批判・バッシング・炎上・苦情・誤解から守り、数値をファクトチェックする「オムニメディア」 -9ページ目

派遣問題の基本

テーマ「経営危機と雇用問題を考える」3月12日 海渡雄一弁護士さんを講師にした勉強会。


非正規雇用とは、期間を定めて短期契約で職員を雇う雇用形態を定義する。非正規雇用にはパート、アルバイト、契約社員、派遣社員の4つ。パートは契約期間がアルバイトより短い。アルバイトと契約社員は法律上区別するのは難しい。

雇い止めされると、住居と仕事を両方失う。労働者として人間扱いされていなかった。つなぎの服がなくなり、首になったと思って、飛び出したという経過があった。


メリット・デメリット
・使用者のメリット:労働力調整ができる。教育費の削減。
・使用者のデメリット:知識技術の経験が蓄積できない、後継者・ベテランが育たない。忠誠度が低い。


非正規の労働者を雇った場合、人件費が安くなることが問題である。だからそれを認めていない国もある。労働者にとってのデメリットは仕事の内容が正規職員と一緒でも、低賃金であること。つまり、同一価値労働になっていないこと。特に、昇給制度がないし、研修は限定的、一番まずいのは雇用形態が短期的であること。最低の生活を保障されていないということだ。


パート・アルバイト・契約社員などの雇用保障の問題は2つ。①期間が定まっているので、1年間は働けると思うが、途中での雇い止めなどがおきたりすること。②契約の更新拒絶。①と②は法律的に全く違う考えないといけない。派遣労働で切られた場合は、労働契約法17条の「やむを得ない理由」がないといけない。

②の更新拒絶が大問題になる。契約は期間を定めていれば終りになるのが普通である。日立メディコ事件。5回更新した後でしたら、解雇と同様の要件がないといけない。


労働者派遣、もともと「ピンハネ」と呼ばれていた。戦後、250万人が労働ボスのもとでタコ部屋労働をしていた。
で、憲法のなかで、労働権、生活権が保証された。「労働は商品ではない」とILOが宣言した。

日本は1947年からずっと労働者派遣は禁止されてきた。しかし、マンパワージャパンが事業請負という形態で仕事をしてきた。70年代、オイルショックのころ、現に存在しているので、法規制が必要では?という動きがおきてきた。他方、83年ごろから、労働者派遣法を作った方がいいという意見があった。


最初にできた労働者派遣法は適用業務が非常に限定されていた。1999年以前は26業務に限定されていた。しかし、2003年から製造業派遣が解禁された。平成15年、モノの製造業務への労働者派遣の解禁された。

登録型派遣は派遣先雇用がなくなるとそこで切られてしまう。常用型派遣の場合、契約が破棄されても、その期間休業手当を払わないといけない。



群馬から帰京のはてに

今日は群馬の上毛高原からの帰りで会社による。

仕事がたくさんあってきついきつい。企業社会人としては規格外の僕も企業社会人の基本を学んでいる・・・・・この年になって。


ところで、小山淳氏が立ち上げているMYFC、彼のJプレーヤーズという会社のWEBサイトを見て、オムニメディアの立ち上げを早く行わなければと思った。


【MYFC】

http://www.myfc.jp/

オンラインで会員を募り、会員がサッカーチームを運営するという夢を実現。


地域医療セミナー:城西大学伊関友伸さん


行政経営フォーラム九州もやいグループの地域医療のミニセミナーに参加しました。

まあ、所属する団体の関連団体だということ、福岡にいたこと、医療について学ぶ必要があると思っていたことから参加しました。伊関さんの「試練の時代の自治体病院経営」という話が面白かった。沖縄県の県立中央病院は放射線リニア、3000万円の修理費もない、更新もできない。つまり、お金がないそうだ。住民の意識も低いし、独立して経営をあげないといけないかな、と独立経営法人にしようかと思っているそうだ。沖縄タイムズを中心に反対が起きているそうだが・・・・。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-27-M_1-002-1_001.html

「まちの病院がなくなる」という本を書いて病院改革のカリスマとなった彼。もともと埼玉県職員だったときとは印象ががらりと変わったなあ・・・。


彼の話から学んだ地域医療の基礎知識を紹介しよう。


1.全国の病院

・20のベットがあるのが病院。それ以下が診療所
・病院が9000あって、そのうち1000が自治体。
・町村立病院が100床以下、たいてい不採算地区にある。

・2006年に診療報酬の改定があった、3%下がってみな大赤字になった。ほとんど黒字がでなくなってしまった。

・自治体病院の経営。国の医療費縮減政策、高コスト体質、病院経営の素人が経営する非合理という問題がある。

・診療報酬の改定、昔は診療報酬は増えていた2002年以降はマイナス。最近少しプラスに。薬価が下がっているので、全体的にも下がっている。
・国立は100収入あると99.7支出、民間は100収入あると94.5支出、日赤も赤字なんだって。彼は公的が黒字になるくらいなのが適度なレベルと考えているそう。

・自治体立の病院は、給与費が国立や民間より高い。受付などの派遣、ニチイ学館など。しかし、派遣される人は若い時は自治体病院、キャリアを積んだら民間へ。安いお金で苦しい。

・お医者さんの給料は民間と比較して休め、公的よりは高め。看護師・准看護師・薬剤師・事務職員・技能労務員などの給料は高いんだって。

・地方財政健全化法成立 2007年6月。そこで、病院も含めてチェック。2007年12月、すべての病院に「公立病院改革ガイドライン」が出された。医師・看護師不足が問題!。昨年、財政支援のあり方委員会、ガイドラインに否定的な人が入って、流れがかわってきたそうだ。


2、医師不足の問題
・小児科医・産科医が2・3年は不足している。その理由は以下。
①新臨床研修制度の研修、免許取りたての医者が自由に選べるようになった。これはきかっけ。
②医局制度の崩壊。
③医療の高度化:今は多くのひとが必要になった。先端医療には医師が必要になってきた。そうすると医師は必然的に不足する。
④仕事の増加(書類の多さ、説明責任):医療の安全の観点から書類が増えた。自治体病院は激務。
⑤低い医師給料
⑥コンビニ医療指向:夜中、目がかゆいとかということ、そういう人たちはやまほどいる。
⑦病院管理者の無理解

3、大量退職
・特に。内科と産科に多い。コンビニ感覚の夜間診療や飛び込みで仕事が忙しい。
・医師会も協力してくれない。


4、医師不足
・単純に医局の派遣に頼っていたので、医師不足に苦しむ。ただの箱になってしまう。
・「存続」といっていた市長が「廃止」と平気で言う。松原市、銚子市・・・リコール運動。


そのほかは彼が今関わっている夕張の問題についての話だった。

【サッカー】チームマネジメント

ZICO備忘録を読む。サッカーのスーパースターで名門・鹿島アントラーズの礎を築いた指導者。

このブラジル人のコメントはなかなか面白い。


「どんなにうまい選手がそろっていても、高い技術・戦術・走力を備えていてもそれだけでは覇権はつかめない」

「勝利を目指す強い意志、燃えるような闘志、チームに身をささげる心、高い目的意識、自分のパフォーマンスを少しでもレベルアップしようとする向上心、これらの要素を選手全員が備えていないと大きな勝利は手にできない」


「全員がわずかのすきもなく同じ方向を向き、同じことを絵に描いていないと勝ち進めない」こと

さらに、いいチームとは「心を合わせて、意思をがっちりとかみ合わせる、しっかりとした戦う哲学を共有している」チーム」という。


このチームマネジメントというものが難しい。サッカーのように比較的同じ目的を共有しやすい活動ならいいが、仕事などになると結構難しい。


また、ささやかれた日本代表チームの一体感のなさについても言及している。


「私は選手たちにじっくり議論してほしかった。意見を交換してほしかった。中田英寿は言いたいことをストレートに相手にぶつける人間だ。言い方がきつくなることもある。それに対して、その場で言い返さず陰でぶつぶつうのはおかしい」と。つまり、対話が行われなかったということだ。


チーム内には色々なグループがあったそうだ。

・中田1人

・比較的年上グループ

・小野軍団(79年生まれの「黄金世代」:FW高原直泰、MF稲本潤一、MF小笠原、DF中田浩二、DF加地亮ら)

・MF中村俊輔とMF遠藤、MFアレックスの仲良しグループ

・その他

これらを宮本がうまくまとめるそのチームだったはずが・・・・・


とことん言い合いをしないまま、初戦を迎えてしまったのだろう。

日本代表の采配で結果を残せず批判を受けたが、勝利を続けてきた男の言葉には深みがある。

企業の社会的責任に、政治過程の視点を


昨年度、あるNPOのボランティアとしてCSRレポートを読み込んだ。しかし、企業の政治過程への影響力を視野に入れているものはなかった。アメリカでは、株主総会で政治献金が問題化されてきているのに、日本はまだそのこと自体を議論すること自体がタブーみたいだ。

日本は業界団体を媒介して政治に影響を及ぼす傾向がアメリカより強いが、個別企業だっていろいろやっている。


・幹部になったら個人献金を強要される・・・・・東京電力

・何かの保険に(法律改正があった場合、自分たちに都合が悪くならないように便宜を図ってもらう)パー券を買う

・・・・・いろんな企業、最近は独占禁止法の事例

なんてことはざら。


アメリカ・ちぇいに―前副大統領(軍需産業ハリバートンの元CEO)が戦争やってイラク関係の公共事業にハリバートンを絡ませるというあつかましいまでの「利権誘導」は出てこないが。


野村克也の組織論

プロ野球、楽天の野村監督の「巨人軍論-組織とは、人間とは、伝統とは」(角川書店)を読んだ。

注目している監督であるが、マネジメントにも応用できるので最近読んでいる。野球はスポーツ新聞を毎日買ってチェックしていた高校3年生以来ほとんど見ていないが・・・・。


この本の内容は、「ID野球といわれるが、観察、分析、判断、決断、データ・情報と活用、思考と準備という頭を使うことに基本がある」ということが要旨。端的に言ってしまえば、それに尽きる。


特に、ここで常識を疑うような真実が述べられている。

「巨人V9のカギは、川上監督の采配にあるということ。川上監督の人間教育、ONさえも特別扱いしないなどの人のマネジメント、たゆまぬ競争環境づくり、つまり、競争を選手に強いたこと(森捕手は毎年有望捕手が入団し、それと競争させられる)、アメリカの戦法を学んだこと、・・・・・」。つまり、盟主として君臨できた理由は監督の采配に根源があったと。近代野球のスタイルはすべて「巨人が日本にもちこんだもの」と語る。


彼が自分の理論のベースは巨人の野球にあるそうだ。これは意外であろう・・・・あれほどメディアで批判していたわけだから。川上監督時代の巨人の野球に根源があるから、彼は評価をしていた、なのに、当時はなんておちぶれたのだ・・・という思いがあったからこそ、皮肉をいいたくなったのかとも推察される。


また、彼の言葉でふむふむと感じたのは以下の3つの言葉。

①「人間は結果よりもプロセスでつくられる」

ノルマ主義とか結果を求めすぎるとよくないのでは?という思いだ。資生堂がノルマ主義をやめたという。

最近仕事を通じてなんとなく、そうなんとなく感じ始めているていることである。そう思うのはノルマなどを持たない仕事を職業としているためだけではない(自分の仕事を「ラッキー」と思っていたこともあった)。


結果重視という言葉は基本的に好きではない、なぜなら私が芸術家を自称する人間だから・・・・・・ということは差し引いても、人の心理を圧迫するプレッシャーは効果的ではないのでは?あまりに人間的ではない。営業マシーンだとまではいわないが、現代の営業マンは人としての尊厳・扱いがされていないと思う。

そこで人が育つか?ある程度、裁量をまかせた場合はノルマ主義でもいい気がするが、ノルマを最重要視して、数字がすべての文化からは何が生まれるのだろうか?


短期的なノルマを課されたサラリーマンの話を聞くと、競争の土台が平等でない中、「かわいそう」と率直に思う。たとえば、担当するエリアが担当する商品を買ってくれる人がたまたまいたから良い成績、たまたまいなかったから悪い成績って感じで成績は運に左右される面が多いにあると思う。さらに、これは見落とされる側面であるが、ノルマなど結果で見るのは管理者としてはラクなんだろうなあと思わざるを得ない。人事評価はやはり面倒な手続き、いろいろと思考する必要があるので。


②「思考が人生を創る」

これはそのとおり。まだまだ僕は悩み抜いていないし、甘いよな~。


③「指導者は『人として生きる』ことを選手に徹底して教え込む必要がある。『人間はみな人生を生き抜く使命を有している』ことを説き。使命感を自覚させないといけない」

この言葉を聞いて少し安心した。自分には使命感を持っている人間だが(おこがましいけどね)、他人にこうしたことを伝えるのは「価値観の押し売りになるのでは?」と思っていた。こうしたことを他人に伝えてもいいわけだわさ。


と、彼の言葉をくどくど述べていたわけだが、最後に一言。「見限られた選手、くすぶった選手を再生させるための基本は情・・・」さらに、それで失敗したこともあるというのはなんとも彼らしい。ぼやきまくるおじさんの目に潜むやわらかな微笑みの裏にこういった情がある。



ロカ岬と4月25日橋、リスボン


ロカ岬からの大西洋を眺める。


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4月25日橋からリスボン市内を眺める


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発見のモニュメント(1960年にエンリケ航海王子の500回忌を記念してつくられた)


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やさしい人たちが住むリスボン・・・・・これまで訪れた町の中にもなかなかない。


Lisboa and Venfica Lisboa


リスボンは今日も雨・・・・という感じだが、リスボンの高台から望んだ市街。


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市街を走るトラム。これが坂を上下して、人を運ぶ。


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Venfica Lisboaのスタジアム、エスタディオ・ダ・ルス:Estádio da Luz

今回のリスボンにいった理由の1つは、大好きなサッカーチーム、ベンフィカ・リスボンを訪問することがあった。

まわりにアディダス、トヨタ、電化製品の店が並ぶショッピングもできるスタジアムってのは、サポーターにしてもいいものだ。


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Feliz ano novo.

Feliz ano novo. あけましておめでとうございます。

年頭初頭に思ったこと。 プロ野球、楽天の野村監督の言葉に以下のようなものがある・・・・


心が変われば態度が変わる

態度が変われば行動が変わる

行動が変われば習慣が変わる

習慣が変われば人格が変わる

人格が変われば運命が変わる

運命が変われば人生が変わる


なかなか厳しい言葉だ。この言葉の「心が変わることが一番難しい。心をどのように変えればいいのか?野村監督は答えない。この難題をどう克服するか・これを自分で変えるには何が必要か?自分の心が間違っていると気づかないと変われないだろう。気づいても人は変われないこともあるだろう。

姿勢や態度の奥底にある心、他人の心をどう変えていくのか,,,悩みます。

雨のリスボンから愛をこめて

遠藤保仁のコロコロPK


先日、サッカー・クラブワールドカップ準決勝、マンチェスター・ユナイテッド(ヨーロッパ王者)VSガンバ大阪(アジア王者)の試合を日産スタジアムに見に行ってきました。結果はみなさん知っての通り。乱打戦、つうか、ゴールショー。ガンバが自慢の攻撃サッカーを欧州の超名門クラブに対してやりきったこと、ルーカスのリズミカルなボールキープ、マンチェの選手たちのスピード、テベスの突進力、ルーニーのシュート、見どころありで本当に面白かった。


今回は遠藤保仁と「ころころPK」 についてちょっとコメント。彼は鹿児島が生んだ遠藤3兄弟の末弟。長男、次男のプレーは高校選手権で見ていたが、彼のプレーはこれまで見たことがなかった。長男はスピードのある突破力のFW、次男はバランスのいいMFだった。彼は兄たちとは違う。彼の特徴は、鋭いパスとボールキープ力。


彼はコロコロPKという、特徴的なPKを蹴る。コロコロボールが転がっていくことから名付けられた。

ポイントは、

①ボールを見ないで蹴る

②GKが重心を移すor動いてから蹴る

③ボールのスピードは遅い

ということ。


ジェフ千葉のGK立石選手には止められているが、実は成功率が高い。しかしサッカーの常識からすれば、正直、ありえないと思う。


wikipediaによると、「PKのキックが非常に独特で、ゆっくりとした助走から入り、ボールは全く見ず、相手GKの動きだけを見ながら(本人は足のすねの辺りを見ていると語っている)GKの動いた方向の逆へ蹴るのが特徴。遅めの球速でピッチを転がすように蹴るため、コロコロPKと称されている。一見楽に止められそうに見えるが、助走がボールに近づくにつれて減速し間が空くため、大抵のGKは我慢できず動いてしまう」とのこと。

ここから類推するに、遠藤さんは心理戦を仕掛けているということだ。それも極限においての。


彼はなぜこうしたPKを開発したのか?いつか聞いてみたい。

よく指導者が言う「ゴールへのパス」という原則を守ったわけではないだろうし、

球筋を読まれて防がれるリスクを減らしたいわけではないだろうし、

なぜなのだろうか?


野球でいえばプロ野球・横浜ベイスターズの多田野数人選手の60~70km/hの超スローボール「ただのボール」みたいなものだ。既存の価値観を壊すことが個性。こんな選手がもっと出て来れば、サッカーも面白くなる。




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本当にいい選手でした。いつの間にか、黄金世代のMF、小野伸二(ボーフム)、小笠原満男(鹿島)、稲本潤一(フランクフルト)などを抜き去り、この世代のNO.1MFになったといえよう。