景表法ニュースレター バックナンバー

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元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

今日は、紹介プレゼントに関するQ&Aです。

 

Q.5000円(1か月用)のサプリを売っています。

この度、お友達紹介キャンペーンを実施し、紹

介された方が定期コース(縛りなし。いつでも

解約可)を申し込むと、このサプリを1個もら

えることにしようとしたところ、それはNGと言

われました。

 

(あ)なぜですか?

(い)何か手はないですか?

 

A.1.(あ)について

NGのロジックはこうです。

イ.被紹介者へのプレゼントは総付け景品にな

ロ.総付け景品は取引価格の2割がプレゼント

のMAX

ハ.本件は1個5000円だから5000円の2割

=1000円がMAX

ニ.本件商品は5000円だからこれをプレゼント

にはできない

 

ただ、このロジックは疑問です。

 

2.(い)について

(1)デパ地下の試食品のようにお試しの「最小

単位」と言えるものは景品とはみなされません。

 

1か月分だと、「最小単位」とは言えないの

で、3日分くらいのものを作り、これをプレゼ

ントする手があります。

この3日分は「景品」にはならないので、景

品規制がカバーしません。

 

(2)1か月分だと、「景品」と見ざるをえな

い、というのが1のロジックですが、「定期」

の1回分なので別の考え方も可能です。

 

つまり、1年を例にすると、「11回分の支払

いで12回分を得た」ということになります。

 

この1回分はプレゼントではなく、値引きです。

値引きに景品規制はカバーしません。

よって、景品価格がどうか?という問題は生じ

ません。

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

私のメルマガでは、最近しばしば、景表法の

「確約手続」を取り上げています。

 

それは、この手続きは、景表法違反で追及され

たときに、企業にとって一種の司法取引となり

うる、つまり一枚の重要なカードとなりうるこ

とが、当局と弁護士法人TTI(YDCと連携す

る弁護士法人>ウェブサイト)のやり取りの中

で感じるようになって来たからです。

 

こういうことです。

 

1.景表法追及は調査から始まります。

 

2.その過程で、この件は措置命令まで行くか

どうかが大体見えてきます(措置命令まで行け

ば原則課徴金命令まで行きます)。

 

イ.措置命令の損失は公表による信用失墜です。

 

ロ.課徴金命令の損失は「違反広告からの売

上」3年間の3%です。

 

3.ロは自分でもおおよそわかります。

「違反広告からの売上」の算出は大変ですが、

単純売り上げがMAXなので、少なくとも

MAXはわかります。

 

たとえば、過去3年間の商品売り上げが3億

の場合、課徴金はMAX900万です。

 

4.ここで、「確約手続」を自ら消費者庁に提

案するかどうかを検討します。

 

消費者庁がそれに乗ってくれば、措置命令は

なく、課徴金もありません。

 

消費者庁としても、「悪質」と思える事例は、

措置命令 →課徴金ルートの処理に持っていか

ざるを得ませんが、そうでない案件の場合は、

「確約手続」で処理した方が効率的で処理実績

も残せて、乗れない話ではありません。

 

5.企業側が検討すべき材料は次の4点

(1)確約手続でも公表されるので、必ず報道

される措置命令ほどではないにせよ若干の信

用失墜はある。

 

(2)現在の消費者庁追及がもしかしたら「注

意」で終わるかもしれない。そうなったら、信

用失墜もお金のペナルティもない。

 

(3)誠意の証に「返金」が求められるので、

3のMAXを睨みながら、どこまで出せるかを

考える。

 

(4)確約手続で話がまとまれば、以後、措置

命令・課徴金命令の対応が不要となり、対応コ

ストが減る。

 

6.5を検討して「確約手続」も悪くないとい

うことになれば、企業側から「確約手続」を消

費者庁に提案してみましょう。

 

 

■いかがでしたか?

確約手続のカードを自ら切るかどうかはとても

高度な判断で、豊富な知見が必要になります。

 

それが可能なのは、TTI/YDCと思っています。

お問い合わせはinfo@yakujihou.com まで。

 

 

■特定商取引法【2025.7.1】

『消費者庁|美容液通販のVIRTHに6か月間

の業務停止命令 誇大広告と誤認表示』

 

・消費者庁は6月27日、特定商取引法違反が

あったとして、美容液などを販売する通信販売

業者・株式会社VIRTH(東京都渋谷区)に対

し、通信販売に関する一部務部停止命令(6か

月)を発出した。

・問題となったのは、自社ウェブサイトにおけ

る美容液「B.D SHOT100 MOISTURE

SERUM」などに関する誇大広告や、定期購入

契約の申し込み画面における誤認を招く表示。

・誇大広告の内容として、「水分計では、潤い

とハリがたっぷり!」」「そのシワなかったこ

とに!たった3秒でピーン!」「ガンコなほう

れい線も?!」などと表示するとともに当該結

果を示すかのような画像を掲載していた。

・消費者庁からの求めにより、同社は当該表示

の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出

したが、合理的な根拠として認められなかった。

・さらに、申し込み画面に「10分間のみ有効

確実お得な特典クーポンを ぜひご使用くださ

い。」といったカウントダウンタイマーを表示

し、制限時間内の申込みを促した上で、特典ク

ーポン適用のための操作と誤認させて実際は定

期購入の申込みとなるような表示をしていた。

 

*ソース:6/27

通信販売業者【 株式会社VIRTH 】に対する行政処分について

 

■機能性表示食品【2025.7.1】

『消費者庁|機能性表示食品通販会社のハハハ

ラボに課徴金命令』

 

・消費者庁は6月30日、景品表示法違反(優

良誤認)により、株式会社ハハハラボ(東京都

墨田区)に対して、1,086万円の課徴金納付命

令を発出した。

・対象となったのは、同社が販売する機能性表

示食品「メラット」であり、表示媒体はアフィ

リエイトサイトおよび自社ウェブサイト。

・同社はアフィリエイトサイトにて「何をやっ

ても太る理由が判明! 食べてないのに太るの

は“燃焼力”がないから50kg以上の女性9割

がしていない 3週間で60.8kg→47.

2kgまで痩せた方法がすごい!」といった表

示とともにビフォーアフター画像を使い、あた

かも本件商品に含まれる成分の作用により、痩

身効果が得られるかのように訴求していた。

・消費者庁からの求めにより、同社は当該表示

の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出

したが、合理的な根拠として認められなかった。

・また、「30~60代女性が選ぶダイエットサ

プリNo.1」など、ランキング上位のように見

せる表示をしていたが、、当該商品を販売する

各事業者のウェブサイトの印象を問うものであ

り、客観的な調査に基づくものではなかった。

 

*ソース:6/30

株式会社ハハハラボに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

今日は、ダイエットモニターに関するQ&Aの

続きです。

 

次のQの(う)以降をお話しします。

 

Q.当社は置き換え系のダイエット食品を販売

しています。

モニターを募り、1カ月でのビフォーアフター

のエビデンスを作ってそれを訴求したいと考え

ています。

 

(あ)そもそもこういう企画は法律的に可能で

しょうか?

(い)モニターはどうやって選べばよいです

か?

(う)モニターは何人くらい必要ですか?

(え)体重測定はどうしたらよいですか?

(お)ダイエットは他の要因も影響しますが、

そこはどうしたらよいですか?

(か)ビフォーアフター広告に出る人はどうや

って選べばよいですか?

 

A.3.(う)について

(1)この食品を摂取している人と摂取してい

ない人の比較を行うのが適切です(群間比較)。

 

まず、1ヵ月摂取し、1ヵ月くらい間を開けて、

1ヵ月摂取しないデータを取るというやり方が

よいと思います(クロスオーバー法と呼ばれま

す)。

 

(2)このクロスオーバーを前提とすると、モ

ニターの数としては40名くらいほしいところ

です。

※どうしてこういう数になるのか(サンプルサ

イズ)ご興味ある方はinfo@yakujihou.com

問合せ窓口までお問合せ下さい。

 

4.(え)について

体重は自己申告となり信頼性が低いので、体重

計に乗って体重を測っている写真(数値も見え

るもの)を送らせる等の工夫をした方がよいで

しょう。

 

5.(お)について

日々の食事や運動について記録をつけさせ、そ

れを送ってもらいチェックするといった方法で

管理しましょう。

 

6.(か)について

(1)クロスオーバー法で、摂取した場合と摂

取しなかった場合を比べて有意差があることが

前提となります(P>0.05)。

 

(2)その上で、摂取した場合について四分位

法を使って、「これくらい痩せる」と言える範

囲を確定します。

 

(3)(2)の範囲内のモニターをビフォーア

フター広告に出すようにするとよいでしょう。

 

※以上の統計処理について詳しいことをお知り

になりたい方はinfo@yakujihou.com

問合せ窓口までご連絡下さい。

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

今日は、臨床試験を行う費用はないがエビデン

スは持っておきたいという事例に関するQ&A

です。

 

Q.当社は置き換え系のダイエット食品を販売

しています。

モニターを募り、1カ月でのビフォーアフター

のエビデンスを作ってそれを訴求したいと考え

ています。

 

(あ)そもそもこういう企画は法律的に可能で

しょうか?

(い)モニターはどうやって選べばよいです

か?

(う)モニターは何人くらい必要ですか?

(え)体重測定はどうしたらよいですか?

(お)ダイエットは他の要因も影響しますが、

そこはどうしたらよいですか?

(か)ビフォーアフター広告に出る人はどうや

って選べばよいですか?

 

A.1.(あ)について

置き換えであればビフォーアフターなど「痩せ

る」訴求は法律上可能です。

あとはエビデンス(根拠)について景表法が問

題となります。

 

2.(い)について

「知っているお客様に頼んだ」では客観性がな

くNGです。

「無作為抽出」と言える必要があります。

「先着順に○名選んだ」とか「くじで選んだ」

といったやり方にする必要があります。

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

今週月曜の「薬事の虎」に書きましたように、

景表法違反を追及された場合にいろいろ判断・

計算して課徴金に行く危険があるなら、確約手

続に自ら持ち込んだ方がよい場合もあります。

 

確約手続は一種の司法取引であり、合理性が

優先します。

「清廉潔白が第一」などと言っていてはこの制

度を有効活用できません。

 

しかし、ステマは別です。

なぜなら、ステマは措置命令で終わることにな

っており、課徴金には行かないからです。

 

なので、「課徴金のリスクを読んで確約手続で

妥協する」という選択は成り立ちません。

 

ステマを追及されたら、ありとあらゆる反論を

考えるしかありません。