アメリカ支配層の内紛(その1)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801100000/
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アメリカの好戦派が1992年2月、ソ連が消滅した直後に打ち出した世界制覇プランは同国を含む西側の支配層を束ね、ロシアや中国にも大きな影響力を及ぼしていた。
そのプランに基づいてユーゴスラビアなど旧ソ連圏を解体して支配、イラク、シリア、リビアなどの国々を侵略し、破壊と殺戮を繰り広げたわけだが、シリアでバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡体制を築くという目論見に失敗、戦争が長引くにつれて離反する国が増えたうえ、アメリカの支配層内で対立が深刻化したと言えるだろう。
2016年のアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントンを勝たせることが内定したとする噂が流れたのは2015年6月のことだった。
この月の11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。
ビルダーバーグ・グループはオランダの王子だったベルンハルトとポーランド人のユセフ・レッティンゲルによって創設された団体。
レッティンゲルの案にベルンハルトが共鳴したようだ。
レッティンゲルはウラジスラフ・シコルスキー将軍の側近だった人物で、第2次世界大戦の前からヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと活動していた。
1939年9月にドイツ軍がポーランドへ軍事侵攻した当時、ポーランド軍将兵の多くはシコルスキー将軍に忠誠を誓っていた。
そのシコルスキーはイギリスの援助を受け、ロンドンで亡命政府を作っている。
(Christopher Simpson, “The Splendid Blond Beast”, Common Courage Press, 1995)
レッティンゲルとベルンハルトが結びついたのは1952年のこと。
ふたりの活動はドワイト・アイゼンハワーがアメリカ大統領になってから軌道に乗る。
1950年から53年にかけてCIA長官を務めたウォルター・ベデル・スミスはベルンハルトの友人だった。
スミスを介してふたりは心理戦の専門家であり、フォーチュン誌やLIFE誌の発行人でジョン・F・ケネディ大統領暗殺を撮影したフィルムを隠したことでも知られているC・D・ジャクソンと知り合い、ジャクソンの紹介でジョン・S・コールマンという人物と知り合う。
コールマンは後にビルダーバーグ・グループのアメリカにおける責任者になった。
そのほかアメリカ側の中心メンバーはCFR(外交問題評議会)と重なり、ジョン・フォスター・ダレスやヘンリー・キッシンジャーも含まれる。
ビルダーバーグ・グループには上部組織が存在した。
ヨーロッパの統合を目指し、アレン・ダレスなどアメリカのエリートがウィンストン・チャーチルの協力を受けて設立したACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)。
このACUEで委員長を務めたウィリアム・ドノバンは戦時情報機関OSSの長官で、アレン・ダレスの友人。
ふたりはウォール街の弁護士だ。
次期アメリカ大統領はヒラリー・クリントンだという流れに変化が現れたのは2016年2月10日のことだった。
ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。
そして2016年にWikiLeaksはヒラリー・クリントンらの電子メールを公表するのだが、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。
民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。
民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。
彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。
その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。
その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。
この問題ではクリントンによる電子メールの扱い方や削除が問題になった。
彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。
ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。
この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていた。
後者の表現は、罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われるという。
クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。
削除されたメールを含め、NSAは遣り取りされた全ての電子メールを記録しているはずで、FBIがその気になれば入手できるとNSAの不正を内部告発したウィリアム・ビニーは指摘する。
ロシア政府がハッキングしたという主張が事実なら、その証拠をNSAは握っていることも確実だ。
それを出せないと言うことは、証拠がない、つまりハッキング話が嘘だと言うことを示している。
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが民主党全国委員会(DNC)から漏れた電子メールについて電話で語った音声がインターネット上で公開されている。
彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだとしている。
また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。
同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。
この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。
WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。
また、WikiLeaksはハーシュの発言をツイッターで紹介した。
ダナ・ローラバッカー下院議員によると、昨年8月に同議員はロンドンのエクアドル大使館でWikiLeaksのジュリアン・アッサンジと会談、リークされた電子メールの情報源がロシアでないことを示す決定的な情報を提供する容易があると聞かされる。
アッサンジ逮捕を諦めることが条件だったようだ。
この情報をローラバッカー議員はジョン・ケリー大統領首席補佐官に伝えたのだが、この情報はトランプ大統領へは知らされなかった。
「ロシアゲート」の幻影を維持しようとしている人間はトランプ政権の内部にもいる。
アメリカ支配層の内紛(その2)
支配層の間では2015年5月頃、次期大統領をヒラリー・クリントンにすることが内定していた可能性が高いのだが、16年に入ると状況に変化が生じる。
2月にヘンリー・キッシンジャーのロシア訪問は象徴的な出来事だったが、民主党の内部でも流れが変化していた。
バーニー・サンダースを支持する声が高まり、有力メディアからの逆風に遭遇する。
クリントンとサンダースは国内問題で対立していた。
クリントンはジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪を後ろ盾とし、ロッキード・マーチンという戦争ビジネスの代理人とも言われ、巨大金融資本とも結びついているのに対し、サンダースは金融改革を打ち出し、社会的な弱者を救済する政策を掲げていた。
国際問題では軍事力の行使に消極的で、ロシアとの関係を悪化させる政策にも反対。
ドナルド・トランプもロシアとの関係修復を訴えていたが、イスラエルとの関係ではトランプやクリントンと違い、一線を画す姿勢を見せていた。
民主党と共和党の大統領候補のうちで、イスラエル・ロビーであるAIPACからの招待を断ったのはサンダースだけだ。
ただ、そのサンダースでも昨年(2017年)6月にアメリカ上院で行われたエルサレムをイスラエルの首都と認めてアメリカ大使館をそこへ建設するべきだとする採決で賛成している。
そのサンダースを民主党の幹部や有力メディアは攻撃することになった。
WikiLeaksが明らかにした電子メールでもそうしたDNC(民主党全国委員会)の幹部によるサンダース潰しの動きがわかる。
結局、民主党の候補者選びでサンダースを離脱させることにDNCは成功するが、その前にトランプが立ち塞がり、大方の予想を翻してトランプが勝利する。
WikiLeaksなどによって明らかにされたクリントンの電子メールでDNCの不公正な動きを知ったサンダース支持者が離れたことも無視できない。
明らかにされた電子メールがクリントン陣営にダメージを与えたことは間違いない。
その内容がダメージの原因だが、DNCや有力メディアは内容を問題にせず、ロシア政府がハッキングしてWikiLeaksに流したと叫び始め、ロシアゲートなる幻影を流し始めた。
冷戦時代の洗脳が今でも効力があるようで、西側にはロシア嫌いが多く、この幻影に飛びついた人は少なくない。
しかし、本ブログでは何度も書いているように、その主張が事実なら証拠をNSAは握っているはずで、FBIもすぐそれを手に入れることができる。
そうした証拠が提示されていないのは、証拠がないからだとしか考えられない。
少なからぬ情報関係者は技術的な分析から、電子メールは内部から漏れていると指摘している。
ロシアゲートに国家機関が介入する切っ掛けは、アダム・シッフ下院議員が昨年(2017年)3月に下院情報委員会で行ったアメリカ大統領選挙にロシアが介入したという発言。
同議員の主張はクリストファー・スティールという元イギリス情報機関員の報告書に基づいているのだが、FBIのチームはシッフ発言の5カ月前、2016年10月にスティールと会うためにヨーロッパへ出向いたとされている。
スティールはイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーだった人物で、MI6のために働いていたアレキサンダー・リトビネンコのケース・オフィサーだったとも言われている。
情報機関を離れてからはオービス・ビジネス・インテリジェンスという民間情報会社を経営している。
このスティールが作成した報告書は伝聞情報や噂話をつまみ食いした代物で、信頼度は低い。
フリンに対し、ロシア政府の高官と接触するように支持したのはトランプの義理の息子、ジャレッド・クシュナーだと伝えられている。
この人物はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフサウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子と親しい。
フリンがロシア政府高官と接触した目的は、2016年12月23日に予定されていたイスラエルのヨルダン川西岸などへの違法入植を非難する国連安全保障理事会の決議について話し合うことにあったという。
なお、この決議は賛成13カ国、棄権1カ国で採択されている。
勿論、棄権したのはアメリカ。
この報道が正しいなら、イスラエルを支援するというクシュナーの政策に基づいてロシア政府の高官と接触したことになる。
つまり、ロシアゲートではなくイスラエルゲートだ。
ただ、イスラエルを支持するという政策は民主党を含め、アメリカ議会の圧倒的多数が支持している。
「ミフスド教授」は「プーチンの姪」とパパドプロスの会談をアレンジしてくれただとする記事をニューヨーク・タイムズ紙が12月30日に載せた。
大統領選挙でトランプの政治顧問を務めていたパパドプロスは2016年5月、ロンドンのバーでオーストラリアの外交官に対し、モスクワはヒラリー・クリントンのキャンペーンにダメージを与える目的で盗み出されたと思われる数千件の電子メールを持っていると聞いたと話したとしている。
それを知ったFBIが7月に捜査を始めたというわけだ。
パパドプロスによると、彼にその話をした「ミフスド教授」は「プーチンの姪」とパパドプロスの会談をアレンジしてくれたというのだが、第2次世界大戦の最中、子どもだったプーチンの兄弟はレニングラードで死亡しているため、姪はいない。
この「教授」はかなり如何わしいということだ。
ちなみに、プーチンの兄弟が死んだ当時のレニングラードはドイツ軍とフィンランド軍に攻撃されていた。
29カ月間包囲され、約70万人が餓死したという。
プーチンが戦争回避に努める理由のひとつはこの体験にあるとも言われている。
パパドプロスがFBIに協力しはじめたのは昨年(2017年)10月の前半で、そのひとつの結果としてFBIのチームがスティールとあったという筋書きだ。
その直前、トランプのキャンペーンで幹部だったポール・マナフォートがビジネス仲間と一緒にマネー・ロンダリングなどの容疑で起訴されていた。
勿論、この起訴で「ロシアゲート」の捜査が進展したなどということはない。
この容疑はロシア疑惑と無関係だが、パパドプロスとFBIとの取り引きに関係していると考える人はいる。
FBIの上層部には反トランプ派がいた。
司法長官代理を務めたサリー・イェーツもそのひとりで、トランプ大統領の中東旅行禁止に反対している。
そのイェーツの発言を電子メールで賞賛していたアンドリュー・ワイツマンはムラー特別検察官の側近だ。
トランプは安全保障分野をマイケル・フリン中将を据えた。
DIAはフリンが局長を務めていた2012年8月、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラの実態は同じだとしている)で、バラク・オバマ政権が「穏健派」に対する軍事支援を継続したなら、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告している。
いうまでもなく、サラフィ主義者の支配国はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。
退役後、アル・ジャジーラの番組に出演したフリンはこの報告について質問され、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると明言しているが、その通りだ。
バラク・オバマ政権はリビアやシリアを侵略、ウクライナでクーデターを実行するために偽情報を流し、サラフィ主義者やイスラム同胞団を中心とするスンニ派武装勢力、あるいはネオ・ナチを傭兵として使い、他国を侵略、破壊と殺戮をもたらしたが、その実態をフリンは熟知している。
そのフリンをイェーツは事情聴取した。
その段階でマイケル・フリン中将とセルゲイ・キスリャク駐米露大使との会話をNSAが盗聴した記録をFBIは持っていた。
後にFBIはフリンを偽証したと主張、フリンもそれを認めるが、中身は問題にされていない。
記録と証言との間に違いがあるというだけのことだ。
アメリカ支配層の内紛(その3)
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2015年の段階ではヒラリー・クリントンが次期大統領(2017年〜21年)に内定したと言われていたが、16年の2月にはその流れに変化が見られた。
そうした中、クリントン関連の電子メールが明らかにされ、その中にはリビアやシリアに対する侵略工作や民主党幹部の不公正な動きなどに関する情報が含まれていた。
この問題ではクリントンが機密情報の取り扱いに関する法規に違反した疑いも浮上する。
彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。
これについて、FBI長官だったジェームズ・コミーは彼女が情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。
しかし、当初の表現は「きわめて軽率」でなく、「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だった。
それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていたのだ。
後者は罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われる表現で、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。
このストルゾクは恋愛関係にある同僚に対し、反トランプのメッセージを送っていたとも報道されている。
また司法長官代理を務めたサリー・イェーツはトランプ大統領の中東旅行禁止に反対、そのイェーツの発言を電子メールで賞賛していたアンドリュー・ワイツマンはムラー特別検察官の側近。
ストルゾクも昨年8月までロバート・ムラー特別検察官の元でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べていた。
本ブログでは何度か指摘しているが、ロシア政府がアメリカの有力メディアや民主党が言うように大統領選挙に介入したなら、NSAが証拠を握っているはずで、特別検察官を任命する意味はない。
アンドリュー・マッカビFBI副長官もヒラリー・クリントンとの関係が注目されているひとり。
妻のジル・マッカビは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていたのだが、その時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当。
つまりクリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあったのだ。
特別検察官のロバート・ムラーも問題視されている。
2001年9月4日から13年9月4日にかけてFBI長官を務めている人物だが、長官就任から1週間後にニューヨークの世界貿易センターの3棟とバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎が攻撃(9/11)されている。
この事件の真相を上手に隠蔽したと陰口をたたかれているのだ。
9/11の直後、事前にFBIは攻撃に関する情報を入手していたと内部告発したFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズはフェトフッラー・ギュレンについても事実を公表しようとした。
このギュレンもアメリカ支配層の内紛で重要な意味を持っている。
2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのウラジミル・プーチン大統領に対し、15年11月24日のトルコ軍機によるロシア軍機の撃墜を謝罪してロシアへ接近した。
トルコでエルドアン政権の打倒を目的とした武装蜂起が引き起こされるのは2016年7月15日のことだ。
これは政府側の反撃で失敗に終わるが、その直前にロシアからクーデター計画に関する情報がトルコ政府へ伝えられたとも言われている。
このクーデター計画の背後にはアメリカでCIAに保護されているフェトフッラー・ギュレンがいて、アメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官が関係しているとトルコ政府は主張している。
ギュレンのグループが登場してくるのは1980年。
この年にトルコではCIAを後ろ盾とするクーデターがあり、軍事体制へ移行した。
この権力奪取はNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラが実行したが、ギュレンもクーデター派に加わっていた。
それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカに「スリーパー」のネットワークを構築してきたと言われている。
ギュレンとそのグループを守る中心人物は元CIA幹部のグラハム・フラー。
この人物の娘が結婚した相手の甥ふたりは2013年のボストン・マラソンにおける爆破事件で容疑者とされ、兄は射殺された。
弟は重傷を負い、外で証言できない状態だ。
1980年代にフラーはズビグネフ・ブレジンスキーの作戦に基づき、アフガニスタンでスンニ派武装勢力を動かしていた。
その事実をFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズが公表しようとしたところ、FBI長官だったロバート・ムラーが発言を禁止、エドモンズは解雇されてしまう。
エドモンズは、9月11日の攻撃を事前にFBIは知っていたと内部告発したことでも知られている。
エドモンズによると、ギュレンがマネーロンダリングを行い、テロ関連の活動をしていることをFBIは20年ほど前から知っていたが、黙認してきた。
ギュレンは資金が潤沢で、アメリカに140以上の学校網を作り上げている。
アメリカ支配層との関係が悪化したエルドアンはギュレンに関する情報を入手しようと考え、アメリカの会社に調査を依頼している。
その会社を経営していたのがマイケル・T・フリン中将と息子のマイケル・G・フリン。
中将はバラク・オバマ政権がアル・カイダ系武装勢力を操り、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を生み育てたことを熟知しているが、それだけでなくアメリカにおけるCIAの「テロリスト網構築」にも足を踏み入れようとしていた。
9/11の調査を妨害して真相を隠蔽したと言われるムラー特別検察官はギュレンの問題も封印しようとしてきた。
トランプ大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー、その父親であるチャールズ・クシュナーの親子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相やサウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子と緊密な関係にある。
トランプと激しく対立してきたヒラリー・クリントンの後ろ盾には投機家のジョージ・ソロスやサウジアラビアのムハンマド・ビン・ナーイフ前皇太子、バンダル・ビン・スルタン(アメリカ駐在大使や総合情報庁長官を歴任)、さらに巨大金融資本や戦争ビジネスが含まれている。