夜間飛行のオススメ読書

夜間飛行のオススメ読書

小説や体験記や自己啓発本や、大人も楽しめるマンガなどを読み、紹介しています。ネタバレなし!です。本を選ぶ時の参考になれば、と思っています。たまに映画も観ます。

40才すぎ、独身、友達なし、彼女なし、非正規社員、地味で軽んじられることもある、主人公の「フジイ」。

そんな中でも、自分は等身大の自分のままで、淡々とマイペースに何気ない日々に楽しみを見出して、自己完結して生きている「フジイ」。そんな姿に、現代社会に疲れた我々は、忘れかけていたものを思い出してハッとする・・・そのようなお話です。

 

「友達・恋人・配偶者がいなければいけない」「友達が多い人のほうが価値がある」「〇〇でなければ、バカにされるのではないか?と虚勢を張る」「正社員で収入が多い人が偉い」・・・・などなど、そんな雑音に振り回されていては、疲れ果てますね。自分も、フジイのように、自分を卑下するでもなく虚勢を張るでもない、借り物の「自分らしさ」にも惑わされない、平静な心で穏やかに生きていきたいようにも思い、「新しい生き方」、「新しい主人公像」を提案された気分です。

 

特に、「氷河期世代で不遇を味わってきた方」や、「普通にしていて周囲から浮いてしまう方」、には、刺さるものがあるのではないでしょうか。

 

少し思ったのは、「美人で風俗で働いた経験のある同僚の気持ち」を丁寧に作者は描いているため、私には「男性にはそのような背景の美人の繊細な心情を想像しがたい」と想像に難くなく、私は「作者は女性ではないか?」と感じました。「良い作品を生み出してくだされば、女性でも、男性でも、どちらでもかまわない」という思いです。

『ヨーロッパの古城と宮殿の旅』8巻セットDVDを観たら、日本の駅や公園にいる、灰色のハトがいることが気になって、この本を読んでみました。

 

日本の駅や公園にいる灰色のハトは、ドバトと呼ばれているそうです。正式にはカワラバト。

一年中繁殖することができるそうです。

オスはメスを追いかけて歩くのが、求愛らしいです。

見ている分には、少し楽しいです。

ハトは、頭を前に突き出し、頭を固定したまま体を前方に移動させるので、頭をふって歩いているようにみえるそうです。

奈良時代に天皇に白いハトを献上した文献があるそうです。

外来種で、貴族、皇族のペットだったそうです。

 

その他、様々な地域限定の珍しいハトたちの話など。

ハト好きにとっては、ある程度楽しめました。

 

しかし、本心から知りたいのは、ハトの恋、友情、親子関係、生活、そういったものに関心があります。

作者も、頭の中がハトで一杯なのだそうです。

害獣ともされる、ハト。

しかし、私はなんとなく愛嬌があって好きなハト。

 

昔、ハトについて、辞典を拾い読みしたら、興味深い記述がありました。

ハトは1匹1匹ハト同士では見分けがついており、一夫一婦制なのだそうです。

独身の時は竹藪などで雑魚寝し、つがいになると巣を作るそうです。

そういったことの方が、興味があります。

『となりのハト』だけでも、楽しめましたが、私としては作者様にもう一息、ハト生活に踏み込んでほしいものです。

そして気になる存在のハト、にドップリつかりたいものです。

ユーキャンの中古DVDを、送料込みで2800円くらいで購入しました。

家にいながらにして、ヨーロッパ旅行気分。

クラシックを流しながら、ナレーターが解説をしてくれます。

癒し系です。

難点は、ドローンで上から撮影した時に、ブレているところ。

それでも、2800円でこんなに楽しめるなら、お得です。

 

城は、ドイツが一番良かったです。

他には、フランス、オーストリア、イギリス、スペイン、イタリア、北欧、ポルトガルなど。

ドイツは、ライン川を下りながら、城を見ていく感じが、川下り気分。

ノイシュバンシュタイン城を作ったルードヴィヒ2世の運命など、ドラマチックで楽しめました。

 

少し気になったのが、ハト。

「日本の駅や公園にいる、あの灰色のハトが、ヨーロッパにもいるなあ」、ということ。

調べてみたら、そのハトは、ヨーロッパと北アフリカと中央アジアにいるとのこと。

ハトが気になります(好き)。

ハトについて、もっと知りたいです。

『暴風雨』    夜間飛行

 

それは、ひとひらの

 

 

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            踝  /

             ☆  90度

 

 

水滴。

 

 

 

 

 

 

ふりつもるもの。ふりしきるもの。ふりゆくものは、

 

 

ち                ち          ち

 

  る            る               る

 

り           り                  り

 

    ら         ら              ら

            ふ

 ふ              る           ふ

 

る            り               り

 

  り               ら        ら

     ら

 

ひとひらの、花たち☆68度☆75度☆82度☆

 

季節たちが、ふりしきり、

 

刹那のときを、

 

フラッシュ

 

するでしょう。

 

 

花か

 

雨か

 

花か

 

雨か

 

花か

 

雨か

 

 

 

 

 

 

 

(合評会)

先生「詩は縦書きばっかりなんですよ。横書き・・・、横書き・・・。

最初の90度、は88度くらいの方が面白いです。

「花か雨か」の部分は、平凡かな。

藤富保男や萩原恭治郎の詩は視覚的なので、読んだらいいと思います」。

 

A「空白の部分を余韻として、読ませる側に何かのメッセージを読み手にあずけて、読み手に主導権を与えてくれる。

自己主張でもある。けれど、さいはてたひ、さんの短冊映像でぶら下がっているのを紙で見ている感じです。

新鮮です。

「花か雨か」を3回繰り返してボリュームが出てます。どういう意図ですか?」。

 

夜間飛行「顔に花や雨が、激しく吹き付けているイメージです」。

 

B「こういう感じの詩ははじめて読みました。すごく新鮮です。

何と言ったらよいかわからないけれど、詩ってすごく自由だな、〇〇(詩以外の創作)を作って、「意味わからない」と言われ、

休んでいたけれど、自分の心にあるものを表現するってステキやな、と思います。

私はこういうのはじめてです。

余白があることが、すごくこっちの想像を喚起してくれる。

自分には書けません。どういう感じで作っているんですか?」。

 

夜間飛行「直感的にぱっとひらめいて、ぱっと書きます」。

 

B「浮かんでいるものを、わっと出したことかな。

こういうのを読んだら癒された。

「花か雨か」の部分も、視覚的にしたらいいと思います」。

 

C「視覚的効果をねらっているのと、言葉が混じっている。

視覚的効果は成功している。

言葉がいかに平凡にならないようにするかが、力量がいる。

言葉の工夫をもっとしてほしい。

「ひとひらの、花たち☆68度75度☆82度」の部分は面白いが、

「季節たちが、ふりしきり、刹那のときを、フラッシュするでしょう」の部分は、そんなに面白くない。

まだまだ工夫ができる。

「花か雨か」の部分は、視覚的な工夫がもっとできるんじゃないか。

視覚詩は難しいジャンル。

うまくいかないかやってみないとわからない。

読者に届くか、受け取り方も千差万別。

独りよがりにならないように、考えて」。

 

先生「表現をどんどんやっていったら良いですよ」。

 

(終わり)

3年くらい前に、知り合いに軽く「絵本を描いてみたら?」と言われて、何となくノートに色鉛筆で描いてみたら、描けました。

それから、途中で創作が止まったりして、気が向いたときに描いて全部で3作、できました。

 

大人向けで大人がクスクス苦笑いするような作風です。

身近な方だけに見せていて、無反応だったり、クスクス笑ってくれたり、大笑いしてくれたり、です。

 

しかし、絵は雑だし、ひとりで、何となく描いているので、「これで良いのか?」わからなくなります。

絵本教室を検索してみたら、かなりお教室代が高くて、「既にひとりでも描けているのに、もったいないかな?」という気持ちもします。

 

「他の方はどうされているのだろう?他の方も知りたいし、絵本の描き方も調べたことがないし、検索してみようかな?」と、色々疑問がわきます。

 

私の町からは、絵本サークルは隣県にあるようで、丸1日移動とサークルに費やするような距離です。

「体力がない・・・」「他の方がずいぶんお上手そうでついていけるか心配」「他の方が子供向けの方ばかりかもしれないが、私は大人向けのブラックジョークという作風なので、輪を乱すかもしれない」など、ためらいが非常に大きいです。

 

「何を目指して描いていくのか?賞?同人誌?」「印刷会社に依頼して製本などするのか?」「ネットで公開に挑戦するのか?身近な人々の間だけで良いのか?」色々わかりません。

 

気になるのは「文学フリマ」や「note」ですが、あんまり勝手がよくわかっていません。

 

とりあえず、検索、してみます。

 

 

私は村上春樹ファンなので、新作が発売されるたびに、いそいそと購入しているのです。

しかし、村上春樹氏も生身の人間なので、どうしても次の新作まで、数年かかります。

そこで、翻訳本にはあまり目を向けてこなかったことを思い出し、新作と新作の待機時間に、過去の村上春樹翻訳本に手を付けて(読んで)いこうかと、思いつきました。

 

『水底の女』は、アメリカの推理小説です。

序盤で、「妻を探してほしい」と探偵に依頼があり、出向いた別荘(?)で湖に沈む女性の死体が見つかりました。顔は既に判別不能になっています。

彼女は一体何者で、どういう経緯でそうなるにいたったのか?

主人公のマーロウ探偵が、ハードボイルド風に七転八倒しながら事件の真相に肉薄していきます。

『名探偵コナン』などのアニメと違って、依頼主と代金の交渉をしたり、警察と敵対したり、時には自分の身も危険にさらされたり、「あー、そう言われてみれば、現実には、周囲の人間がみんな探偵に協力するってないでしょうね」と思わされました。

一般人に銃の保持が許されているせいかわかりませんが、アメリカの警察のいかついこと・・・。

 

私は推理小説はあまり好みではありません。

アガサ・クリスティーと乙一と東野圭吾を少し読んだ程度です。

比べてみればやっぱり、アガサ・クリスティーや乙一の方が、読後感のうまみや、面白みは強いです。

村上春樹自身のあとがきにも、「『水底の女』をいまひとつ買えない」と書いてあるし、「レイモンド・チャンドラーは全部で7作の長編小説を遺して亡くなったが、この『水底の女』で僕(村上)はその全てを翻訳し終えたことになる」と書いています。どうやら、『水底の女』自体はお気に召さなかったけれども、7作品全て翻訳をコンプリートしたかっただけらしいのです。

 

私も、ものすごく面白かったわけではないです。

昔の推理小説として、「ふつうくらい」面白い、この小説単体でオススメするほどではないけれども、「村上春樹ファンで、小説もエッセイも翻訳本も何でも読んでいって、コンプリートしたい!!」という方にはオススメします。(私自身は、ほぼ「そういう層」です)。

 

村上春樹氏は、「読者を(村上春樹作品の)中毒にさせてしまえばいい」とおっしゃっていたのですが、見事に氏の思惑にハマっていると言えます。楽しませてもらえるのなら、これで良いのです。氏には、今後も、リズムよく数年単位で新作を発表していただいて、それを享受したいものです。(ノーベル賞は特にこだわっていません)。

挿絵が多く、文章が短く、スイスイ短時間で読めます。

現代的なアニメのような作画。

美少年が主人公として登場しますが、「現代的な美少年」で描かれています。

内容も、美少年愛好家が好みそうな、耽美。

苦悩する美少年が初々しく、美しく、ほほえましいです。

お好きな方にはたまらない、好みの分かれる作品です。

 

「乙女の本棚」というシリーズで、同じように若い乙女の好みそうな耽美な文学作品が、現代的なイラストで彩られて出版されているみたいです。初めて知りました。

この作品以外には、『人間椅子』(江戸川乱歩)や、『檸檬』(梶井基次郎)などなど、お好きな方にはたまらないラインナップです。

 

『二人の稚児』は、物心つく前から隔離された男性のみの仏寺で育った2人の美少年が、見たこともない女性について、「女性とは煩悩のもとになるというが、どのようなものか?」と話し合い、ついに年長の美少年が耐えかねて、女性を見るために、おきてを破って抜け出し、そのまま帰ってこない・・・そんな時、年少の美少年のもとに、「年長の美少年からの手紙を持ってきた」という青年が現れ・・・というストーリーです。

 

ラストは「あら?こういう終わり?」と、初見では、刺激に慣れた現代人にとっては、もう2転3転ひねりがあってもよさそうでしたが、よくよく考えれば、「こういう終わりでも、良いでしょう」、とも思えます。

 

少年たちの心の動きが面白く、楽しめました。

美少年好きの女性に特に、オススメです。

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

 

まず、最初に、水音があった。

 

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

 

6:03寝床から抜け出し、ローソンに行く。

    横断歩道を踏み外さないように

    4月の雨の歩幅で歩いて。

 

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

 

12:10寝床から抜け出し、ローソンに行く。

     横断歩道を踏み外さないように

     陽炎の立つような4月の雨にまぎれて。

 

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

 
18:13寝床から抜け出し、ローソンに行く。
     横断歩道を踏み外さないように
     4月の長雨を枕に夢見て。

 

さようなら、今日の一日。

 

愛すべき倦怠の日。

 

愛すべきコンビニ飯が、霧に煙って消えていく。

おやすみなさい。

良い夢を。

おやすみなさい。

良い子で眠れ。

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

 
あれは雨音?
 
あれは波音。
 
茅ケ崎の海辺の音。
 
波の間に間に揺られて眠れ。
 
眠れ。
 
良い子よ、
 
眠れ。
 

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

勉強も運動もそれなりにできるが、いじられキャラで「いじめられながら友達」という学生時代の人間関係だったり、周囲を見下して孤独になったりした作者。大人になってからは、自分なりに生きやすい仕事(WEBなど)や生き方を見つけ出し、自らを「陰キャ」と称し、それをネタに仕事にしている様子。コンプレックスから、抜け出せて、何より。

 

学生時代に単位をとりやすい講義の情報や、就活の情報などの、友達がいなければ得られない情報を、ネットでどのように得られるか?、といったマニュアルを紹介してくれています。逆に、友達に頼らなくてひとりでがんばったことにより、能力が高まったのではないか?、といった、はげましなど。

 

私が良いと思った箇所は、「休みの日には何をしていますか?」という質問をされた時、現実に何もしていなくてゴロゴロしていても、「会話をすることが、会話の目的だ」と看破して、「スキーが好きです」とか「よく旅行に行きます」などの会話につなげやすい回答をする、という箇所。たしかに、そうだな、と思えました。

 

一般的に、就職などでも陽キャが好まれて、陰キャが敬遠されやすいようですが、私は「必ずしも、陽キャが性格が良くて、陰キャが性格が悪いのではない」と思います。ある程度人生経験を積まれた方なら、そう思うのでは?

陽キャ、かつ性格が良い

陽キャ、かつ性格が悪い

陰キャ、かつ性格が良い

陰キャ、かつ性格が悪い

の大きく4つに分けられると経験から感じています。

「陽キャ、かつ性格が良い」と「陰キャ、かつ性格が良い」の方とお近づきになりたいものです。

 

性格が悪い、だけは、どうしたって、ダメですね。

その人に好かれてもダメ、

その人に嫌われてもダメ、

どうしてもダメですね。

生きづらそうで、気の毒にも思えます。

その人のためにも、周りの人のためにも、こじらせないようにしてほしいものです。

 

この本の作者は、あんまり性格は付き合いやすそうではないです。

でも、うまく「そういう自分」でも生きていけるような人だと思います。

そういう知力、かわし方、分析力、生きる力などが備わっていて、陰キャの中でもわりと幸運なのではないでしょうか。

そんな作者が比較的若い方におくる、「孤独な陰キャのマニュアル本」です。

ご興味があれば、読んでみてください。

初めて『平家物語』を読破しました。

ひさしぶりに古典の長編を読破できて、すっきりして気持ちいいです。

古川氏の『平家物語』は、細切れのエピソードが乱立している感じでした。

途中まで集中しにくかったですけれども、平家が滅びていく段になると、あれよあれよと畳みかけるように滅びていき、速かったです。人間、うまくいかない時って、そういうもののように思います。

 

仏教的な無常観が全体を通してあり、「出家した男性の書く物語」という雰囲気がします。

「14才~19才くらいの女の子が、その時の色恋に無常を感じて、出家して一生を終える」という感覚は、現代人にはついてゆけず、私としても「当時の女性からしても現実的ではなく、いわゆる男性側のロマンでは?」と感じられました。

 

ラストで、安徳天皇に先立たれた母上が、出家して貧しく清く暮らしている姿も、「母というものはそうあってほしい、という男性側のロマンでしょうね」と、現代人の私には思えます。

 

戦争シーンの中に女性がいても、この本にはレイプは出てこなかったので、「硬派の男性が書いたので、わざとレイプを書かなかったのでは?命がけで戦う場では、人は異常になっていて、レイプあったでしょうね」という感想を持ちました。

 

内面も良い美少年は、『平家物語』の時代の創作物でも、別格の特別待遇でした。

ハロー効果(見た目が良い人物に対してはその他の特性も良く感じられる、という心理効果)ですかね?

 

単なる「勝ち」よりも、「美学を貫いて負けることにも、意味がある」という世界観です。

 

 

 

NHKの人形劇の『平家物語』を観ていると、古川氏の訳と全然違うので、他の訳者さんの『平家物語』にも、興味がわいてきます。

まずはNHKの人形劇を観終わってから、また気が向いたら違う訳者の『平家物語』に挑戦したいです。