元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。
私のメルマガでは、最近しばしば、景表法の
「確約手続」を取り上げています。
それは、この手続きは、景表法違反で追及され
たときに、企業にとって一種の司法取引となり
うる、つまり一枚の重要なカードとなりうるこ
とが、当局と弁護士法人TTI(YDCと連携す
る弁護士法人>ウェブサイト)のやり取りの中
で感じるようになって来たからです。
こういうことです。
1.景表法追及は調査から始まります。
2.その過程で、この件は措置命令まで行くか
どうかが大体見えてきます(措置命令まで行け
ば原則課徴金命令まで行きます)。
イ.措置命令の損失は公表による信用失墜です。
ロ.課徴金命令の損失は「違反広告からの売
上」3年間の3%です。
3.ロは自分でもおおよそわかります。
「違反広告からの売上」の算出は大変ですが、
単純売り上げがMAXなので、少なくとも
MAXはわかります。
たとえば、過去3年間の商品売り上げが3億
の場合、課徴金はMAX900万です。
4.ここで、「確約手続」を自ら消費者庁に提
案するかどうかを検討します。
消費者庁がそれに乗ってくれば、措置命令は
なく、課徴金もありません。
消費者庁としても、「悪質」と思える事例は、
措置命令 →課徴金ルートの処理に持っていか
ざるを得ませんが、そうでない案件の場合は、
「確約手続」で処理した方が効率的で処理実績
も残せて、乗れない話ではありません。
5.企業側が検討すべき材料は次の4点
(1)確約手続でも公表されるので、必ず報道
される措置命令ほどではないにせよ若干の信
用失墜はある。
(2)現在の消費者庁追及がもしかしたら「注
意」で終わるかもしれない。そうなったら、信
用失墜もお金のペナルティもない。
(3)誠意の証に「返金」が求められるので、
3のMAXを睨みながら、どこまで出せるかを
考える。
(4)確約手続で話がまとまれば、以後、措置
命令・課徴金命令の対応が不要となり、対応コ
ストが減る。
6.5を検討して「確約手続」も悪くないとい
うことになれば、企業側から「確約手続」を消
費者庁に提案してみましょう。
■いかがでしたか?
確約手続のカードを自ら切るかどうかはとても
高度な判断で、豊富な知見が必要になります。
それが可能なのは、TTI/YDCと思っています。
お問い合わせはinfo@yakujihou.com まで。
■特定商取引法【2025.7.1】
『消費者庁|美容液通販のVIRTHに6か月間
の業務停止命令 誇大広告と誤認表示』
・消費者庁は6月27日、特定商取引法違反が
あったとして、美容液などを販売する通信販売
業者・株式会社VIRTH(東京都渋谷区)に対
し、通信販売に関する一部務部停止命令(6か
月)を発出した。
・問題となったのは、自社ウェブサイトにおけ
る美容液「B.D SHOT100 MOISTURE
SERUM」などに関する誇大広告や、定期購入
契約の申し込み画面における誤認を招く表示。
・誇大広告の内容として、「水分計では、潤い
とハリがたっぷり!」」「そのシワなかったこ
とに!たった3秒でピーン!」「ガンコなほう
れい線も?!」などと表示するとともに当該結
果を示すかのような画像を掲載していた。
・消費者庁からの求めにより、同社は当該表示
の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出
したが、合理的な根拠として認められなかった。
・さらに、申し込み画面に「10分間のみ有効
確実お得な特典クーポンを ぜひご使用くださ
い。」といったカウントダウンタイマーを表示
し、制限時間内の申込みを促した上で、特典ク
ーポン適用のための操作と誤認させて実際は定
期購入の申込みとなるような表示をしていた。
*ソース:6/27
通信販売業者【 株式会社VIRTH 】に対する行政処分について
■機能性表示食品【2025.7.1】
『消費者庁|機能性表示食品通販会社のハハハ
ラボに課徴金命令』
・消費者庁は6月30日、景品表示法違反(優
良誤認)により、株式会社ハハハラボ(東京都
墨田区)に対して、1,086万円の課徴金納付命
令を発出した。
・対象となったのは、同社が販売する機能性表
示食品「メラット」であり、表示媒体はアフィ
リエイトサイトおよび自社ウェブサイト。
・同社はアフィリエイトサイトにて「何をやっ
ても太る理由が判明! 食べてないのに太るの
は“燃焼力”がないから50kg以上の女性9割
がしていない 3週間で60.8kg→47.
2kgまで痩せた方法がすごい!」といった表
示とともにビフォーアフター画像を使い、あた
かも本件商品に含まれる成分の作用により、痩
身効果が得られるかのように訴求していた。
・消費者庁からの求めにより、同社は当該表示
の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出
したが、合理的な根拠として認められなかった。
・また、「30~60代女性が選ぶダイエットサ
プリNo.1」など、ランキング上位のように見
せる表示をしていたが、、当該商品を販売する
各事業者のウェブサイトの印象を問うものであ
り、客観的な調査に基づくものではなかった。
*ソース:6/30
株式会社ハハハラボに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について