http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-0461.html
TPPの論議で明らかになったことは、
2012年12月の総選挙に際して、安倍自民党は
「ウソつかない TPP断固反対 ブレない 日本を耕す! 自民党」
と大書きしたポスターを貼り巡らせて選挙を戦った。
そして、TPPに盛り込まれる可能性があるISD条項について、「国の主権を損なうようなISD条項に合意しない」ことを公約として明示した。
有権者は、安倍自民党がTPPに反対であると理解して投票行動を決めたと思われる。
しかし、安倍首相は総選挙から3ヵ月も経過しない2013年3月15日に、TPP交渉に参加する方針を表明した。
「詐欺」そのものの政治である。
このTPPから米国が離脱した。
安倍政権は米国抜きのTPPはあり得ないとしてきた。
TPPの最終合意文書を修正する考えはないことも明言した。
TPP最終合意文書を見直ししないために、米国の態度が明らかになる前に日本が批准、承認することを急いだのである。
ところが、米国がTPPから離脱して最終合意文書を見直さない限り、TPPが発足する可能性はなくなった。
すると、安倍政権はTPP最終合意文書の見直しを表明した。
言葉に対する責任というものが存在しない。
日欧EPA交渉では、欧州がISD条項は主権を損なうものであるとして、これに反対しているのに、日本がISD条項を盛り込むことを主張し、交渉が暗礁に乗り上げている。
安倍政権は選挙の際の公約を一方的に破棄して、国の主権を損なうISD条項を盛り込むことを強引に主張しているのである。
ここから明らかになることは、安倍政権が主権者国民の利益ではなく、多国籍企業、世界市場支配を目論む巨大資本の利益を最優先して政策運営を行っていることだ。
そして、TPPが発効していないにもかかわらず、主権者国民の利益を損ない、ただひたすらハゲタカ巨大資本の利益を極大化するために、国内のさまざまな制度を激しいスピードで改変し始めている。
種子法を廃止し、
水道法を改定している。
食品の添加物規制、残留農薬規制を、ハゲタカ巨大資本の言いなりになって、激しい勢いで改変しているのである。
安倍政権は「国民ファースト」ではなく「ハゲタカファースト」の姿勢で政策を運営している。
TPPも日欧EPAも、
外圧が敵なのではない。
敵は内側に存在する。
安倍政権そのものが、主権者国民にとって敵対的な政策を推進する本尊なのである。
これまでは、主要農作物の種子は公的関与の下で安価に供給されてきた。
国民の主食の確保のために、主要農作物の種子が公的関与の下に置かれてきたのである。
しかし、この施策は種子を独占し、これを利益の源泉にしようとするハゲタカ資本にとっては目障りな存在である。
そこで種子法を廃止し、ハゲタカ資本が日本国民の主食の種子を独占管理下に置くための行動が推進されているのである。
ハゲタカ資本による種子の独占支配を、安倍政権が全面支援する構図。
「国民ファースト」ではなく「ハガタカファースト」の安倍政権の基本姿勢が如実に表れている。
1989年に米国のエコノミストであるジョン・ウィリアムソンが用いた「ワシントン・コンセンサス」という言葉がある。
ワシントンを本拠とするIMF、世銀、米国政府が主導する、経済危機に見舞われた国に適用する政策パッケージに関する合意のことである。
その中心に置かれるのは、規制撤廃、小さな政府、民営化、市場原理主義である。
これらの施策が推進されるなかで、グローバルに活動を展開する多国籍企業が実質的な収奪を進める。
つまり、ワシントン・コンセンサスそのものが、ハゲタカ巨大資本の利益拡大の戦術そのものになっているのである。
ハゲタカ巨大資本は、世界経済を支配下に収めて、利益を極大化させることを狙っている。
そのための戦術が、規制撤廃、小さな政府、民営化であり、すべての経済行動を市場原理によって統制しようとする。
安倍政権が推進している政策は、まさにこれである。
この政策の是非を、私たちが問わなければならないのだ。
[ お役立ち情報の杜(もり) ] アベが最も知られたくない数字はコレだ!下がり続ける賃金と苦しくなる生活
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=144125
なのに、こうした厳しい生活実感を多くの日本人が「自分の努力が足りないから」と思わされているところが一番の問題だと思えます。
所得税控除見直し “年収800万円超で増税” 最終調整へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171204/k10011246251000.html?utm_int=news_contents_news-main_001&nnw_opt=news-main_a
転載元) お役立ち情報の杜(もり) 17/10/18
http://useful-info.com/abe-donot-want-public-to-know-this-figure
金持ち優遇根幹は利子配当分離課税にあり
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-ac15.html
12月になると次年度予算案が策定され、税制改正の基本方針が定められる。
いずれも、通常国会に提出されて審議に付されるが、国会は単なるセレモニーと化している。
衆参両院で3分の2議席を占有する与党は、国会審議の日程だけをこなし、採決によって政府案を通す。
国会審議を通じて、修正が加えられて原案が、より良いものに修正されることは基本的にない。
国会審議は、野党が与党の不祥事を追及する場にしかなっていない。
これまでは国会における審議において、野党の質問時間が長く設定されてきたが、安倍政権は、これに異を唱え、野党の質問時間を短縮化している。
与党議員が質問に立っても、事前に整えられた質問と、それに対する政府答弁を朗読するだけで、一種の学芸会に成り下がるだけだ。
森友、加計学園問題では、安倍首相の政治私物化の実態が浮き彫りになった。
国有財産が不正に低い価格で払い下げられた事実が明らかになったにもかかわらず、安倍首相は責任を明らかにせず、責任ある当事者の証人喚問さえ実施されない。
警察・検察当局は、肝心要の問題に対する捜査を行わず、政治腐敗を告発した者を不当に逮捕、勾留して、言論封殺まで行っている。
日本は安倍政権の下で、最低最悪の国家に転落してしまっていると言わざるを得ない。
まさに、暗澹たる状況が広がっているが、それでも私たちは希望を捨てるわけにはいかない。
絶望の山に分け入り、希望の石を切り出さなければならないのである。
税制改定では、年収が800万円を超える給与所得者に対する増税が検討されている。
格差拡大への対応策を示すというのだろう。
年収800万円以下の給与所得者に対しては減税になるとしているが、トータルでは1000億円の増税提案なのだ。
格差拡大に対する施策としては、あまりにも姑息なものである。
消費税が導入された1989年度から2016年度までに、日本の税収はどのような推移をたどってきたのか。
1989年度の税収は54.9兆円だった。
2016年度の税収55.5兆円と、ほぼ同額である。
1989年度と2016年度で変化したのは税目による税収構成比だけなのだ。
1989年度
所得税 21.4兆円
法人税 19.0兆円
消費税 3.3兆円
2016年度
所得税 17.6兆円
法人税 10.3兆円
消費税 17.2兆円
つまり、この27年間に生じたことは、
所得税が 4兆円減り、
法人税が 9兆円減り、
消費税が 14兆円増えた
という事実だけである。
消費税が年額で14兆円も増税になったという事実はあまりにも重い。
消費税は所得がゼロの者にもかかる税金である。
小学生がわずかなお小遣いから買い物をする際にも消費税が課せられる。
他方、年収が10億円、100億円ある富裕層に対しても、所得ゼロの者と同額の税率が適用される。
富裕層は、その一方で所得税減税の恩恵に預かってきた。
法人税はこの27年間に、年額で9兆円もの減税となっている。
財政再建や社会保障拡充のために消費税増税が実施されてきたのではない。
法人税減税と所得税減税のためだけに、消費税が大増税されてきた。
所得税の最大の問題は、富裕層にとてつもない軽減税率が適用されていることにある。
所得税は、本来、所得の多い者は高い税率で、所得の低い者には低い税率で負担を求めるものである。
夫婦子二人で片働きの給与所得者の場合、年収285万円までは無税である。
しかし、所得が増えるに連れて税率が上がり、所得が極めて多い者に対する税率は国税で45%、地方税を合わせて55%になる。
しかし、現行制度には抜け穴があり、所得が極めて多い個人の税率は、所得が増えるほど低下しているのである。
利子配当、株式譲渡益に対する課税が優遇されていて、富裕層に対する、とてつもない軽減税率が適用されているのである。
「これを是正せずに、何が格差是正なのか」
ということを、すべての国民が認識する必要があるのだ。