認知症勉強会は月2回程度院内で定期的に開催しており、理学療法士と作業療法士、言語聴覚士が混合したメンバーで構成しています。主に「認知症に関する基礎知識や概要」「関わり方・接し方」「症例検討」についてメンバー全員で活発な意見交換をしながら勉強しています。
今回はOT今西が日本認知症学会学術集会に参加したため伝達を行いました。今学会のテーマは「認知症学の展望~超高齢社会における現状と課題~」で、認知症の薬物療法や最新の研究成果、認知症予防に関する話題が多くありました。
数多くの講演に参加させて頂きましたが、その中でも「BPSDへの対応はいかにすべきか」「アルツハイマー型認知症患者への精神療法的アプローチ」「認知症者の終末期医療をどう考えるか」に関しては非常に興味深く、私たち医療従事者の日々の臨床へ活かすことができる内容でした。
私たちの日々の臨床場面では“認知症の方との関わり方”に悩むことが多いかと思います。現状ではエビデンスが確立したものは存在していません。しかし実際には“認知症の方との関わり”ではなく“人と人との関わり”が大事であり、エビデンスよりも理念をもち、いかに愛をもって関われるか。患者様ではなく周囲の私たち自身が変わる必要があります。
また、認知症が進行すると物忘れや知的能力の低下のみではなく、見当識障害や失語・失行、判断力の低下などの中核症状、妄想や不安、暴力や徘徊などの周辺症状が強く現れます。さらに終末期には意思疎通困難、食事や入浴の拒否、寝たきりへと進行していきます。コミュニケーションを取ることが困難となった患者様と真摯に向きあい、話を聞き、思いを汲み取るためにはスキルと経験が必要です。そのためには終末期を学ぶ必要があり、考えていかなければならない課題でもあります。
今回の勉強会を通して、最新の知識や話題を共有し、日々の臨床場面での関わり方や考え方に関して意見交換をしていくことの重要性を感じました。今後も患者様により良いリハビリテーションと愛のあるかかわりを提供できるよう精進していきたいと思っています。
リハビリテーション部