弁護士出身の実業家・林田です。
前回に続き、今日も景表法新通知(案)に関
するQ&Aです。
Q.景表法新通知は、「健康保持増進効果等」
の例として、「本品は骨密度を高める働き
のある○○○(成分名)を含んでおり、骨
の健康が気になる方に適する」を挙げてい
ますが(>新旧対照表P.3)、含有表現の規
制が何か変わるのですか?
A.1.今回の通知の改定は2016年6月30日以来の
ものですが、その間に行われた行政指導
例を多々盛り込んでいます。
2.骨密度の例はその一つです。
機能性表示において、「『加齢により低
下する』骨密度を高める」と言わないと
虚偽誇大になるおそれがあるという趣旨
です。
機能性表示における骨密度表現一般を不
可としたり、一般食品・健食における含
有表現一般を不可としたりするものでは
ありません。
弁護士出身の実業家・林田です。
消費者庁発2016年6月30日「健康食品に関する
景品表示法及び健康増進法上の留意事項につ
いて」の通知の改正案が公示されています。
9月12日・13日・14日の「薬事の虎」でも取り
上げていますが、こちらでも取り上げたいと
思います。
Q.景表法新通知改正案では、「健康増進法第
65条第1項は、"錠剤やカプセル形状の食品
のみならず、野菜、果物、調理品等その外
観、形状等から明らかに一般の食品と認識
される物を含め"、食品として販売に供する
物に関し、健康保持増進効果等について虚
偽誇大な表示をすることを禁止している」
とされています(" "部分が追加される)。
これは「明らか食品」に関するものですが、
「明らか食品」の規制が変わるのでしょう
か?
A.1.ルール自体に変化はありませんが、運用
は厳しくなると思います。
2.「明らか食品」は薬事法の対象外ではあ
るが、虚偽誇大表示禁止の規制を受ける
ことについては、私は私が20年前に書い
た「健康食品・薬事法コンプライアンス
のノウハウ」において記述していること
です(>販売サイト)。
よって、ルール自体に変わりはありませ
ん。
3.しかし、機能性表示食品が2015年に4月
から始まり、かつ、野菜・果物などの生
鮮食品も広く対象とするようになってき
たので、運用としては「明らか食品」の
例外はあまり認めず、「効果を言いたけ
れば機能性表示で」という方向にどんど
んシフトして行くと思います。
※「薬事の虎2795号(2022年9月1日配信)の
方もご参照下さい。
弁護士出身の実業家・林田です。
今日もQ&Aです。
Q.(あ)通常価格5000円の除菌スプレーを「電
話注文なら1000円」と訴求し、受電す
ると「元気が出るサプリを毎月3000円
で定期購入すると(縛りなし)、初回
は除菌スプレーとセットで1000円」
「どうせ除菌スプレーに1000円は出す
つもりだったのだから、3000円のサプ
リまでついて3000円分オトク」と勧め
る企画があります。
これはOKですか?
(い)サプリを熱心に勧めるが、除菌スプレ
ーに固執したら除菌スプレーを販売す
る、という企画ならどうですか?
A.1.(あ)について
(1) メインの論点は「電話勧誘販売」です。
これに該当すると、確認書面を送り、
かつ、クーリングオフを認めなければ
なりません。
「電話勧誘販売」は原則アウトバウン
ドの場合ですが、例外的にインバウン
ドでも該当する場合があり、本件はそ
れが問題になります。
(2) インバウンドでも「電話勧誘販売」に
該当するのは、詐欺的に電話をかけさ
せている場合、「見せ玉」を使って電
話をかけさせている場合です。
経産省の特商法解説はこう述べていま
す(第2条解説)。
"「電話勧誘販売」とは、販売業者又は
役務提供事業者が、消費者に電話をか
け、又は特定の方法により電話をかけ
させ、その電話において行う勧誘によ
って、消費者からの売買契約又は役務
提供契約の申込みを「郵便等」により
受け、又は契約を締結して行う商品、
権利の販売又は役務の提供のことをい
います。"
(3) さらに経産省の解説を見ると、
「Aを広告して電話をかけさせ、そこ
でBを勧める場合」を挙げています。
しかし、本件は「A」に当たる「除菌ス
プレー」を広告しておいて、「除菌ス
プレー」でなく「サプリ」を買わせる
という手法ではなく、セットで買わせ
るという手法であり、「除菌スプレー」
を訴求している広告は虚偽ではないの
で、「電話勧誘販売」には該当しませ
ん。
2.(い)について
この場合はセットで売るのではなくサプ
リだけを売ろうとしているので、経産省
が挙げる「Aを広告して電話をかけさせ、
そこでBを勧める場合」により近いと言え
ます。
しかし、「除菌スプレー」に固執する人
には「除菌スプレー」を販売するという
わけですから、それなりの割合で「除菌
スプレー」を販売しているのであれば
(たとえば、受電中30%の人は「除菌ス
プレー」を購入している)、「除菌スプ
レーを訴求している広告は虚偽ではない
ので、やはり「電話勧誘販売」には該当
しません。
弁護士出身の実業家・林田です。
「高額な商材には全額返金保証を付ける」。
これはマーケティングの基本です。
しかし、その条件が過重だったり不明確だっ
たりすると無効になります。
この辺りは適格消費者団体が厳しく追及して
来ます。
たとえば、パーソナルジム247事件。
ホームページには、「安心の全額保証」「万
が一、痩せられない場合1円もいりません」
「痩せなかった場合、全額返金制度アリ」と、
6.5cmのバナーで書いてあり、その下に0.29cm
の注記で「※退会手数料は含みません。詳し
くは利用規約、免責事項をご覧ください」と
あり、その利用規約を見ると次の二つの条件
が書いてありました(>返金保証の見せ方1)。
(1) トレーナーの言う通りに実践すること
(2) 初回のトレーニングから30日以内に返金
の申し出をすること
これに対し、適格消費者団体「埼玉県消費者
被害をなくす会」が、改善を申し入れました。
注記は小さいので見落としやすい、注記から
利用規約に飛んで、そこを読まないとわから
ないというのも迂遠すぎる、というのです。
結果、全額保証の訴求が次のように改められ
ました(>返金保証の見せ方2)。
(1) 全額返金には三つの条件があることを
「痩せなかった場合、全額返金制度アリ」
の直下に書く
(2) 三つの条件も、「トレーナーの言う通り
に実践すること」のように曖昧なもので
はなく客観的に明確なものにする。
最近も、「埼玉県消費者被害をなくす会」が
除毛ローションの全額返金保証を無効として、
その訴求の差止めを請求しています(>差止請求)。
全額返金保証についてご関心がおありの方は、
info@yakujihou.com 問い合わせ係までお気軽
にお問い合わせ下さい。
弁護士出身の実業家・林田です。
今日もQ&Aです。
Q.6月から定期コースの規制を強化する改正
特商法が施行されましたが、現在の追及状
況はどうなのですか?
A.1.改正法のメインは、(1)消費者に取消権が
与えられたこと、(2)適格消費者団体が差
止請求できるようになったこと、(3)ペナ
ルティとして刑事罰が設けられたことで
す。
2.このうち現在動いているのは(2)です。
7月4日には京都消費者契約ネットワーク
が化粧品会社の広告の差止を求めて提訴
しています。こんなニュースです。
「適格消費者団体のNPO法人「京都消費者
契約ネットワーク」は7月4日、定期販売
が前提にも関わらず、「お試し購入」を
装った広告で消費者を誤認させたとして、
東京の化粧品販売業者「CRAVE ARKS」を
京都地裁に提訴した。同法人によると、
同社は自社化粧品を販売するウェブサイ
ト上で、「初回特別価格約79% OFF、
1980円」などと表示していたが、実際に
は30日後に2回目の商品が届き、以後60日
毎に商品が自動的に送付される定期購入
契約になっており、もし2回目で解約を申
し出た場合には、通常価格との差額8千円
を支払わせる仕組みになっていたという。
同法人は昨年12月、同社に対し消費者へ
誤認を与える広告表示をしないよう求め
たが改善されなかったため、今回、その
広告差し止めを求める法的措置に出たも
の。」
3.消費者庁は法改正前に比べると追及の手
を緩めている感じです。適格消費者団体
にある程度委ねている気がします。