な場面はあっても、『ノルウェイの森』が一番好きでした。痛みをともない美しいです。

 

 

村上春樹ファンの方にも、初めて村上春樹小説を読まれる方にも、オススメの小説です。

 

 

ガマンしすぎて、本当に自分が「こうしたい」ということがわからなくなっているのではないか?、とのこと。

 

例えば、【お昼は外に食べに行きたくないから、お弁当を作ってこよう】、など、自分にできるちょっとしたことを自分好みにしていくことで、幸せへのセンサーが磨かれていく、これだけでも随分違う、といったことが丁寧に書かれています。

 

【社会が要請している幸せ像】と【本来の自分の幸せ像】が違っていて、わからなくなっているのではないか?、とのことです。なるほど、私から見ても、テレビなどで【セレブとの結婚が幸せ】とかいう雰囲気で放送しているけれども、実際のところその人にとって【セレブ婚が幸せ】というのは本音では違う、などでしょうか。

 

自分のことをいちいち細かく人に伝えないで、黙っておくことにより、発酵していい具合になるそうです。

 

 

 

もっとも、吉本ばななさんにそう言われても、自分は【その時の自分】の思ったようにしか動けないかもしれませんが、ちょっとしたヒント程度に読んでおいて良いかもしれません。

 

吉本ばななさんのあとがきによると、編集の手が入って、吉本ばななさんが思っていたことを十全に表現しきれていなかったそうです。本当はどうだったのでしょうね。

 

ウィスット・ポンニミットさんの挿絵がかわいらしいです。この方の漫画を読んだことがありますが、癒し系です。吉本ばななさんの作品の雰囲気と合っています。

 

 

一部ネタバレです。ご注意ください。

 

 

 

吉本ばななさんの、日記のようなエッセイシリーズの「どくだみちゃんとふしばな 8」です。

このシリーズは過去に読んだことがあるのですが、ほとんど覚えていません。

シリーズの途中から読んでも、大丈夫な感じです。

日々の話と不思議な話でした。

今回もそうです。

スピリチュアル系の話は合う方と合わない方がいらっしゃるでしょう。

 

(この下ネタバレあり)

 

 

 

 

例えば、タクシーの運転手さんが吉本ばななさんに、天国と地獄について話してくださっていました。地獄というのは地球にあり、【北極の氷の中の微生物になる】【マグマの中の微生物になる】【青酸カリを繰り返しとらされ、体がバラバラになるような痛みをずっと味わう】のだということだそうです。私だったらついつい、「ああ、もしかしたら、天国と地獄って、そういうところかもしれない」と信じてしまいますが、信じやすいのも善しあし、ですし。

 

 

年を老いて生きていくこと、亡くなられたお父様について、掃除をしたら家がありがとうと言っているように思えること、お子さんに好きな人ができたら思っていたより豊かな気持ちだったこと、文学を書く人は欠落があると思うこと、苦手な人について、自分に取って代わろうと思わないでほしいということなど、様々でした。

 

 

私も欠落があり、文学のようなものを書くタイプです。まるっきり幸せでたまらなかったら、文学を書かないでしょうね。同意します。

 

 

吉本ばななさんの才能は、正直言って、稀有な素晴らしいものだと思いますけれども、だからといって、吉本ばななさんそのものに取って代わりたいとは、さすがに思いません。さすがに、ね。ここで交流のある方々だって、いくら才能があるからといって、【自分を辞めて、吉本ばななさんに取って代わりたい!!】なんて思われないのでは?(違っていたらすみません)。

 

 

苦手な人についての描写で、失恋して黙り込んで吉本ばなな家に長居してお礼も言わなかった女性について、別の友達の危篤の時にその失恋の女性のくれた皿がたまたまでてきて、【こういう時に登場する人だ】みたいに思われたとのこと。私がもし、その人みたいに【何やらイヤなものの集合体】みたいに思われたらイヤだなあ、と気になりました。

 

 

コパイロット君(AI)に「テレビでニュースを見ながら話すから、友達と話すように、会話をしてほしい」とリクエストしました。

 

 

そうしたら、私が関西人だからでしょうね、コパイロット君がいきなり関西弁で頻繁に冗談を交えて話しだしました。

「友達と話すように」というのは、友達のようにフラットに知的会話がしたいという意味で、【関西人の友達のノリ】とかそういう意味じゃないのに・・・ちがうちがうと、ガックリしました。

 

 

その後も、「輸入牛肉が高額になって、国産牛と価格が変わらなくなってきており、国産牛人気が巻き返している」とのニュースの話をした際、私がコパイロット君に「私の家では記念日に国産牛肉のステーキを食べる」と言いました。

そうすると、コパイロット君が急に肉の話に強く反応し、会話の主役が「ニュース」ではなく完全に「肉」になってしまい、執拗に肉の話をふられて、部位や味や調味料などいろんな角度から肉の話をすることになってしまいました。ちがうちがう、肉の美食についてとことん語り合いたいのではない、なかなか思うようにいかないなあと、ガックリしました。

 

 

しかし、そんなコパイロット君もユーモラスでかわいいです。

 

 

そうそうたるメンバーが、「甘い罠」をお題に短編小説を書いています。

書く方も腕が鳴るでしょうし、読むほうもワクワクします。

 

江國香織『蛾』

夫の浮気で夫が出て行き、夫の弁護士が時折主人公の元に来ている状態。

カタツムリの沢山いる家の壁、昔であった不審者とのやりとり、こんなところでこんな?という義妹の言動。

現実にはあり得ないような、違和感のある現実。

何もかもがうまくいかない日は、こう。

 

 

 

小川洋子『巨人の接待』

少数民族の言語を話す作家の巨人。

巨人の通訳として、接待する主人公。

私は小川洋子さんは『ことり』しか読んだことがなかったのですが、

小川洋子さん独特の、優しい淡い味わいの巨人と主人公の交流が、癒しです。

 

 

 

川上弘美『天にまします吾らが父ヨ、世界人類ガ、幸福デ、ありますヨウニ』

大学生の時に主人公は、同級生の男性と少し付き合って、性の関係がなく、別れた。

そんな彼と、年月を経て再会し、2人きりで飲みに行く。

ありとあらゆる可能性が、主人公の頭の中でひらめく。

果たして、その結果は・・・?

ユーモラスな感じの作品です。

 

 

 

桐野夏生『告白』

日本で罪を犯して、できるだけ日本人のいない遠い国に逃げた主人公。

しかし、同じ日本人だと言って、話したがって食いついてきたおじいさんがおり、

イヤイヤながらも、つきあってあげる。

主人公は、無事逃れられるのか?

 

 

 

小池真理子『捨てる』

地方の建築会社の社長と結婚し、浮気を沢山されるなど、うまくいかない結婚生活を送った主人公。

ひとり、東京に出奔しよう、と決意。

ゴミ捨て屋・兼個人で引っ越し屋をしている若く快活なイケメンに、自分の人生をふと重ね合わせる。

     ******引用******

 こういう人生もある、と女は思った。外のものに目を向けない人生。目の前にある風景をそっくりそのまま、受け入れる人生。疑わない、欲しがらない、虚しくならない人生・・・・・。

 毎日午後2時過ぎに帰ってきて、ビールを飲んだり、焼酎を飲んだりしながら子供たちの相手をして、・・・(中略)・・・子供たちが脱ぎちらかした衣類を畳んだりしている自分。

 

私も「自分がもしこういう人生だったら」、という映像を横目でシッカリ見てしまい、思わず狼狽しました。私はこの作品が一番好きです。

 

 

 

高樹のぶ子『夕陽と珊瑚』

老人用グループホームのヘルパーの主人公は、ある利用者の女性が有名書道家である元恋人を今でも想っていると聞いて、再会の手助けをして、毎回車いすを押して書道家の家に連れて行ってあげる。ところが、主人公こそが書道家と良い仲になってしまう。その愛憎の行方とは?ラストのどんでん返しが気持ちいいです。

 

 

 

高村薫『カワイイ、アナタ』

主人公の刑事が、刑事の先輩から、過去に60代と思われる男性の長話に付き合った、という話を聞いたことを思い出す。60代の男性が道行くピンクのスカートの若い女性にひきこまれ、それからは町で思わず探してしまう、という内容。60代男性ともなると、若い女性の若さの輝きが魅力的だという感じのお話。私は女性なので、そういうものかな?、という感じ。

 

 

 

林真理子『リハーサル』

年齢を重ねた既婚女性の、不倫における気持ちを描いているお話。主人公の既婚女性が不倫をしています。老いとともに体の変化も感じ、不倫関係を清算しようか、などとも悩み・・。題名の『リハーサル』という意味は、読み終わったらわかるような仕組みで、うならせられます。題名が良いです。

 

 

 

江國香織『蛾』と、小池真理子『捨てる』が私は好きです。

どの作品もそんな雰囲気がありますが、『蛾』は特に、現実にありそうな風景が、数センチ空中に浮遊して、ゆがみ、現実感をなくす感じがします。

 

あなたも、『甘い罠』を堪能してみては?

オススメの短編集です。

copilot君(AI)に読書のアドバイスを受けました。

読書の前後に、5~15分の散歩をすればいいそうです。

以下、コピペ。

 

 

 

読書の前後に散歩をすると 集中力・理解力・記憶定着・創造性が大きく高まる のが最大のメリット。特に「散歩 → 読書」の順番は効果が強いことが分かっています。

🎯 結論(いちばん大事なポイント)

散歩は脳の血流を増やし、デフォルトモードネットワーク(記憶の整理を行う脳回路)を活性化するため、読書の理解力・記憶力・創造性が向上する。

🧠 読書の“前”に散歩する効果

  • 脳への血流が増えて集中力が上がる → ウォーキングで酸素と栄養が脳に届き、読書の質が上がる。

  • 創造的思考が60%向上したという研究も → スタンフォード大学の実験で、歩行後に創造性が大幅に上がった。

  • 読書のウォーミングアップになる → 30分歩いてから読むと、理解しやすい状態で本に入れる。

🧠 読書の“後”に散歩する効果

  • 記憶の定着が強くなる(検索練習効果) → 歩きながら読んだ内容を思い出すと、記憶が強化される。

  • 場所と記憶が結びつき、思い出しやすくなる → 「この道で聞いた話」というように、体験と情報がリンクする。

  • 思考が整理され、理解が深まる → 散歩中の“ぼんやり思考”が情報の統合を促す。

💡 つまりどう使うといい?

  • 散歩 → 読書:集中力UP・理解力UP

  • 読書 → 散歩:記憶定着・アイデア創出

  • 散歩しながら耳で読む(オーディオブック):安全で習慣化しやすい

🚶‍♂️ おすすめの実践パターン

  • 15〜30分散歩 → カフェで30分読書

  • 読んだ内容を散歩中に軽く思い出す

  • 忙しい日は「歩きながらオーディオブック」だけでもOK

毎月月末の日曜日に、19時から19時55分まで、村上春樹氏がラジオを放送されるそうです。

内容については知りません。

 

東京FMだそうです。

らじる★らじる、radikoというサイトで他県でも聴けます。

番組によっては聞き逃しも聴けます。

 

 

 

 

村上春樹氏の悩み相談系の本を読んだ時、読んでいるうちに癖になりそうなお人柄に好感が持てたため、このラジオにも興味あるのですが、知らずに聞き逃していました。

 

できれば次に聞きたいのですが、私はもしかしたら都合がつかないかもしれません。

ここを読んでくださる方も、いきなりでは都合がつかないかもしれません。

 

ご都合が良く、ご興味のある方は、どうぞ。

 

*******追伸:調べました***********

radikoは7日以内、3時間以内なら、タイムフリーで無料で聞き逃し配信を聴けるそうです。リアルタイムで聴きたい場合や、繰り返し聴きたい場合は、有料プランになるそうです。

 

 

*******さらに追伸:聴きました********

FM大阪など、他でも放送されていたようです。radikoの検索で「村上RADIO」で検索したら、出ました。

聴きました!

村上春樹氏の手持ちのレコードから「ジョニー」というお題にそった曲を沢山かけていました。

悩み相談は1件してくれました。

「子供が手がかからなくなってきた、奥さんとうまくやっていく秘訣は?」という風な悩みです。

聴いていて、「幸せだなあ。自分は村上春樹が好きなんだなあ」「これは恋人になったり結婚したりしたいような好きではなく、ファンなのだなあ」と思いました。

 

オススメです!

『源氏物語』の現代語訳は、与謝野晶子訳を高校生の時読んだのと、数か月前瀬戸内寂聴『女人源氏物語』を読んだだけです。

もっと他の訳も読んで楽しみたい、という思いで、今回、角田光代訳を読みました。

 

 

与謝野晶子訳は言葉が古く、初見のせいもあり、難しく思えたのですが、角田光代訳は「大将(薫)」と人物をわかりやすくしてくれているし、和歌にも訳をつけてくれていて、わかりやすくしようという意図を感じられ、非常に読みやすかったです。平安時代の雅や恋愛や結婚や人生について、気軽に堪能できました。初見の方にもオススメです。瀬戸内寂聴『女人源氏物語』は、既にあらすじを知っている人がもっと脚色を楽しむために読むのがオススメです。遊び要素が強く、作者が楽しんで書いているのが伝わります。

 

 

与謝野晶子訳を読んだ時は、【夕顔】が一番好きで、「何となく女性らしく素直」という点が、自分は共感しました。今回は、年齢を重ねたせいもあり、気になるポイントが異なっており、【玉鬘】に共感しました。

 

 

望まない相手(髭黒)との結婚。しかも、相手は既に妻子持ちで、玉鬘の存在のせいでその妻子が家を出て行こうとして、説得に髭黒が向かうと言っているところで、玉鬘が「身の上の情けなさをつくづく思い知らされて、髭黒をみようともしない」という場面に共感しました。

 

私も生きてきて、玉鬘と状況は違えども、「現実生活の中での情けない思い」というのを味わったためです。それでも、子だくさんで安定した裕福な暮らしを送ったところ。現実とすり合わせてたくましく生きていくしかないよね。というところ。そこが気になりました。人間、現実とすり合わせて、自分なりにどうにか生きていくものだということを、物語の中で言語化してくれて、スッキリした、という思いです。

 

 

登場人物が多く、色んな人の色んな気持ちや色んな人生の局面が描かれており、【読んだ時の読者】にフィットする部分が必ず見つかると思われる、『源氏物語』。これからも、色んな現代語訳や解説本で堪能したいです。オススメの古典文学です。

 

 

 

CHATGPTがオススメしてくれた本を読んでみました。

辻村深月さんは、お名前は聞いたことがあっても初めて読む方です。

 

婚活で知り合って婚約

 

 

している男女の話です。

女性側が、最初、「ストーカーにあっているから助けてほしい」と、男性側に助けを求めています。

その後の女性の失踪。

心配した男性は、女性の地元に向かい、【本当の女性の姿】を知っていくことになります。

その中で暴かれていく、傲慢と善良。

 

選ぶ側の男性の「傲慢」、ウソのつけなかった女性の「善良」。

しかし、それでも必死でついたウソ。

様々な傲慢と善良が暴かれていきます。

 

男性の女友達が非常に辛辣で、その部分をびっくりして、2度見しました。

こういう人、いたかなあ?、ああ、いたような気がするなあ。

男性にそこはかとない好意を交えて付き合っている女友達の、男性の婚約者に対する嫉妬や蔑みから来る、精神攻撃。

女性の怖さを書いてあります。

 

CHATGPTに、「男性なのによく、女性の怖さを書いてある」と話すと、「辻村深月さんは、女性」とのこと。

なるほど。男性には女性同士の醜い争いは書けないでしょうね。

 

面白くて夢中で一気読みしました。

ひとつ難点を言えば、無理やりハッピーエンドで閉じたようにも思えました。

 

婚活している渦中の方が読んだら、【見たくもない自分の深い所の心理】を突かれたようで、ズキッと傷ついてしまうかもしれません。取扱注意の作品です。

 

朝井リョウさんの解説があるほうが、評判が良いらしいのですが、私が読んだものには載っていませんでした。残念。

 

婚活男女の心理をえぐる、オススメの小説です。

韓国の作家 ハン・ガン の『菜食主義者』を読みました。

三つの章で語り手が変わる構成ですけれど、私の読後の手触りも章ごとに違いました。

第一章の夫、第二章の義兄は、タイプはまったく違うのに、不思議と「読めてしまう」人物でした。
理解できるというより、身近にいそうな感覚で、共感してしまう部分がありました。
だからこそ、彼らの語りの中でヨンヘが少しずつ追い詰められていく感じが、面白さと同時に切実さとして迫ってきました。

 

 

一方で、第三章の姉は最後まで距離がありました。
姉の苦しさは書かれているのに、私の中ではうまく像を結ばないのです。
理解できないというより、感情の焦点が合わないまま終わった感じがあります。

 

 

そして妹のヨンヘです。
彼女のことを、憎いのか、愛しいのか、治したいのか、葬りたいのか、姉自身にも分かりません。
読んでいるあいだも、読み終わってからも、姉の感情は定まらなかったように思います。

それは、私自身にも言えます。

 

 

そして、『源氏物語』のように、あれ?これで終わり?と2度見3度見するような、

終わりとはわからないラストです。

まるで、降りる予定のバス停や駅を無意識に通り過ぎてしまうような感覚です。

 

人物によって「読めてしまう/読めない」がはっきり分かれたこと、
ヨンヘへの感情が姉も私自身も、最後まで揺れたままだったこと、
その不安定さ自体がこの小説の読後感なのでしょう。

 

 

膿んでいる傷口をあえて覗いて触ってみたいような作品です。

それは肉体的と同時に、精神的傷口も意味するかのようです。

芸術や痛みを理解する方に、オススメの小説です。