☆ 飛鳥宮跡 (旧 伝飛鳥板蓋宮跡)



大和国高市郡
奈良県高市郡明日香村岡
(遺跡前に停め置きました)



旧称「飛鳥板蓋宮跡」。近年の発掘調査により複合遺跡であることが判明、「飛鳥宮跡」と改称されたとのこと。国史指定。

既に「飛鳥板蓋宮跡」として記事を上げていますが、史跡が全面リニューアルされていることから、その記事を残しつつ新たに記事をUPします。

複合遺跡の内わけは
* 舒明天皇の「飛鳥岡本宮」
* 皇極天皇の「飛鳥板蓋宮」
* 斉明天皇の「後飛鳥岡本宮」
* 天武・持統天皇の「飛鳥浄御原宮」

◎舒明天皇~持統天皇の遷宮等経緯
【舒明天皇】
* 629年 … 舒明天皇即位
* 630年 … 「飛鳥岡本宮」を営む
* 636年 … 火災で焼失し「田中宮」に遷宮(田中廃寺跡、田中町の嚴島神社参照)
* 640年 … 「厩坂宮」に遷宮(現在の「石川町」)
* 640年 … 「百済宮」に遷宮(吉備春日神社の隣接地)
【皇極天皇】
* 642年 … 皇極天皇即位
* 643年 … 小墾田宮へ遷幸

* 644年 … 「飛鳥板蓋宮」へ遷幸
【孝徳天皇】
* 645年 … 「乙巳の変」起こる、皇極天皇譲位、孝徳天皇即位
* 白雉三年(652年) … 「難波長柄豊碕宮」に遷宮
* 白雉四年(653年) … 皇祖母尊(元皇極天皇)と中大兄皇子が孝徳天皇を捨てて「倭飛鳥河辺行宮」に遷幸(「稲淵」か)
【斉明天皇(重祚)】
* 655年 … 斉明天皇が重祚(元皇極天皇が再び皇位継承)、「飛鳥板蓋宮」に遷幸
* 655年 … 「飛鳥川原宮」に遷宮(川原寺跡)
* 656年 … 「後岡本宮」に遷宮
* 661年 … 「朝倉橘広庭宮」に遷宮(福岡県朝倉市または高知市朝倉)
【天智天皇・弘文天皇】
* 667年 … 天智天皇即位、「近江大津宮」に遷宮
* 672年 … 「壬申の乱」が起こる
* 672年 … 弘文天皇(大友皇子)即位か
【天武天皇】
* 673年 … 天武天皇即位、「飛鳥浄御原宮」に遷宮
【持統天皇】
* 690年 … 持統天皇即位
* 694年 … 「藤原京」に遷宮(以降、文武・元明朝まで続く)

「飛鳥浄御原宮」と名付けられたのは天武天皇の崩御直前のこと。宮は「飛鳥岡本宮」であり、側に造られた大極殿風の「エビノコ大殿」を含めたものとされています。

「飛鳥浄御原宮」の構成要素は「内郭」と「エビノコ郭」という塀囲みのもの。
「内郭」が「飛鳥岡本宮」で東西約158m、南北約197m。
「エビノコ郭」は掘立柱建物の「エビノコ大殿」を中心とした区画。現在の明日香村役場の東隣。

文字で表すのも困難であるため、なるべく早めに橿考研に出向いて復元図や復元模型などの写真を収めて記事を改めたいと思います。また今回は写真に収めていない「エビノコ郭」周辺も撮影したいと思います。

ちなみに「飛鳥宮」という名称は存在しません。複合宮跡の総称として2016年に初めて称したもの。また俗に言う「飛鳥京」という名称も正式には存在せず、あくまでも通称。




東方を撮影。「飛鳥の神奈備山」と考えている「岡寺山」「藤本山」「細川山」を(→ 続「飛鳥の甘奈備山」考)。



「内郭」の建物の一部。

「井戸跡」

志貴皇子の歌碑。








*誤字・脱字・誤記等無きよう努めますが、もし発見されました際はご指摘頂けますとさいわいです。