風きらず疾走する文明の中で
めまぐるしく景色が変わる事が興味深かった。
多くの情報が目に入り込んでる。
それなのに何の匂いも感じない。
これは不思議だ。身を乗り出さずにはいられない。
クラクションは鳴らせるほどの重さはない。
だけども自分がこの機械を操縦しているかのような、それとも自分の足で疾走しているかのような錯覚を覚えて後ろ足に力を入れた。
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再び始まる共有する生活
同居しているポムが帰ってきた。襟には鮮やかな色のカラーを巻いている。俗に言うエリザベスカラーだ。
手術は無事に終了した。画像ではわからないが、腹部は丸刈りで縫い後もまだ痛々しい。
一週間はこの状態でいなければならないようだ。
そこら辺の壁にぶつかりながらケンスケの後を必死で追うポムを見ると、一週間の入院生活がどれほどのものだったか想像がつく。一言お疲れ様と言いたい。
水を飲むのも一苦労のようだ。心なしか疲れているのか元気がなく寝ることが目立つ。早くもと通りになってもらいたい。
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この世で一番美しい桜。満開。
ケンスケの実家にある桜の木も満開を迎えた。舞い落ちる花びらを初めて見て興味深げに後を追う。
ここの桜が一番綺麗だと彼は言う。他の桜にはない物があるのだと。
長い年月をかけてケンスケと共に育った桜。同じ場所で小さな頃から毎年それを見てきたケンスケ。
両者には特別な関係があるのだろう。
来年私もまたここに来れるだろうか。
これからずっとこの桜を一緒に見ることができるだろうか。
わからない。ただ同じ感情を共有できればいいと思う。
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