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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、前回の記事では、人は、罪悪感を抱き自分を責めるよりも、自分を許し受け入れたほうが自らを律することができる、ということを書きました。
このことに対して、スタンフォード大学の心理学者であるケリー・マクゴニガル氏は、次のように解説しています。
驚いたことに、罪悪感を抱くよりも自分を許すほうが責任感が増すのです。
研究者たちの発表によれば、失敗したことについて、自分に思いやりをもって振り返った場合のほうが、自分を厳しく批判した場合よりも、失敗したのは自分のせいだったのだ、と認めやすくなります。
また、そのほうが他人の意見やアドバイスに対しても進んで耳を貸せるようになり、失敗の経験から学ぶことも多くなるのです。
自分を許すことで失敗から立ち直れる理由のひとつは、自分を許すことによって恥の意識や苦しみに苛まれることなく、事実をありのままに見つめられるようになることです。
どうにでもなれ効果は、失敗したあとに感じる嫌な気持ちから逃れようとする反応ですが、そもそも罪悪感や自己批判に悩まされなければ、逃げる必要もありません。
そうすると、どうして失敗したかについて考えるのがずっとラクになり、同じ失敗を繰り返さないようになります。
それとは逆に、自分は何をやってもダメなどうしようもない奴だから失敗したんだ、などと思ったりすれば、自分のことをどんどん嫌いになるだけです。
そうすると、失敗から学ぶどころか、自分の苦しみを和らげるだけで精一杯になってしまいます。
私たちは、常に、周囲の目を気にします。
それゆえ、失敗したときに自分を責めていなければ、
「なんだ、あいつは!」
と言われるのが怖いのです。
そこで、「ダメな奴だ」と自分自身を責め落ち込む姿を周囲に示すことによって、「反省していますよ」ということをアピールしようとするのです。
もちろん、無意識的にです。
そうすることによって、本来の義務から逃れようとするのです。
しかし、それは、結局は、自分自身のことしか考えていない態度に他なりません。
私たちにとって重要なことは、ものごとに対してどのような態度を取るかということであり、どうすれば失敗を取り戻すことができるかを考えることであって、決して自分を責めることではありません。
自分を責めていてはそれを考えることができないのです。
否、自分を責めるとは、それを考える義務から逃げようとする態度なのです。
前の記事でも書いた通り、罪悪感を抱き自分を責めることは、ものごとから逃げるための方便に過ぎないのです。
それは、結局は、自分自身と向き合うことを避け、人生の課題から逃れようとする自己欺瞞なのです。
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