東京散歩・旧杉並区杉並中継所 その1 | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

私がたまに行く杉並区立井草森公園。

森のような広場や水辺があり、行く度に癒されています。

 

この井草森公園は

 

通商産業省工業技術院機械技術研究所があった場所に作られており、

 

一画には今は使われていない施設、旧杉並区杉並中継所があります。

 

 

その旧杉並区杉並中継所がオープンハウスをすると聞き、行ってみました。

いつもは閉まっている門扉が空いています。

 

 

恐る恐る建物に近づくと入口も空いていたので入ってみました。

ドアのデザインが杉並区の区章みたい。

 

もしかして、模しているのかな?

 

 

廊下は軽くカーブを描いていて、この先は受付になっていました。

資料のレジュメを1部頂き、ツアー見学の時間になるまで、

 

すぐ横の会議室でパネル展示を見て下さいと言われました。

 

 

写真撮影の許可も頂きました。

但し人物が映らないようにという条件付きでした。

 

パネルの内容は頂いた資料と一緒で、どんな施設だったのか、

 

今はどう使われているのか、今後どうするのかということが書かれていました。

 

この施設は小型プレス車で収集した不燃ごみを集め、

 

最終処分場へ運搬する大型車両に積み替えるための施設でした。

 

元々は東京都の施設でしたが

 

平成12年(2000年)に杉並区へ清掃事業が移管され、

 

不燃ごみの量が減少したため、平成21年(2009年)3月31日で廃止されました。

 

なんでずっとこのままの状態だったのか不思議でしたが、東京都から移管された際、

 

20年間は清掃事業以外に使わないという条件があったためだそうです。

 

令和2年(2020年)で、その期限をすぎたため、

 

区として今後どう活用するのか検討し始めたとのこと。

 

なんで20年?と思いましたが、そういえばここは杉並病の原因となった施設。

 

杉並病とは、この周辺の住民が呼吸器疾患や皮膚病などを発症し、

 

大騒ぎになった公害です。

 

住民側はプラスチック由来のものが原因だとしている一方、

 

東京都は汚水に含まれる硫化水素が原因だとしていました。

 

結局、原因は突き止められなかったみたいですが、

 

当時杉並区に住んでいた叔母は、

 

自分にも健康被害が出るのではと、とっても心配していました。

 

そういうこともあって、長い期間が設けられたのかな?

 

杉並区の職員の方に質問するも憚られ、そのあたりは聞けませんでした。

 

 

普段使っていない施設なので、空調も入らず、とっても暑い。

 

見学ツアーが始まるのを待っている間、

 

職員の方がペットボトルのお茶を紙カップで出して下さったりして、

 

しきりと「暑くてすみませ」と仰っていましたが、

 

ここで2日間もオープンハウスをされている職員の皆さんの方が大変です。

 

パネル展示の部屋の向いの部屋が涼しいですと案内され、

 

ちょっと覗かせて頂きました。

入った右手は受付のようでした。

 

今でも電話やファックスが置いてありました。

 

繋がっているのかな?

 

 

左手は給湯室やロッカー。

休憩とかされていたのかな。

 

ここも閉鎖した当時のままだそうです。

 

 

廊下も見学。

壁に当時の断面図が残っていました。

 

施設見学ができたようです。

 

 

ジオラマも残っていました。

今いるのは真ん中の白い建物。

 

奥は井草森公園です。

 

右手前の駐車場の場所には現在、保育園が建っています。

 

これで位置関係がはっきり把握できました。

 

 

更に案内図も残っていました。

パネル展示の部屋は会議室、涼しい部屋は事務室だったそうです。

 

地下2階まで見学できると聞いているので楽しみ。

 

なんて思っていたら、いよいよツアーが始まるというので、

 

受付の前まで戻りました。

 

 

使われていない施設なので、下に行くほど足元がぬめると聞き、

 

また必要だったら防塵対策のマスクを配布しますと言われました。

 

私はマスク持参だったのでOK。

 

女性の職員の方の先導で、いよいよ施設に入ります。

渡り廊下には大量の不織布マスクの段ボールが置かれていました。

 

今は防災拠点として、こういうものを備蓄しているそうです。

 

 

この段ボールの反対側の窓から下を見ると…。

車路が見えました。

 

不燃ごみを運んで来た小型プレス車や最終処分場へ持って行く大型車両は、

 

建物の右奥から手前に走って来て、施設を出て行っていたようです。

 

この後、建物の右手奥の車路へも出ることになっています。

 

 

更に進むと、今度は「かん」の回収コンテナに消毒液がたっぷり。

災害が起きた場合、3日間を乗り切れる体制を構築したいのだそうです。

 

 

この渡り廊下は見学路だったようで、上から地下を見ることができました。

この機械を取り除いて、それから何に活用すべきか…というのを検討しています。

 

 

見学路の名残の説明パネル。

集塵・脱臭設備と書いてあります。

 

ここでホコリやニオイを取ってから排気塔で外へ出しているという説明。

 

こういうものも閉鎖した当時のまま。

 

時間が止まっています。

 

 

いよいよ地下の施設に入ります。

職員の方のすぐ後ろについて歩いていたおじいさんが、

 

右手を挙げては後ろを振り返って「こっちです」と言ったりして、

 

勝手にツアーガイド気どりでした。

 

それがおかしくておかして、吹き出さないようにするのに必死でした。

 

 

上から見た集塵・脱臭設備です。

綺麗になった空気が、このダクトを通って排出されていたのでしょう。

 

 

サイレンサーと書かれた機械もありました。

中継所の見学ではないので、何の機械なのかという説明はほぼなし。

 

この大きな機械を撤去するのにも莫大な費用が掛かること、

 

区の財政に影響がでるのかなどの質問が飛びました。

 

区も、建物内の機械どこまで撤去するのかなどは、

 

はっきり決めていない感じでした。

 

というのも、跡地をどうするのかによって、設計デザイン等も変わり、

 

撤去もその後になるからのようです。

 

場合によってはデザイン的に残すという可能性もあるようです。

 

ただ、この部屋の機械の撤去は決まっているとのことで、

 

この機械が無くなったら、外に置いてある防災用の資材などを移すそうです。

 

では外の様子を…と言われ、

 

活用のアイデアの一つに挙がっている施設のための

 

デモンストレーションを見学することになりました。

 

 

写真が多くなったので、後編はまた明日バイバイ

 

 

 

今回のおでかけ

★旧杉並区杉並中継所

 住所:東京都杉並区井草4-15-18

 公式ウェブサイト:旧杉並中継所の跡地活用(杉並区)

 

 

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