ここまで何回か緩んだ身体の大切さを書いてきました。

緩んだ身体からみえる視点。

それが美しさにも繋がっていく話もしました。
ぼくらの身体はいつも緊張状態にあります。

別に緊張してない?

それは緊張に気付いてないだけかもしれません。

身体が緩んで快適な状態を知らないから。

だから、年々疲れやすくなる、疲れが取れないみたいな現象が起きたりするのです。

ひたすらにマスキングされていく緊張を24時間積み重ね、疲れを蓄積させているということです。


24時間自重トレーニング。(これは重りすらもってる。もし年々増える体重として考えたら、、、)


そりゃ疲れますよ。恐ろしいー。

ぼくらはブレーキを強く踏みながら、アクセルを同時に踏んでいる状態になっていることが多いのです。

車ならエンストします。

それが、身体なら?

長年この状態がホメオスタシスになっていたら、、

ブレーキという緊張を取ってあげれば身体は快適になっていきます。(ブレーキを踏まずにアクセルをだけを踏むのであれば、一気に加速していきます。)

力みはいらないのです。

もし、あなたが力まないと大きな力が出ないと思ってしまっているとしたら、ブレーキを踏み続けているからかもしれません。(疲れが溜まりやすい、疲れが取れないに置き換えてもらってもいいです。)

しかも、

ブレーキの方が成長しやすい、

というやっかいさがある。


求心性収縮と遠心性収縮では、遠心性収縮の方が鍛えられるのです。(だから筋トレでは、ネガティブ動作を重視しますし、ネガティブ動作だけを鍛えることで、ポジティブ動作も強くする技があります。トレーニング用語です。)



だから、アクセスとブレーキの勝負は意識してコントロールする、または緩めるという視点がなければ、必ずブレーキが勝利してしまいます。

緊張を加速させるブレーキが勝ってしまう。

そうやってどんどん身体はブレーキで身体を緊張させ固めていってしまうのです。

これを解除することができれば身体も心も自由になるのに。

じゃあどうすればいいのか。

ポイントのひとつは差分にあります。

緩んだ身体が快適であるということや、脱力することで圧倒的な力を出すことが出来るということのポイントは差分にある。

身体意識の繊細さが差分を生み出す。(これが才能の発掘にも繋がっていきます。)


通常は屈筋100に対して、伸筋99を使うとしましょう。

100-99=1

外に出てくる運動エネルギーは1であるということです。

屈筋はアクセルとして機能し、伸筋はブレーキとして機能します。

アクセルを踏みながら、ブレーキを踏むことで、コントロールを可能にしています。

もしブレーキを踏まなければ、暴走して関節は壊れてしまう。

200近い力を筋肉から出しているけど、そとに出てくる運動エネルギーは差分の1だということです。

これを筋肉の力をゆるめながら、差分を調整するのが、「脱力」という系です。(気功技術でこれをやることもできますが、うまくやらないと危険です。)

屈筋を50に対して、もし伸筋を48にすることができれば、

50-48=2

さっきと比べて筋力は半分なのに、運動エネルギーとしての出力は2倍になります。

50+48でほぼ100です。さっきの200であることの比べると半分です。



けど、外に出る運動エネルギーは1から2へと2倍になりますよね。(筋肉の中ではATPからADPへという化学エネルギーが運動エネルギーに変換されますが、その変換された運動エネルギーは差分という形でしか外界には出力されません。差分と書きましたが、基本はベクトル和です。足し算でしかありません。ベクトルの方向が異なるので引き算に見えます。差分として外に出るのは、もちろん第一にコントロールのためであり、第二に関節を守るためです。第一は第二を包摂します。)

ということは、

力を抜けばいいってことね!

と言いたいことろですが、

もう少しみていきたいのです。

もうひとつのポイントは

均衡点を見つける意識

だと思います。

たとえば、まずはバランスボードに乗ることを考えてみましょう。


トレーニングで中学生の頃にひたすら乗っていました。懐かしいー。


これにうまく乗るには軸をみつける必要があります。

どこでバランスがとれるのかを探って、意識に上げて、維持し続ける繊細さがいる。

情報には必ず物理的な現象がセットです。
それが均衡ということです。

フリーウェイトで大きな重量を持ち上げると、ぼくらは、重量と重心と自分の筋肉との均衡点を探しています。(よく分からなかったらデッドリフトを200キロあげてみてください。均衡点の意味がよく分かると思います。いや、みつける方法はそれだけじゃないですが。)

決して力をただ出しているだけではありません。

ぼくがフリーウェイトを好んでやって、マシントレーニングをあまり好まない理由はここにあります。

マシーントレーニングは乱暴にいってしまえば、雑なコントロールでも大きな重量を扱えてしまいます。

けど、フリーウェイトは雑に扱ってしまうと高重力であれば一発で身体が壊れてしまいます。(だから怪我する人が多い。習う人は選びましょう)



相当な集中力をもって力をいれつつ、コントロールを意識にあげます。


そうした瞑想状態の中で均衡点を見つけ出していくのです。

これが美しい所作にも繋がっていきます。

動きの美しい人っていますよね。

立っているだけ、座っているだけ、ただいるだけで凛として美しい人。

この感覚を持っているのです。

そして、気のチカラにも。

クンダリーニやセンターといった情報の感覚。

ヨガのチカラにも。

物理と情報をつなぐ均衡点に爆発的な力が静かに発揮されます。

このように身体を緩んだ快適な状態へ持っていく、身体の開発や気のチカラを高めていくには緊張が足枷になります。

なぜなら身体の繊細さが取り戻せないから。

それが、もちろん美しさに繋がっていきます。

もう耳タコかもしれませんが、身体の快適さの先に美しさは宿ります。

快適な身体を作って美しさを取り戻しましょう。

本来の美しさを。

追伸
バレリーナのシルヴィ・ギエムさんが日本公演に来たときに、インタビューアーがしきりに足を褒めていた際に「バレエで最も重要なのはここなの」、と頭を指している意味がみえてくると嬉しいです。

ぼくの携帯にはいつもこれが表示されています。アートですね。


またまた別の過去記事がランキング上がってきました!読んでいただきありがとうございます!

未来に生きることで自分だけの幸福を生きよう


今回の記事のカバー写真は緩んだ佇まいのワンコ。癒しです。

 
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