第311話

おはようございます
菊水千鳳です


前回(住吉大社4)の続きです。

住吉大社1 住吉大社2 住吉大社3は、こちらからもご参照いただけます。


今回は《種貸社(たねかししゃ)》をご紹介します。


住吉大社の正面の鳥居からみて左奥に
《種貸社(たねかししゃ)》  という
ユニークな名前の社殿がありました。
(金貸社ではありませんよ、種貸社です)

鳥居や柱など、綺麗なので新しい造りのようでした。


一番奥に位置しているのせいか、参拝者が少なく、俺とSさんとでほぼ貸し切り状態といったところでした。


手水舎が一寸法師(笑)  

ここが一寸法師発祥地のようです。

近くに大きなお椀がありました
(お椀の中に入れます)。

そこの立て看板にはこう書かれていました。

「一寸法師発祥の地 住吉大社」


 昔話で有名な一寸法師は、
室町時代から江戸時代にかけて成立したとされる物語集の
『御伽草子』に出てくるお話で、
その冒頭では住吉大明神にお祈りし、
そのお陰で子供を授かるところから始まります。

 この背景には、住吉大神の御加護を得て、
無事に応神天皇をご出産になられた神功皇后さま (第四本宮御祭神) や、
薩摩藩主島津氏の祖となった
島津忠久公が生まれた誕生石などの
安産や子宝に関する説話が
広く知れ渡っていたことが伺え
現在でも、
ここ住吉大社境内の
種貸(たねかし)社は、
神種を授ける神様として、
各種農業の種、
子授けや商売の元手となる資本金、
良い知恵を授けて下さる神様として
篤く信仰されております。


子宝
資本 元種の神 住吉種貸社
知恵

住吉の御誓に、末繁盛に栄え給ふ、世のめでたきためし,

これに過ぎたることはよもあらじとぞ申し侍りける。
(「御伽草子」)



これは百度石

商売繁盛や子宝を願い、御百度参りの意味なのでしょう。



子沢山の意味もあり、親子の狛犬がまた可愛いです。



おわっ! 賽銭箱の上に 
木彫りの宝船が!(笑)

宝船の前に どう見ても
「お金を乗せてどうぞ」みたいな[お敷](=何かを乗せる四角い受け皿)が置いてありました。


柏手を打ちました。


ㅤ現れたのは、ここのご祭神 
ウカノミタマノカミさん
(ウカさまと呼ばせてもらっています) でした。

お賽銭箱を挟んで、俺たちの真っ正面に、ウカさまが微笑ましく立って言いました。


【ここ(=お敷)に好きな額のお金を乗せなさい

(私が) 何倍にも増やしてあげよう】

と仰ったので、Sさんと俺で福沢諭吉のお顔が印刷された紙幣(笑)を
それぞれ1枚ずつ お敷の上に乗せました。

ウカさまが乗せるようにと仰る直前、Sさんは
三神と神功皇后さまへのご挨拶や、俺が神々にパワーを渡せたこともあり (任務完了した気分で)、
ウキウキでお金を増やしてください♪って願ったところだったようです。
直ぐに返事が来た感じでした。



ウカさま

【お主ら  よかったな

(誰もおらぬ今なら)
貸し切りじゃぞ】


この間、参拝者は誰一人来ませんでした。
 

ここでウカさまの様子を
ご紹介します。
何やら、両腕にそれぞれ何か
長く真っ直ぐなものを持って、
それらをご自身の頭上で交差させました。

『変な格好だなぁ』などと思いながら視ていたら、今度は腕を下ろしたあと、何か祝詞のような詩(うた)を唱え始めました。


次にウカさまは体を左へ向き、
ザルのような入れ物を左手に持ち、右手で俺たちが[お敷]の上に置いた一万円札を一枚ずつ取り上げ、
ザルの上に置きました。

そこに向けて右手で何かを吹き掛ける動作をしていました。


吹き掛け終わると、一万円札を
元の[お敷]に戻して
ウカさまの儀式は終了しました。



ウカさま 

《一粒万倍》 の意味がわかるか

これで めでたく


(今) お願いごとを
差し出しなさい

可能なら 少なくとも数日は
(このお金を使わずに)財布に入れておくと良いぞ 

長ければなお良い

無理にとは申さん

必要になったら 
いたしかたない

このお金を使いなさい
 

もちろん
た ね あ か し じゃ】
( 種           貸  )

俺たちは、福沢諭吉のお札だけでなく、お願い事も差し出しました。

なにせ、目の前にウカさまご本人がいらしているのだから、もうたまりませんわ(笑)

すべてを終えると、
ウカさまはスーっと俺たちの前から後ろへと消えていきました。
  

ここは人知れず れっきとした
立派な開運スポットでしょう。


ウカさまの言われた
『種明かし』には
ややウケました(笑)

ウカさまに座布団1枚差し上げましょうか(笑)


ㅤここは確かに、種を増やして
万倍にしてくださるように
働きかけてくれる神社だと感じました。

ただ、あまりに変な欲まみれの願いは却下されるでしょうけど(笑)。


願いが叶ったら
必ずお礼参りはしましょう。
忘れずにね。


万倍にして増やす、の意味は
お金とか子宝だけでなく
いろんなバリエーションがあるように感じましたよ。


ㅤ次に、社殿の中へと入って
びっくりしました。

先程視えたウカさまの仕草そっくりの像がこちら

一寸法師のストーリーが
頭の記憶の中から浮かんでこなかったので、参拝後に説話を調べてみました。
子供のない老夫婦が子供を恵んでくださるよう住吉の神に祈ると、老婆に子供ができた。
しかし、産まれた子供は身長が
一寸(3cm)しかなく、
何年たっても大きくなることはなかった。
子供は一寸法師と名づけられた。

ある日、一寸法師は武士になるために京へ行きたいと言い、御椀を船に、箸を櫂にし、
針を刀の代わりに、麦藁を鞘の代わりに持って旅に出た。

京で大きな立派な家を見つけ、
そこで働かせてもらうことにした。
その家の娘と宮参りの旅をしている時、鬼が娘をさらいに来た。

一寸法師が娘を守ろうとすると、
鬼は一寸法師を飲み込んだ。

一寸法師は鬼の腹の中を針で刺すと、鬼は痛いから止めてくれと降参し、一寸法師を吐き出すと山へ逃げてしまった。

一寸法師は、鬼が落としていった
打出の小槌を振って、自分の体を大きくし、
身長は六尺(メートル法で182cm)になり、娘と結婚した。

ご飯と、金銀財宝も打ち出して、
末代まで栄えたという。
 


ㅤどうやら、ウカさまが右手でお札に向けて振り掛けたのは、
[打出の小槌]だったようです!


種貸社では、ウカさまは
一寸法師になりきり、
一粒一万倍を実行しようとしているようです。


社殿の裏側を回ると
奇妙な姿をした像がありました。

子宝祈願の社のようです。



柏手を打って直ぐに
この像が意味ありげに
ニコニコしながら
一言 喋ってきました、

【よおく、私の姿を見ていってください】と。

この時は気づかなかったのですが、後で写真をじっくり見たら、
この像の形は……なるほど、納得しました(失礼しました 笑)。


次の日記へ続く

はこちらからもご参照できます。


リブログ大歓迎
 
不思議体験日記のバックナンバーは
アメブロ
a-riman666をご参照ください。