トランプはプーチンのようにアメリカを救えるか 6 | きなこのブログ

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アメリカ支配層の内紛(その4)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801130000/
 
1970年代の終盤、ジミー・カーター大統領の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンを不安定化するための戦闘集団を編成、秘密工作を始めて以来、アメリカはイスラエルやサウジアラビアと戦略的な同盟関係にある。
 
CIAと密接な関係にあると言われているブレジンスキーはデイビッド・ロックフェラーと親しく、このふたりに目をかけられて大統領になったのがカーター。
 
つまり、カーター政権では大統領より国家安全保障補佐官の方が格上だった。
 
ちなみに、デイビッドの兄であるネルソン・ロックフェラーと親しいことで知られているのがヘンリー・キッシンジャー。
 
ネルソンはCIAの秘密活動を統括する工作調整会議の議長を経験した人物で、またキッシンジャーは破壊(テロ)工作を目的とする秘密機関OPCに所属していたことがある。
 
つまりキッシンジャーとブレジンスキーは背景が似ている。
 
キッシンジャーは1943年2月にアメリカ陸軍へ入り、その翌年には第84歩兵師団の訓練施設があったルイジアナ州キャンプ・クレイボーンへ配属、そこで知り合ったフリッツ・クレーマーに見いだされて出世街道を歩き始める。
 
クレーマーの紹介で第82歩兵師団の司令官を務めていたアレキサンダー・ボーリング中将の通訳兼ドライバーとなったキッシンジャーは後にアメリカ陸軍の情報分隊(後の対敵諜報部/CIC)へ配属され、第2次世界大戦にはOSSで破壊工作を指揮していたアレン・ダレスに目をつけられる。
 
大戦中、西ヨーロッパでドイツと戦っていたレジスタンスはコミュニストの影響力が強く、それに対抗する目的で米英はゲリラ戦を目的としてジェドバラなる戦闘集団を編成、その人脈は戦争が終わってからOPCの中核メンバーになる。
 
その創設を控えた1947年秋からキッシンジャーは新組織のためにハーバード大学で外国人学生を秘密裏にリクルート、本人もOPCの仕事をするようになったのだ。
 
1950年にキッシンジャーはアレン・ダレスの作戦調査室でコンサルタントとして働くようになるが、その一方で1951年から71年にかけて「ハーバード国際セミナー」の責任者を務めている。
 
1953年に中曽根康弘が参加したセミナーだ。
 
セミナーに参加する3年前、中曽根はスイスで開かれたMRA(道徳再武装運動)の世界大会へ出席しているが、この団体はアメリカの「疑似宗教団体」で、CIAと結びついていると言われている。
 
MRAと結びついてから中曽根は出世していく。
 
日本人としては岸信介三井高維MRAに参加していた。
(グレン・デイビス、ジョン・G・ロバーツ著、森山尚美訳『軍隊なき占領』新潮社、1996年)
 
アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が誕生する上で重要な出来事が1975年3月にサウジアラビアで引き起こされている。
 
アメリカ支配層とは一線を画していたファイサル国王が執務室で甥のファイサル・ビン・ムサイドに射殺されたのだ。
 
ジャーナリストのアラン・ハートによると、クウェートのアブドル・ムタレブ・カジミ石油相の随行員として現場にいたビン・ムサイドはアメリカで活動していたモサド(イスラエルの情報機関)のエージェントに操られていたという。
 
ギャンブルで負けて借金を抱えていたビン・ムサイドに魅力的な女性を近づけ、借金を清算した上で麻薬漬けにし、ベッドを伴にしたりして操り人形にしてしまったというのだ。
(Alan Hart, “Zionism Volume Three,” World Focus Publishing, 2005)
 
ファイサル国王が殺される7カ月前、アメリカではリチャード・ニクソン大統領がウォーターゲート事件で辞任している。
 
ニクソンには赤狩り、闇資金、あるいはベトナム戦争の和平遅延工作など良くない話がついて回るが、その一方でデタント(緊張緩和)を目指し、中国を訪問して友好関係を結ぼうと試み、そしてイスラエル軍が占領地から撤退することを求めた国連安保理の242号決議に基づいていパレスチナ問題を解決しようとしていた大統領でもある。
 
この決議ではパレスチナ人の権利が正当に認められていないとする意見があるが、占領地を手放すことを認めないイスラエルからみるとニクソンは許しがたい存在だった。
 
ニクソンはバーノン・ウォルタースCIA副長官にPLOと交渉させたが、イスラエルに対しては和平に応じて占領地から撤退するように求めている。
 
1974年6月のことだ。
 
交渉の仲介役はファイサル国王だった。
 
8月に入るとニクソンはイスラエルから長期にわたる軍事支援を求められたが、これを断り、包括的和平に応じるまでイスラエルへの全ての武器供与を中止するつもりだと同月6日、キッシンジャーに話している。
 
ニクソンが大統領を辞任すると演説したのはその2日後のことだ。
(ウォーターゲート事件とCIAとの関係は本ブログでも何度か触れたことがあり、今回は割愛する。)
 
ファイサルの後を継いだハリド国王は政治に熱心とは言えず、健康上の問題もあり、その時代から親米派で有名なファハド・ビン・アブドル・アジズが第一副首相として統治している。
 
1982年から2005年までファハドは国王としてサウジアラビアに君臨した。
 
1983年から2005年まで駐米大使を務めたバンダル・ビン・スルタンはブッシュ家と親しいことで知られ、バンダル・ブッシュと呼ばれるほどだ。
 
2005年から15年までは国家安全保障会議の事務局長を務め、12年から14年までは総合情報庁(サウジアラビアの情報機関)の長官だった。
 
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書いている。
 
ハーシュによると、工作の中心にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてバンダル・ビン・スルタンだという。
 
サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心とする戦闘員を使ってターゲット国を侵略する工作で、2011年春に顕在化した。(侵略について今回は立ち入らない。)
 
金融資本/CIAと密接な関係にあるブッシュ家と親しいバンダル・ビン・スルタンだが、昨年(2017年)11月4日から始まったサウジアラビアの大粛清では拘束されたと伝えられている。
 
粛清したのは国王の息子であるモハンマド・ビン・サルマン皇太子だが、独力で実行したわけではない。
 
この皇太子は昨年9月にイスラエルを極秘訪問、10月25日から28日にかけてはドナルド・トランプ大統領の義理の息子にあたるジャレッド・クシュナーがサウジアラビアを極秘訪問したと伝えられている。
 
クシュナー親子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフに近く、ネタニヤフと緊密な関係にある富豪のシェルドン・アデルソンは大統領選挙でドナルド・トランプ陣営に対する最大のスポンサーだった。
 
その関係からトランプ大統領はビン・サルマンとにつながる。
 
ネタニヤフ首相の父親はウラジミール・ジャボチンスキーの秘書を務めていた人物だ。
 
それに対し、前皇太子のムハンマド・ビン・ナーイフはヒラリー・クリントンに近い。
 
当初の予想ではクリントンが大統領になると見られていたことからビン・ナーイフが皇太子になったが、実際はトランプだったので交代になったと見る人もいる。
 
モハンマド・ビン・サルマン皇太子の人脈もムハンマド・ビン・ナーイフ前皇太子の人脈も破壊と殺戮によって自分たちのプランを実現しようとしてきた。
 
似たもの同士とも言えるが、最終目標が違うように見える。
 
前者は大イスラエルを実現すること、後者はロシア(ハートランド)を制圧して世界制覇を実現することが目標なのではないだろうか?
 
 
アメリカ支配層の内紛(その5:米支配層が食い物にしてきたハイチ)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801140000/
 
​ドナルド・トランプ大統領がDACA(the Deferred Action for Childhood Arrivals)の会議でハイチ、エルサルバドル、アフリカ諸国を愚弄したと報道​されている。
 
アメリカでは子ども時代に不法入国した外国人の強制国外退去を延期、就労許可を与えているのだが、トランプは大統領に就任した直後、この措置を撤廃すると表明、それに対して議会は修正を加えた上で存続しようとしていた。
 
この問題を話し合った席でトランプの問題発言が飛び出したというのだが、大統領はこの発言を否定している。
 
大統領はハイチからの不法移民を特に問題だとしている。
 
この国では2010年に大きな地震があり、アメリカ政府は約1万人の軍隊を派遣した。
 
その際に多くの人がアメリカへ不法入国、それに対して6万人近くへ強制退去させない処置をとってきた。
 
トランプ大統領はその措置を止めるとしている。
 
地震が起こった当時、アメリカの国務長官はヒラリー・クリントン。
 
つまり災害対策の政府における責任者はクリントンで、USAID(形式上、国務省の管轄下にあるが、実際はCIAの資金を流すルート)の資金を監督する立場にあった。
 
国連特使には夫のビル・クリントンが就任している。
 
ビルはクリントン-ブッシュ基金やクリントン財団の理事長で、ハイチ再建暫定委員会の共同委員長でもあった。
 
ハイチには限らないのだが、クリントン財団は「慈善事業」を名目にして多額の寄付を集めている。
 
ハイチの場合、60億ドルから140億ドルを財団は集めたと見られているが、その内容は明らかにされていない。
 
私腹を肥やしている疑いが濃厚なのだ。
 
しかも、国際規模でチャリティーを行うために必要な正規の手続きを踏んでいないという。
 
法律的に問題を抱えているわけだ。
 
2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝てば、バラク・オバマが大統領の間に恩赦を与える手はずになっていたが、トランプが勝ったため、シナリオに狂いが生じたようだ。
 
ハイチには金鉱脈があって潜在的に豊かな国なのだが、今は貧しい国と見なされているいる。
 
資源の開発が進まず、失業率は70%を超すという。
 
ヒラリーの弟、トニー・ローダムは金の利権に食い込んでいるようだが、大多数の庶民はその恩恵に浴していない。
 
今後の見通しも暗い。
 
そうした状況を作り出した責任の大半はフランスとアメリカにある。
 
1492年にクリストファー・コロンブスが西インド諸島にやって来た当時にはモンゴロイド系の人々が住んでいたハイチだが、その後スペインが植民地化、1697年にはフランス領になる。
 
そのフランスはアフリカで多くの人を拉致し、奴隷として連れてきた。
 
そのフランスで1789年に革命があり、92年には王権が停止されて共和制が宣言されている。
 
こうした動きはハイチにも波及し、トーサン・ルーベルテュールが率いる奴隷が蜂起した。
 
それに対し、アメリカの初代国務長官で第3代大統領でもあるトーマス・ジェファーソンは奴隷の蜂起がアメリカへ波及することを恐れ、「ブリュメール18日」(1799年11月9日)のクーデターで実権を握ったナポレオン・ボナパルトと手を組んで独立を妨害した。
 
ナポレオンはハイチに軍事介入し、奸計を使ってルーベルテュールを拘束、ヨーロッパに連行したのだ。
 
ルーベルテュールはそこで獄死している。
 
その後、独立運動はジャン・ジャック・デサリーヌが引き継ぎ、1804年に独立を宣言したが、その際に逆襲を恐れてヨーロッパ系の支配者たちを殺害、1806年にはデサリーヌ自身が暗殺された。
 
なお、アメリカがハイチを承認したのは1862年、エイブラハム・リンカーン政権のときである。
 
ウィリアム・マッキンリー大統領が暗殺された後、副大統領から昇格して大統領となったシオドア・ルーズベルトは海兵隊を1915年にハイチへ軍事侵攻させて占領、この状態はニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが大統領に就任する1934年まで続いた。
 
1957年にフランソワ・デュバリエが実権を握ると、彼は秘密警察を使った恐怖政治でハイチを支配、71年からは息子のジャン・クロード・デュバリエが独裁者として君臨した。
 
このデュバリエ体制は1986年まで続いている。
 
この体制をアメリカ支配層は容認している。
 
アメリカ支配層を震撼させる事態が生じたのは1990年のこと。
 
解放の神学を唱え、アメリカによる軍事独裁体制を使ったラテン・アメリカ支配に反対するジャン・ベルトランド・アリスティド神父が大統領選挙で当選したのである。
 
その翌年には軍事クーデターが試みられているが、その背後では、アメリカの情報機関が介在していたとも言われている。
 
ちなみに、このときのアメリカ大統領はジョージ・H・W・ブッシュ。
 
1993年に大統領となったビル・クリントンは翌年、ハイチに軍隊を入れる動きを見せ、そこでハイチの軍部は政権を放棄した。
 
ところが、2000年の大統領選でアリスティド神父が復活、再びクーデターが実行されてアリスティド政権は倒された。
 
このときのアメリカ大統領はジョージ・W・ブッシュ、つまりH・Wの息子だ。
 
ヒラリー・クリントンは投機家のジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪のほか、ロッキード・マーチンの代理人とも言われるほど戦争ビジネスに近く、ウォール街やコンピュータ産業とも結びついているが、そうした勢力の思惑だけでなく、クリントンの個人的な事情からトランプを大統領の座から引きずり下ろさなければならない事情があると言えるだろう。
 

 

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