橿森神社


美濃国厚見郡
岐阜市若宮町1-8
(P無し、近隣コインP等利用)

■祭神
市隼雄命


岐阜市の市街地内、「金華山」(標高329m)の南西尾根続きの「上加納山」の裾に鎮座する社。
◎岐阜市は「金華山」山頂に築かれた岐阜城を中心に栄えた城下町。標高10mほどの平野部の中に聳え立つ山は、現在でも岐阜市のシンボル的存在。その美麗な山容と合わせ、上古は「神奈備山」として認識されていたことと思います。文献によると原初は「金山」、中世頃より「稲葉山」と称されていたようです。
◎創建は景行天皇の御代と伝わります。また社殿背後にある「駒爪岩」に、神人が駒に乗って降ったと伝わっているとのこと。「駒爪岩」は露出岩盤で、概観したところでは4ヶ所に及び隆起しています。「金華山」は露出した岩盤が多い山のようですが、この部分が突出しています。上古からの信仰があったものと思われます。社伝に言う「神人」が市隼雄命を指すのかどうかは不明。
◎ご祭神の市隼雄命は五十瓊敷入彦命と妃の渟熨斗姫命との間の御子と伝わります。五十瓊敷入彦命は記紀に配偶者や子女があったとは記されず、当地のみの伝承。伊奈波神社に伝わる「美濃国第三宮因幡写本縁起」に記されるとのこと。そこでは陸奥を平定した五十瓊敷入彦命が、讒言を着せられ朝敵に。当地で最期を迎えたと(→ 伊奈波神社の記事参照)。
◎「金華山」を中心とした近隣には、五十瓊敷入彦命を祀る伊奈波神社、妃の渟熨斗姫命を祀る金神社、そして御子を祀る当社と一族の社が鎮座しています。五十瓊敷入彦命石上神宮に太刀一千口を納め、また鍛部(カヌチベ)を率いていました。一族は当地で鉄を採り、鍛冶を行っていたと思われます。
◎時代は降って織田信長は当地で「楽市楽座」を開き、市神を当社の御神木である榎の木の元に祀ったとされます。その二代目の榎が社号標の前にあったようですが、2022年6月30日に倒木、伐採されたようです。現在境内には岐阜信長神社が鎮座しています。






以下「駒爪岩」を。




上方にも祠が鎮座しています。










岐阜信長神社