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景表法ニュースレター バックナンバー

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薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問

の林田です(元政府委員・元弁護士)。

今日はQ&Aです。

 

Q.花王さんは育毛剤セグレタの独自開発成分

「t-フラバノン」に関し、「毛根に直接作用し、

髪の成長サイクルを改善し、根元から太く長く

育て、コシのある抜けにくい髪に。」と訴求し

ています(>該当サイト)。

 

これはOKですか?

 

A.1.成分に落とし込んだとしても、育毛剤

として言えること以外は言えません。

 

2.「毛根に直接作用し、髪の成長サイクルを

改善し、根元から太く長く育て、コシのある抜

けにくい髪に。」は、

「根元から太く長く育てる」

「コシのある抜けにくい髪」

は育毛剤の承認効能として言えますが、

「髪の成長サイクルを改善」

は育毛剤の承認効能にはありません。

 

3.しかし、承認効能になくても作用機序に位置

付けられるものはエビデンスがあれば言えます。

 

医薬品等適正広告基準3(1)の解説に、

「数種の成分からなる医薬品等について、その

個々の成分についての効能効果の説明を行う

場合及び医薬品等の作用機序を説明すること

は、医学、薬学上認められており、かつ、その

医薬品等の承認等されている効能効果等の範

囲をこえない場合に限り差し支えない」

とあるからです。

 

4.本件の「髪の成長サイクルを改善」は、作

用機序の言い回しになっているのでエビデンス

があればOKです。

薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問

の林田です(元政府委員・元弁護士)。

 

適格消費者団体による追及が増えています。

 

今年の3月6日現在でその数は27(ココリスの

MAP>リンク)。

 

昨年末までで、差止請求を受けた企業数が約

1200、訴訟に至ったケースが約100となって

います(ココリスの資料>リンク)。

 

もともとマンパワーも予算も不足する消費者庁

の補完的に始まった制度ですが、ここまで来る

と看過できない制度になっています。

 

今日はそんなお話しです。

 

1.フロー

(1)問合せ →申し入れ →差止請求(裁判外)

→差止訴訟と進んでいきます(>フロー図)。

 

(2)「問合せ」が的外れ、あるいは、それに

よって改善したという場合はそれで終了。

そうでない場合は「申し入れ」に進みます。

 

(3)「申し入れ」で改善された場合はそれで

終了。

そうでない場合は「差止請求」(広告を止めろ、

利用規約を使うな、といった請求)に進みます。

 

(4)「差止請求」でも改善しなければ「差止

訴訟」となります。

 

(5)「問合せ」に関しては公開されないケー

スもありますが(たとえば消費者被害防止ネッ

トワーク東海がRIZAP社を追及したケースは

非公開となっています)、「申し入れ」はすべ

て公開されます。

 

2.追及論点

(1)特商法・景表法・消費者契約法違反につ

いて追及する権限を持っています。

 

(2)薬機法違反について追及している事例も

ありますが、権限外という対応が可能です。

 

3.立証責任

(1)「不実証広告規制」という制度がカバー

すると企業側に立証責任があり、企業側が「正

しい」ということを立証しなければなりません

が、「不実証広告規制」がカバーしないと追及

側が「企業が言っていることは正しくない」と

いうことを立証しなければなりません。

 

適格消費者団体による追及に関しては「不実証

広告規制」はカバーせず、適格消費者団体が立

証責任を負います。

 

(2)(1)の点に関してはインシップ事件に関

する広島高裁判決(広島高裁令和5年12月

7日判決)において次のように明確に述べられ

ています(資料提出を要求する権限もないと述

べています)。

 

「(イ)不実証広告規制は適格消費者団体には及

ばないから消費者の誤認に関しては団体に立証

責任がある、

(ロ)それゆえ、団体は当然に資料の提出を要

求できるわけでない」

薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問

の林田です(元政府委員・元弁護士)。

 

「全額返金保証」。

消費者には安心感を与えるワードですが、一つ

間違うと行政指導のネタにもなります。

 

今日は「半年分を180日間お使いいただいて

ご満足頂けなかった方には全額返金します」と

いうケース(商材はサプリ)についてお話しし

ます。

 

1.「全額返金保証」の有効性に関する基本的

なチェックポイントは、

(イ)「全額返金保証」の条件・手順がきっちり

消費者に示されているか?

(ロ)(イ)が不合理な内容になっていないか?

です。

 

2.(イ)について

「全額返金保証」の訴求の直下に、消費者がは

っきりと認識できる大きさ・色で示すことが必

要です。

 

3.(ロ)について

(1)「飲み切った箱を返送せよ」など、単に返

金のハードルを上げているだけの条件や、電話

のみで受けることにしているが電話できる時

間は2時間に限られている等、申請しにくい手

順になっているという場合は指導の対象にな

ります。

 

(2)最近、上記のような事例で半年分を180

日を超えて使っている場合は全額返金しない

というケースが問題となりました。

 

ポイントは合理性です。

 

一定期間に使い切ることに合理性がある(それ

が効果的)という根拠が示せるのであればよい

と思いますが、そうでない場合は指導の対象と

なります。

 

薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問

の林田です(元政府委員・元弁護士)。

 

広告に関し景表法違反を認定し、措置命令 →

課徴金支払命令と流れる流れに対し、景表法違

反の疑いで止めておいて、確約計画(改善計

画)を出させてその先には進まないと流すやり

方(確約手続)が増えています(これまで8件

措置命令・確約手続きDB)。

 

今日はそんなQ&Aです。

 

Q.(あ)確約計画に顧客への返金を入れる例

が多いようですが、これは必須ですか?

 

(い)どれくらいの返金額にしたらよいのです

か?

 

A.1.(あ)について

MUSTではないがBETTERという感じです。

 

これまでにも、宅配弁当に関する味の素事件や

イングリウッド事件(>措置命令・確約手続きDB

では返金なしで終わっています(但し、イング

リウッド事件(>措置命令・確約手続きDB

ではステマに関してはそうだったがNo1表示

に関してはそうではない)。

 

2.当該広告を景表法違反と認定した場合の推

定売上額の約1~3%くらいではないかと思い

ます。

 

それ以上高いのでは企業側としては争った方が

マシだし、それ以下に安いのでは謝罪として弱

いからです。

薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問

の林田です(元政府委員・元弁護士)。

 

先日、尿もれ防止を訴求するパンツの広告に対

し措置命令が下されました(>

措置命令・確約手続きDB)。

 

今日はその措置命令に関するQ&Aです。

 

Q.尿もれ防止を訴求するパンツの広告に対す

る措置命令。

エビデンスはあったみたいだけど、何がいけな

かったのですか?

 

A.1.提出したエビデンスは、パンツを横に

寝かせた状態で保水力を測ったものでした。

 

しかし、訴求は実際に使用する状況を想定して

おり、実際に使用する状況であれば立位になる

ので、実際の使用状況とエビデンスの間に

GAPがあります。

 

それゆえ、このエビデンスでは不可とされたわ

けです。

 

2.実際に使用する状況を想定するのであれば

立位でのエビデンスが必要ですし、横に寝かせ

た状況での保水力のエビデンスしかないのであ

れば、その旨を明確に注記すべきでした(打消

し表示)。

 

広告を考えるにあたっては、訴求とエビデンス

にGAPがないかをチェックする必要がありま

す。