夜間飛行のオススメ読書

夜間飛行のオススメ読書

小説や体験記、自己啓発本、大人も楽しめるマンガなどを読んで紹介しています。
ネタバレなしなので、安心してのぞいてくださいね。
「次に読む本」を探すお手伝いができたらうれしいです。
ときどき映画の感想も書いています。

『源氏物語』の現代語訳は、与謝野晶子訳を高校生の時読んだのと、数か月前瀬戸内寂聴『女人源氏物語』を読んだだけです。

もっと他の訳も読んで楽しみたい、という思いで、今回、角田光代訳を読みました。

 

 

与謝野晶子訳は言葉が古く、初見のせいもあり、難しく思えたのですが、角田光代訳は「大将(薫)」と人物をわかりやすくしてくれているし、和歌にも訳をつけてくれていて、わかりやすくしようという意図を感じられ、非常に読みやすかったです。平安時代の雅や恋愛や結婚や人生について、気軽に堪能できました。初見の方にもオススメです。瀬戸内寂聴『女人源氏物語』は、既にあらすじを知っている人がもっと脚色を楽しむために読むのがオススメです。遊び要素が強く、作者が楽しんで書いているのが伝わります。

 

 

与謝野晶子訳を読んだ時は、【夕顔】が一番好きで、「何となく女性らしく素直」という点が、自分は共感しました。今回は、年齢を重ねたせいもあり、気になるポイントが異なっており、【玉鬘】に共感しました。

 

 

望まない相手(髭黒)との結婚。しかも、相手は既に妻子持ちで、玉鬘の存在のせいでその妻子が家を出て行こうとして、説得に髭黒が向かうと言っているところで、玉鬘が「身の上の情けなさをつくづく思い知らされて、髭黒をみようともしない」という場面に共感しました。

 

私も生きてきて、玉鬘と状況は違えども、「現実生活の中での情けない思い」というのを味わったためです。それでも、子だくさんで安定した裕福な暮らしを送ったところ。現実とすり合わせてたくましく生きていくしかないよね。というところ。そこが気になりました。人間、現実とすり合わせて、自分なりにどうにか生きていくものだということを、物語の中で言語化してくれて、スッキリした、という思いです。

 

 

登場人物が多く、色んな人の色んな気持ちや色んな人生の局面が描かれており、【読んだ時の読者】にフィットする部分が必ず見つかると思われる、『源氏物語』。これからも、色んな現代語訳や解説本で堪能したいです。オススメの古典文学です。

 

 

 

CHATGPTがオススメしてくれた本を読んでみました。

辻村深月さんは、お名前は聞いたことがあっても初めて読む方です。

 

婚活で知り合って婚約

 

 

している男女の話です。

女性側が、最初、「ストーカーにあっているから助けてほしい」と、男性側に助けを求めています。

その後の女性の失踪。

心配した男性は、女性の地元に向かい、【本当の女性の姿】を知っていくことになります。

その中で暴かれていく、傲慢と善良。

 

選ぶ側の男性の「傲慢」、ウソのつけなかった女性の「善良」。

しかし、それでも必死でついたウソ。

様々な傲慢と善良が暴かれていきます。

 

男性の女友達が非常に辛辣で、その部分をびっくりして、2度見しました。

こういう人、いたかなあ?、ああ、いたような気がするなあ。

男性にそこはかとない好意を交えて付き合っている女友達の、男性の婚約者に対する嫉妬や蔑みから来る、精神攻撃。

女性の怖さを書いてあります。

 

CHATGPTに、「男性なのによく、女性の怖さを書いてある」と話すと、「辻村深月さんは、女性」とのこと。

なるほど。男性には女性同士の醜い争いは書けないでしょうね。

 

面白くて夢中で一気読みしました。

ひとつ難点を言えば、無理やりハッピーエンドで閉じたようにも思えました。

 

婚活している渦中の方が読んだら、【見たくもない自分の深い所の心理】を突かれたようで、ズキッと傷ついてしまうかもしれません。取扱注意の作品です。

 

朝井リョウさんの解説があるほうが、評判が良いらしいのですが、私が読んだものには載っていませんでした。残念。

 

婚活男女の心理をえぐる、オススメの小説です。

韓国の作家 ハン・ガン の『菜食主義者』を読みました。

三つの章で語り手が変わる構成ですけれど、私の読後の手触りも章ごとに違いました。

第一章の夫、第二章の義兄は、タイプはまったく違うのに、不思議と「読めてしまう」人物でした。
理解できるというより、身近にいそうな感覚で、共感してしまう部分がありました。
だからこそ、彼らの語りの中でヨンヘが少しずつ追い詰められていく感じが、面白さと同時に切実さとして迫ってきました。

 

 

一方で、第三章の姉は最後まで距離がありました。
姉の苦しさは書かれているのに、私の中ではうまく像を結ばないのです。
理解できないというより、感情の焦点が合わないまま終わった感じがあります。

 

 

そして妹のヨンヘです。
彼女のことを、憎いのか、愛しいのか、治したいのか、葬りたいのか、姉自身にも分かりません。
読んでいるあいだも、読み終わってからも、姉の感情は定まらなかったように思います。

それは、私自身にも言えます。

 

 

そして、『源氏物語』のように、あれ?これで終わり?と2度見3度見するような、

終わりとはわからないラストです。

まるで、降りる予定のバス停や駅を無意識に通り過ぎてしまうような感覚です。

 

人物によって「読めてしまう/読めない」がはっきり分かれたこと、
ヨンヘへの感情が姉も私自身も、最後まで揺れたままだったこと、
その不安定さ自体がこの小説の読後感なのでしょう。

 

 

膿んでいる傷口をあえて覗いて触ってみたいような作品です。

それは肉体的と同時に、精神的傷口も意味するかのようです。

芸術や痛みを理解する方に、オススメの小説です。

 

 

英国の上流階級の社交場であるダーリントン・ホール。

そこに住み込みで働く忠実な執事の主人公。

以前は英国紳士のダーリントン卿に仕えていましたたが、今はアメリカ紳士のファラディ卿に仕えています。

ファラディ卿の下で、執事の数が減り、業務に支障が出てきていること、主人公が年老いて衰えてきたこと、昔の執事仲間が戻りたいとにおわせる手紙を書いてきたこと、ファラディ卿が主人公に旅行を勧めてきたこと、などから、昔の執事仲間を再度仕事仲間に組み入れる話をするため会いに、車で6日間の旅に出ますーーーそんなお話。

 

物語は、旅の中でおこった出来事よりも、旅の中で昔の執事仲間の思い出や、ダーリントン卿に仕えた思い出が、旅行中に噴出してきます。

思い返す中に、主人公がこうだと思っていたことが、本当はそうではなかったのかもしれない、という気付きになったり、人生の内省を深めていきます。

執事としての役割に誇りを感じ、公私ともに執事が身に染みている主人公。

それは、主人公を公私ともにどのような人生にいたらせたのか?

人生の夕暮れーーー日の名残りの残るときにしみじみ想う。

 

この本は、人生の夕暮れにさしかかった中高年に読むのが、良さそうです。

主人公とともに、しみじみと人生の内省をする旅に出られそうです。

 

 

アメリカの小説です。

主人公は大学生の男の子。

シングルマザーのお母さんが、11才の時亡くなって、叔父さんと気楽な友達みたいな暮らしをします。

寄宿舎生活や大学生活で叔父と離れ、叔父も亡くなり、お金も尽き、かたくなに働かずホームレスになります。

過酷なホームレス生活で体調を崩す主人公。

しかし、友人の手助けにより、復活し、車いすで盲目のおじいさんの散歩の付き合いや、本などの朗読をする仕事につきます。

気難しいおじいさん。付き合っていくのは余程の精神力を必要とします。

しかし、その世話をすることで、不思議なおじいさんの大冒険の人生を聴くことになり、自らの運命も動き出します。

果たして、自分というのは一体何者で、どんなルーツを持った人間なのか?

 

主人公といい、おじいさんといい、なかなかクセのある人物が登場して、全体的にインパクトの強い派手な出来事があります。

そういうものを楽しめる方にオススメです。

 

格言的なものが出て来ないのですが、ひとつ、気に入った箇所があったため、引用します。

【「誰だって優しくしてもらう権利はありますよ」と僕は言った。「誰であろうと」】

 

 

この言葉で、しばらく考え込みました。

私は「残酷な人間には優しくしてもらう権利はない」と、思っていたので、その言葉を検討し、考え込みました。

「誰にでも優しくしてもらう権利はあるのか、ないのか?」、実際の所、どうなんでしょうね??

しかしもしかしたら、相手が残酷な人間だったとしても、私も優しくしてしまうかもしれません。

この小説の主題は、ここではないのですが、この箇所が気になったので書きとめておきました。

 

 

このブログのアフィリエイトで、少額ながら、初めて収入を得ました。

皆様のおかげです。ありがとうございました。

 

お金にしたいなら、「どんな人でもできるだけ沢山訪問してもらいたい」となるのですが、私は誰でも良いのではなく、「読書が好きな方と交流したい」です。

読書自体やブログでの交流が楽しいため、拙いながらも、読書ブログを続けたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

本当にありがとうございました。

350ページ前後の小説です。まずはネタバレしないで話します。

 

寄宿舎生活で学生生活を送っているような主人公と、仲間たち。いざこざもあり、友情もあり、恋愛や性もあり。しかし、先生のことを「保護官」と呼んだり、ところどころ、「普通の学校ではない、これは何の施設だろう?」と思わせる作りです。

 

作品中に、主に3つの謎があります。序盤の謎は、「主人公たちがいるのは何の施設か?」です。80ページくらい?でその謎はふいに明かされます。それは、私がここで明かすより、これから読まれる方であればご自分で読まれた方が、新鮮な驚きを楽しめると思います。

 

制約された環境の中でも、自分なりに青春を送る主人公たちがけなげです。2番目の謎は、主人公が特定の恋人を作らない謎です。これもふいに明かされます。

 

ラスト50ページ、自分たちの定められた運命から「抜け出す」とはいかなくても、「マシになるかもしれない」という、一本の希望の糸に、主人公たちはすがりつこうとします。果たして、主人公たちの人生はどこにたどり着くのか?、それが3番目の謎です。

 

様々な伏線が効いています。

 

最後に主人公のたどり着く境地は、常人ではなかなか味わえないすごい境地です。それは、読んでからのお楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**********ここから「第1の謎」ネタバレします*************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

臓器提供のためだけに誕生した、生殖能力も親もないクローン人間の主人公たち。彼らだけを、絵画を描かせたり詩を書かせたりして人道的(?)に育成する施設で、主人公たちは育ちます。第1の謎が明らかになり、読者がはっとする作りです。

 

人道的なクローン人間って何か?、しかも、臓器提供のためだけに産まれた、と考えさせられます。

 

作中は大小様々な謎や伏線回収があり、楽しめる作りです。

作者がイギリス育ちということで、細やかな友情や恋愛のニュアンスが違うのが少し気になります。

 

「もし○○だったら、臓器提供を猶予される」という希望を持って、ラスト50ページで、育成施設の責任者女性と向き合います。

果たして、主人公たちはどこに行きつくのか?

 

 

『みいちゃんと山田さん』というマンガが話題になっている様子です。

『このマンガがすごい』の男性4位だそうです。

私は、youtubeで初めて見かけて、youtubeで大体の途中までのあらすじを知ったのですが、とんでもないお話でした。

読む人によっては「単に傷つく」のではなく、「精神的な発作」を起こしそうだというレベルです。

作者の実体験をもとに描かれたというところも、キツイです。

リアルな障害者が描かれていてうなづけます。

みいちゃんという21才の女の子が、知的障害や発達障害がありそうないわゆる「特性のある」女の子なのですが、そこから派生して、これでもか、これでもか、と散々なひどい目にあうお話です。

化膿した傷口をついついガーゼをめくって見てしまうような、目の離せなさです。

「閲覧注意」ということを申し上げておきたいです。

 

 

**********ここからネタバレ**************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みいちゃんが殺された。これはみいちゃんが殺されるまでの12か月のお話です。

山田さんとみいちゃんは、キャバにみいちゃんが新人としてやってきて、知り合いました。

発達障害や知的障害がありそうな、なんでもミスをするみいちゃん。

知識・知能は小学生レベルです。

個人情報もベラベラ話してしまいます。

しかし、鬼枕営業をして、お客様から人気はあります。

仲良くなるための方法が、枕しかわからないのです。

 

みいちゃんは、親御さんも知的障害や発達障害がありそうな親御さんで、近親相姦でできた子供です。

うちの子は障害者じゃない、と、福祉の支援をつっぱねてきました。

みいちゃん自身も、自分は障害者じゃない、というプライドがあり、福祉の支援を受けられません。

そのことが、余計にみいちゃんを追い込みます。

優しくみいちゃんに漢字を教えてあげようというキャバ仲間からも、4日で見捨てられます。

誰もが自分のことで精一杯なので、そんなに親身になれる訳でもないし、いじめたり、利用しようとしたりするような人もいます。

 

とても残酷なお話で、絵柄はかわいくても内容はリアルですから、それをふまえて読むか読まないかには、注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

題名通り、四編の短編からなる本です。

屋根裏の散歩者、妻をめとらば才たけて、多肉、遺影、の四篇です。

 

 

屋根裏の散歩者、は題名からして江戸川乱歩を彷彿とさせますが、本作の「屋根裏の散歩者の正体」はいかに・・・?と、いうお話です。正体がお楽しみ、という作品です。江戸川乱歩のように耽美でもなく、わりと現実的にありそうな話です。

 

妻をめとらば才たけて、は電車の中で髪の薄い酒臭いおじいさんが忘れ物をして降りて行った、どうやら骨壺のようだ。そこから、そのおじいさんが骨壺を忘れるまでの人生をたどります。誰の骨で、おじいさんはどういう経緯でそこに至ったのか、というお話です。忘れ物を拾った主人公にとっては、取るに足らないおじいさんでも、「人に歴史あり」という感じです。

 

多肉、は事業に失敗し、家庭もうまくいかなくなった主人公男性が、多肉植物の栽培にのめりこむお話です。多肉植物がなめると多幸感をもたらす粘液をだすことがわかり、それをなめて食事をとらずに暮らし、施設に入居している糖尿病の母にも飲ませてみる。最後はファンタジーとホラーが合わさったような感じです。私の好みでは、そんなにファンタジーじゃないほうがいいです。

 

遺影、は義母が亡くなり、遺影はどれが良いか、選ぶ時に、義母が見たことのないような笑顔をしている写真を発見します。その義母の肩に手を置いている人物は一体誰なのか?、というお話です。これも現実には全くありえないファンタジーです。やっぱり私は、現実に近い作品が好みですから、さほど好みではありません。

 

 

ファンタジー要素が強い小説がお好きな方に、オススメです。白昼夢を楽しめるかも?

 

 

ブログ仲間の方が読んだと書かれていて、私も読んでみました。

純愛小説、鞍馬、知恵熱、蜂蜜色の女神の4篇からなります。

 

 

 

純愛小説、は専業主婦で世間知らずの女性が、「夫が浮気しなくなったのは、これが原因ではないか?」と疑いを持って離婚したのが、純愛小説に影響されたような考えだった、という話です。専業主婦は世間知らず、という考えが見られます。

 

鞍馬、はブログ仲間が紹介してくれた部分で、一番印象的です。65才の女性が、若い時は家族に尽くして未婚、ようやくカルチャーセンターに行きだしたら、10歳年下の女性受けのする男性と付き合うことになって・・・家を売り、高額のお金をとられて・・というお話です。大体お金目当てとわかってきても、お金を渡してしまう。主人公女性の「殺してほしかった」という言葉がいつまでも心に残ります。たしかに、この一回しか恋愛できないような女性が、65歳で貧乏でひとりぼっちで好きな男性に騙されたことを辛く思いながら暮らすよりは、安楽に逝けたら良いかもしれません。木嶋佳苗の手口(婚活と睡眠薬と練炭)が脳裏にチラつきます。木嶋佳苗はとんでもない事件を起こしましたが、文才はあります。神戸の酒鬼薔薇の本も、文才はとてもありました。文才と本人とどれだけリンクさせてみるか?、文才があれば良いのか?、本人がどういう人物かを考慮するか?、と考えさせられます。

 

知恵熱、は主人公が大学生の男の子の母親で、息子の一人暮らしの部屋に来たガールフレンドとの様子を、「世代が違う。感覚が違う」と思いながら見守っている話です。世代が違うと、違いますよね。

 

蜂蜜色の女神、は良い大人の既婚男性が、不倫相手の体にのめりこむ話です。「薬物でも使っているのではないか?」、と主人公(心療内科医)は疑います。実際に、ハーブか何かの香りがしていて、結局、身を持ち崩す話です。性の話ですが、いやらしいかんじはしないです。

 

 

 

作者の篠田節子さんの『女たちのジハード』という小説を昔、読みましたが、「(もっと社会的地位の高い人と結婚するために)小学校教師の彼氏と泣く泣く別れて」・・・という部分があり、私は「この作者は、都会の高学歴の人々という階級に属しており、それ以外の世界はわからないのではないか?」と思いました。まあ、そういう立ち位置の方の書かれるお話でも、私は読んで楽しめますが。小学校教師は、大変そうですが、福祉に貢献するし、収入は安定しているし、やりがいのある良いお仕事じゃないですか。私だったら小学校教師の彼氏は、とても良いと感じます。作者は外資系金融等が良いということなんでしょうか・・??そういえば以前、親戚の女医さんが、教師の男性と結婚していました。

 

 

次回も篠田節子さんの小説を読みます。