☆ 川上摩須屋敷跡
丹後国熊野郡
京都府京丹後市久美浜町須田
(詳細住所不明、アクセスは下部地図参照)
(車の停め置き不可、近くの「湯舟坂古代の丘公園」前、または衆良神社前にて)
「熊野郡誌」の衆良神社の条には以下が記されています。
━━大字須田は河上摩須居住の地にして、小字下山は其の館跡なりといひ、古来平民の此山に居住するを忌む。又殿垣、オノミヤ(王の宮か)などの地名ありて、此処を館跡なりともいへど、下山の方正しきが如し。河上摩須は丹波道主王の外舅にして、上代地方の豪族たりしなり━━
また「川上摩須屋敷跡」の条には以下が記されています。
━━川上村字須田小字シモ山は、川上麻須の屋敷跡といひ傳ふ。現今薮地にして、数段より成れる高燥の地なり。四方の展望殊に佳、屋敷跡として比類なき適地なり、尚小字オノ宮を一に屋敷跡ともいひ傳ふ。現今畑地にして土中石垣の痕跡をも存し、廣濶にして名族の屋敷跡たりし事は、一見して其の當時を物語れるものヽ如し。何れも徴證すべきものなければ確定する事は困難なるも、地形上より推考するに、小字シモ山の方眞に近からん乎━━
往時は外祖父として絶大な権力を有していたことは想像に難くありません。
当地は久美浜湾に流入する「川上谷川」中流域の西岸、久美浜町「須田」。奥地の伯耆峠は「王家の谷」とも称されます。
当伝承地の東側丘陵内には、川上摩須を祀ると考えられる衆良神社が鎮座しています。また西側には「与一谷遺跡」があるとのこと。詳細地は不明ながら、「湯舟坂古代の丘公園」の案内板を伺う限りではおおよその位置は推定できたかと思います。
